PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ミミック・パラダイス

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 ネクストにおける深緑……『翡翠』は現実同様迷宮森林の中にある国家だ。
 ただ、現実よりも強く排他的であり――迷宮森林に侵入し、その付近の遺跡を荒らさんとする冒険者などには容赦ない。まぁ冒険者などと言っても、やっていることが盗掘紛いの盗人であれば仕方がないとも言えるが……
「ふぅ、やれやれ。また砂嵐の方から人間どもがやってきたのか」
「しかしこんな所に遺跡があったなんて知りませんでしたね……あんまり荒らされていないようで幸いですが」
 そして今日も隣国から侵入してきた者を追い払ったのが、迷宮森林警備隊だ。
 ルドラ・ヘスを隊長として、その配下にはまた幾つもの隊が存在している――彼らはこの森を守る番人であり、不法な侵入者を許さぬ者達。そんな彼らが目にしたのは、自らたちも把握していなかった遺跡の存在だ。
 まさか不審な人影を追ってみればこんな場所が存在していたとは。
 彼らも驚いているのは――この迷宮森林は深く、広いからだ。ファルカウを中心に住まう者達と言えど、まだまだ知らぬ未知の領域も存在しており……時折こうして新たな遺跡が発見される事もあるものだ。
「うむ。一応中も見てみるか。
 もしかすれば重要な魔術道具などが存在している可能性も……んっ?」
 さすれば冒険者達を追い払ったこの隊の隊長が念のため中もと見てみれば。
 なんだあれは――入った所のすぐ近くに、これ見よがしに『宝箱』の様なモノがあるではないか。
 冒険者達はこれを手に取る事もしなかったのだろうか?
 不思議がりながらも中を確かめるべく近寄った――その時。

「う、うぁあああああ!! こ、こいつは違う――こいつはミミックだ!!」

 一瞬にして宝箱の口が一人でに開き、まるで人を飲み込むかのように――飛び掛かってきたのだ。
 そう。それは宝箱に擬態した『ミミック』という存在であったが故。
 彼らは人や動物に興味のある姿を取り、獲物が近づくのを待つ存在だ……いわば、宝箱の姿は『撒き餌』という訳であろう。もしかすれば冒険者たちがすぐに逃げ出したのはこのミミックに襲われたからかもしれない――
「た、隊長――!! くっ、隊長を離……!?」
 ともあれ仲間が襲われているのを見捨てる訳にはいかぬと一人が更に踏み込めば。
 ――気づいた。その奥には、更なる宝箱があったことに。
 それも一個や二個ではない……奥の方には山積みされている程に大量な……! ま、まさかこれが全て……!?

 ――直後。遺跡の中から轟いたのは、警備隊の悲鳴であった。


「という訳でね、どうやらゲーム内の依頼――そう。クエストが発生しているんだ」
 言うはオームス(p3y000016)である。ギルオス・ホリス(p3n000016)のアバターであるそのボールは手に一枚の紙を持ちながら集まったイレギュラーズに説明を続けて。
「目標は、新発見された遺跡に入って中を探索する事らしいね。こういう、今まで人の手が入っていなかった遺跡には古い魔術道具とか、貴重な鉱物資源とかがあったりするから調べたいらしい……んだけど、どうにも大量のミミックがいて妨害されてるみたいだ」
「ミミックって、あの宝箱の姿を取る奴?」
「そう。そのミミックだよ」
 いわゆる姿を変える能力を持つシェイプシフターという怪物の一種だ。
 まぁミミックは姿が元々宝箱なのか、別の怪物が宝箱に変じているのかはいまいちハッキリしていないそうだが……ともあれ遺跡には大量のソレがいて、中々調査が進んでいないらしい。と言うよりも数がいすぎて負傷者の方が多いとか……
「それで君たちにクエストだ。ミミックを殲滅して、中が探索できるようにするんだ!
 ちなみにミミック以外の、つまり本物の宝箱があるかは不明だ」
「あったら持って帰ってもいいかな?」
「一応この遺跡は翡翠管轄だからだめじゃないかな……? え、なに? こっそりならバレない? だ、だめだよそういうのは! ねぇ聞いてる!?」
 やれやれ、お堅いオームスはともかくとしてどうしたものか。
 ミミックは宝箱に扮していて攻撃力がかなり高いという……ただ、なんでも『火』に弱いそうだ。宝箱という形だからだろうか――? 翡翠と言う国家の特性もあって鉄などではなく木の性質の箱らしいから、火を使うのも手かもしれない。
 幸いにして深緑と異なり翡翠は火を忌避していない。
 ……まぁ遺跡を丸ごと燃やす訳にはいかないだろうが。
 さてさてどのようにミミックたちを倒したものか――作戦を立てるとしようか。

