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シナリオ詳細

<ヴィーグリーズ会戦>奴隷商を妨げし怨恨

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<ヴィーグリーズ会戦>
『クソッ……あの、あの忌々しいイレギュラーズめ!! あいつらのせいで、私の野望が全て台無しではないか!!』
 苦虫を噛みしめたような表情を浮かべているのは、<フィッツバルディ>領に領地を持つ『グランディリオ』子爵。
 彼は裏から手を引き、私利私欲を満たす為に奴隷を売買する奴隷位置を私邸で運営していた。
 だが……その奴隷市場をイレギュラーズに潰されてしまい、数ヶ月前。
 貴族となり、今迄何不自由なく過ごしていた彼にとって、辛酸をなめさせられたこの事は今迄ずっと忘れられない事件。
「まだか! 許せぬあの者達は、どこの者達だ!!』
 と、怒号を響かせる彼の下に、求むるべき情報がもたらされる。
『グランディリオ子爵。襲撃してきたあの者達の素性が分かりました』
 覆面の彼は、所謂情報屋。
 金を出し、襲撃してきた者達の素性を探らせていた様で……。
『何!? ……素性が解っただと? 誰だ! 私を苦しめた者は! 許さぬ……絶対に許さぬ……!!』
『ええ……そうでしょう。どうやらかの冒険者達は、この幻想に領地を持って居る冒険者達の様です。一人はオランジュベネに領地を持つ者。もう一人は、アーベントロート領に領を持つ者の様です』
『ふむ……そうか! ならばよし! 今こそ奴らに反撃の時! 新たな闇商人から手に入れた魔物や兵器を総動員し、奴らを殺してやろう! 我に出来ぬ事など無いのを、全て解らせてやるのだ!!』
 と、『グランディリオ』子爵は、持てる財力を全て闇商人へとつぎ込み、己に恥を掻かせたイレギュラーズ達討伐の為に討って出るのであった。

●奴隷商を妨げし怨恨
「あー……イレギュラーズの皆さん、ちょっといいです?」
 とユリーカは、周りのイレギュラーズに声を掛ける。
 ただ……いつもよりもその表情は真剣で、何らかの事件が起きている事は間違い無いだろう。
 皆が集まってくれた所には、マルク・シリングと、ピリム・リオト・エーディの姿もあって、ふたりの隣に立ったユリーカが。
「えーと……もう数ヶ月前なのですが、マルクさん、ピリムさんらが、奴隷商人を討伐しに行った事が有るのです。その元締めであったのが、<フィッツバルディ>領に領地を持つ『グランディリオ』子爵なのです」
「彼は以前、奴隷商人とつるんで奴隷を売買する、という非道な行いを自分の邸宅で行っていたのです。幸いな事に、イレギュラーズの皆さんのお陰で悪評を広められたとは言え、どうにか止める事は出来たのですが……でも企みを妨げられた彼は、その事を今もかなり恨んでいる様なのです……そして、彼に雇われた情報屋が、マルクさん、ピリムさんの領地の情報が彼に伝わってしまった様なのです」
「恐らくグランディリオ子爵は、全ての財力でもって二人の領地に攻め入ると思われるのです。そんな事をされる前に、こっちから討って出よう、というのが今回の目的なのです!」
 そしてユリーカは、幻想地域の地図を開きながら。
「『グランディリオ』子爵と、二人の領地の位置からすると、今直ぐに侵攻するとすれば……恐らくここ、幻想中部の『ヴィーグリーズの丘』の辺りが衝突地点となる筈なのです。丘、と言う名の通りこの丘はただっぴろい草原が広がる場所なのです」
「子爵は闇商人から金に物を言わせずに手に入れた魔物や兵器を出し惜しみすること無く振るってくると思われるのです。牛頭の巨人ミノタウロスや、魔力を込めて炸裂させる、移動式砲台などなのです。彼らは素早く動けない代わりに、単発の攻撃力がとても高い装備で襲撃してくると思うです。そこに、マルクさん、ピリムさんの領地から20人位の友軍は加勢出来る見込みなのですが、肝心要なのは勿論、皆さんの力なのです!」
「領地を跡形も無くブッ潰す為の武器ですから、かなり危険な戦いになると思うです。ですが、逆恨みで領民の方々が被害にあうなんて、あってはならないと思うのです……イレギュラーズの皆さんの力を総動員して、どうにかこの悪徳貴族をコテンパンにしてやって欲しいのです! 宜しく頼むのですよ!!」
 と、ユリーカは拳を振り上げるのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 とうとう幻想を取り巻く一連の事件の終結が、見えてきた様です。

