シナリオ詳細
<Genius Game Next>『強い衛兵さん』たち
オープニング
●
『伝承』――それはR.O.O世界版の幻想王国と言える国家だ。
しかし今、この国は危機に瀕していた。
それは突如としてアナウンスが行われた『Genius Game Next』なる大規模イベントが発生している故だ。無論、アナウンスとはプレイヤーに対するモノであって、R.O.O世界にいる住民に対して行われたモノではない。
彼らからしてみれば青天の霹靂。
砂嵐が侵攻してくるなど『誰が予測』できただろうか――
「……困りましたね、まさか砂嵐が攻め込んでくるとは」
全く。『タイミングよく』『独自の情報網により』『砂嵐の怪しい動き』を掴んでいた、アーベントロート派のクリスチアン・バダンデールの働きが無ければ――伝承の動きはもっと遅れていたかもしれないと遊楽伯爵と言われるガブリエル・ロウ・バルツァーレクは頭を抱えていた。
――正直クリスチアンの動きには些か思う所があるのだが、まぁ追及はすまい。
今はそれ所ではない、砂嵐より至る軍勢は既に動き出しているのだ。
そして国家の位置関係上最も危機に晒されるのがバルツァーレク派の領土。
「防衛線はどうなっていますか?」
「はっ! 現在国境付近にて幾度かの交戦があったと報告が挙がっています!
しかし……砂嵐の動きは早く、フィッツバルディ領でも敵の姿が確認されたと」
西部と南部が主に攻撃を受けている報告が矢継ぎ早に挙がってくる。
……北部のアーベントロート領への攻撃が極端に薄いのは、皇帝が不在になったとはいえ『鋼鉄』との国境線があるからだろうか? まぁ『そういう事』だと思っておこう。これもまた、今追及してもどうしようもない事だ。
――とにかく。
軍の動きを迅速に、砂嵐に対して展開しなければならない。
まさか王都にまで進軍されるとは思わないが、こちらが不甲斐なければ彼らは伝承と言う国を『取って喰う』やもしれないのだから。
「は、伯爵様! 大変です! 市街地の方で――!」
瞬間。新たな報告が齎された――と思えば、それは戦線での出来事ではなかった。
息を切らして駆け込んできた兵士が言葉を発しようとした瞬間。
遠く――しかし地平線の彼方程ではない距離で、爆発音が響いた。
見据えた窓の先。そこから、街の中心部付近で黒き煙が上がっていて……
「砂嵐の工作部隊です! 市街地に入り込んだ部隊が各地で火の手を……!」
「――兵を至急向かわせてください。
入り込んできた程度なら、それほど大人数ではないでしょう」
砂嵐――なんという速さだ。流石は一度敵と見定めた者には容赦のない者達である。
再度生じる爆発音。爆薬か、魔術によるものかはわからないが……
これは攪乱の類だろう。
本格的な侵攻でなければ対処するのはまだ間に合うはず――
「は、伯爵様――!! 東の、大劇場が……!!」
しかし。
どれだけ拾おうとしても指先から零れてしまう事はあるものだ。
いやむしろ望めば望むほどに。手を広げれば広げる程に。
●
遊楽伯爵所有の大劇場がこの街にはあった。
かつては高名なサーカス団であるシルク・ドゥ・マントゥールも訪れた事があるという劇場――次なる予定では巨匠ダンテ・ウェルギリスによる演奏会が行われる筈であった。
今日はそのリハーサル日。
身内や近くの子供たちを招いて本番前の最終調整を行っていた――それだけだったのに。
「う、うぅ……」
瞬間。一人の少女が目を覚ます。
頭が痛い――何があったかと周囲を見渡せば、荘厳な劇場に火が。
そうだ、思い出した。突如の閃光が目を塞いだかと思えば己は吹き飛ばされたのだ。
――アレが爆弾であったと。
混乱する少女の思考が徐々に現実に追いつき始めれ、ば。
「うぅ、いたいよぉ……」
「えーん! えーん!!」
――最悪の光景も目に入ってくるものである。
劇場が阿鼻叫喚の渦に巻き込まれている――自らと同じ年ぐらいの者達が泣いているのだ。
爆発の衝撃に巻き込まれ痛みを訴える者。
崩落した瓦礫に腕を挟まれ、動けない者――そして自らも。
「……ッ!」
足に痛みが走る。折れてはいないと思うが、出血している様だ。
頭痛がより酷くなる。周囲の状況を理解し始めるごとに、痛み、蝕み。
まるで呪いの様に。
「げ、ほっ、ごほ」
――ステージにいたはずの父は無事だろうか?