GMコメント

●依頼達成条件
 ミミックの殲滅。

●フィールド
 翡翠に存在する、新発見された遺跡です。時刻は昼。
 地下に、まるで蟻の巣の様に広がっている地下遺跡です。が、そんなに深く地下まで広がっている訳ではないようです。むしろ横に長い様な遺跡でしょう。その為、所々地上から光が零れてきている場所もあり、光源がなくても探索は可能なほどです。
 ただ、松明など光源があったら隅々まで見渡せて便利かもしれません。

 『蟻の巣』と先述したように、多くの通路と、時折ちょっと広めの部屋が沢山ある構造です。通路は大体最大で三人広がる事が出来ます。部屋や通路の途中には至る所に『宝箱』があります……

●ミミック
 宝箱に偽装している魔物です。
 人間などを引き寄せ、そして奇襲する様な性質を持っています。
 この遺跡……このミミックがめっちゃ沢山います。
 ある部屋にはギッチリ詰まっているレベルです。お前ら偽装する気あるのか。
 ちなみに彼らは戦闘状態にある、もしくは人が見ていない場面では普通に動きます。なんかどこに仕舞ってたのか不明ですが足生えてくるらしいですマジかよ。

 性質上、奇襲特化が故か攻撃力やクリティカルが高めな様です。
 しかし弱点として『火』に弱いという傾向があります。
 火に関する記述がされたアクティブスキルや、何かしらの道具などを用いるとダメージが増える可能性があります。あ、余談ですが深緑と異なり翡翠は火を使う事に躊躇いがありませんので、存分に振るっていただいて構いません。

 ただ遺跡が全焼すると元々の目的である『調査』が出来なくなり困るらしいので、フィールド全部燃やすのはお止めください。だめだぞ。絶対だめだぞ!

●オームス(p3y000016)
 ギルオス・ホリスのアバターです。囮にでもしてください。

●ROOとは
 練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
 練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
 R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
 練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
 自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline

※重要な備考『デスカウント』
 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
 現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。

  • ミミック・パラダイス完了
  • GM名茶零四
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2021年06月30日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

Teth=Steiner(p3x002831)
Lightning-Magus
ファン・ドルド(p3x005073)
仮想ファンドマネージャ
ハーヴェイ(p3x006562)
心にゴリラ
ひめにゃこ(p3x008456)
勧善懲悪超絶美少女姫天使
エイラ(p3x008595)
水底に揺蕩う月の花
指差・ヨシカ(p3x009033)
プリンセスセレナーデ
ミミサキ(p3x009818)
うわキツ
フィーネ(p3x009867)
ヒーラー

