PandoraPartyProject

シナリオ詳細

月と海が重なる島

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング



 この世界の九十パーセントは海に囲まれている──。

 『海穹聖帝』……それがこの世界の名前。
 この世界の島と言う島は存在しないに等しく、殆どの生物が海中、そして空中に暮らしている。そんな海と穹の世界である。
 先程殆ど存在しないとは言ったが、それは数少ない島と言う名の陸地は海上に顔を出す程度の岩だったり、その岩の集合体だったりする為である。
 そんな岩がその世界にはそれなりに存在するが……特異運命座標を含む他の世界の民が想像する程の陸の発見は望めないだろう。
 そんな世界でも夜になれば美しい月が見える。

「今回あなた方にお願いするのは、海上へ登って頂きまして……月の力を新月から満月へと変わる十五日間をかけて集めて頂きたいのです」
 その世界へ降り立ったのは『ダメ人間に見える』佐藤 美咲 (p3p009818)を含めた六人の特異運命座標。彼等の海中での事情は海中探索者と言った特異運命座標とも似た役割の旅人に扮していた。
 そんな旅人へ依頼を出したのはこの魔法堂に身を置く海底魔女・シャールズ。どこか色香を覚えるような雰囲気で話す彼女の願いは切実なものだった。
「月の力は偉大なのです。海が焦がれても穹の国程に手が届かない……穹の国の方々はとても羨ましい事で……」
 なんでも今研究中の魔法に月の力がとても必要なのだと言う。
「見事十五日間の日を経て月の力を持って帰ってきてくれたなら……わたくし、お礼は弾ませて頂く所存です」
 んふ、と色っぽい頬笑みを浮かべてみれば頬を染める特異運命座標も中には居るだろうか。
「海上へお送り致しますわ。さ、こちらのゲートへ」
 案内するシャールズは特異運命座標をゲートへ優しく押し込むと……ポツリと呟いた。
「ぁ。このゲート、ちゃんと十五日間達成しないと帰りのゲートは出現しませんので……ふふ、悪しからず」
「は?」
 特異運命座標達がそんな声を零したのはとても遅かった。





「あ〜もう、やられたっス!!」
 叫ぶ美咲の目の前に広がるのは、然程大きくない無人島の砂浜。観光目的で来れたならきっと楽しめたであろう。
「こうなったら仕方ないっスね……」
 大人しく十五日間の無人島生活を始めよう。

NMコメント

 月熾です。
 リクエスト、ありがとうございます!

 何やら重要な任務が近いとの事で、参加枠を六枠ご用意しました。
 是非ご参加下さいましたなら幸いです。

●目的
 15日間(新月から満月まで)生存する
(15日間生存するだけで月の力も自然と抽出され、シャールズからの依頼も自動的に達成されます)

●世界設定
 海と穹と月の世界『海穹聖帝』
 この世界では二つの国「海の国」と「穹の国」があり、点々とする僅かな陸地は互いの中立領地になります。
 今回は「穹の国」の民は出てくる事はありませんが、様々な種類の鳥の種族も存在します。

 特異運命座標が放り出された無人島は島の反対側へ向かうのに徒歩15分と言う小さな島(この世界最大)です。
 ちょっとした小さな森はあります。

●出来る事
 無人島サバイバル生活をマイペースに楽しもう!
 シャールズは不便がないように最低限の道具(釣り道具、斧、鎌等)をセットで持たせてくれたようです。
 これを駆使して小さな森を攻略するも良し、15日間月の観察をするも良し、友達と偶然持ってきていたカードゲームを広げるのも良いでしょう。
 ですが最終日に近づくにつれて飢え・渇きとの戦いも発生してくる事でしょう。それをメインにプレイングを書いて頂くのも良し。

 大事な事はこの15日間を生き延びる事なのです。

●サンプルプレイング
 無人島に放り出すなんて……あの姉ちゃんマジで性悪じゃん!!
 戻ったらぜってぇとっちめてやる!!
 にしても……周りは本っ当に海ばっかりだよな……あ
 食料調達の為にも釣りをしようぜ!
 誰がよく釣れたかで勝負だ!
 そうと決まれば……俺がいっちばーん!
 ズルいも何もねーぜ! 楽しんだもん勝ちだっつーの!
 でもずっと釣りだと飽きそうだな……ま、月の様子とか見つつも絶対乗り切ってやるぜ!!



 それでは、ご参加お待ちしております!

