シナリオ詳細
犬猿の仲
オープニング
●
「正宗殿……誠に講和はなると思うか?」
「そうだね、なるんじゃないかな? あっちは先の戦いでの敗戦で痛手を被ったはず。
対してボクらは先の戦いではさほどの損害はない。
そんなボクらの方から和平を呼びかけるんだ。向こうだって馬鹿じゃないと思うよ」
蝋燭の日に照らされた密室、薄ぼんやりとした明かりの中、男と青年が語り合う。
袴姿の男は額に汗をかきながら、ぐぅと思い悩んだ様子を見せ。
青年は余裕気に笑っている。
「なんにせよ、明日には向こうからの返礼の使者がくる。
人質も連れてね。だから、あとはキミらがさっと捺印を押せばいい」
「……むぅ、それであればいいのだが」
そう言って押し黙った男に対して、青年が立ち上がる。
「じゃあ、ボクは今日はもう寝るから。
キミも早く寝るといい。寝ぼけ眼で敵に面会して侮られたらたまらないだろう?」
障子を開いて、その場を後にする。
青年の口元には、弧を描くような笑みが刻まれていた。
――翌日。
「ぐぅぅ!?」
盟約の紡がれし場にて、男が呻く。心の臓へ突き立てられた刃に触れ、男の身体が横に揺らいでへ落ちた。
刹那の沈黙のあと、家臣団にどよめきが奔る。
「ぁ、な、なん――」
崩れ落ちる男の胴の前――青年は唖然とした表情を浮かべていた。
手に握られた短刀には鮮血。
滴り落ちる血が床を濡らしている。
(――さぁ、宴の始まりだ)
正宗は青年が複数の男達に取り押さえられていくのを眺め、口に浮かびそうになる笑みを堪えながらそっと立ち上がった。
「正宗殿!」
「うん、分かってるよ。その青年を捕らえて――首を跳ねろ。
愚かな犬山家への報復を始めよう。
直治様にはボクから伝えておくよ」
臣下の一人の声に合わせるように、正宗が笑う。
――舞台を整えよう。それがボクが望まれた在り方だ。
唖然としたまま捕らえられ、牢獄へと連れていかれる青年の視線が、正宗を見る。
それを素知らぬ顔で無視して、眼を閉じた。
思ったように運ぶ事実に、胸が躍る。
●
「猿田家と犬山家――この2つの家系は領国を接していることもあってか、まさしく犬猿の仲なのですが」
情報屋のアナイスに招集されたイレギュラーズは、カムイグラの南東部辺りに印をつけた地図を示される。
「この2つの家が近年の流れを受けて戦いが激化させてきています。
二ヶ月ほど前にこの両家がぶつかった戦いがありまして……犬山家が大敗を喫したのです。
それを契機に猿田と犬山は講和を結ぶはずでした。
その講和交渉の最終段階で猿田家当主が犬山家の使者により暗殺されてしまったのです」
「最終段階での暗殺……そのようなことが起こりえるものなのでしょうか。
それに、なぜ拙は指名されたのでしょう」
今回の招集に置いて、ただ一人指名された鬼桜 雪之丞(p3p002312)はアナイスへと問う。
「ええ、本来的に考えれば、そんなことが行なわれていいはずはありません。
そもそも、それを普通は警戒しているはずです」
雪之丞の問いにアナイスは頷いて、その後、もう一枚、資料を取り出した。
「鬼桜さんに来ていただいたのは、この案件に彼――首狩正宗が関わっている可能性が高いためです」
「あやつが……」
2ヶ月ほど前に邂逅した、かつての世界においての雪之丞の愛刀の一本でもあった妖刀、首狩正宗。
この世界で何か良からぬたくらみをしていることは明らかだった。
「ええ……ですが、問題が1つ。彼は猿田家の中枢に潜り込んでいるようです。
直接、彼に攻めかかるには少しばかり難しいと思われます。
そこで、彼の陰謀が何にせよ、その陰謀を少しずつ削ぐしか方法はないと判断しました」
「……つまりそれは」
「はい。今回、神使宛に犬山家から要請が来ています。侵攻中の猿田家の手勢を退けてほしいそうです。
犬山家の信頼を得て連携を取れるようにすれば、敵の企みを防ぐチャンスになるでしょう」
そう言ってアナイスは改めて資料を差し出した。
- 犬猿の仲完了
- GM名春野紅葉
- 種別EX
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年06月27日 22時05分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
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参加者一覧(10人)
リプレイ