リプレイ


 ミミック――実際に会った事があるかはともあれ、その存在を知っている人はきっと多いだろう。宝箱に扮した魔物……だが。
「ミミックを最初に考えた人って滅茶苦茶性格悪くないです? 宝箱なんだから普通にアイテムくださいよ! どこの練達の科学者がこんなの設置したんですか、この――!!」
 よっしゃー騙されたー! という顔でも想定しているんでしょう! と憤慨しているのは『勧善懲悪超絶美少女姫天使』ひめにゃこ(p3x008456)である。ミミックなど製作者の悪意の塊……イラッとするのです、許すまじ!! え、しますよね? しませんか!?
 だがまぁいざ攻略する際、既に『いる』と分かっていればやりようはある。
 奴らが不躾なのは突如として襲ってくるからだ――ならばと視線を向けるのは。
「さぁ、ファンさん、ひめの可愛い装備収集の為にバッチリ探知しちゃってください!」
「ええ――このクエスト……大量に潜むミミックが相手とは、レーダーマップの性能をベンチマークする良い機会です。彼らの反応をどこまで捕まえられるか、検証してみましょう」
 『仮想ファンドマネージャ』ファン・ドルド(p3x005073)である。彼の視界の端には――一つの、まるでレーダーマップが如き代物が表示されている。それは周囲の全てのモンスターやNPCの存在を光点で表示するモノ。
 反応があればそれは宝箱ではなくミミックであると見破るに容易い――
 おおいるわいるわ。レーダーマップに激しく反応が前から。
「宝箱状態では偽装が働くのでは、とも思いましたが……どうやらそうではないようですね。これならばファン様のレーダーを主として進んでいけるでしょうか」
「しかし不測の事態というのは如何なる場面にもつきものです。注意は怠らずに行きましょう」
 はい――と、ファン・ドルドへと声を掛けたのはフィーネ(p3x009867)である。彼女はレーダーとは別に、周囲の反響を捉える耳をもって……探知外のミミックなどがいないか警戒を行っていた。
 なるべく大きめの音をこまめに出して周囲を見据えよう。何度も出し続ければミミックに勘付かれるやもしれぬ故に慎重に――しかし沢山の宝箱にしてミミックとは。
「……ちょっと見てみたかったのです」
 微かに心臓が高鳴る様な音がする。
 ――だが仕事は仕事としてしっかりと! 頭を振るい前を見据えれ、ば。
「ファン~レーダー、便利ぃ。でも、歩く時は慎重にね~戦闘が上手く行くかは別だし~」
「全く。いくらメジャーだからって、こんなにバラ撒かなくてもいーだろ? ……しかし見難いトコってのは、いいアイテムを隠してある事がままあるモンだけどな。こう、隠し扉とかもあったりしてよ――マジの宝箱、あったりしねぇ?」
 同時。ファン・ドルドのレーダー探知に従いながら『仄光せし金爛月花』エイラ(p3x008595)と『Lightning-Magus』Teth=Steiner(p3x002831)も歩を進めるものだ――
 彼が言うには、最も近い反応がこの先に四つほどあるという。
 ならばきっと実際に戦闘段階に入るのもそう遠くはない筈だ。
 尋常ならざる堅さを持つエイラが先頭を突き進みいざの奇襲にも備えて、そしてTeth=Steinerはその手に光源となり得る鬼火を。周囲を照らし視界の確保を行うと共に警戒するのだ――
 もしかしたらミミックに紛れて『本物の宝箱』があるかもしれない。それはファン・ドルドのレーダーには探知されないのだから……まぁ本物が無かったとしてもミミックの目視確認にもなるものだ。
「床に痕跡が残ってたり、なんてな。動くんだろ連中? ならよ――埃が積もってたりしない場所とかあれば『動いた』痕跡って事だしミミックじゃね?」
「そうね――でもミミックというと、最近はめっきり【スカ】なイメージが強いのよね……出会ってもあんまり楽しくはないかもしれないわ」
 そしてTeth=Steinerが照らす先――小部屋の様な部屋が見えてくれば、戦いの気配に思わず『プリンセスセレナーデ』指差・ヨシカ(p3x009033)は吐息を零してしまうものだ。
 ミミック。ひと昔前のゲームなら経験値を沢山くれたり、結構レアなアイテムをドロップしたりするイメージだったけれど……今はただ『厄介な敵』『ハズレ』というイメージの方が前面にある気がする。もしかすればここのミミックもそうなのではないか――?

「今日もご安全に、進めて行きましょう」

 それでも依頼なれば無気力で挑む訳もなし。
 Teth=Steinerが期待するように価値ある本物の宝箱があるかもしれぬからと奮い立たせれば――皆でミミックを討滅すべく、部屋へと突入した。さすればファン・ドルドのレーダー通り敵が四体――ならば。
「ひゅー! ダンジョンにミミックとは定番の組み合わせだが、こいつはちょっと多すぎるな!」
 でも燃やせるならおっけーです、と往くは『回し車大好き』ハーヴェイ(p3x006562)である! 翡翠は火を忌避しないとはいえ自然を大事にしていない訳ではない――が、遺跡の中なれば存分に振るえよう!
「全部灰にしてやるぜー! ヒャッハー! ミミックは全焼だ――!
 ……あっ、ミミサキ以外な!」
「ちょっと。私は巻き込まないでくださいスよ? 分かってるますよね?」
 ハーヴェイの一撃がミミックらを襲撃する――その中で、ある意味戦々恐々たる思いでこの戦いに挑むのは『開けてください』ミミサキ(p3x009818)だ――
 何故ならば彼女のアバターは……ミミックであるが故に!!
 ぶっちゃけ作戦会議中ミミックをボコるだの奇襲するだの物騒過ぎて落ち着かなかったものである……いや己の事ではないと分かってはいるのだが!
「……まー。私も容赦はしませんが。
 同族? そんなのに引っ張られるとでも思うんスか?
 手加減してほしかったらショタっ子か美少女か金を蓄えてから来いってんですよ」
 ともあれ彼女は同種族と言えど、慈悲はなし。
 敵の撃を反射せんとする加護を己に振るえば――前へと積極的に往くものだ。


