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シナリオ詳細

イレギュラーズVSジャック・ザ・ウェディングドレス

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●悲鳴と怒り
 美しいドレスで誰からも祝される。
 その日一番の主役で幸福が溢れ出る。
 これからの未来さえ、自分だけのものみたいに。
 ──そう笑うあなたが、堪らなく憎い。


 麗らかな朝、純白のウェディングドレスをまとった花嫁が今、愛と希望に胸を抱き未来へ──。
「きゃああぁああっ!!!?」
 似つかわしくない悲鳴が会場を包み、黒い影が横切っていく。
 残された花嫁は無残に切り裂かれたドレスを抱いて泣いていた。
 彼女は間違いなく、今日一番の美しい花嫁になるはずだったというのに。
 もう見る影もなく萎み、悲しみの底に沈んでいた。


●ジャック・ザ・ウェディングドレスの成敗
 境界図書館、その一室にてあなたたちを出迎えたのは純白のドレスを着たラプンツェルだった。
 普段は自然におろしている金髪を軽くまとめ、レースを飾った姿には見覚えがある。
「今日のお話のテーマ! 分かる?」
 花嫁だと誰かが言うとラプンツェルは得意気に微笑んで、正解と叫ぶ。
 それからいつものように本の頭上に掲げる。
「ウェディング専門のファッションデザイナーのグリーちゃん、覚えてる人いるかな?」
 彼ないし彼女からの再びの依頼であり、ちょっと荒事なのだとラプンツェルが話し出す。
 ここ最近、ウェディングドレスが引き裂かれる事件が多発しているのだ。
 しかもみな、前撮りや本番前のリハーサルで、だ。
 そのせいで、結婚式のキャンセルや泣き寝入りする花嫁がなんと多いことか。
「だからみんなに、捕らえて欲しいんだ。警察に突き出す為にね」
 グリーを始めとした関係者一同はカンカンに怒っていて、どうしても自分たちで問い詰めて正式に罰したいのだ。
 だから捕まえるだけで殺さないで欲しいとラプンツェルが重ねて言う。
「とっても速い以外は何も情報がないんだ。だから囮とか罠とかで、どうにか誘い出して」
 よろしくお願いね、とラプンツェルはあなたたちの無事を祈りながら送り出すのだった。

NMコメント

ごきげんよう、桜蝶です。
新しいシナリオで境界名声が必要だと聞いて!
楽しみです!

●世界説明
 そこそこメルヘンですが割合普通の世界です

●目標
 ジャック・ザ・ウェディングドレスを捕まえる

●他に出来そうな事
 お説教

●敵
『ジャック・ザ・ウェディングドレス』
三人組です。速いだけで戦闘力は皆無。
ドレスを切り裂くナイフくらいしか無いです。
動機は下記の感じ。
プロポーズ直後に恋人をイケメンに奪われた
結婚詐欺に遭った
結婚にしたいけど年齢イコール恋人いない

●依頼人
ウェディング専門のファッションデザイナー、グリーちゃん。
初登場はシナリオ『世界で一番、その前に』
読まなくても大丈夫です

  • イレギュラーズVSジャック・ザ・ウェディングドレス完了
  • NM名桜蝶 京嵐
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月09日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

アルプス・ローダー(p3p000034)
特異運命座標
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者
チュチュ・あなたのねこ(p3p009231)
優しくて不確かなすべて
フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)
挫けぬ笑顔

