PandoraPartyProject

シナリオ詳細

性転換ダンジョン

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●呪われた(笑)ダンジョン
「噂のダンジョン化してる地底遺跡ってのはここで間違い無いんだな?」
「ああ、魔導具もここを示しているし、何より現地人が言うんだ。間違いない」
 ゲームとか物語でよくある展開である。
 数多のロマンや財宝を求めて、凶悪なモンスターの蔓延るダンジョンへ足を踏み入れる冒険者のお話。混沌世界でいうところの果ての迷宮に近いかもしれない。
 さておきこの世界の各地にもダンジョンという巨大な地下迷宮は存在した。
 厳密にいえば、過去に滅んだ都市等が長い年月をかけてダンジョン化するらしい。
「前回のダンジョンは探索済みで大空振りだったからな、今回は未探索だと良いんだが」
「いや、入り口がこじ開けられた痕は無かったし、今回は未探索だと思うよ」
 ダンジョンらしき遺跡へまさに挑まんとするのは二人の男。
 探索はかなり手慣れていそうな魔術師と戦史のペアだ。実際探索歴も長いらしい。
 二人は慎重に遺跡へ続く下り階段の扉をこじ開けると、中に足を踏み入れる。
「おい、罠探知発動させとけよ?」
「もうとっくにだよ。今んとこなんも反応は無いけど……」
 その罠にかかってしまったのは決してこの二人が不用心だったわけではない。
 それは彼らのいう高性能な罠探知に引っかからず、本人たちはそれにすぐ気付くことができない。かつ、彼らを“冒険者引退”にまで追い込む様な狡猾な罠だったのだ。
「ん……?」
 彼らが罠に初めて気付いたのは、戦死の付けていた胸当てが地面に落ちたことだった。
 ピッタリのサイズで付けていたそれが身体から外れて落ちるなんてことは普段なら気付かないのだが、そうしてようやく異変に気付く。
「ねえ……」
「おう……」
 先程とはまるで、打って変わったような魔術師の高い声に戦史は黙り込む。
 そしてしばらく考えて、身体の至るところをまさぐり、目尻を吊り上げながら苦笑を漏らした後で、彼(女)らは甲高い声で叫ぶのだった。
「「なんじゃこりゃあああああああああ?!?!」」

●入ると呪われるかもしれません、それでも入りますか? 『はい・はい』
「ダンジョンの探索って、何か憧れたりしませんか?」
 境界世界の案内をする『境界案内人』イヴ・マリアンヌは唐突に問いかけた。
 彼女が突拍子も無くそんなことを言う時は、大体“面白い”話がある時に限る。
「どんな世界でもダンジョンという未知の存在があれば人は挑戦し続けます。それは混沌世界にあるっていう“果ての迷宮”に挑戦するあなた達も同じでしょう?」
 確かに、イヴの言うことは間違いでもない。
 人が未知という存在に探求心に駆られてそれを解明しようとするのは、例え混沌世界であれ、全く別の世界であれ同じなのである。
 では何故イヴはまた唐突にそんな話をしたか。
「ええ、実はとある世界で未探索のダンジョンなるものが見つかりまして――」
 つまりはそのダンジョンの探索をしてこいという話である。
 彼女自身、口調から冷めた案内人と思われがちだが、暇があればあらゆる世界を観光したり、本を読んだりしているのだから、俄然そういうことに興味はある。
 だが、境界図書館の管理という仕事もある彼女にとって、なかなかそういうことには赴けないのだと(少なくともイヴは)言う。
「ダンジョンでは何が起きるか分からないので気を付けてくださいね」
 世界を繋ぎイレギュラーズを見送ったイヴは、最後に何か呟いた気がした。

「言い忘れましたけど、呪われてるって噂が――」

NMコメント

 タイトルとオープニングでお察しください。
 すまんな、これは正統派ダンジョン攻略依頼ではなくただの与太依頼なんだ……。
 お世話になっております。牡丹雪です。


●目標『性転換しながらダンジョンを探索する』
 あなた達は境界案内人に騙されました(手違いともいう)。
 何も知らないあなた達が依頼をされ踏み入れたダンジョンは、侵入者を性転換させる呪い(笑)のダンジョンだったのです!
 何も知らなかったのなら仕方ない、とりあえずダンジョンにいるうちはそのまま探索しましょう。
 ちなみに性別不明および無しは自己申告制、あるいは変化ナシとします。
 とりあえず性別変わちゃった時の反応を見せてくれやゲヘヘ。

