PandoraPartyProject

シナリオ詳細

5月末には新鮮な長猫が収穫されまして

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●長猫おおおおおおおおおおファイッ!
「にゃあああああああんっ!」
 風をきり唸る右猫パンチが森林警備隊女(35歳独身)の頬を打った。
 スローモーションでゆがみ、そして回転しながら飛んでいく森林警備隊女(35歳独身彼氏募集中)。
「ぐはぁあ!? なんてつよいにゃんこなの! 手も足も出ないわっ!」
 乙女座りでほっぺをおさえ起き上がる森林警備隊女(35歳独身歴35年)。
 彼女の右手には猫じゃらし。
 彼女の左手にはちゅーる。
 ついでに頭に猫耳カチューシャをつけたフル装備であった。
 なんのフル装備だろう。
 猫カフェかな?
「隊長危険です! これ以上の戦闘は……!」
 そこへ駆けつける森林警備隊後輩女(22歳サークルクラッシャー)。
「きてはだめ、さがりなさい!」
 手をかざし立ち上がる森林警備隊女(35歳独身好きな晩酌はするめ焼酎)。
 思わず足を止める。むりからぬ。眼前に広がるは長猫畑。
 ひとたび足を踏み入れれば……。
「にゃああん」
「にゃあああああん」
「「にゃああああああああああん!」」
 地面からめっちゃたくさん生えた動の長い猫が両手をシュッシュしながら待ち構えているからだ!
 ……ごめんもっかいいうね? 想像力をはたらかせてもっかい読んでね?
 地面からめっちゃたくさん生えた動の長い猫が両手をシュッシュしながら待ち構えているからだ!
「「にゃああああああああああん!」」
「ああああああああああああ☆」
 森林警備隊女(35歳独身合コン連敗記録保持者)は囲んでにくきゅうでぼこられ、両目にハート浮かべたまま長猫畑から放り出されたのだった。

●長猫畑で収穫祭
 おいでよ翡翠の森。
 ここは練達のあれ、そうあれROOのなか。プロジェクトがバグってアレしたので研究員を救い出すべく世界に点在するクエストをこなそうっていうアレ。
 アバターでログインしたイレギュラーズたちに課せられたクエストは、翡翠(混沌で言う新緑)に古くから伝わるらしい長猫収穫祭への参加であった。
「長猫……それは翡翠に古くから伝わる植物。秋頃に種を巻くと5月の末くらいに収穫できるという動の長い猫状の植物なのです。
 別に食べられないけどお花みたいにきれいだし猫みたいに可愛いし毛皮ももふもふしてるしにくきゅうがぷにぷにしてるのでちょうマブってんで翡翠民に大人気なのです」
 そう語るのは森林警備隊後輩女(22歳サークルクラッシャー)。後ろには合コン四次会で余ったときみたいにぐったりと力尽きた隊長さんがいた。
「収穫方法はカンタン。長い胴を生かしてシュッシュ殴りかかってくる長猫たちを倒してまわることです。
 しかし長猫は傷ついては価値がさがるもの。できればあんまり傷つけずにフワッとトドメをさしてあげてほしいのです」
 ではイレギュラーズの皆さんご案内、といいながら畑への道をひらく森林警備隊後輩女。
 いま、にゃんこの価値を賭けた戦いが始まる……!

GMコメント

●クエスト
・長猫収穫祭に参加する
 長猫に魂を囚われた研究員を助けるべく長猫たちを倒して収穫していきましょう。
 画面のまえには『長猫って何? 長ネギみたいなもの? 知らないのわたしだけ?』て思ってるかもしれないけど大丈夫みんな知らないから。私も初耳だから。
 けど混沌民は「あー長猫? 知ってる知ってるおばあちゃんちの鉢植えにあった」とか言い出して非混沌民を困惑させましょう。たのしいぞ☆

●長猫収穫
 長猫はどうの長い猫です。土から勝手にすぽっと抜けてちゃかちゃか後ろ足で走り、長い胴を生かして猫パンチをシュッシュしてきます。
 これには強力なMアタック性能があるので、こちらも負けじとシュッシュしていきましょう。

 なお、長猫へのトドメをフワッとしてあげると傷つけずに回収できるものとします。
 【不殺】とかあんまもってないかもしれないので、ここは『フワっとしたトドメの回収方法』を自分なりに考えたら成功としましょうぜ。優しい世界としましょうぜ。ぬいぐるみで殴るとか。