 ●成功条件
   悪徳貴族『グランディリオ』子爵が率いる一軍を、全て退治する事です。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はBです。
   依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   戦闘の舞台となるのは、幻想中部にあります『ヴィーグリーズの丘』です。
   ヴィーグリーズの丘には様々な地形がありますが、今回『グランディリオ』子爵達が進軍してくるのは大草原地帯です。
   時間は夕方頃となり、天候は晴天、夕焼けに空が焼ける頃合いで、周囲には視界を妨げるようなものはありません。
   『グランディリオ』子爵達は、怒りに身を任せて進軍してくるので、彼らを迎え撃つ、という手法を取る事も可能ですし、
   逆に攻め入るというやり方も可能です。
   又、今回イレギュラーズ側にも20人程度の友軍が加勢に着きますので、友軍に対する指示もプレイングに記すようにして下さい
   

 ●士気ボーナス
   今回のシナリオでは、味方の士気を上げるプレイングをかけると判定にボーナスがかかります。

 ●討伐目標
   ・『怒りの槌』巨人ミノタウロス x 10匹
     牛頭に巨大な槌を武器として扱う、巨人ミノタウロスです。
     身長は大体2.5m程度と、皆さんよりも二回りくらい大きいです。
     武器に特殊なバッドステータスはありませんが、巨大槌を振り落して攻撃し、振り落としの一撃は単体攻撃ながらとても高い攻撃力を誇ります。
     又、体力もかなり多く、しぶとく生き残りながら攻撃をしてくる、という事になります。
   
   ・領地を崩壊させる為の、魔弾を発射出来る魔法砲台 x10機(オペレーター付き)
     砲門に魔法(炎・雷・凍のどれか)を込めた魔弾を詰めて、それを発射する事が出来る魔法砲台です。
     詰めて、発射となる為『溜2』の攻撃手段になりますが、砲弾が放たれた位置の周囲は、該当属性(炎、雷、凍)の広域範囲攻撃となり、
     該当属性のBS(業炎・ショック・氷結)が同じく広域範囲に及びます。

   ・グランシャリオ子爵に付き従う領兵達 x 20人
     貴族の名に従うしかない兵士達です。
     戦力はさほどでもありませんが、数が多いのでちょこまかと邪魔に動いたりしてヤッカイかもしれません。

   ・悪徳貴族『グランディリオ』子爵
     戦闘能力は殆どありません。
     ただ、ミノタウロス、魔法砲台の後ろにおり、決して前に出て来ませんので、こいつを倒す場合は、他のを全て倒さなければなりません。

   それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <ヴィーグリーズ会戦>奴隷商を妨げし怨恨完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年07月04日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
マルク・シリング(p3p001309)
軍師
ジェック・アーロン(p3p004755)
冠位狙撃者
ピリム・リオト・エーディ(p3p007348)
復讐者
カナメ(p3p007960)
毒亜竜脅し
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切
ジョーイ・ガ・ジョイ(p3p008783)
無銘クズ