 ミミック達は獲物を引き寄せ一気に襲撃する者達である――
 故に対象を攻撃する力が強い代わりに、守勢には慣れておらぬのが彼らで。
「もぉ~大人しくしておいてよねぇ。そのぐらいの攻撃なら全然へっちゃらなんだよ~」
「驚いて慌てて反撃してくるようなミミックは大したもんじゃないスね」
 必死の反撃もエイラやミミサキが受け止めんとすれば大した事はないものだ。
 いやそればかりか、エイラと共にある電気くらげの性質が彼らに痺れさせるような痛みを伴わせる――そこへと紡ぐのは、今度は風に乗って彷徨うくらげ型の火の玉。
 直撃すれば弾ける様に。木製のミミック達には強く痛みとなって――
「こんなに多いんじゃミミック生態系に影響を及ぼしてしまいそうだぜ~!
 間引きだ間引き~! 汚物は消毒、じゃない全焼だ――!!」
「生憎、俺様は火炎系のヤツは習得してねぇが――超高熱で消し飛ばす事なら出来るぜ?」
 更に続く形でハーヴェイとTeth=Steinerの攻勢も仕掛けられるものだ。エイラの一撃により燃え盛っている個体へハーヴェイがトドメが如き一撃を繰り出せば、残存の連中を纏めて薙ぎ払わんとTeth=Steinerが生じさせるは高熱の果て。
 それは炎――と言うよりも圧倒的な滅却の最中に巻き起こる余波の熱だ。
 明確な炎でなくても何の問題もない。要は、奴らを叩き潰してしまえばよいのだから!
「でも味方を巻き込まない様にだけは注意しないとね――
 全く! こういう狭い地形は戦いづらくて仕方がないわ!」
 同時、指差・ヨシカは魔法陣を展開し――さすれば巨大な杭を射出するように一閃。
 Teth=Steiner同様に連中を圧し潰すものだ。
 いずれの力も大規模に敵を払える反面、もしも混戦状況に陥った場合は味方をも巻き込んでしまう危険性を孕んでいる――故に、こうして先手を取れたこの刹那に全霊をもって叩き込んでいる訳だが。
 あっという間に数を減らしていくミミック達。
 成程、ひとまずここは大きな被害もなくどうにかなりそうだ――
「ですが、今の内に万全を期しておきましょう。向こうから襲撃してこないとも限りませんしね」
「それに私のレーダーも万能とは限りません。
 もしもミミック達の中に、より隠密に優れる者がいれば……
 探知を抜けてくる者がいるかもしれませんからね」
 であればとフィーネが己の治癒薬を皆に行きわたらせて回復を。
 している間に、最後のミミックを抜刀にて片すファン・ドルドが再度レーダーを見据える――相変わらず光点は表示されている、が。
 例えばステルス性能に特化した個体がいないと言い切れるか?
 反応がないからこれは宝箱である、という結論を下して危険な事になっても身も蓋もない――
「というわけでミミックの所在は、私のレーダーマップによればこの宝箱です。
 では、確認をお願いしますひめにゃこさん。さっき言ってたじゃないですか――
 お宝があったらこっそり教えてほしいと……コレですよコレ」
「べ、別にお宝を独り占めしようって訳じゃないですからね! ふ、ふふん!!」
 ので。ファン・ドルドが耳打ちした対象はひめにゃこである。
 眼前にあるは隅に置かれていた宝箱――レーダーには探知されていない代物であり普通の宝箱である可能性が高い! ええ。もしかしたらこの中にはひめにゃこさんの可愛い装備が入ってるかもしれませんよ。ええ。
「…………でも万一があるからちょっと確かめてみましょうかね。えい!」
 そんな風に諭されたのだが、突然不安になったひめにゃこは石を投げてみる。
 そこそこ大きめの石を――そしたらうわああめっちゃ怒って走ってくるミミックだああ!!
「まーあっちもこっちもミミックだらけスね、分かってた事ですけど」
「早期に見つける事が出来て何よりと思っておきましょうか……それにしてもなんていうか、こういうマッピングとかをしているとゲームしてる! って感じでテンションが上がるわね! やっぱりマップは虱潰しにしてこそ!」
「ぴええええひめを助けてくださーい!!」
 追いかけられるひめにゃこ。ミミサキと、少しずつでもマップが解明されていくことにどことなく高揚感を覚えるヨシカが撃を放ちてミミックを押しのければ――さぁ次のミミック共を探しに行くとしようか!