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(国が荒めば野心が芽吹く、芽吹いた野心に水をやるのが誰かを見定めないと伸ばした蔓を好きに操られる)
愛馬ラムレイに跨り、『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)は静かに休息中の敵を見る。
(然して忠義はそれを無視することもある。ならば止めましょう)
手綱を軽く引っ張り、戦旗を掲げた。
「神がそれを望まれる」
ふわりと風が吹き、旗がぱたりと音を立てた。
(あやつが、武家の中枢にいるなど……)
双刀に手をかけながら、『白秘夜叉』鬼桜 雪之丞(p3p002312)は情報屋から言われていたことを思い返す。
(刀であった頃の記憶は無いようですが、やはり、宿命というものでしょうか……
何を考えているかは知りません。ですが、あれが妖刀であるなら、望むことなど、唯一つでしょう)
そこだけは恐らくは変わるまい。故に、こちらも為すべきことは一つ。
(集団同士の様々な軋轢が闘争となるのはある種必然です。
……それが仕組まれた争いならば、疾く静かに収めることが黒幕の引き出しにも繋がりましょう)
高所より望遠の如き超視力で敵陣を眺める『比翼連理・攻』桜咲 珠緒(p3p004426)はその様子を真っすぐに見る。
(なにやら陰謀の影のある依頼ですが……先ずは目の前の事に集中いたしましょう)
イルミナント・ドレスが夏日に映える『薔薇の舞踏』津久見・弥恵(p3p005208)は長い黒髪を払う。
艶やかな美しい長髪はそれゆえに夏日には少々熱をもちすぎる。
しっとりと滲む汗が額に帯びていた。
(既に血は流れている。其れは最早元には戻らず、流れた先で乾き行くのみ。
けれど、嗚呼、けれど。これ以上朱に染まらぬ様には出来ましょう。
私はただそれを願い、叶えるべく進むのみ)
抜き放つ前、錫杖姿の愛刀を立てるように持ち『帰心人心』彼岸会 無量(p3p007169)は瞑想していた。
深呼吸と共に、眼を開く。
(首狩正宗……彼が関わって居そうなんッスね)
脳裏に浮かぶ敵の顔。『琥珀の約束』鹿ノ子(p3p007279)は剣を握った。
あれは良くないものだった。放っておけば十中八九、このカムイグラに良くないことを引き起こすだろう。
(そんなことを、この豊穣で引き起こさせるわけにはいかないッス!)
握る剣に力が籠る。
(相手の陣に向かって攻め込み、対象首を狙う。これは規模は小さけれど正しく合戦。
……キサも剣士の一人として、この地から、存分に振るいましょう)
愛刀に手をかける『鬼菱ノ姫』希紗良(p3p008628)はこの小さな合戦地に剣士としての気持ちが入るのを感じていた。
(此処の国の戦士共は名乗りを行ってから戦うのか? それは随分と紳士的な集まりだな……)
ウルフィン ウルフ ロック(p3p009191)は骸槍を握り締め、ギラリと敵陣を見据え。
「……我は無礼を通させてもらうとしよう!」
獣の如く、我を貫くべく笑みを浮かべた。
(今回は敵の数も多く、大将である猿田 直虎もとても屈強な人物という噂。
わたくしも気を引き締めて全員で無事帰れるように頑張らねばなりませんわね)
『百合花の騎士』フィリーネ=ヴァレンティーヌ(p3p009867)は2mを超す大盾――タワーシールドを押し立て、馬上に思う。。
(首狩正宗……彼が関わっているのね)
愛馬に跨る『ヴァイスドラッヘ』レイリー=シュタイン(p3p007270)もまた盆地に休む敵陣の向こう側に潜む本命の敵を思う。
(碌な事考えてないだろうし、少しでもいい形で次に繋げないと……)
「司書殿、じゃあ、先陣もらうね」
イーリンに声をかけ、愛馬を少しばかり前へ進ませ、ゆるゆると進み、戦場へと走り出した。
「あれが童女(わっぱ)――否、イーリンよ。
豊穣を救った神使の一人、生きるための戦を知る者。我らは知らねばならぬ、この国を支える為に」
そんなイレギュラーズの様子を横から見るのは梅久率いる騎兵隊である。
その対象である赤い鎧の大男は、愛槍を構えて、新兵へとイレギュラーズの様子を示す。
●
敵も動きが早い。こちらが接近しきるよりも前、既に大勢を立てつつあった。
敵陣へ姿をさらして、レイリーは槍を天へ突き出すようにして見せる。
「ヴァイスドラッヘ只今参上! 故あって貴方達を止めさせてもらう!」
張り上げた声に、敵は動揺を示さない。
敵の奥から、槍を握る傷だらけの顔の男が姿を見せる。
「我々は神使です! 犬山家からの要請で貴方がたを退けに来ました!