周囲に視線を巡らせるも、姿は見えない。
それは混乱故もあるが……煙の充満もしてきているからだ。
周囲が見えづらく、そして喉に絡みつく様な黒煙が――少女を苦しめる。
咄嗟に。かつて己を助けてくれた、ある男性がくれたハンカチで口元を覆えば。
痛みに耐えつつ――なんとか新鮮な空気を求めて動き始める。
父はきっと無事な筈だ。もしかしたら少女を探している途中かもしれない。
「けほ! ごほ、ごほごほッ!!」
だから諦めたりしたりなんかだめなんだと。
目じりに。止めきれぬ涙を浮かべながら。
失ってはならぬ喉を守らんと――蹲って――
――たすけて。
掠れる声が、しかし。
喧噪の最中には誰にも届かぬ。
そう、誰にも届かぬ――筈だった。
「――――」
けれど。
少女の瞳に影が映った。煙の先に、誰かがいる。
人の影――差し伸ばされるは手であれば、それは救いの手だろうかと。
「――ぁ」
そうだ。『あの人』が言っていたではないか。
大丈夫――すぐに迎えが来ます、と。
だってこの街には。
「衛兵、さん……?」
『強い衛兵さん』達がいるのだからと。
彼女は手を握る。父と母の愛の下に生まれ――将来を切望されし一人の少女。
名は、アベリア・ウェルギリス。
或いは親しい者からは『リア』とも呼ばれる少女が今――
駆けつけてきたイレギュラーズの腕の内に収まった。
- <Genius Game Next>『強い衛兵さん』たち完了
- GM名茶零四
- 種別EX
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年06月21日 23時35分
- 参加人数10/10人
- 相談8日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
リプレイ
●
響く爆音。轟くは悲鳴。
これは――ただのイベントだ。
R.O.O世界における、ただのイベント。しかし。
「軽いイベント告知の割には、その内容があまりにも重い様な……
この世界の意図は知りませんが、とにかく見捨てる訳にはいきませんね」
目の前の人達を助けるとしましょう――そう呟きながら即座に行動を開始しているのは『魔法人形使い』ハルツフィーネ(p3x001701)だ。彼女が入るは大劇場の中……破壊工作により混乱が巻き起こっている渦中へと、だ。
中にはまだ救いの手を求めている者が大勢いる――いやそれだけではない、救助されてきた者達が再びターゲットとならぬ様に護衛する意味もある。煙などが無く、見通しやすい位置に陣取れば。
「強いクマさんが守ってくれます。もう大丈夫、ですよ」
優しく声を掛けよう。
落ち着かせるように。もう安全だと――確かに伝わる様に。
「……なんと酷い有り様でしょうか。まさかバルツァーレク伯爵領の大劇場がこのような……いえ。勿論これもこの世界だけの夢幻と言えるのでしょうが……」
「ま、戦術としては正しいんだろうけどなぁ――後方にある街を滅茶苦茶にするのはよ」
同時。リースリット(p3x001984)と『偽りの獣(レイナ)』♱✧REⅠNA✧♱(p3x000665)もまた大劇場の内部へと。遊楽伯と言えばこういう施設と縁深い者であり、有名な所の話はリースリット自身『現実』の方で耳にした事も、実際に見た事も――
だがこのような形でその一つに訪れる事になろうとは。
似て非なるもの。現実ではない虚ろなるモノ達。
――分かってはいてもしかし、知らないでもない場所が戦火に晒される光景というのは。
「尚更形容し難いものを感じますね」
思わず、微かながら顔の表情を歪める感情が湧いてしまうものだ。
――ともあれハルツフィーネと同じく彼女らはまず救助を優先だ。
入口付近に運び込まれて来た者に駆けよれば――紡ぐは癒しの風。
傷口を撫でる様に。さすれば出血が収まり、傷を負った者らの呼吸も自然と整うものだ……その間に♱✧REⅠNA✧♱が行うのは周辺の索敵である。崩落した現場であれば未だ取り残されている者もいよう――と。
「よぉ兄弟。景気はどうだい? ん、はは――それ所じゃねぇって? そりゃそうだな!
こんな有り様じゃ住処も潰れちまってるか!」
故に、言葉を紡ぐのは大劇場から逃げんとしている鼠などの小動物だ。
いや或いは虫などでも構わない――とにかく意思の疎通が取れる者と交渉して情報をかき集めよう。要救助者の場所さえ分かれば儲けものだ……無論、彼らも突然の轟音に驚いて逃げ出している最中だろうからタダじゃあない。
「次の良い住み家の情報と高級チーズを持ってるんだが……ちょいと頼まれてくれないか? んっ? チーズ三個で手を打つって? はは商売上手だな兄弟――いいだろう、頼んだぜ!」
引っ越し先(R.O.OのNPCレジーナの家!)の情報を教えると同時にチーズをチラつかせて対等な取引とするのだ。彼らの力を上手く借りる事が出来れば捜索もスムーズになろう、と。
「建物を爆破とは……しかも中にいるのは伝承の騎士などでなく、一般人であるはずなのに、なんと惨いことを……!」
同時。『陽光のような焔』梨尾(p3x000561)はハルツフィーネらとは別のルートで劇場の中へと進んでいた。彼のふわふわな耳が周囲の物音を捉え、救助対象らの呻き声や助けを求める音を探知せんとしている――
ネクストでも死んだ人は帰ってこないのだ。イレギュラーズ達の様なプレイヤーや何かしらのバグ……そういった例外事象を除けば『死は絶対』であろう。つまり、砂嵐の工作隊は殺すつもりで仕掛けてきているのだ。
只の民を、只の混乱の為だけに。
「助けます、必ず……いずれ別れが来るとしても、それはこんな日である筈がないのです!」
「うん! 皆の笑顔の為に――アタシもがんばるよー!」
梨尾の強い決意。同調するように続くのは『まじかるアイドル』プリティー☆リィラ(p3x009374)だ。
世界に悲劇は似合わない。
悲しむ人を救うために――魔法少女アイドルたる彼女は立ち上がったのだ!