●ロケーション『地底遺跡のダンジョン』
 随分昔に滅んだ地底都市の迷宮です。
 大きなビルの様な建造物もあることから、どこか再現性東京の様な雰囲気があります。
 地下ですが不思議な明かりで照らされているので、視界には困りません。
 その他、プレイングに書かれているものがあったりなかったりします。

●敵について
 性転換状態での戦闘がお望みの場合、プレイングにご記載ください。
 プレイングにより何かしら出現し、貴方に何かしらアクションを取ります。
 決して如何わしい展開なんて起きません。起きませんから!!

●特殊ルール
 記載の通り、このダンジョンにいる間は『性別が反転』します。
 この世界でのみ適用される呪いなので、混沌世界に戻れば混沌肯定の力で元に戻るでしょう。
 もし性転換した時の、あるいは別の性別として存在した場合のあなたを教えてください。

●アドリブについて
 本シナリオではアドリブが多めに含まれることがあります。
 アドリブがNGの場合、通信欄かプレイングに一言ご記載いただければ幸いです。

  • 性転換ダンジョン完了
  • NM名牡丹雪
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月16日 19時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

レーゲン・グリュック・フルフトバー(p3p001744)
希うアザラシ
トスト・クェント(p3p009132)
微睡む水底
ルナ・ファ・ディール(p3p009526)
探す月影
御子神・天狐(p3p009798)
善なる饂飩屋台

リプレイ

●彼は彼女、彼女は彼
 誰が何の意図で、どうしてそんな罠を仕掛けたのか心底分からない。
 もしかしたら名のある研究者や魔術師辺りが修学旅行ではしゃぐ高校生男子並みの思考でふざけて設置したものが数百年の時を経て今なお残り続けているのかもしれない。
「……OK、てめぇの身体に何が起こってるのかは分かった」
 気付かないまま随分奥まで進んできてしまった『月夜に吠える』ルナ・ファ・ディール(p3p009526)は、偶然設置されていたドレッサーのようなもので自分の姿を確認してやっと自分がどうなっているのか理解した。
 道理で走る時、胸部に少しだけ違和感があった訳だ。
「大丈夫だ、俺は冷静だ。冷静に、敵がいればぶっ殺す。邪魔な扉があればぶっ壊す」
 既に彼女を映していたドレッサーが壊されているのだから冷静じゃない。
 全く冷静じゃないのは確かだが、とにかくこの世界から一秒でも早く出るために、彼女は歩いてきた道を引き返すように走り出した。

「んだっっ」
 一方、『微睡む水底』トスト・クェント(p3p009132)は何もない場所で転んでいた。
 かくいう彼も“彼女”に身体が変化していた訳だが、男と女では足の大きさも重心の位置も違うのだから、突然感覚がおかしくなりバランスを崩したのだ。
「いったぁ……なに? ――え、なに!? なんで!?」
 起き上がったトストは、まず己の胸に手を当てて驚いた。
 普段では有り得ない、手一杯に膨らんでしまったそれは紛れもなく本物で――なぜか彼はちょっと顔を赤くしていた。
「胸が重い、足下が見辛い。そんでもって目のやりどころに困る……」
 鏡に映った自分が理想的な異性の姿をしていた時、人はこんな反応をするのだろうか。
 そんなことはさておき。
「とも、かく、こんなダンジョンとっとと踏破するしかない!」
 このままでは堪らないと、彼女もまたダンジョンの外を目指すのである。
 ――もう少し、異性になった悦びを楽しんでから……。