先の暗殺による犬山家の汚名を濯ぐ為、正々堂々とした戦いを望みます」
戦場に姿を見せたイレギュラーズは名乗りを上げた。
錫杖を抜きはらい、大太刀へ。
無量は静かに刀を構えたままに敵を見る。
「音に聞く神使か――! 自分達で立ち向かわぬとは……
犬山はどこまで卑怯であるな!」
槍を振り回し、大喝を上げるそれこそが恐らくは敵の大将だろう。
宣誓の声に従うように、敵軍の前衛がレイリー目掛けて走ってくる。
「何人でもかかってくるがいい!」
レイリーは自らの盾を大きく見せるように構えながら向かってくる槍兵の槍と合わせた。
「ひととき、藤の香りに身を任せられませ……」
喊声が上がるその刹那、パンと珠緒は拍手を一つ。
ふわりと桜色の髪が風に踊り、魔力に彩られて散らばるように浮きあがる。
「――いささかに 思ひて来しを多古の浦に 咲ける藤見て 一夜経ぬべし」
くすぐるように紡ぐ短歌に合わせるように、描き出される藤色の花蔓が陣を描きだす。
炸裂したそれらは敵陣の後ろ、弓兵達に絡みついた。
「我、神使騎兵イーリン也! 猿田直虎! 卑怯とは言うまいね?」
戦旗を掲げながらイーリンは自らの立場を指し示す。
その紫苑の双眸から、魔力があふれ出す。
紅と蒼を描く螺旋の瞳が、敵陣に向けて数多の死を映し出す。
「――無辜なる者よ、救いを求めなさい」
双眸閉じた無量の第三眼が静かに開かれる。
その目が見据えるは無間、為すは絶え間なき苦痛よりも掬い上げる慈悲なる御仏の如く。
改められた一筋の閃光が一円を斬り伏せる。
2人ほどの弓兵を切り裂いた。
直虎が槍を振るい、レイリー目掛けて振り下ろす。
レイリーがそれを持ち前の防御技術で多くの勢いを殺す中、雪之丞は割り込むように走った。
「『千本傷』猿田 直虎! 神使が一人、鬼桜雪之丞。
貴殿に一騎打ちを申し込みます」
「――! 仕掛けられて応えぬとは武士の名折れ――良いだろう!」
割り込むように入った雪之丞に合わせて、直虎が間合いを開ける。
打ち込まれる槍に合わせて身を翻し、舞うようにして距離を詰め、握った双刀より連撃を紡ぐ。
槍を横たえるようにして防いだ直虎を押し込めるように、踏み込めば敵が目を見開き、次いで双眸に気力が漲った。
槍兵が直虎に従い前衛に突っ込んで行くのを見ながら、鹿ノ子は密かに走り抜ける。
視線の先、剣兵が刀を構えて迂回するように走っている。
進路上へ立ちふさがり、剣を抜いて真っすぐに。
「ここから先は僕を倒してから進んでもらうッスよ!
当てられる者あれば、やってみればいいッス!」
剣を突きつけるようにして構えれば、剣兵達も剣を構えて立ち止まる。
(いざ……参るであります!)
希紗良は戦場を走り抜ける。
前衛の槍兵と剣兵を躱して向かうは後衛の弓。
動きに気づいて弓を構えたのは1人。
身動きが偶然できたそいつへと至近するのと同時、脚を踏み込み、体重と推進力を利用して放つ外三光。
矢を番える敵の二の腕。強かな邪剣が閃く。
「誰から相手だ――我の槍の糧にしてやろう!!」
大喝するロックの全身が剥き出しになった闘志に呼応して逆立つ。
見開いた左右あわせて4つの双眸を血走らせ、雄叫びを上げた。
自分に鞭を打つようにして向かってくる敵の槍兵を相手に戯骸布を巻いた腕に闘気を籠める。
闘志を籠められた拳は赤黒く変色した包帯を引きながら真っすぐに槍兵の懐を撃ち抜いた。
「わたくし多人数のお相手も慣れておりますわ、まとめてかかっていらっしゃい!」
身の丈などゆうに超えたタワーシールドを押し立て、フィリーネは名乗り上げるように前へ押し出ていく。
美しき騎士が構える大盾は百合花を湛え、戦場の陽光を反射してきらりと輝いていた。
そこに存在するだけで異様に目立つその盾は、それだけで存在意義があるのだ。
前衛の面々が動き出すのを待って、弥恵は走る。
「多勢がきちんと陣を組んで連携をして来れば私達は容易く打ち砕かれましょう。
ですが――こちらにもやりようはありますよ」
氷上を滑るように走り抜けた弥恵は舞を踊る。
夜を照らし出す月のように、大胆に肢体を晒すその舞は鮮やかに。
白磁の如き美脚と身長ほどある美しき黒髪を振りはらう弥恵の舞踊は、戦場であることを忘れて魅入らせる。
●
フィリーネは近づいてくる槍兵の連撃を耐えていた。