「ホントならこの大劇場のステージ上で歌いたかったけど……
今日はお忍びだからちょっとだけね? 『ミュージックスタート♪』!」
奏でられるべきは不穏なる戦場の音ではなく、心を充足させる歌声であると。
彼女が紡ぐは平穏なる歌声。
周囲を満たし、痛みを和らげる。これこそが彼女の魔法――彼女の力。
「う、うぅ……この、音楽は……」
「――っ!? 貴女、ひょっとして……!」
瞬間。『ネコロマンサー』P.P.(p3x004937)が見たのは――一人の少女。
爆破による衝撃で怪我をしているのか、意識がありながらも瞼を閉じているが。
――間違いない。あぁこの声は、この見た目は……
かつての――己の――
「えーっと、コホン、えっと……だ、大丈夫? 貴女、お名前は?」
「……? ア、アベリア……」
「えっ?」
アベリア?
「え、どういう、こと? 貴女の名前はリアって名前じゃないの――?」
「リ、ア?」
「あっ! 無理にしゃべらなくていいわ! 呼吸を、落ち着いて整えて……!」
思わぬ答えに、些か慌てふためくP.P.
――そんな馬鹿な。この容姿、てっきり『リア』だと思っていたのだが……
しかしどういう訳か名前が『違う』ようだ。
アベリア? なんだろうかその名前は――これがR.O.Oの『ズレ』なのか――?
それとも元から違っただけで、別人だった?
いやもしくは……
――そこまで思考して頭を振る。そうだ、今はそれ所ではない。
如何にリィラの治癒が周囲に満ちているとは言え、誰しもの傷を完全完璧に治せるという訳でもない。周囲の状況を確認し、少しでも救いの手を差し伸べなければならぬのだ。
だから。P.P.はフードを深く。目深と言える程に被り直して。
「いい事? よくあたし達の話を聞いてね、アベリア。あたし達はこれから逃げ遅れた人の救出に向かうわ――でもあなたは此処にいてほしいの。ね、出来る? ほら。この猫を抱いて待っていてくれるかしら」
爆発による衝撃による崩落が起こりそうにない場所に彼女を運んで。
その手に抱かせるのは猫――の、霊魂だ。
まるで人形の様にデフォルメされたソレは力を宿している。周囲の者達から痛みを吸い取り、軽減させるのだ。より厳密にはそういう結界が張られる形だが……ともかくこの猫を抱かせていれば彼女の傷も少しはよくなろう。
「いいわね?」
「――う、うん……ねぇ、あなた、は――」
何か、縋る様な。
或いは尋ねる様な声が聞こえた気がしたが――P.P.は止まらずその場を離れる。
それが良い気がしたから。
そうしなければならないような――気がしたから。
「さぁ! 中は彼女たちに任せて――我々は外へ!!