  • 月と海が重なる島完了
  • NM名月熾
  • 種別リクエスト(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月10日 22時05分
  • 参加人数6/6人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

グレイシア=オルトバーン(p3p000111)
勇者と生きる魔王
リュグナー(p3p000614)
虚言の境界
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き
クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)
海淵の祭司
佐藤 美咲(p3p009818)
無職
※参加確定済み※
ノット・イコール(p3p009887)
想いの届人

リプレイ



 新月である初日。
 六人は大きく分けて二つ。雨風が凌げる居住スペースの確保、食材や飲料水の確保に行動する事にしたようだ。

「こーなったら仕方ないっスね。15日間、手元にあるもので過ごしていくしか……」
 言いながら荷物を漁るのは『ダメ人間に見える』佐藤 美咲(p3p009818)。
「後戻りできぬ時に最後の情報を洩らす‥‥‥あの者、中々やり手だな。
 っと感心している場合ではないな、この15日間を生き残る為に我がすべきことは‥‥‥ふむ、サバイバル後半への備えであろうか。情報屋として得た知識がこの世界でも通用するかは分からぬが、折角の機会だ。一つずつ試すのも良かろう
 ──幸い、時間はたっぷりあるのでな」
 クククと笑うのは『虚言の境界』リュグナー(p3p000614)。
「月の光を集めるのは別に良いんだが…
どうやって集めんだ? とりあえず過ごしてりゃ良いのか? 休暇と思ってのんびり過ごすか」
 『竜撃』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)は月をちらりと見上げつつ。
「突然放り込まれてしまった事は問題だが、15日間…およそ二週間程度ならば、休暇と考えて過ごすとしよう」
 『知識の蒐集者』グレイシア=オルトバーン(p3p000111)はさてどうしたものかと辺りを見渡しながら。
「ふーむ。まあ問題あるまい。少なくとも食料は、海に潜れば色々あるじゃろ。
 ……しかし、変わった世界じゃな」
 海種である『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)は気楽に構えながら。
「神秘的な話だなぁと思って聞いてたけど、まさか現実的なサバイバルとはね……。こうして道具が揃えてある以上、害意は無さそうだし気楽に行こうか」
 『特異運命座標』ノット・イコール(p3p009887)は何とかなるとまずは島の偵察の準備を進めた。



「──よっと、お待たせ。
 島の概観は確認したよ。ざっくりとこんな感じだね」
 ノットが飛行による島の偵察から帰って来て他の五人も集まる。島の全体像を砂に木の棒で大体を描いてみる。
「この世界最大規模の陸地がコレか。
 なるほど……いくら最大であっても、このサイズならば無人島になるのも致し方なし」
 ため息を着くグレイシアは続ける。
「まぁ、まずは衣食住……少なくとも、食と住は確保しておかねば。
 タープとハンモックがあれば、とりあえず住は何とかなりそうなのだが……少なくとも、斧や鎌を用いて枝葉を集め、森の木を利用して簡易の雨避けくらいは作っておきたいところだ」
「だな……あとは雨避けなら屋根も欲しいところだ。雨が降るのか知らねえが、降ったら身体が冷えて体力が持っていかれる」
 グレイシアの意見にルカは頷き森の方へ目線を向ける。
「なら住の方はグレイシア達に任せよう。我はいずれ来るであろう飢えと渇きに備え、主に食料と水分調達を行おうか」
「あ、じゃあボクもリュグナーさんを手伝うよ、丁度水分調達について考えていたんだ。魔法とかで出せる人居るならそれも有りだけど、こういう状況じゃ魔力の節約も大事だからね」
 濾過道具とか鍋も支給品にあるから安全な水も作れるし、いざとなった時に誰でも水を作れるようにしておこうとノットは考えを巡らせる。
「では我は海に行くとしよう。海種である我だからこそ出来る事じゃ。なに、魚には困らぬようにしてくれよう!」
 故郷と似た環境にクレマァダは胸をポンと叩いて得意げな表情を浮かべた。
 すると暫く荷物を漁っていた美咲がふぅとため息をついて
「……あれ、身体を洗うのに使えそうなものが見当たらないですね。このままだと温かい濡れタオルで身体を拭く感じでスかねー……。
 じゃあ風呂作りましょう……! 可能な限り早く……! いかにダメ人間と言われようとも、流石に15日間風呂なしは淑女としてアウトでス……!」
「だな。風呂は木桶を作って水入れて、熱した石でも入れればいけるだろ。木桶はいくらか作っておいて雨水を溜め込むのにも使いたいな」
 美咲の意見にルカや他の仲間達からも賛成の声が上がり、ではそろそろとそれぞれ別行動を始める事にした。



 ──数時間後。
「屋根はこんなもんで良いだろ」
「うむ。15日を過ごす事を考えれば、まぁ問題ないであろう」
 一息つくルカとグレイシアの元へ
「食料と水分、調達出来たよ」
「水の濾過についてもノットの飲み込みが早くて助かる。我は”作る”事に置いては不器用であるが故……この調子なら暫く後に飲める水を得られる事だろう」
 リュグナーとノットは大量の木の実やフルーツ、野菜をその両手に抱えながらそう報告した。
 するとドサッと小さめの籠を置いたのはクレマァダ。中には……色々な種類の魚が入っていた。
「ふふん……我の力を持ってすればこの程度……しかしどの魚が食べられるかはわからん! 食えるものを調理してくれ!」
 海に潜り音の反響で周囲の状況を把握しながら漁に出たものの、食べられる魚がどれかもわからず適当に狩ってきたようだった。
「風呂も並行で作りつつちょっとしたサウナの準備も出来ましたっス。道具が揃ってたっスから、当初の予定より早く作れたのは収穫っス
 衛生って面ではこれでも問題は無いんスけど……日本人である以上やっぱ風呂入りたいっスね」
「ニホンジン? ってのはよくわからねぇがまぁ……こっちも屋根は男と女が一緒ってのもなんだから二個作ってたぜ。これで不便はないだろ」
「うむ。焚き火も常に維持出来るよう、雨避け対策も施したしこれで万全であろう。
 あと食料は吾輩に預けてくれ。料理には自信がある、調味料も調べたところ揃っているようだし……不満にはさせんだろう」
「おお、それはいい」
「食と住についてはさほど心配はなくなったな」
 あとはのんびり暮らすのもいい。何せまだ15日もあるのだから。