リプレイ

●奴隷を奪われし怨み
 幻想の国を蝕む闇、裏市場での奴隷の不正売買。
 不法なる手段を使って集められた、何の罪も無い奴隷達を売買していたのは、<フィッツバルディ>領に領地を構えし一子爵である、『グランディシャリオ』子爵。
 多くの人達を悲しみへと叩き落としていった彼は……数ヶ月前、イレギュラーズの手によってその闇を暴かれ、辛酸をなめさせられた。
 しかし……彼はだからといって、大人しくしている様な小者ではなかったのだ。
 妨害をしてきたイレギュラーズの素性を調べ上げ、そして……幻想に領地を持つイレギュラーズ達を、全兵を挙げて、更に金に物を言わせて手に入れた魔物達をも仲間に引き入れ、滅ぼそうという行為を執ろうとしてきたのだ。
「……んー……グランディリオたそって、確か前に尻尾を巻いて逃げちまった方ですよねー」
 と、領地が襲われる、という報を聞いた一人である『《戦車(チャリオット)》』ピリム・リオト・エーディ(p3p007348)が棒読み気味に言うと、それに。
「いや、こいつ……奴隷に魔物買いに、ほんと、無茶苦茶なことをしてんな。子爵っても読んで字の如く、頭の方も子どもってか?」
 と吐き捨てるように言い放つのは『鳥種勇者』カイト・シャルラハ(p3p000684)。
 それに、今回領地を襲われる側となってしまったマルク・シリング(p3p001309)もこくり、と頷き。
「うん。逆恨みにしては、随分な金額を張り込んだみたいだね。僕らの領地を落としたところで、1ゴールドの得にもならないと言うのに」
「そうですねー。わざわざ脚を晒しにくるなんて、愚かで親切な方でごぜーますねー。フフ……ありがたく頂戴すると致しましょー」
 二人領地を襲われると聞いては居るものの、そこまで焦りはない。
 ……いや、ピリムは落ちついているというよりかは、楽しみにしているような感じにも聞こえるが……それは兎も角。
「まぁこれ、何かと思えばただのリベンジってやつー? 幻想の貴族の事はよく判んないけどさ、やられっぱなしで黙っていられない人なんでしょ?」
 と『二律背反』カナメ(p3p007960)が小首をかしげると、それに『霊魂使い』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)が。
「ああ。こいつはそういった性格の様だな? だが現世利益を求めるのは理解出来ない事もないが、逆恨みもいい所だ。大人しくしていれば、トドメなんかさされなかっただろうに、な」
「そうだよねー。いい大人が怒って暴力に出るなんてカッコ悪ー♪ ま、カナは暴力を振るわれるのは大好……機雷じゃないんだけどぉ……それはそれとして、分からせてあげないとね☆」
 ニコッと微笑むカナメに、何処かはっちゃけた感じで『どんまいレガシー』ジョーイ・ガ・ジョイ(p3p008783)も。
「そうですぞ! 全く奴隷の売買を潰された逆恨みで攻め込んでくるとはふてぇやろうですな! 返り討ちにして、思いっきりプギャーとしてやりましょうぞ!」
 と大笑い。
 そんな仲間達の言葉に、『仁義桜紋』亘理 義弘(p3p000398)は。
「そうだな。今回の仕事は人身売買をもくろみイレギュラーズに邪魔され、逆ギレして襲ってくるバカ貴族をとっちめる事だ」
 と言いつつ、その拳をぎゅっと握りしめて。
「言っててホントにアホな相手だが、それでも許しちゃおけねぇ。ガキが売られるのは御免だ。俺も元は孤児だったからよ。俺の世界とこっちじゃ状況が違うんだろうがよ……それでも人をモノみたいに扱う奴は許しちゃおけねぇよ。ぶん殴って落とし前つけさせねえとな」
 そんな義弘の言葉に、マルク、カイトも。
「そうだね。こんな逆恨みに突き合う理由はこちらには無い。悪逆非道の責任を、ここで撮って貰うまでだ」
「ああ。なんにせよ奴に好き勝手にさせるのはいけすかねえ。ここで終いにしてしまおうぜ!」
 そして『神翼の勇者』ジェック・アーロン(p3p004755)が、最後に。
「そうだな。逆恨みなら、こっちとしても倒しやすい。早く片付けちゃおう!」
 と、仲間達と共にイレギュラーズは、決戦の地である『ヴィーグリースの丘』へと向かうのであった。