・オマケ
 今回森林警備隊隊長女(35歳独身)さんが戦闘の補助をしてくれます。お願いするとたいていのことは手伝ってくれるはずです。ちゅーるくれるとか。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はにゃんこです。
 想定外の事態は絶対に起こりませんにゃん。

●ROOとは
 練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
 練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
 R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
 練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
 自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline

※重要な備考
 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
 現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。

  • 5月末には新鮮な長猫が収穫されまして完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年06月10日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

花糸撫子(p3x000645)
霞草
エルセ(p3x004636)
ブルームストーム
レニー(p3x005709)
ブッ壊し屋
コル(p3x007025)
双ツ星
WYA7371(p3x007371)
人型戦車
ミーティア(p3x008617)
ねこ・もふもふ・ぎふと(p3x009413)
しろねこぎふと
ルージュ(p3x009532)
絶対妹黙示録

リプレイ

●長猫収穫祭
 畑からはえた胴の長い猫がうねんうねんしながらファイティングキャットポーズをとってるさまを、どうかご想像頂きたい。こっからさきずっと出てくるから、是非ここで焼き付けて頂きたい。
 メモリ消費をおさえたいかたは丸顔に(・ω・)ってかんじのシンプルな猫をご想像いただいてもかまわない。白いの黒いのまだらなの、縞模様に三毛殻。肉球カラーも色とりどりの長猫たちが、両手をしゅっしゅしながら待ち構える光景である。
「みゃー。僕はねこ、です……よろしく」
 そんな風景にふわーっと混ざる『淡き光の白子猫』ねこ・もふもふ・ぎふと(p3x009413)。
 ココだけだと長猫の親戚みたいに見えるがれっきとしたイレギュラーズアバターである。
 なんならぽんわり光ってるし、猫型のエンジェルハイロウを頭にのっけて浮いてるし。
「長猫さん、可愛い……! 混沌にもいるかな……いるといいなぁ……」
「え、あ、あぁー、長猫? 長猫ね、知ってる知ってるあれよねあの有名な」
 目がばちばちに泳いでる『ブルームストーム』エルセ(p3x004636)。立てた人差し指をずーっと宙にくるくるさせながら明後日の方向をみあげていた。
「深緑ではもう毎年のようにアレ、あれだから。沢山収穫できるように頑張るわよ~!!」
 おー、といって一緒に拳(?)を掲げるエルセとねこ。
 ミーティア(p3x008617)も同じように拳を掲げ。
「あぁー、長猫、長猫ね、そっかー、もう収穫の時期なんだねぇ、早いもんだよ! ……って」
 握り込んでいた猫じゃらしを地面にべしーんって叩きつけた。
「知る訳ないだろぅ????
 何、この……え、動物じゃなくて植物なのかい、コレ?
 でも手足があって向かってくるんだろぅ、トレント的な事だろうか!?」
「ウホッホ」
 そんなミーティアの肩をぽんと叩くゴリラ。
「ありがとう。なぐさめてくれるんだねゴリラ」
「ウホ」
 そしてそっとチュールをさしだしてきた。
「慰めてくれてるんだよね!?」
「長猫……銀の森にも群生地があってニャアニャアとうるさかったわ」
 常識だよねって顔で語るコル(p3x007025)に、エルセたちがガバッと振り返った。
「実在したんだ!」
「でも食べられないから私はあんまり」
「食べようとしたんだ!?」
「そう、なんか青臭いの」
「そこは植物なんだ……」
 コルは本体の癖が抜けないのか猫みたいに顔をくしくしと手で撫でると、狼型の耳をぴくりと動かした。
「まさかこっちにもあるとは、流石R.O.Oだぜ」
 話題にまざるためか『ブッ壊し屋』レニー(p3x005709)が腕組みしながら頷いた。
「俺は鍋に入れるのが好きだな」
「鍋に!?」
 レニーの脳内で描かれる、空っぽの土鍋のなかで丸くなる猫。
 ミーティアたちの脳内で描かれる、巨大な豆腐やネギと一緒にことこと茹でられる猫(温泉気分)。
「一応確認するんですけど、食べ物じゃないんですよね? 畑で育てるけど」
 状況にあわせて人型アバターのほうを設定してきた『人型戦車』WYA7371(p3x007371)。
「そりゃあね。紫陽花とかチューリップとか、別に花畑で育てるけど食べないでしょ?」
「タシカニー」
 WYA7371は立てた二本指をちょきちょきした。
「フ、どうやら長猫初心者(ナガネコ・ビギナー)のようね」
 長い髪をふぁさあってかき上げてモデル歩きで現れる森林警備隊隊長女(35歳独身)。
 森林警備隊隊長女(35歳独身)さんからちゅーるをわけてもらった『絶対妹黙示録』ルージュ(p3x009532)が、これほんとに効くのかなって言いながら袋をちょい開けしてくんくん匂いをかいでいた。
「なんか鰹だしの良い香りする。地面においてってさきにザルの罠とか仕掛けといたら長猫ひっかかんねえかな」
「そんな手が……!?」
 劇画調になって振り返る森林警備隊隊長女(35歳独身)。その後ろで手と首をふる森林警備隊後輩女。
「それで解決してたら私ら秒で解決してますって」
「タシカニ!」
 もっかい劇画調になって振り返る森林警備隊隊長女(35歳独身)。手はチョキ。
 一方で、『霞草』花糸撫子(p3x000645)は片手に猫じゃらし片手にちゅーるそして頭に猫耳カチューシャというフル装備で仁王立ちしていた。
「この子達植物なのに、綺麗で可愛くてモフモフで肉球ぷにぷになのよね?
 ……今考えて見たら、すごく、すごく強大な敵なんじゃないかしら……!
 あの誘惑に打ち勝つのは、相当の忍耐力を強いられるわ!
 でも負けられない! いざ!」
 ちゅーると猫じゃらしを二天一流のあれで構えると片目をギラーンって光らせた。シリアスな戦いが始まるまえの演出だけど、武器はねこじゃらしだし相手は猫だった。
 さあ、長猫収穫祭が始まるぜ!