 ──5日後。
「森ももう探索し尽くしたか?」
「海も……周辺は大体把握したかの……」
「空も特に何もなさそうだしね……」
 この5日間探索に粘ってみたが、とうとうそれも調べ尽くしてしまった一行。
「あとはのんびり過ごすしかないな……敵もいないし」
「んまぁ私には風呂を作るというミッションが残ってるスけどね!」
「じゃあそれも手伝うとするか、如何せん何もやる事がないのはいけない」
「助かるっス!」
 当初予定していた事は思っていたよりも道具が充実していた為にやり尽くしてしまったようにも思えた。残るは美咲が地道に進めていた風呂を作ると言う目標。娯楽の一つにもなり得ると考え、一人二人と作業を手伝い始める。
「あとは釣りかね。クレマァダが潜ってはくれているが、やはり隠れる魚もいるだろう」
「ま、まぁな……魚は警戒心が強い故、やはり我だけでは難しい」
「だな。じゃあ俺達も釣り組に加わるか」
 そう話し合い風呂を作る組、魚を調達する組とで別れ、今日の作業へと戻る一行。その様子は少しずつ疲れも見え始めているようにも思えた。

 ──10日後。
「飽きた……」
 最初にそう呟いたのは意外にもルカだった。
「魚と野菜ばっか食って、釣りばっかして……でかい動物もいねえから肉もあんま食えねえし、何よりやることがねえ!!」
 敵もいねえしこんなんじゃなまっちまうぜ……と住み慣れた過酷な砂漠の土地、ラサを恋しく思う。
 小さな島故に探索し尽くし果物や食べれそうな植物、魚もあまり釣れなくなってきた故の不満が溜まっているようだった。
「15日間がここまで長いとは……我も嘗めていたかもしれん。確かにやれる事が少なくなってきたからな」
「いくら食に彩りを加えても肝心の食料が手に入らなくてはレパートリーも絞られる、か……」
 皆が皆生き残る方面へ集中した為、娯楽方面へ手をつける者がどうやら美咲の温泉ぐらいだったらしく。普段忙しくしてる者程、この空いた時間にダレてしまうのは無理もない話だった。
「くそー……我慢とか忍耐勝負ってやつか? 俺の苦手分野だぜ……」
 ルカがまたため息を着くと、その隣でクレマァダがすくりと立ち上がる。
「ええい情けないぞ! ……まぁとは言えじゃ、我もこの空虚な時間をどうしたものか……あ」
 何か思いついたクレマァダは自身の荷物を漁り……フィル・ハー・マジックを手に戻ってくる。
「歌でも歌おう。この無聊をなぐさめるためには一番手っ取り早い。幸い楽器も持ってきてあることじゃし」
「なるほど、歌か……。クレマァダの歌ならそれも悪くは無いな」
「さて何から歌おうか……
 そうさな。絶海の竜を打倒した特異運命座標たちの話とか、かの」
 あの絶望の青を静寂の青に変えた英雄の詩を。

 ──14日後。
「風呂が完成したスよー!!」
「「「おおー!」」」
 無人島生活14日目……ほぼ最終日にして美咲待望の風呂が出来たようだ。大きめの岩を削って足のついた大きな鍋を作り、これに竹か木で作ったパイプで取水、排水パイプをつければ湯沸かし器になり
 あとは木材で木の風呂釜を作り、冷水とお湯のバランスで温度を調整も出来るらしい。
 何はともあれ疲れ切っていた特異運命座標一行が待ちに待っていた瞬間だったのは間違いない。
「風呂桶で身体を流すと一緒に汗も流れ、清めた身体を湯船で温めるこの感覚……! あぁー……やっぱ風呂はこうでないとー……」
 男女で一箇所ずつ作成したのも、ここまで時間がかかってしまった要因だがそれもまぁ仕方ない。
「完成するのがサバイバル生活の終盤になってしまいましたが、それでも作ったかいはありました……」
 極楽、極楽とはよく言ったもので、この14日間に渡る疲労を一行は一気に癒したのだ。

 ──15日後。
「15日……意外と終わってみるとあっという間だったね」
 最初は確かにビックリしたけど、モンスターも居なくてのどかだったし……良い経験をさせて貰えたよ。ノットが帰路へ続くゲートへ乗り込む際に思いを馳せる。



 さぁ、漸く自分の街へ帰れる。

成否

成功

状態異常

なし

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