少しでも多くの人を救い、これ以上の犠牲を防ぐのです!!」
一方で。劇場の外へと向かったであろう工作員を見つけ出す事を主とする一人が『航空海賊虎』夢見・マリ家(p3x006685)だ。このような犠牲を出しておいてまだ足りぬとは――許すまじ。
「彼らは必ず一般人とは異なる行動をするはずです……注意深く見れば見破れます!」
「戦争だからって、何の罪もない人々を狙うなんて酷いわ……手分けして助けに! 絶対にまだ間に合う筈だわ! R.O.Oの世界だからって……見捨てられない!」
同様に『冒険者』タイム(p3x007854)もまたマリ家と共に赴くものだ。街の者に被害が出ていれば救いの手が必要だろうし……『そう』でなければ戦う意志ももって。
「むぅ。でもゲームだと思ってファミリアーとかが無いのは結構もどかしいわね……現実世界と異なるからと言えばそれまでなんだけれど、ああもう! もうちょっとちゃんとキャラクリすればよかったわ! うー!」
しかしR.O.Oの世界と現実世界では出来る事が異なる事に、些かの戸惑いがあるのも事実であった。これが実際の現場であれば先行偵察などを兼ねる事が出来る使い魔の類を用いるのだが……
されど使えないなら使えないで別の手段と警戒を取るだけだとタイムは即座に切り替える。
注意すべきは――ドアなど。
人々が逃げだしそうな非常口などに仕掛ける……そういった行為こそがきっと彼らの定石だろうと推察するのだ。故に先んじて外側へと回り込みチェックする。爆発物があればどかして中から安全に人が出れるようにするのだ――
非戦闘員を積極的に狙う卑劣極まる奴らの好きにさせてたまるか。
「皆様は私が全員助けます! 負傷者を私の元へ! 傷の深い人を優先してください!」
そして可能な限り力になろうとフィーネ(p3x009867)は言を飛ばす。
力の限り一人でも多く救うのだ。
――『今の自分』ならばきっと『それ』が出来る。
人を癒し、人を救い。
きっと明日へ。
彼らの未来を繋げることが出来るのだと。
治癒するポーションの在庫は山ほどある――今この時にこそ使わねば何が薬師かと心に刻んで。
と、その時。
「ねぇねぇ、どこ行くの? そっちは出口じゃないよ――あれれ~? 変わった鞄だね」
フィーネらと共に行動する『くまぬい』カイン(p3x003581)が目敏く『見つけた』
動作が恐怖に怯え竦む一般人のソレではないと。そして妙に膨らんだ鞄を持っていると。
飛行し、上より場を見据えるカインは――まるで無邪気さを携えながら。
「――ちょっと中身見せてもらってもいい?」
しかし目は笑っておらず。
『お前だな』という視線を向ければ――咄嗟に逃げんとする男の眼前に躍り出て。
一撃一閃。ぬいぐるみの身から放たれた掌底が腹を穿った。
●
「逃がしてはなりませんよ! このまま此処で――仕留めます!!」
カインの動きに呼応するように夢見・マリ家の行動は早かった。
あの鞄――爆発物を持っているという情報は真の様だ。
起爆させれば更なる犠牲が広がろう。いやその爆発を皮切りに広がる混乱が二次被害、三次被害として更なる混沌を齎すかもしれない――そんな事をさせる訳にはいかないのだ。
狙うは工作員そのものか、或いは鞄か。
「――とぉう!?」
瞬間。マリ家の眼前に飛び込んできたのは――思考したその鞄そのものだった。
投げつけてきた――!? 中の構造が不明だが、あれは爆発物。
乱雑に扱えば、それはそれだけで誘爆するかもしれぬ――ならば!
「あっぶないですね!!? やめなさいこんな所でッ! 自分も死ぬ気ですか!!」
受け止め、しかしそのまま上へと蹴り出してやる――!
どこで爆発しても困るなら、せめて空中で四散するのが一番被害がないだろう。ほぼ反射的に行った選択ではあるが――約三秒後。
大きな衝撃波と共に周囲に爆発音を轟かせる様を感じてその判断が間違いでなかった事を悟った。
こんなものを地上で幾つも――! おのれやはり是が非でもさせる訳にはいかぬ!
生じる虎の咆哮は決意と共に。己が身体を高めて、撃ち抜くは――二門のバルカン砲。
これぞマリ家必殺のツインハイパータイガーバルカン!!
メカニカルトラスーツ秘蔵の射撃が容赦なく工作員へと撃ち込まれれ――ば。
「むー! 正気なのコレ……ちょっと! もう、手加減なんてしてあげないんだからね!」
マリ家に続くのはタイムだ。彼女も怒りと共に紡ぐのは――ひとつのぱんち!
踏み込み、しかし左の一発目はまるでジャブの様に。それは――本命への繋ぎの為。
即座に入れ込むコマンドがタイムの右拳を敵の腹部へと導くッ!
「う~! やだやだ、こんな所までリアルなの、ホントに必要だったの~!?」
さすれば五指の先から伝わってくるのはリアルに人の肉を打つ感覚だ。
入った鳩尾。人体の急所を貫けば手応えはあったと感じるのだが……人を直接殴る感覚はなんとも慣れぬものだ。くの字に折れ曲がって倒れる工作員を尻目に、手に残る感覚を払うように必死に振って。
「ふぅ、これでまずは一人――だね。でもきっとまだまだいるよね……」
更に完全に抵抗を失っているかをカインが確認を。
今の奴は抵抗したから分かりやすかったが……まだまだ油断は禁物だ。もしかすれば見せる事に応じつつも反撃の手を探る輩がいないとも限らないし、自爆覚悟で来るような輩も気にせねばならぬ――
「でも、見つける事自体はやっぱり出来るんです……!