4人ほどの槍兵が薙ぎ払うように振るう槍の打撃が大盾を押す。
打ち込まれる槍に合わせるように、敢えて盾を引く。
あるべき場所に打ち込む物を失ってバランスを崩した瞬間を、フィリーネは見逃さなかった。
「守るだけが盾だとは思わないでくださいね!」
踏み込むと同時、2mの大盾の質量を思いっきり叩きつければ、受けた槍兵が痺れたように動きを止める。
「流石に少しばかり数が多いですが……大丈夫でしょう」
そんなフィリーネの傍へ移動した珠緒は再び魔力を籠める。
全身を駆け巡る血の循環を疑似神経に変換させ、描き出す術式はこの戦場において最速。
数で押し込まんとする槍兵達と相対するレイリーとフィリーネ。
同じように数で攻める剣兵を抑えんとする鹿ノ子。
2箇所の味方の両方、3つの全てを超視力を以って俯瞰するように見据え――最適を選ぶ。
描き出された陣より生まれた藤の蔓が兵士達の動きを抑え込む。
疎らの矢が空を舞う。
それは数を減らした弓兵の脅威。それが後方へ飛ぶのを見ながら、弥恵は視線を眼前の兵士へ視線を向けた。
流すような艶のある瞳が周囲を囲む敵を魅了する。
撃ち込まれてくる穂先に合わせるように踏みこみ、至近。
ふわりと香る甘美な匂いに恍惚とする敵へとりついた。
しっとりとした汗さえも、敵を魅了するのだ。
「次は貴方ですか?」
間合いを開けながら浮かべた微笑に、別の剣兵が刀を構えて近づいてくる。
疎らに散る矢を潜り抜け、イーリンは身を躍らせた。
魔書が煌き、並行励起された多種の魔術が全身に駆け巡り、その身を焼いている。
「手加減は出来ないわ――死なないように気を付けてね」
溢れ出す魔力はやがて御旗を紫苑の剣へ美しく変える。
紫苑を引く魔力塊が振り抜かれた直線状を真っすぐに焼き払う。
敵の甲冑が砕けて砲撃に消し飛ばされるのが良く見える。
続けるように斬撃が奔る。
「目には目を、血には血を、刃には刃を――けれど。
今はそれを断ち斬らねばなりません――」
静かに目を閉じた無量が払った静謐なる太刀筋は弓兵をぱたりと地面に倒す。
無間より救う慈悲なる太刀に倒れた弓兵から視線を外す。
希紗良は続けるように弓兵へ走り抜けた。残り弓兵の数は2人。
片方は、希紗良の攻撃を受けて大いに負傷している。
殺さぬように心がけながら、太刀を構える。
「その命、ここで散らすべきではないのであります! 引くであります!」
此度の戦いは斬り合いなれど殺し合いではない。
それゆえにそう告げる。けれど、敵は弓を放さない。
希紗良は静かに踏み込んで連撃を撃ち込んでいった。
振り抜かれる剣、それは酷く遅く。
連続する太刀の全てを鮮やかに躱しきって、同時に鹿ノ子は踏み込んだ。
「僕に当てるには遅すぎるッスよ――」
振り抜かれた太刀が戻っていくよりも前に連撃を叩き込む。
それは猪が如く叩き斬り、鹿のように跳ね、蝶のように舞い散らす。
連撃は剣士に守りを赦さず真っすぐに走り抜けた。
ロックは敵目掛けて突貫する。
それは理性を取り除き、本能に駆ける獣のように。
(化け物らしく……いや、貴様らから見たら獣か……? それらしく戦ってやろうじゃないか)
意図的に見せるその行動に、槍兵が反応を示す。
雄叫びをあげて向かってくる敵に合わせるように狂骨を振り抜き叩きつければ、同時に踏み込む。
「この程度か――雑兵ッ!!」
恫喝するが如く雄叫びを上げ、狂骨が軋むほど力を籠める。
振り抜く狂骨を思いっきり叩きつければ、軋む獣の骨が振動を内側まで叩き込み、バランスを崩した槍兵が後退していく。
真っすぐに複数の槍兵が撃ち込んでくる。
レイリーはそれらの連撃を受け続けながら、静かに時を待つ。
連撃が終息に向かうほんの一瞬、ムーンリットナイトを竿立ちさせた。
突如起き上がった馬に動揺する様子を向けた兵士たち目掛け、レイリーは槍を叩き込んでいく。
上段からの振り下ろしに、槍兵達は自らも槍を合わせて勢いを殺すものの、合わせるようにレイリーはその上から追撃の刺突を貫かせた。
「その見事な槍捌き。相手にとって不足なし」
槍を受け流すために双刀で受けた余波が身体を打つ。
直撃しないように気を付けているが、余波だけでも十分、体勢が崩れそうになる。
その気力の大きさは、受け流した幾つかの槍捌きで大地が抉れているのを見ても通関しようというものだ。