 また一つ。また一つと順次ダンジョンを攻略していくイレギュラーズ。
 やはりファン・ドルドのレーダー探知がそのスムーズさに一役以上買っていたか――時折ステルス性能に優れた個体はいるものの、それでも大半を探知出来ているこの能力が非常に役立っていた。
 新発見されたダンジョンがどんどん攻略されていく――ああ――
「ううーん楽しいねぇ! リアルなVRだとこうも視覚情報から得る事の出来るヒントが多いなんて……あ、ここの壁ちょっと色が違う気がするね。鉱石でも埋まってるのかな? メモしておこう!」
「ミミックが影にいるかもしれないのでお気をつけて。彼らも移動している事があるみたいですので……どれ程の知能をもってかはわかりませんが」
 この遺跡が解明される度に指差・ヨシカは正に『ゲーム』の感覚であると目を輝かせる。あぁあまだ荒らされてない宝島の様な地に先行して入れるばかりか苦難を押しのけ先に進めるとは……!
 背後からの奇襲などを受けませんように、と言うフィーネの言は勿論耳に留めながら調査を続行するものだ。後は宝箱とミミックを見分ける手段が何かあれば幸いなのだが……
「……この炭ですとか、近づけたら何か反応はないでしょうか。
 燃え盛った後の匂いでも彼らが勘付いてくれれば……」
「ん~試してみてもいいかもねぇ。
 まぁ大丈夫大丈夫ぅいざとなったらエイラがなんとかするんだよ~」
 もしも外れれば敵を引き寄せる事になるかもしれないが――しかしエイラは相変わらず間延びした言を紡ぎながら、言う。
 己は死を引き受ける者だから、と。
 何か危機が陥ろうとも己が全てなんとかしよう――それにしても本物宝箱は本当にあるのだろうか?
「あるならあるぅないならないだね~。大事なものぉしまい込むのもぉ分かるからぁ。そのままにぃしておいたほうがいいものもあればぁ、見つけたヒトのためにぃ用意されたものならぁもらうべきだねぇ。それがきっと宝箱に課せられた役目なんだよぉ」
「ていうかマジの宝があったらどーする?
 少しだけなら……なぁ、ちょっとだけならいいじゃねーかよーぅ」
「だ、だめだよ、うわぁモフモフしてもダメなんだからね!」
 ここまで遠方からの援護射撃などを行っていたオームスの身にしがみつかんとする様に全身でモフモフを堪能するTeth=Steiner。おっ? なんだこいつ、結構以上にモフモフで……あぁ~極楽に沈んでいく~
「なら差し詰め、ミミック達は本物を護るための守護者スかね――っと?」
 瞬間。ランプで周囲を照らすミミサキが気づいた――
 少し大きめの部屋がこの先にある事に。
 ……なんだか酷く嫌な予感がする、と思いファン・ドルドの方へ視線を向ければ。
「――反応が一切ありませんね。しかし、ここまでの道中を鑑みるに部屋に一切ミミックが存在してないなど考えられない事態です――故にここはひめにゃこさんのお仕事ですね?」
「え、何? ひめのお仕事? どゆこと?」
「この先には非常に多くの宝箱があると見受けられます! お分かりですか、つまりひめさんに似合うプリティな今だけ限定装備がこの先にある可能性が――よし、走り抜けていきましたね」
 警戒しながら通路を歩いていた中、センターにドヤ顔で陣取っていたひめにゃこを突撃させるッ――! これで安全地帯ならよし。そうでなかったとしても――