●ねこ
「にゃーんにゃんにゃんにゃーんにゃん♪」
「「にゃあああああああん」」
 音だけ聞くとなにが起こってるのかさっぱりわからんが、絵面で見ると更にわからなくなるので順を追って説明しよう。
 猫耳をぴこぴこさせた花糸撫子が猫じゃらしを左右にふるたび、畑からはえた胴の長い猫が左右にうにょーんうにょーんって揺れ続ける。
 花糸撫子はその動きを続けながらゆーっくり近づき、にゃんにゃんいってた囁きにリズムをのせはじめた。
 演歌のようでもあり、アジア圏の古い歌のようでもあり、歌詞はなく『にゃんにゃにゃ』を乗せて歌としていた。
 それを大体30秒ほどだろうか、数フレーズほど歌ったところで周囲の長猫がとろーんとした目をしはじめ、次第にその場で丸くなって寝始める。
「今よ、レニーさん!」
「オーケー、存分に猫っ可愛がりしてやるぜッ!」
 レニーは髪をサッと払うと剣を片手に長猫へと飛びかかる。
(ふっ……野郎が人前で猫にデレデレなんざカッコ悪くてできやしねぇが……今のオレはレディなんでな!)
 と、その時、とろんとしていた猫たちが次々に目を覚まし、至近距離にまで近づいていたレニーを察知。シャッと立ち上がり集団猫パンチを繰り出した。
「うおおおおお負けるか! これがオレの“本気”、そして“覚悟”だッ!」
 バッとコートを脱ぎ捨てる。すると猫の尻尾と棒状の猫おやつが現れた。
 猫パンチを繰り出していた長猫たちがしゅうんってカーブして猫のおやつへと食らいつく。
 おやつを剣みたいに構えて長猫たちを受け止めると、レニーは『今だ』と叫んだ。
 ババッと左右に飛び出すねことルージュ。
「特殊化、間に合ったから……にくきゅうぱーんち、みゃー」
 ねこがちっちゃい手をシュッて繰り出して長猫のほっぺに肉球を押し当てると、長猫はうにゃーんって言いながら脱力し眠りについた。
 よくも仲間を! みたいな顔してシュッシュとシャドウにくきゅうパンチする長猫。
 ねこと長猫が向かいあい、互いにシュッシュしながら間合いを確かめ合う。
 先に自らの間合いをとり相手のほっぺに肉球をもふってした方の勝ちなのだ。
「にゃー」
「にゃああん!」
 同時に飛び出し、くろすにくきゅうカウンターが炸裂。
 二人は目をとろーんとさせて地面に丸まって寝始めた。
「ねこちゃんがやられた! よくもー!」
 ルージュは猫の肉球グローブを装着すると、にゃんぷしーロールパンチを繰り出した。
「へへ、猫パンチは怖くないぜ。おれの愛の力はそういうのは超越してるかんな!!」
 周囲から集まってくる長猫たちをぼこぼこに寝かしつけ、すり足で素早く移動しレニーや花糸撫子の押さえつけていた長猫たちをまとめてもふってしていく。
「こうして長猫を収穫してると思い出すぜ。学校の通学路に長猫が沢山生えててさ、おれが先頭に立って猫じゃらしを振り回すと、一緒になって学校まで行進していく猫行列ができるんだ」
 思い出話(?)を語りながらまとめて猫をもふるルージュ。
 が、彼女たちには誤算があった。
 長猫は、見えているものがすべてではないということに!