「おぉうなんじゃコレは、胸がスースーするのう?」
 『最高の一杯』御子神・天狐(p3p009798)もまた、身体の異変に気付いていた。
 彼女はダンジョンへ赴いた唯一の女性イレギュラーズだったが、胸元の風通しが良くなったり、歩く度に違和感があったり、素顔すらすっかり美青年の風格である。
「ワシ知っとるぞ、これトランスなんとかってヤツじゃろ」
 言うには、彼が元居た世界でそんなことを喋っていた参拝客がいたとか。
 想定外であることに変わりは無かったが、あまり動じていないのは一度異世界転生をしたウォーカーだからというのもあるだろう。面構えが違う。
 それはそれとして、驚きは少ないものの困りはしていた。
「ううむ、次からワシはトイレや温泉入るのに男女どっち行けばいいのか迷うぞ!」
 その理由は至って切実で、致命的な悩み。
 例えば昨日まで男湯を利用していた男性が、次の日突然女性に性転換していたからといって女性湯に入ることが許されることはない。その逆も然り、そのまま男湯に入れるのかと聞かれても悩ましい話だ。
「うむ、これは全力で攻略しなければならぬ。ダンジョンを駆け抜けろRTAの始まりじゃな!」
 全世界ダンジョン最速攻略を目指して、天狐は身を翻し出口を目指すのだった。
 ――ところでRTAなんて知ってるんですね、巫(覡)なのに。
「阿呆なことを抜かすでない、今時パソコンもスマホも使えない若者の方が希少種じゃろ」
 おっと、これは失礼。

「ぺ、ぺったんこのはずのグリュックの上半身と下半身に膨らみが……?」
 一方、性別という概念があやふやだった筈の『希うアザラシ』レーゲン・グリュック・フルフトバー(p3p001744)は、何やら“別の問題”に悩まされていた。
 というのもレーゲンというウォーカー、一見だと犬獣人の好青年がアザラシのぬいぐるみを抱いている様に見えるが、それは全くの逆。とある事情で魂が抜けてしまった青年の身体を、抱かれた神獣のレーゲンが操っているのだ。
 つまりこのダンジョンに足を踏み入れた彼(彼女)に何が起きたかといえば――。
「揉んだら大きくなるって知ってるけど、レーさん何もしてないっきゅよ?」
 レーゲン自身に変化は訪れなかったが、青年の身体に変化が訪れたのである。
「魂があった頃に身体あげるって言われてずっと大事にしてたのに……」
 それがダンジョンの呪いだと分かれば、誰も不幸にならなかったかもしれない。
 少なくともその考えを否定する者が傍にいなかったレーゲンは、沸々と頭から湯気が上がる感覚を覚えていた。
「このダンジョンの誰かが揉んで大きくしたっきゅ……?」
 どうしてその考えに行きついてしまったのか。
「グリュックの初めてを奪った……っきゅ?」
 それともダンジョンの呪いが彼をそうしてしまったのか。
「……ヤるっきゅ。塵にしてやるっきゅ」
 ――進撃のアザラシが今、始まる。

●性転換が生み出す悲劇
「邪魔すんじゃねぇ、俺は今気が立ってるんだ」
 ルナの怒りの鉄拳が立ち塞がった土塊を木っ端微塵に吹き飛ばす。
 一応、盗掘者に対抗するための防衛手段はふざけた呪いだけじゃないらしく、広い遺跡の各所に古めかしいゴーレムが設置されていた。
「この遺跡作った奴、マジでぶっ殺してやりてぇよ」
 時間が経つにつれ、早くここから出たいルナの苛立ちが大きくなる。
 過去にそう振舞ったことがあるから、或いはR.O.Oの立ち振る舞いがそうだからか、さらしを胸にきつく巻いた彼女の身のこなしは軽やかだった。
 ――それこそ彼女が怒りを膨らます理由でもあるが。
「……これで大体片付いたか?」
 土まみれになった手を払いながら、ルナは辺りを見回す。
 ゴーレムは数こそ沢山いたが、イレギュラーズであれば殴ればすぐ壊れる程度の強さだった故、きっとまだ合流出来てない人たちも大丈夫だろう。
 大丈――。
「あん……?」
 そう思ったルナの表情が突然怪訝なものに変わる。
 この遺跡が地下にあるということもあり、地上の雨水が流れ込み水没している場所も所々あったが、近くのそこで誰かが水しぶきを上げていたのだ。
「ごぼ、ごぼぼ……ごぼー……」
「いや、何やってんだアンタ」