●領を砕く者
 そしてイレギュラーズ達は、開けた丘へと陣取る。
 開けたところ故、こちらから周りは見やすいのと同時に、相手からもとても見やすい……そんな場所。
 そしてイレギュラーズ達の周りには、マルクとピリム二人の領地から、覚悟と共にやってきた友軍達が、20人程度。
 勿論、自分達の領地が襲われるのを黙って見ている訳にはいかない……という心境もあるが、それ以上に領主である二人と共に戦いたい、というのがあるだろう。
「皆、聞いて欲しい! これから戦う敵は、奴隷売買に手を染めた外道のみならず、更には国王にも反旗を翻した逆賊だ! 僕らが撒けるような相手ではないよ! 遠慮は要らない……全て蹴散らせ!」」
 と威風堂々とマルクが友軍達に発破を掛ける。
 そして、もう一人の領主、ピリムも。
「えーと……いーですかー? 皆さんは今日、何も恐れることはねーのですー。敵を始末すれば、その魂は神の下に逝き正しく造り替えられ、例え自身が力尽きても神に救われるのですからー。だからー、故に死は何のしがらみにもならねーですー。ただ目の前の敵を神に送る事だけを考えましょーねー」
 片手に(カンニング用の)イーゼラー教の経典を持ち、教義を説くかの様に演説する。
 そんな二人の言葉に、友軍の面々は一層士気を高めていき、そしてマルクは更に。
「では、皆は子爵の領兵達を対処して欲しい! こちらから積極的に領兵に仕掛けて、交戦状態に持ち込んで、主戦場の邪魔をさせない様にして欲しい! 僕が指示を取る、だから安心してくれ!」
 と友軍達へ作戦の指示を行うと、それに頷き更に士気を高める。
 そんな彼らを見て。
「おーおー、心強いでありますねー! それじゃ友軍のみなさーん、今日はしくよろであります! みなさんにやって欲しい事はマルク殿が指示してくれましたが、終わったら……悪徳貴族のサイフを奪って、その金でパーッと打上げ逝くきましょう! 金は倒した悪徳貴族のサイフから全部出させて貰うので、高い酒や上手い飯も食べ放題の飲み放題ですぞー!!」
 ジョーイがそんな事を言うと……更に更に一層士気を挙げていく友軍達。
 そして充分、イレギュラーズと友軍達の士気が高まった一方で……対するグランシャリオの軍勢。
『……ぬ? あそこに居るのは……何だ?』
 領兵達に釣れて来られるようにしながら、双眼鏡を覗き込む子爵。
 そして……その視界にイレギュラーズ、それも憎き二人を発見。
『ぐぬぬぬ……もう、こんな所まで出て来ておったか! 誰だ、またこの情報がリークされているではないか!!』
 周りの領民達に当たる子爵。
 勿論、領民達は誰しも違う、と首を振る。
『まぁ……いい! いいかお前達、あいつらをここで完膚なきまでに叩き潰すんだ! 殺せ、殺すんだ!!』
 領民達を威圧。
 そして……その背後の魔法砲台と、巨人ミノタウロスたちにも。
「いいか! お前達は金で買ったんだ! 金相応の働きをするんだぞ、いいな!!』
 と声を荒げる。
 ……そんな金に塗れた子爵の指示に従い、魔法砲台を、イレギュラーズ達の陣を射程に収める位置へと進め、ロックオン。
 そんな魔法砲台を遠くに見たジェックが。
「それにしても、またヤッカイな所に突っ込んでくるね……それに……よく魔砲砲台とか用意するお金あったね」
 と溜息をつくと、アーマデルも。
「全くだ。それじゃ始めるとするか……オレ達はまず、砲台からだな」
「そうだね。ミノタウロスはカイトとカナメ……っと。二人で10匹を相手にする事になるから、かなり大変だと思うけど……頑張ってね?」
 アーマデルとジェックの言葉に、胸を叩いてカイトが。
「ああ、任せとけ! 今日の晩餐は牛のステーキって所で、カナメ、行くぜ!」
「うん!」
 そして二人が仲間達から先行、低空飛行して近づいていき。
「さあ、鳥種勇者のカイト、行くぜっ!!」
 と名乗りながら攻めていくと、子爵が。
『おい、来たぞ! ミノタウロスたち、さぁ、行けっ!!』
 指示を与えられたミノタウロスたちが、ウォオォオ、と唸り声を上げてカイトとカナメに巨大な槌をぶんっ、と振り落してくる。
 そんな敵の攻撃をすっ、と躱したカナメは、ちょっとカイトから距離を取った位置に展開し。
「あっれー、お牛さんが逃げ出したのー? ダメだよ、家畜は家畜らしく、黙って牛乳やお肉になってればいいんだよ♪」
 からかうような表情でミノタウロスを挑発。