リプレイ

●三人組はどこに消えたのか?
「来てくれたわね、イレギュラーズ」
 イレギュラーズを出迎えたグリーちゃんは浅黒い肌にうっすら汗をかいていて、憔悴していた。
 おそらく直前までドレスを直したり、花嫁たちを慰めていたのだろう。
 チラッと見えた控え室からすすり泣く背中が痛ましい。
 グリーちゃんの話によると、他の関係者やスタッフも三人組を探してくれているがなかなか捕まらないそうだ。
「人のウェディングドレスを裂くのは流石に許せないね。一生物の思い出になることだし」
 『テント設営師』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)がその背中たちを見つめて眉を寄せる。
「成程、とんでもない怪人が現れたものですね。しかし一体どうしてウェディングドレスを台無しに……?」
 『二輪』アルプス・ローダー(p3p000034)も悲しそうに目を伏せ、しかしどうしてドレスなのかと疑問を浮かべる。
 それに答えたのは『猪突!邁進!』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)だった。
「喜ばしい結婚式でその象徴と言えばドレスだからだろ。しかし、なんとまぁ人騒がせな奴もいたものだ」
 やれやれ、とため息が地に落ちる寸前にふふ、と小さく歌うような声が届いた。
「切り裂かれてみるのも、なんだか背徳的で良いじゃない? それじゃあ私、囮役をやらせて頂戴な」
 チュチュ・あなたのねこ(p3p009231)が囁き、けれど私サイズのドレスはあるかしらとグリーちゃんを仰ぎ見る。それにグリーちゃんが用意するわと衣装室へ消える。
「それなら私たちは、空き部屋を用意して貰いましょう」
 フォルトゥナリアがブレンダとアルプスに声を掛け、作戦を詰め合わせていく。

●囮で誘い出そう!
 グリーちゃんが小柄なチュチュに合わせたストレートラインのシンプルなドレスだった。
「ええ、ええ。これなら大切な尻尾は見えないし、動きやすいわ」
 そうしてチュチュの準備ができたところで、
 ブレンダとフォルトゥナリアがスタッフのフリをしてチュチュの両隣に位置。
「準備は整ったかしら? ……行くわよ」
 グリーちゃんとスタッフがブライズルームの扉を開き、チュチュの手を取ってブレンダが歩き出す。
 チュチュの足がブライズルームから廊下におろされた瞬間だった。足元に黒い影が飛来する。
 ブレンダの手を借りたチュチュが後ろにくるりと回って回避し、そのブレンダもチュチュを回す手とは反対の手を下手へ向けて黒い影たちの足元を狙う。
「!?」
 犯人たちもまさか、標的に逃げられるとは思わなかったのだろう。戸惑いから一瞬の隙が生まれてしまう。
 そしてその隙に突っ込んでくるのがアルプスである。
 ブライズルーム周辺の廊下で周回しながら待ち構えていたのだ。
 わざとスピードを徐々にあげ、犯人たちの逃げ込む先を誘導していく。
 犯人たちのうち、ひとりがアルプスの執拗な追い回しに力尽きたのか、足を滑らす。
 しかし諦め悪く立ち上がって逃げ出す──が。
「残念、チェックメイトです」
 その先には待機していたフォルトゥナリア。神気閃光をすれ違い様に放てば女は廊下に沈んだ。
 一方、廊下での戦いではひょろりと長い男とチュチュが互いの攻撃を回避しては足元を狙う死闘(?)をしていた。
「いやぁん……でも、お尻は、だーめ。尻尾が見えちゃうでしょう? だから、そこはダメなの」
 うっそりとした声で囁きながらもチュチュは避け、相手の頭を踏みつける。
 そこにウェントゥス・シニストラの刃が煌めいた。ブレンダだ。
「帽子もダメなんだろ?」
 青白い剣は男の太ももとズボンの間を正確に貫き、廊下の壁に刺さった。
 男の戦意が完全に喪失したことを認めた二人は一応縛り、最初の部屋に連れていく。
 最後のひとりは体力が有り余っているのか、自棄なのか。廊下の壁を走ってみたりとアルプスと良い勝負だ。
「まったく、しつこいバイクだ……!」
 しかし混沌でもスピード狂と恐れられるアルプスに敵うはずは無く。
 急ブレーキからのUターンで真っ向から向かえば犯人の男は轢き殺されると思ったのだろう。そのままふらりと気絶したのだった。
「あれ? まだ何も撃ってないのに…………」