少しずつでも解決していきましょう! まだまだ助けるべき人は――いるんですから!」
されど負傷者を治癒するフィーネにとってそんなことは諦める理由にならないのだ。
周囲で反響する様々な音を知覚しながら彼女は探す。
要救助者を。そして――動きの怪しい者らの歩みを。
工作員たちの歩みは一般人と異なる。外面上焦っている様に見えても、どこか落ち着いているのだ。だから彼女はいつでも治癒にも戦闘にも支援出来るように――その手にポーションを抱いている。
片方には傷を癒すためのポーションを。片方には目に力を宿すポーションを。
「リィラ、梨尾! こっちに身動きが出来ない人がいるみたい――手を貸してくれる!?」
「勿論です、お任せあれ!」
そして劇場内では変わらずP.P.らが忙しなく動いていた――彼女の眼前に映るは、瓦礫に足を挟まれている者。一人ではスムーズには進まぬと即座に判断したP.P.が梨尾に助力を求めて共に持ち上げるのだ。
微かなスペースが生じる――と同時、梨尾は己に憑く騒霊を間に滑り込ませる。
獅子の獣人たる姿を持つその霊はまごう事なく霊だが、人を運ぶぐらいの接触は可能だ。梨尾たちが力を込めている間に引きずり出すように救助を果たせば助かって。
「よし……! これで何とかなっていきそうですね……!」
思わず大きな一息をつくものだ。
が、その甲斐はあったのか彼らは多くの者を救助出来ていた。
アベリア――少女の近くに集めていく。彼女の近くにいればP.P.の霊魂の効果で痛みは和らぐ筈だ……少しでも多くの人を救う為にもう少し力を尽くすとしよう。
「うう……痛いよぉ、ぐすっ、ぐす……」
「わわ、大丈夫だよ! もう少しでお外に出れるからね~大丈夫だからね~♪」
ほら! この子と一緒にいてね♪ と、痛みを訴える子供を誘導するのはプリティー☆リィラだ。その子の手に抱かせるのは己の――ある意味魔法少女にとっての必須の――マスコットである。
勿論戦闘能力の類はないが――しかし、ハムスターの様な可愛らしい外見をもつソレは子供の心を多少なりにも癒そう。どんな時でも救助者たちが『もしかしたら』と不安にならないように元気付けるのが己の役目たれば。
「皆、安心して! アタシ達は強いから――待っててね♪」
笑顔と共に少年少女らを励ますのだ。
マスコットのみならずぬいぐるみや、持ってきていたお菓子も活用しよう。恐怖の中にもしかし、子供たちにとって身近な物が中にあれば大分心の持ちようは違うものだ。パニックにならぬ様に、言葉を絶やさず話しかけ続けて……
――だがそんな朗らかな表情の下では警戒も行っている。
それは救助した中に、或いはこれから救助する中に工作員が混じっていないか、という事。
奴らはどこに潜んでいるともしれない。一見して一般人の様に見えても油断は禁物だ……
「怖かったですね……でも、これからは強いクマさんが守ってくれます。もう大丈夫、ですよ」
そして別の場所でもハルツフィーネが泣いている子供の救助に成功した。
どうにも足を怪我している様だったのでテディベアを生成し、この子に運んでもらうとしよう。リィラのマスコットとは少し種類が異なるが、可愛らしい外見はやはり子供にとって温かい存在となるはずだ。
――しかしその時感じたのは怪しき気配。
「……先に行っててくださいね。私は後から行きますから」
子供を避難させ、気配を探知せんとする。
なんだろうかこれは。誰かが――見ている――?