 とは言えミノタウロスは、さほど言葉を解する事は無い……ただただその槌を全力で振り回して、攻撃するのみ。
 更に大振りの一撃をするが、それを躱して。
「あはは! 図体が大きいだけのノロマにカナを倒せる訳ないよねー☆」
 嘲笑い、更にミノタウロスたちを挑発していく。
 そんなミノタウロスの目を欺くように、赤い翼を大きくはためかせながら、三叉蒼槍やイーグルマントを翻して、まるでマタドールの様にミノタウロスの攻撃をどんどんと惹きつけて行く。
 ……そしてミノタウロスを惹きつけてくれている間に、友軍を率いた他のイレギュラーズ達が、本陣に向けて進軍開始。
 両軍衝突、マルクの声と共に、友軍達は敵領兵達へと攻撃を開始。
 そしてイレギュラーズ達は、少し後方の、最大の破壊力を誇る砲台に向けて攻撃開始。
 砲台一つずつに、オペレーターが存在しており、その砲弾を詰め、火をつけ、発射……というローテーションで、イレギュラーズと友軍が居る所に向けて放っていく。
 勿論その一撃が直撃すれば、かなり被害を負うのは間違い無いだろう。
「先ずはオペレーターを先に倒そう。操作手が居なくなれば、弾を放つのも難しくなるだろうからな!」
 とアーマデルの言葉にピリムが。
「わかりましたー。それではー、早速ですがーひと思いに殺らせていただきますねー」
 変わらず棒読みのままだが、自己のセーフティーを外し、抜刀と同時に敵の胴と脚を一刀両断にする。
 流れる様な一閃を喰らい、声を出す事も無く……死に至ると、他のオペレーター達も驚愕の表情を浮かべ、一端立ち止る。
 そしてピリムに続きアーマデルは、英霊と共に未練の音色を奏で、オペレーター達の動きを強制的に制限。
 更に義弘は、砲台を巻き込むよう全力の暴風を巻き起こさせ、オペレーターと砲台を丸ごと叩き潰し、そしてジェックは死神の弾丸をターゲットし、一閃。
 そして後方に居たジョーイは。
「ムホホホ! 悪徳貴族は消毒ですぞー!」
 敵陣に向けてそう笑いながら、硝子の杖から放つ熱砂の一撃で反抗していく。
 ……そんなイレギュラーズ達の容赦無い一閃に、さして戦う力のないオペレーター達は次々と倒れていく。
 とは言え魔法砲台の数は10台……何とか生き残ったオペレーターは、装填した弾に火を篭めて発射準備。
 ただ、発射するまでの間にも、オペレーター達の殲滅を優先する事で……10台の内8台は、発射よりも先に何とか討伐。
 しかし二台からは弾が射出され……ミノタウロスと、友軍達の元へと発射。
「来るぞ、回避するんだ!」
 それを咄嗟に判断し、マルクが友軍を後退。
 乱戦状態の敵領兵達は、そのまま前進し……その爆風に数体巻き込まれ、吹っ飛んでしまう。
『ぬ! 何をしている!』
 子爵が怒りに声を荒げるが、オペレーター達は周りにイレギュラーズ達が居るからそんなのに構って居る暇なんてない。
 そして、砲門二撃目を喰らわせる前にはもう、全てのオペレーターは崩れ墜ち、砲台は使い物にならなってしまう。
「良し、次はミノタウロスだ!」
 と義弘の指示に従い、イレギュラーズ達はミノタウロスの下へと駆けつける。
『おい! ミノタウロス、絶対に突破させるんじゃないぞ!!』
 子爵の叫び……そしてミノタウロスらは、更に巨大槌を振り回していく。
 ……だが、そんな攻撃を受けたカナメは。
「一撃がおっも……こんなのが何度も……うぇへへ、最っ高……」
 ダメージを受けても、満面の笑みを崩す事が無い。
 勿論、敵領兵をしっかりマルクと友軍達が抑えてくれているので、イレギュラーズ達はミノタウロス退治だけに集中する事が出来る訳で。
「さぁさぁ、これからが本番だぜ! 俺達の全力の前に、立ち続けて居られるかよ!」
 と義弘は怒号を吐き捨てると共に、敵陣ど真ん中で暴れ廻る。
 それを後方から支えるが如く、後衛からジョーイが熱砂を吹き荒れさせ、ピリムも牛の手、脚を切り裂き、アーマデルが英霊を嗾ける。
 そして守勢を取っていたカイトとカナメも、仲間達と合流したからには、全力で反撃開始。
 そんなイレギュラーズの戦い方をマルクが。
「皆! あともう少しだ! 仲間達がもうすぐミノタウロスを倒す! そうすれば、後は皆の目の前の敵だけだ!」
 更なる鼓舞で元気付けし……一層士気を挙げて攻撃していく友軍。
 そんな友軍とイレギュラーズ達の共同作戦により、領地を全力で侵略しようとした一軍は、全て崩れ去っていった。