「……ですが、拙とて崩れぬことには自信があります」
「雪之丞とやら――何たる堅牢さか!」
歓喜するように言った直虎が、頭上で槍を振り回したかと思うと、真っすぐに上段から叩き落としてくる。
ただの振り下ろしを何とか双刀で受ける。
衝撃が走り抜けていく。それに合わせるように、雪之丞は全身を走らせた。
反撃として撃ち込んだ双刀が直虎の身体に傷をつけるのに続けるように、もう一本で受けた勢い事斬撃を振り下ろす。
●
敵の数は順調に減っている。拮抗を経てこちらの優位に。
それに伴って、戦域は敵味方を区別できなければ巻き込みかねないようになっていく。
「……もう少しですね。気を引き締めなおしませんと」
倒れる兵士の数が増えているのを見て、フィリーネは呟く。
眼前には3人の槍兵。盾を構えて抑え込みながら、脳裏で紡ぐは天使の歌。
疲労感を取り除く福音の言葉をかけて気合を入れなおして、前を向いた。
珠緒はそうなっていく戦場の中、静かに呼吸する。
呼吸に伴い、全身をかける呪性の血液の流れを感じ取り――視線を敵へ。
パン、と手を叩いた瞬間、敵がこちらに視線を向ける。
「はい、こちらをご覧ください」
その言葉と同時に桜色の閃光が瞬いた。
鮮やかな閃光に魅入られて目の前にいた2人の槍兵の1人が地面へ倒れ、もう一方がうめき声をあげる。
直接的な死を齎さぬ導きの輝きに魅入られた槍兵の穂先がこちらを向く。
(もうそろそろ私も攻撃に回って良さそうですね)
目の前に立つ剣兵へ、弥恵は踏み込んだ。
反撃とばかりに剣兵が刀を振り下ろす。
真っすぐに振り下ろされる刀に対して、弥恵は情熱的に踊ってみせる。
大胆なまでのその舞踏に刀は空を裂いた。
弥恵は敢えて振り下ろされた刀を握る敵の腕をハシ、と掴み。顔を敵に近づけて笑いかける。
驚いた様子を見せた敵の足を払う。
正眼に構えて無量は再び刃を向ける。向かう先は、レイリーが抑える槍兵。
無間の苦しみからの救いを願うようにシャランと音を立てる愛刀が音を立てる。
薙ぐように振るわれた太刀は音を立てることもなく走り抜けて2人の槍兵を切り裂いた。
それは御仏の救いであるがゆえに守りなど意味をなさず、静かにその身を削り落とす。
鹿ノ子は自身へと迫る剣兵と向き合っていた。
駆け抜ける太刀筋――それに合わせるように鹿ノ子も前に出た。
真っすぐな太刀筋はしかし、不思議と鹿ノ子に当たることはなく。
傷だらけの敵目掛けて鹿ノ子は太刀を奔らせた。
「――眠ってもらうッスよ!」
踏み込み、軽やかに刻むは胡蝶の乱舞。
連続する打ち込みは華のように煌き、蝶のように舞っては嵐のように苛烈に傷を刻み――けれど命を取らぬ連撃の刃。
ロックは走り抜けた。目指すは残る剣兵。
握りしめた狂骨に闘気を集め、横殴りするように思いっきり叩きつけた。
燃え盛る闘気はロックの抱く憎悪を反映するかのように苛烈に燃え上がる。
「どうした、我の横入りに驚いているのか?」
身体に紅蓮の炎を抱きながら、驚いた様子を見せる剣兵が、ロックを見るのと同時、ロックは雄叫びを上げた。
握る太刀に力を籠め、自らに強化魔術をかけなおして――爆ぜるように駆ける。
疾走する希紗良はレイリーに迫る敵陣へ。
(残りはあの槍を持つ方々のみ)
鮮やかな斬撃は希紗良に反応してこちらを向いた敵の槍兵に傷を入れる。
射程に入った2人の槍兵の甲冑に守られていない部分から血が流れ出ていく。
「数で私は倒せぬぞ」
間合いを開けてこちらに殴りかかってくる槍兵の注意を引くように、レイリーはもう一度宣誓の言葉を継げる。
打ち込まれる槍をヴァイスドラッヘンフリューゲルで受け流すと同時、前へ。
全身を後ろへ引き、少しでも勢いをつけて殴りつけてきた槍兵へと刺突を叩き込む。
刺突を叩き込む。静かな刺突は真っすぐに敵兵の脇腹を貫いた。
軋む盾の内側でフィリーネは懐から小瓶を取り出した。
(これ以上の継戦は難しいですが……)
蓋を開いて、煽るように飲み干した。
蓄積した疲労感が、じんわりと溶けていく。
口元を軽く拭ってから、視線を立ての向こう側に向ける。
戦場に残るは槍兵のみ。
この調子ならば、耐えきれるだろう。
向けられた槍を躱して、そのまま突っ込んできた敵に対して、こちらからも盾を押し込む。
強烈な衝撃と共に向こうで槍兵の呻く声がした。