「――助けを求めてねぇ奴がここにいる筈がないってな」
瞬間。動いたのは♱✧REⅠNA✧♱だ。
周囲の、助けを求める声を常に感知せんとしていた♱✧REⅠNA✧♱――彼女は反応を見つつ、内心で『助けを求めていない者』を探していた。つまり反応に引っかからない人物を、という事だ。
突如として爆発に巻き込まれた一般人は助けを求めるのが普通だ。
『そう』でない者は――イレギュラーズを除き、工作員以外にあろうか。
ましてや、倒れている者が。
「――ぐぁ!! お、おのれ……!!」
「悪いがここまでだぜ――おっと。魔術の起動なんてさせるかよ」
一撃一閃。♱✧REⅠNA✧♱の撃が隠れ潜んでいた工作員に直撃する。
咄嗟に爆破の魔術を作動させんとした者だが――しかし物理的な鞄と異なり時間のかかるソレは間に合おう筈もなかった。不発に終わるそこへ、ハルツフィーネのテディベアも跳躍し。
「一般人を多数巻き込むなんて見下げ果てた奴らです。クマさんもお怒りです。
――怒りの鉄槌を大人しく受けるのです」
魔法で形成された爪が工作員へと伸びる――これほどの犠牲を生んだ連中に手加減する必要もなしと、獰猛に引っ掻くソレが悲鳴を生むのだ。あらゆる防御を突き抜け、憤怒の一撃が見舞われれ、ば。
「しかし、連中がまだ混ざってるとして、どうやって連絡取りあってるんだろうな。
無線とかがあったり――か? 或いは魔術なのを使ってたりしてな」
「或いは潜入した後は全て単独行動かもしれませんね……連携されると面倒ですから、その様であった方がもしかしたら楽かもしれませんが」
駄目押しとばかりにリースリットの力がトドメをさすものだ。
それは風の精霊による具現化。風の刃と成す、風精剣。
大気を穿つ一閃が砂嵐の陰謀を打ち砕くのだ。
――このように潜んでいる者がいるのであれば、やはり慎重に救助は行っていかねばならぬと確信する。ラサ、改め砂嵐の人間であるのなら服装、肌の焼け方、立ち居振る舞い、言動、そして武装……何か必ず他とは違う特徴があるはずだ。
もしくは♱✧REⅠNA✧♱の言うように無線機器の様なモノでも持っていればもっと分かりやすいのだが……練達が存在していないこの世界、あまり高等な技術はないのか――? 少なくとも工作員がそういった代物を持っている気配はない。
「ともあれ重傷者を運びます。相当奥まで来ましたから、もうすぐ引き返す事も出来そうですが」
「……それでも、妙に落ち着いたりしてる人には注意しないといけませんね」
リースリットとハルツフィーネは互いに顔を見合わせながら頷いて。
助けるという事。しかし敵をしかと見極めねばならぬという事。
同時に成さねばならぬ難しさを――どうしても感じるものであった。
●
――う、うぅ。こ、ここは……?
「あっ! 気付かれましたかマエストロ・ダンテ! よかった実はですね……」
――娘は。私の娘は、アベリアはどうした!?
大劇場の外側には人が集っていた。
それは中から救助された者が中心だ。内部は未だ危険が蔓延っており、外に連れ出すが良しとされれば当然移動された者もいる――その中の一人が、この大劇場で公演を行う予定だった巨匠ダンテ・ウェルギリスであった。
彼は今、気絶していた自らを連れ出したスタッフから事情の説明を受けて、しかし。
「なんだと……まさかまだ中にいるのか!? 馬鹿な、そんなことが――!!」
「今、内部で仲間が救出作業しているので――もう少しここでお待ちください」
そんな彼は愛娘がまだ内部に取り残されると聞くや否や、顔色を変えていた。
『■■■■』――愛しき名を叫ぶ程に。
周囲の制止も聞かず中に戻らんとする彼を止めたのは、カイン。
「大丈夫です。必ず、必ず助け出されます。信じてください」
「邪魔だ! 娘の危機に行かぬ父がいるとでも思っているのか!? 後で助け出されるからではない……私は行かねばならぬのだ!」
「――それでも、危険です」
カインは身を挺してダンテの大劇場内部への侵入を妨げる。
彼が行っても何にもならぬのだ。内部はイレギュラーズの活躍により救助が進んでいるが……しかしまだ完全ではない。砂嵐の工作員もいるかもしれぬし、そうでなくても突如天井が崩落して瓦礫が降ってくる可能性もあるのだ。
――と同時。今度は劇場の外の方で巨大な爆発音が生じた。
思わず身を屈める者もいる中、何が起こったのかと思えば。
「もー! ううう、ホントあぶないんだから!! 救助されてきた人たちが集まってる所を狙ってくるなんて……!!」
「――まだ工作員が動いています!! 捕まえないと!!」
爆風の中から跳躍するように出てきたのはタイムとフィーネだ。
辛うじての所で爆破工作を防ぐことに成功したのか――タイムは頬に煤の様な汚れがついている。至近距離で爆破を受けたのか、ある程度のダメージを負っている様だ。されど、フィーネのポーション投擲が間に合ったのか致命傷を受けている訳ではない。
そんな彼女らの思考の先には駆け抜けていく影が一つ。
あれが砂嵐の工作員か――逃がさぬ!
「待ちなさい! 罪なき民を殺め、酒を飲み喰らい、あまつさえ路上に吐き捨てるその罪……例え神が許してもこのマリ家が許しません!! 大人しくお縄に付き、密造酒製造の罪でも捕まるのです――!!」
「な、なんだその後半の方は!! 俺は知らねぇぞ、うわっ!!」
そこへと至ったのがマリ家だった。一体どこの某家の所業なのかさっぱり分からないが、このついでに砂嵐の工作員には諸々の罪も被ってもらうとしよう。大声を出しながら威嚇するように追い立てるマリ家の手に握られているのは――串。
「もはや何故? とは問いますまい……されどこの落とし前は付けてもらいます!」
「いやだから酒の事は知らな」
「問答無用ッ!」
瞬間。電磁加速の概念により生じた放電がマリ家に纏わりつき。
放つ一閃は――正に至高の串。
背中に突き刺さり足に突き刺さりその歩みを止めよう。さぁ、天に懺悔するのです――諸々の罪を認めるんだ! この!