 ――少し前。
「む、道が水没してる……」
 遺跡の出口を目指して一直線に進んでいたトストは、大きな水溜まりに足を止めていた。
 何があるか分からない大きな水溜まり、本来であれば迂回して別の道を行くのが賢明だが、トストは混沌世界でも泳ぎが得意なディープシーである。
「でも出口はこっち方面だし、泳げるから大丈夫だよね」
 そう言いながら水溜まりに足を踏み入れた彼女は酷く後悔することになる。
「あ、あれ、この水溜まり結構深い。ちょっと待って、何かおかしい!」
 足が付かない深さは最早湖という表現の方が正しかったが、泳ぎが得意なディープシーであればこの程度アクシデントの内に入らない。
 ……が、想定外のアクシデントは別の場所で起きていた。
「ぐ……泳ぎ辛いと思ったら、む、ねのせいか……こんな弊害があったなんて」
 そう、トスト自身が思っていたより胸が重かったことである。
 結果として、ディープシーが水に入って溺れるという奇妙な光景に……不幸はまだ続く。
「ん!? 透明な何かが水の中にいる!?」
 じたばたする足に透明の、それもブニブニした何かが触れた。
「ちょ、足に巻き付いて――ゴボボボボ……」

「技名的にこのダンジョンにはおあつらえ向きじゃろ!」
 全速力で遺跡を駆け抜けていた天狐のブルーコメット・TSがゴーレムを貫く。
 おあつらえ向きというのは、ブルーコメット・TSのTS(TwinStrike)を性転換という意味のTS(TransSexual)と掛けているのだろう。
「ところで……わしのギフトまで何かおかしくなったのじゃがそれは」
 天狐のギフト、“ギブ・ミー・天啓!!”はターバンのオッサn……饂飩神を召喚する能力の筈だが、その姿がどう見ても初老の女性になっている。
 どうやらギフトで出てくる神ですら、遺跡の呪いには抗えなかったらしい。
「若くていいわね」
 肝心の神本人はやっぱり役に立たない様子。
 取り囲むゴーレムも一通り片付いたところで気にせず進もうとする天狐だが、そんな彼に高速で近付く一つの影があった。
「……グリュックの初めてを奪ったのはお前かっきゅー!!」
「のわーー!?」
 突如、自身を狙ったハンドベルの殴打を天狐はギリギリのところで回避する。
 声の主の方へ振り返ってみれば、そこにいたのは明らかに怒って我を忘れたレーゲンだった。
「グリュックに危害を加える者は全てぶっ壊すっきゅ……」
「いや待て、お主何か誤解――」
「言い訳は聞きたくないっきゅ!!」
 天狐の制止を聞かずぶっ放されたダストトゥダストは新たに動き始めたゴーレムとその背景にあった建物をいくつかぶっ壊して大爆発を引き起こす。
「グリュックはレーさんが守るって、そう誓ってたのに……これ以上グリュックを穢させたりしないっきゅ!!」
 レーゲンは泣いていた。
 自分の知らないところでグリュックの初めてが奪われていた事実に。
 グリュックを守りきることができなかった自分の不甲斐なさに。
 ――まあ、全て勘違いなのだが。
「お主、やっぱり何か勘違いして……いや、そもそもわしが分かるか?」
「…………?」
「入る時に一緒だった天狐といえば分かるかの?」
「……嘘っきゅ、入る時は女性だったっきゅ」
 性転換していたが故に起きたレーゲンの勘違いの紐が全て解かれたのは、すぐ後の話。


 それからして、イレギュラーズは程なくして性転換ダンジョンを脱出した。
 結局、罠を作った黒幕が姿を現すことは無かったが、境界図書館で報告を聞いたイヴが”面白そうな場所ですね”と呟きながら不敵な笑みを浮かべていたという。
 ――END?

成否

成功

状態異常

なし

PAGETOPPAGEBOTTOM