●そういえばなんで、切り裂くの?
 最初の控え室は今や取調室となり、険悪なムードが漂っている。
 三人組はそれぞれ、高手小手縛りにされて地面に座らせられていた。
「それで、私の大切なドレスたちを破いて回った動機は?」
 グリーちゃんが怒りを滲ませて問えば、それぞれ一人ずつが語り出す。
 最初の女は結婚詐欺に遭った腹いせだったと語った。相手は海外在住でもう逃げられたから念晴らしが出来なかったそうだ。
 次にひょろりと長い男が語るところによると、長年付き合ってるはずの人がいたらしい。
 自分の内定が確定したのでプロポーズしたところ、同じタイミングでイケメンの先輩に告白され奪われたのだった。
 最後の男はずっとスポーツばかりで恋愛に縁がなく、しかし同期のライバルは結婚ラッシュで焦っているらしかった。
 最初に口を開いたのはフォルトゥナリアであなたたちも大変な思いをしたのだろうけどねと前置きする。
「どんな理由があっても人の着てる服を切り裂いたりして危害を加えるのは良くないことだよ。それでも真っ当に生きていって欲しいというのが、叩きのめしてしまってなんだけど私の願いだよ」
「そもそもお前たちは何がしたいんだ。ドレスを破いても何もならないだろう。だいたいこんなことをやっても恋人はできんぞ?」
 続いて一通り話を聞いて呆れ返った声を出したのはブレンダだった。こんなことをするくらいなら自分を磨けば良いのにと深いため息が出る。
「自身の特別な体験を奪われた事には同情しますが。けれどあなた達が本当に願っていたのは幸せになることだったはずで、人から幸せを奪うことではないはず」
 それから三人組の話を何とも言えない顔で聞いていたアルプスが、罪を償ってから新しい幸せを探してはどうですかとそっと口を開いて優しく諭す。
「今回の所業は結婚というものに対する怒りが原動力になってのこと……でも貴方達、やっていることは単なる性犯罪よ? ……すけべ」
 最後にチュチュがクスクスと笑いながら足を見せつけるように組み換える。
 その後、三人組はすっかり項垂れた様子で警察に連行されて行った。
「さて、帰るとしよう。花嫁たちの綺麗な姿を見れないのは残念だが」
 すると、ドレスを台無しにされた花嫁たちがお礼がしたいと四人を引き留める。
 四人は顔を見合わせて頷くと、チュチュの着替えを待ってから併設のカフェでケーキを頂くことになった。
「美味しいです、ここのケーキ。やっぱりウェディングケーキも?」
 フォルトゥナリアがこの式場を選んだ理由はもしかして、と聞けばそうなのと楽しそうな返事が帰ってくる。
チュチュも自身が食べれそうなケーキに舌鼓をうち、機嫌良く笑う。
「まあ、ふふ。とても美味しいわ。それに店内もステキ」
 それにショートヘアの花嫁が微笑み、そうでしょと同意を示す。
「次はもっといい結婚式ができるといいな。もっと綺麗なドレスを着て沢山笑えるようなそんな結婚式を」
 ブレンダが上品に微笑んで言えば花嫁たちは勿論よと笑顔で返して次のプランの理想を口々に話し出す。
 ちなみにアルプスも一応カフェには来たが流石にガソリンは無いということで所在なく座っている──ことはなかった。
 普通に近所の式場と連携しているガソリンスタンドで好みのガソリンを奢って貰っていた。
「美味しいです、この世界のガソリン。ちょっとあっさりした風味で」

●次の結婚式こそ幸せに!
 ケーキもガソリンも食べ終わるころ、世界は夕暮れとなっていた。
 グリーちゃん、花嫁たち、そして式場のスタッフたちが英雄たるイレギュラーズを見送ろうと詰め掛ける。
「イレギュラーズ、ありがとう。あなたたちのお陰で、ハッピーエンドよ」
 グリーちゃんが代表して礼を述べ、一人ひとりへウェディングドレスと同じ生地で作られたポーチを贈る。
「それでは、皆さん。お元気で」
「幸せにな」
「お疲れ様でした」
「ウェディングドレス、着れて楽しかったわ」
 それぞれに別れの言葉を告げ、手を降りながら送り出しに応える。
 そうして人騒がせなジャックたちを捕まえたイレギュラーズは、みんなの感謝を受けながら帰って行ったのだった。

成否

成功

状態異常

なし

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