「マリ家さん――どうやら外の方も随分片付いている様ですね」
「オレは向こうの連中と情報共有してくる。救助者の事を頼めるか?」
と、さすれば内部から出てきたのはリースリットと♱✧REⅠNA✧♱だ。
中の救助があらかた終わったが故だろうか――徐々に救助者を崩落の危険がない安全な外へと移している様だ。♱✧REⅠNA✧♱は不審者の居場所や特徴などを外のメンバーと共有する為に往き、リースリットやテディベアを起動しているハルツフィーネは外への運搬に注力する。
「クマさんが守りますから、身を屈めながら進んでくださいね。
大丈夫。また来てもクマさんがビームで倒しますからね。ビーム」
ハルツフィーネは同時に声を掛けるのも忘れない――先程も工作員が襲ってきて、クマさんの眼力から放出された破邪の一撃により撃退したばかりだ。なぜかビームを見たら子供たちは湧いたが、何故だろう。子供心に引っかかったのかな?
ともあれ敵は工作に専念していたが故か直接的な戦闘能力が低いのは幸いだった。
それゆえに幾つかの班に分けたイレギュラーズの戦術は上手く機能していた。少数となっても、それでも最低三人はいる枠組みで活動していた故に工作員と出会っても戦闘力で圧倒できたのだ。彼らが苦し紛れに放ってきた鞄などはそれなりの威力はあった、が。
「子供たちを怖がらせないでよね!! 皆の笑顔を奪うなんて、許されないよ――!!」
同時。内部で声がした――と思えばそれはリィラだ。
跳躍する彼女の視線の先にいるのは、まだ内部にいた工作員か。
避難させている子供達を巻き込むまいと治癒の支援を飛ばすの、は。
「明日を――大切な人と笑い合える日々を願っていた無辜の民がこんな目に合うなんて自分は嫌です。そして……それらを奪わんとした貴方達に掛ける容赦はありません」
梨尾だ。彼に向けられる刃があれど、リィラの治癒が行き届けば命には届かぬ。
同時に放つのは炎の一撃。錨の形をしたその焔は、纏わりつけば邪悪な心を焼こう。
「痛いですか? 人に痛みを与えようとした小物にはお似合いの姿ですけどね!」
まるで挑発する様な言動も重ねながら。これで救助者たちに攻撃がいかなければ儲けものだ。
動きが縛られる。そこへ、見逃さずに突っ込んだのは。
「――終わりよ。あんたには、何もさせてあげない」
P.P.だ。
迅速たる連続行動が工作員に迎撃の手を与えぬ。爆弾も、使わせるものか。
何にも追いつけぬ無力を噛みしめながら――沈みなさい。
P.P.の放った蹴撃が工作員の顔に横から直撃すれば、激しい音を鳴り響かせて壁にぶつかって。
意識を奪う。
これで――邪魔する工作員は全て排除した、筈だ。
少なくとも外への避難経路は確保できた。これでもうこの場で犠牲者は……
「――リア!!」
と、その時。
P.P.の耳に飛び込んできたのは――己が神経の全てを尖らせる言葉。
心の臓が飛び跳ねる程に。ふと、反射的に声がした方を振り向け――ば。
「アベリアッ!!」
「――」
その。声の主は――
ダンテ・ウェルギリスはP.P.の横を走り抜けて、己が愛娘アベリアを抱きしめる。
強く。強く。
無事でよかったと――心から感謝するように。
「貴方は……マエストロ?」
「うん――? ああ、君が私の娘を助けてくれたのか? すまない、本当にありがとう……!」
「――」
どうして?
なぜ、その子を抱きしめるの?
どうして……
「……いえ。よかったわね――娘さんが無事で」
……そっか、この世界はバグってるって言ってたものね、そうよね。
何もおかしい事なんてない。だって『この娘』は『あたし』ではない。
この娘はアベリア。
あたしは■■。
あたしには父親は居ない……そう、よね。
「うん? 今連れ出されてきたあのアベリアって子は……うーん、どこかで……気のせい、かな……?」
「ッ! まずい、街の向こう側の方でまた爆発があったらしいよ!
工作員が向こうの方へとも流れているのかも……様子を見に行こう!」
その様子を見たタイムは、己が記憶を探る様にアベリアの顔を見据えて。
しかし――カインが気づく。工作員はまだどこぞに残っていると。
恐らく警戒激しいこの劇場に再度戻ってくる可能性は低いだろう……だから一刻も早く向こう側の様子を見に行くべきだと提案すれば。
「あの」
「んっ?」
「――ありがとう」
直前。アベリアはP.P.へと言を紡いだ。
それは本当に心からの感謝だ――ダンテの服の裾を、強く握りしめながら紡いだ言葉。
――そこに他の誰かが挟まる隙間などありはしない。
だから、P.P.はただ深く、深く。
「……いいえ、どういたしまして」
目深にフードを被り直しながら――その場を離れる。
まだ街の中に工作員がいるかもしれぬから。まだ依頼はきっと終わっていないから。
そう言い聞かせる様に。
彼女の足は『その光景を見たくないかのように』――早まっていた。
工作員を倒さねばならぬと、心の中で幾度も反芻しながら……
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
依頼、お疲れさまでしたイレギュラーズ!