「ぐへへ他の人には悪いですが、これもひめの可愛い装備の為……
 独り占めじゃありません。可愛い可愛いひめにとって当然の権利――ぴぇ?」

 彼女の悲鳴が轟くような事があれば事態をすぐ理解できるものだ。
 そして案の定突入したひめの助けを求める声が生じる。やっぱりこうだったね!
「さぁ、文字通りのお星様になっちまいな! 宝箱から解放してやんよ!!」
「ヒャッハー! 多分ここが最後の部屋だ――!
 後は思いっきり全力ぶち込むだけだぜ――!」
 大量の涙と共に逃げてくるひめにゃこ――の後ろを穿つようにTeth=Steinerの、星が如き一撃がミミック共を捉える! 一気に殲滅だ容赦はするまい。地に這うミミックは今ぞ闇夜に煌めくお星様になるのだと。
 そしてそれを潜り抜ける者あらばハーヴェイが確実に始末するものだ。
 入口の外で見守る様に。確実に、逃がすまいとする撃をもって――うーんしかし。
「うーん、それにしてもそろそろちゃんと名前つけないと駄目だなコレ!
 技名……どんなんがいいんだ? 汚物は消毒だ~とかでもいいのか?」
 メタ的な悩みを口にしながらハーヴェイは思考するものだ。
 名前……名前はなんとも悩ましいものである……格好いい系か、それともネタ系か……駄目だ考えが纏まらない! 回し車! 回し車を回さないとテンションが上がらない! うぉぉぉぉ――カラカラさせてくれ――!!
 まぁとりあえず今は目の前のミミックである!
 逃げるひめにゃこ。受け止めるエイラにミミサキ。
 そこへと撃を紡ぐのがTeth=Steineやヨシカ、ファン・ドルドやハーヴェイ。
 ミミックの反撃があらばフィーネが絶えず治癒を施して――
「まーたく。ミミックならレアドロップするように何かアイテムぐらいもっておけってもんスよ。その気配を冒険者たちは感じ取るんスから……」
 次々と倒れていく同胞――同胞? 達に声を紡ぐのはミミサキだ。
 アイテムドロップも果たさぬミミックに何の意味があるのかと……まーこれだけのミミックが巣くっている施設など、どうせ碌な物ではないのだ。殲滅する勢いで焼き払っても特に不都合は……んっ?
「……なんスかその視線。私は悪いミミックじゃありませんよ?
 むしろミミック社会の未来を憂う、良いミミックです」
「ミミックに良いと悪いがあるのでしょうか……あれ? ひめにゃこさんはどちらに?」
 と、その時。ミミックを全て撃滅した事をフィーネが確認し――て?
 あれさっきめっちゃ泣きながら逃走していたひめにゃこは何処へ?
 探せどおらぬ彼女の気配――と、思っていれば。

「ピィー! 助けてぇ――!! いくらひめが可愛いからって、こんなのは~!」
「えっ、ちょっとなにあれまだミミックがい……トレイン!? なんでこっちに連れてくるの!? トレインはマナー違反でしょ!? やめてよ! ちょっと!」

 ぎゃあああマップのどこを駆け抜けてきたのか残存のミミックをひめが引き連れてきたああああ! ちょっと、まずいって! それはまずいって!! ヨシカがめっちゃ叫ぶが既に時遅し――
 ミミックの波に飲み込まれるひめにゃこ。同時に自爆スイッチを、あポチッとな。
「ひめにゃこさん、それはまずいですよ!」
「あはは~まぁこうなるよね~」
 ファン・ドルドが物陰に緊急退避。エイラが陽気な声を挙げながら。
 生じた爆発が――残存のミミック達を纏めて薙ぎ払ったとか!

成否

成功

MVP

ファン・ドルド(p3x005073)
仮想ファンドマネージャ

状態異常

ひめにゃこ(p3x008456)[死亡]
勧善懲悪超絶美少女姫天使
指差・ヨシカ(p3x009033)[死亡]
プリンセスセレナーデ

あとがき

 宝箱だと思ってたのにミミックだと「うわあああ」ってなりますよね!
 なんだか思い出深い存在です……
 ありがとうございました!!

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