剣兵を打ち倒した弥恵は、真っすぐに残りの槍兵が存在する場所へ向かって走り出した。
「さぁ、ご覧ください――私の踊り」
割り込むようにして姿を見せた弥恵に驚きつつも、武器を構えた槍兵が撃ち込んでくる。
それらを踊りの行くままに魅せながらも躱してみせれば、動揺した槍兵達の動きが停止する。
あまりにも大きなその隙は、仲間達が撃ち抜くには十分すぎる物だ。
「後は――貴様らだな」
ロックは握りしめた狂骨を掲げるように持つと、膂力の限りに振り回し始めた。
禍々しき骨で出来た槍はぎちぎちと音を立てながらやがて風を引き起こし、槍兵達を巻き込んでいく。
戦鬼と呼ぶにふさわしき暴風の如き螺旋の技に、槍兵達が膝を屈して浅い息を吐く。
そのうちの1人がぱたりと倒れ伏した。
槍が振り下ろされる。それに合わせるように、希紗良は動いた。
後の先を穿つ凄絶な災厄の太刀は打ち込んできた槍兵の両の足を貫き、ぴたり。
「少し眠っていてほしいのであります」
上段より叩きつけるようにして振り抜かれた太刀は真っすぐに槍兵を斬り伏せた。
鹿ノ子は踏み込みと同時に爆ぜるように槍兵の懐へと潜り込んだ。
「貴方が最後の1人ッスよ」
横に薙ぐようにして愛刀を叩きつけるのを皮切りに、不殺の連撃をもう一度。
胡蝶の乱舞が槍兵の体力を削り落としていく。
最後の一撃、くるりと太刀を峰に向け、撃ち抜いた。
●
「貴殿の兵は全て倒した! 槍を収めてくれ」
長い時間が終わりに進む頃、レイリーは雪之丞と直虎の間に割り込んだ。
叩きつけられた槍を防ぎ、視線を直虎に合わせる。
「大勢は決したわ、部下の命は保証しましょう。貴方が逃げない限り」
レイリーの言葉に補足するように、イーリンは直虎へ近づいて宣告する。
「我らの為に貴重な部下をなくす必要はないだろう」
続けるようにロックも声をかける。
「――ぬ?」
ぴくりと顔をしかめた直虎が視線をさっと周囲に散らせた。
「なんということだ。武人としてこれほど恥ずかしいことはないな」
間合いを開けた直虎が微かに溜息をついて。
「この恥をどう返すか――」
ゴウ、と闘気が可視化するほど濃密な気力が男の周囲を包む。
「大人しく捕まって頂ければ助かりますが……そうは行きますまい?」
その様子を見て無量は静かに太刀を構え続けた。
「然り――将として恥を晒しておめおめと捕縛なぞされてはたまるか」
「ええ、武士とはそういうもの。なれば、刃を交わしましょう。
我々が佩いているものは、時に口よりも雄弁に語り息を吐く」
「それでこそよ――」
――刹那。
気づいた時にはレイリーは後ろに吹っ飛んでいた。
びりびりと盾を握る腕が痺れている。
反撃の刺突を叩き込んで、レイリーは一つ溜息をついた。
「――仕方ない、最後までやるしかないか」
盾を、槍を構えなおしてもう一度走り出す。
「まぁ、そうなるわよね」
対話を以っての早期解決を試みるつもりだったとはいえ、そうならないのは察していた。
イーリンは静かに呟くと、戦旗を構えて直虎の背後へと回り込んだ。
「いざ、いざ参らん――」
言葉を置いて、無量は踏み込んだ。
描き出す無限のごとき剣閃の中――最適を選び取る。
静かに結ぶ唯の一閃を、直虎が受け止めてくる。
けれど、一度で終わらぬのが無量の紡ぐ連撃の真価。
数度、最適を選び続ける連撃は痛烈に直虎の身体に傷を刻み付けていく。
幾度かあった槍の手応えが最後の一太刀には無かった。
芯を裂いた最後の一太刀が、直虎の鎧を裂いている。
傷を負う直虎を見据え、雪之丞は駆け抜けた。
「このような楽しい時間。他人に渡すなど、ありません。膝をつく間すら惜しいですから」
2つの黒を抱き、真っすぐに駆ける。
双刀は鮮やかな黒き軌跡を描きながらたたらを踏んだ直虎の体に吸い込まれていく。
剣閃が鎧を砕き、露出した鳩尾へ、柄頭を叩き込んだ。
●
戦いを終えた後もフィリーネは仲間への回復を心掛けながら、警戒を解かない。
(弱った敵はなんとやら……最後に何をしてくるか分かりませんわ。
不意打ち、奇襲その他、何をやられても対処できるようにしませんと)
敵はこちらをじっと見据えている。
「しかし、何ゆえこのような事態に……」
希紗良は応急処置を直虎へ行ないながら、ぽつりと呟いた。
聞いた話によれば、何やら企みがあるらしいが。
「どうした、ひっ捕らえたのだからとっとと殺すがいい!