●背信者の末路
 そして、友軍と共に、全ての敵と、魔物、兵器を倒し尽くしたイレギュラーズ。
『……っ……』
 と、どうにか倒し終わった後の、イレギュラーズの目をかいくぐり、逃げ果せようとする、グランシャリオ子爵。
 ……だが、当然見逃す訳がない。
 逃げようとした彼の目の前に、カナメの二刀がグサ、グサッ、と突き立てられる。
『ひ、ひぃぃぃっ!?』
 当然の如く、取り乱す子爵にカナメは近づいていき。
「ねぇねぇ貴族さん、今どんな気分?」
 満面の笑みで問いかけるカナメに対し、子爵はぐぬぬぬ、と肩を震わせる。
「悔しい? 悔しいよね? この、見る事しか出来ないざーこ♪」
 嘲笑い、挑発するカナメ……そしてマルクが続いて。
「……もはや弁解の余地もないけど、何か言い残す事は?」
 マルクの最後通牒に、子爵は。
『た、助けてくれ! か、金なら出す! ほら、お前達は幾ら欲しい!』
 最後の最後まで、金で全て解決出来るとでも思って居るのだろうか……そんな心根まで腐りきった彼の言葉に、ジョーイは。
「そうですなぁ……とりあえず友軍全員分の食べ放題飲み放題の代金は出して貰わなければ困りますな1 勿論それだけで許すなんて甘い話ではありませぬが!」
 そんなジョーイの言葉をマルクは遮りつつ。
「兎に角、貴方は僕の村を襲おうとした……それも、力尽くで。そうすれば、僕達イレギュラーズが少しでも大人しくなると思ったのか?」
「当たり前だ! 儂の面目を潰しやがって……てめぇらが何もしなければ、儂は一財を更に築けたのだぞ!! その邪魔をしやがって……!!』
 並々ならぬ、怨念の視線。
 それほどに、彼は心底まで腐りきっていたのだろう。
「……分かった」
 すくっ、と立ち上がるマルク……そして入れ替わるようにピリムが。
『ふふ……脚ぃ……脚ぃ……!』
 彼の脚を触り、そして……一閃し、手にする。
 興奮のままに、脚を失った子爵……そして、その腕を縛ると共に。
「……後は官憲に引き渡すだけだな。お前の罪を全て伝え、厳重に裁いて貰うとしよう。爵位は失い、そして……一生牢獄から出られなくなるかもしれないな?」
『っ……!』
 数多の怒りを込めた視線で、睨み付ける子爵。
 人身売買をしていた、という事は厳罰は免れないだろう。例え……爵位があろうとも。
 そんな彼の今後はさておき……。
「良し、では皆の者、祝勝会ですぞ! 思う存分、食べて、飲んで下され!」
『『『うぉぉぉおおーーー!!』』』
 と、ジョーイの言葉に、歓喜の声を上げる友軍達なのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

友軍と共闘、熱い展開でしたね!
悪徳貴族からすれば、皆様が領地を持って居るのはつけいる隙があると思ったのかもしれませんが……イレギュラーズ達を相手にしたのが間違いだった様です……。
参加頂き、ありがとうございました!

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