かくして大劇場の被害は最小に収まったと言えるでしょう。残った工作員も少数ならばやがて討伐されて終わるだけです。
皆さんのおかげで向かえる事が出来たハッピーエンドですね!
MVPは救助者たちの心を歌声で励まし続けた貴方に。
全体の戦況がどうなっているのかは、また別の物語。全ての結果をお待ちください。
ありがとうございました!
GMコメント
●依頼達成条件
・大劇場に侵入した砂嵐構成員の撃破。
(この砂嵐構成員は次なる場を求めて外に行こうとしています)
・被害者がいれば可能な限りの救出。
●フィールド
遊楽伯爵が管理する領土の一角の街です。
それなりに広い街であり、東側にはこの辺りで一番とも言われる大劇場が存在しています――が。砂嵐の手の者により街の各地で爆破行動が起こっています。衛兵も各地で対応しているのですが、砂嵐の者も散っている様で手が足りていません。
皆さんは遊楽伯爵より大劇場の方へ急行してほしいと頼まれました。
大劇場はリハーサル日だったようで、大量の観客はいなかった――のですが、関係者は多く被害にあっています。特に体の弱い子供たちは皆怪我をしている様です。内部は特に複雑な構造になっていたりはしないのですが、爆発の衝撃により崩れている箇所も見られます。
被害者を救出しつつ――下手人を打ち倒してください!
なお下手人たちは外に向かおうとしてますので、大劇場周辺も戦場になる可能性があります。
●敵戦力
・砂嵐構成員×??
伝承に攻め込んできた砂嵐の一員です。
市街地の各地に散っていますので正確な数は分かりませんが、大人数、と言うほどではないでしょう。とにかく皆さんは大劇場とその付近にいる砂嵐構成員を撃退してください。彼らはとにかくこの街に混乱を起こすことを目的に行動しています――やがては脱出しようとするでしょう。
構成員達は非常に強力な爆発物を所持していると見られます。
主に二種類です。『カバン』の様なものにはいった物理的な爆弾が一種。
もう一つが『神秘の術を行使』する事による爆発物です。
カバンの方は設置後すぐに起爆するタイプですが、怪しいカバンを持っているので捜索の力が優れていれば割と早期に構成員を発見できるかもしれません。
ちなみにこれは一発限りの攻撃手段としても活用できるようです。
いざの時は投げつけてくるかもしれないのでご注意ください。
一方で神秘の術を行使する者は、特徴的なモノを持っていないのでカバンと比べると分かりづらいです。
しかしカバンと比べて起爆させるにはそれなりに時間が掛かるようです。
人目に付きにくい所で怪しげな作業をしている者がいたら――彼らかもしれません。
なお彼ら本人自体の戦闘能力はそこそこ程度です。
どちらかというと直接戦闘よりも隠密タイプなのかもしれません。
●味方・救助対象NPC
●アベリア・ウェルギリス
父と共にいた劇場が爆破され、同時に怪我を負っている少女です。
命に関わるほどではありませんが足を怪我しており、移動が困難な模様です。
助けに来た皆さんの事は『強い衛兵さん』だと思っているようです。
●巨匠ダンテ・ウェルギリス
アベリアの父です。高名な音楽家でもあります。
劇場が爆破された際に頭を強く打ち、気を失ってしまった模様です。彼自体はスタッフによって既に外に連れ出されているようですが――もしも目覚めた時、娘が中にいると知れば飛び込んでいく事でしょう。
●大劇場の関係者
劇の準備をしていたスタッフや子供たちが中にまだいます。
怪我をしている者や、爆破の影響により動けなくなっている者がいるようです。
なるべく多くの者を外に連れ出し救助してあげてください!
●ガブリエル・ロウ・バルツァーレク
伝承貴族のR.O.OのNPC『遊楽伯爵』です。
街中に潜伏している砂嵐討伐の為に自ら街の中で陣頭指揮を執っています。なるべく多くの者を助けようと奮闘している様です。大劇場の地区からは少し離れた所にいます。行こうと思えば彼の所まで行くことは出来ますが、彼も現在手一杯であり、助力を請うのは困難でしょう。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
※重要な備考『デスカウント』
R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。
※重要な備考『情勢変化』
<Genius Game Next>の結果に応じて『ネクスト』の情勢が激変する可能性があります。
又、詳細は知れませんが結果次第によりR.O.Oより特別報奨が与えられると告知されています。
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