治療に礼は言うが、だからと言って俺がお家を裏切ると思うなよ」
気迫をそのままに、男は真っすぐにイレギュラーズの方を見据えている。
(……キサも打ち合ってみたかったでありますな)
猛る敵に誠心誠意を示すようになるべくの事を終わらせる。
実際に応急処置をしてみれば、確かに彼は鍛え上げられている。
戦えなかったのが少しばかり惜しかった。
「……どうか貴方の家のためにも、教えてくれないか。
あれは犬山家だけじゃない。貴方達猿田家にも害をもたらすかもしれない」
ぴくりと直虎の表情が変わった。
警戒しているのか、顔を横に向けて無視を決め込んでいる。
だが、その反応自体がそもそも雄弁に物語っていると言えた。
「正宗、という名のこれくらいの背をした黒衣紅眼の青年を知っていますか?」
続けるように雪之丞は両手を縛られて武器を遠くに置かれた直虎へ声をかけた。
直虎は黙して何も語らない。けれど、僅かに彼が硬直したようには見えた。
「……でしたら、忠告を一つ」
だからこそ、雪之丞は静かに警告を告げる。
「あれは、人の形に見えますが、人ではありません。
あれが望むのは、妖刀としての本懐。数多の血と怨嗟。ゆめゆめ、油断なさらぬよう」
ただそれだけで、聞き入れてもらえるかは分からない。
それでも、あれに目の前の彼が利用されるのは、少々惜しい。
「この度、私達は犬山家の要請で参りました。
ですが、それはそれとして此方にはあの刀――正宗の思惑を防がねばならないのです」
続けるように無量は声をかけた。
奴の思惑通りに事が進むのは、単純に癪だった。
だから、今できる限りの言葉を尽くして、くさびを打つ。
無量の言葉と視線に、直虎の様子が微かに変化する。
何か、思い当たる所もあるような。そんな感じがした。
「良く分からんが……貴様の槍捌き、次に会う時は仕合おう」
権謀なぞさておき、同じ槍使いとしてロックは次があればと言葉にする。
その日が来るかは、分からない。捕縛した彼の今後など分からないのだから。
「何か中途半端なのよねぇ」
イーリンはぽつりとつぶやく。戦場に散らばる敵の数は20。
「攻め入るのなら、もっと数を用意するべきでしょう?
見たところ攻城兵器のような物も見受けられないし」
それが一番の問題だ。この程度の数で敵を滅ぼせるわけがない。
(……『攻め入り』が前線にちょっかい出すぐらいの可能性も捨てきれないけれど)
「イーリンよ」
視線を上げれば、そこには見上げる巨躯の大男――梅久。
職分を弁えて動かなかった彼らも、今は盆地に降りている。
「我らはこれから応急処置を始める」
「ええ、お願い」
忠節に厚き彼らが治療に赴くその背を見ながら、何かがカチリとはまったような気がした。
(――待って、『そもそも彼が勝たなくてもいいのだとしたら?』
本当の目的が侵攻でも牽制でもなく『御しにくい身内をさっさと排除するためなのだとしたら』――全ての説明がつかない?)
本当にそうなのだとしたら――あぁ、『殺さなくて良かった』。
殺してしまえばそれこそ敵の思うつぼだ。
「そう、そうだわ。そういうこと――」
「どうかなさいましたか?」
それに気づいたフィリーネが視線をイーリンに向ければ、イーリンは小さく口元を抑えてウインクを一つ。
このことは直虎の目の前では言わない方がいい。
(でも、この推測が当たっていたとして、問題はまだある。
――結局、敵は何を計画しているのかしら)
「今回は複製肉腫は関わってないみたいっすけど……」
鹿ノ子は視線を兵士達に向けた。
傷を負った兵士達は、どう見ても正気のそれだ。
「……ひとまずは阻止できたと思うべきッスね。
遮那さんのおわすこの豊穣を乱させるわけにはいかないッス」
天香遮那のいる京へ直接攻め寄せることは結界に遮られてできないだろう。
(だからと言って、京の外で事件が起きることを見過ごしたら遮那さんも悲しむはずッス)
数人のイレギュラーズが直虎との対話を行っている頃、珠緒は負傷者の治療を行っていた。
「動かないでくださいませ……」
兵士達を集めた珠緒は静か祝詞を紡ぐ。
癒しを齎す祝福の歌に兵士達が安堵の域を漏らす。
「ど、どうして俺達に治療なんて……」
兵士の一人が声を上げる。
「……両家の争いを煽りたいわけではありませんからね」
これから何が起こるかは分からない。
とはいえ、両家の争いを激化させたいのが敵の目的であることは分かりやすい。
そんな珠緒に従うように傷ついた兵士達を慰労するべく弥恵も動いていた。
(犬山家の皆様にも舞を披露する機会があればいいのですが……ひとまずは彼らの心をほぐしませんと。
陰謀漂う争いですもの。信用を得て懐柔しておくに越したことはありません)
思惑を実現するように、兵士達へ心を落ち着けられそうな穏やかな舞を披露する。
ステージにするには少々殺風景な自然だが、兵士達の視線が刺さるようにこちらを見ているのは感じ取っている。
●
――イレギュラーズと猿田軍が戦った日より数日後、猿田城内にて。
「おい、聞いたか正宗殿! 直虎殿が捕縛されたと言うぞ!」
「もちろん入ってるよ」
慌てふためく凡百の家臣どもが叫ぶ言葉に正宗は静かに返す。
「――でも、実際に所をいうと、君達にとっては助かるんじゃない?」
静かに笑む。愉快すぎて吊り上がりそうになる口角を何とか抑えながら、笑みを零す。
「あいつは、忠義に厚くて武勇も優れていた。戦は搦手が下手糞だったけど、そこはそれ。
――キミ達にとって、そんなアレが重要かい? 寧ろ、アレがいると困るんじゃない?」
含みそうになった嘲りを抑えながら、静かに見据えれば、凡百の者どもはぐぅと唸るばかりだった。
「大丈夫だよ、そもそも前回の戦い、数に劣ってたボク達が勝てたのは、誰のおかげだと思う?
ボクに任せておきなよ。必ずや犬山どもを根絶やしにしてあげるよ」
静かに、真っすぐに視線を向ければ、家臣共はぐぅと唸るばかり。
(……だめだね、この程度の圧に気圧されちゃうのか。ふふ、『そうでないと』)
たっぷりの侮蔑を籠めた瞳で彼らを見下ろしながら、正宗は立ち上がる。
「じゃあ、ボクは直治様の所に行ってくるよ。
あの方に今回の事と今後の事を相談しないとね」
障子をぴしゃりと叩くように閉ざして、ぺたり、ぺたりと歩みゆく。
すれ違う女中や家臣共を見下して、正宗はそこへと歩き続けた。
(敵に捕まるのは予想外だった。普通に犬山に攻められて殺されてればよかったんだけど……。
あぁでも、殺されなかったってことは、ボクのこともバレちゃったかな?
まぁいいや。あれがいないだけですごくやり易いしね)
ぴたりと立ち止まりながら、口元を袖で庇って正宗は声を上げる。
(ピースは、もう揃ってるんだから)
成否
成功
MVP
なし
状態異常
あとがき
お疲れさまでしたイレギュラーズ。
GMコメント
こんばんは、春野紅葉です。
今回は下記シナリオの続編のような形となっていますが、参照しなくても当シナリオのみでも楽しめます。
『零れ火と残影』(https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/5523)
●オーダー
【1】猿田 直虎隊の撃退
【2】猿田 直虎の捕縛
【2】は努力目標とします。
捕縛できるかどうかで今後のストーリーに影響が生じます。
●フィールド
周囲を小高い山に囲われた緩やかな盆地部です。
敵軍は盆地の中央部で陣地を整えて休憩中です。
●エネミーデータ
・『千本傷』猿田 直虎
敵軍の総大将。『虎』と名乗る通り勇猛果敢な人物です。
陣頭で長槍を振るって指揮を執り、無数の傷を受けながら生還するために二つ名がつきました。
正々堂々とした用兵を好み、挑発にも乗りやすい傾向があります。
物攻、命中、HPが高めの中距離アタッカーです。
<スキル>
虎戦槍〔突〕(A):槍を突き出して対象を貫きます。
物中貫 威力中 【万能】【追撃】
虎戦槍〔打〕(A):槍を振り下ろして対象に叩きつけます。
物中単 威力大 【体勢不利】【崩落】【停滞】【恍惚】
虎戦槍〔薙〕(A):槍を横薙ぎに払って範囲内を吹き飛ばします。
物中扇 威力大 【万能】【飛】【ブレイク】【体勢不利】
虎の咆哮(A):虎の如き咆哮を上げ、自身の位置を示します。
物特レ 威力無 【自身を中心に2レンジ以内の敵を対象】【怒り】
・猿田兵×20
猿田家の兵士です。詳細は以下に分類されます。
〔槍兵〕×10
主力部隊です。タンク兼アタッカーであり、揃って突っ込んできます。
攻撃範囲は中距離。
〔剣兵〕×5
遊撃部隊です。槍兵に比べて多少身軽で突撃を仕掛けてきます。
攻撃範囲は至近。
〔弓兵〕×5
遠距離から弓で範囲攻撃を仕掛けてきます。
攻撃範囲は遠~超遠距離。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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