 ボッという音がルージュの背後に複数。そして伸びるうねうねの影。
 振り返るルージュを見下ろす長猫たち。
「「にゃあん!」」
 一斉に肉球で殴りかかる長猫たちにルージュがぐわーといって吹き飛ばされそして丸まってうにゃうにゃいいながら眠り始めるその一方、エルセとミーティアは友達のゴリラによって両脇に抱えられながら長猫たちの襲撃から逃れていた。
 めっちゃすげー速さで伸びる長猫たち。シュッシュしながらにゃーにゃーいう彼らから距離をとりつつ、ゴリラにターンさせるミーティア。
「実際に目の当たりにすると本当に長いわね、そして可愛いわ……」
 エルセはうにゃうにゃいう長猫たちへ振り返って口元を拭った。
 長猫の追跡をかわすためゴリラから飛び降り、前転。
「長猫ちゃんの耐久力がどれくらいなのかわからないから、いつものように力任せにハルバードを振り回すのはよくないかしらね。ということで、じゃーん!」
 パパラパッパラーという効果音と共に取り出したのははい皆大好きピコピコハンマー。
「これで長猫ちゃんのしゅっしゅに対抗するわ!」
 離脱したエルセめがけてカーブしてきた長猫のおでこのにカウンターのピコッ。
 うにゃーんといって脱力する長猫を飛び越え、更に左右から迫る長猫たちに舞うようなピコピコ。
 そうしている間にゴリラと共に突っ込んできたミーティアが狐耳をぴこらせながら両手を突き出した。
「くらえっ、ふぉっくすサンダー!」
 ばりばりと放たれた雷が長猫たちを襲う。襲うっていうかすげーびりびりさて目をばってんにさせた。
 こうして勢いを失った長猫めがけ、花糸撫子とレニーはここぞとばかりにその辺の柔らかいクッションでぼふぼふやって長猫たちを寝かしつけていった。
「ほらほら、皆、おやすみなさい。良い夢を」
「これこそ長猫収穫祭だぜ!」
 さらなる子守歌で長猫たちをスヤらせる花糸撫子の一方、レニーは猫型のクッションをシュート。長猫の顔面にぼってぶつけると、長猫はたちまち脱力して地面にぽってり横たわった。
「これでよし、っと」
 近づいていき、長猫をひっこぬく花糸撫子やミーティアたち。
「で、これ収穫したヤツは一匹? いや一個? 位貰えないだろーか。いや気にはなるだろぅ?」
「たしかに……大人しくしたら翡翠の愛玩動物ならぬ、愛玩植物になるのよね? 1匹分けてもらえたり……ダメ?」
「フッ」
 それまでわりと手も足も出なかった森林警備隊隊長女(35歳独身)さんは髪をふぁさあってかきあげて振り返った。35歳っていうわりに動きがいちいちバブルさをかもしていた。
「いいわよ!」
「いいんだ!?」
 コルとWYA7371もちゅーるで残った長猫をおびきよせ、近づいてきたところをぽこってすることで寝かしつけては引っこ抜いていく。
 が、そんな平和な収穫作業を破壊するかの如く――。
「にゃあああん!」
 ひときわ巨大な長猫が土を割って飛び出したのだった。
「こ、これは……十年に一度収穫されるという巨大長猫!」
 ふるえる森林警備隊隊長女(35歳独身)。彼女を庇うようにコルとWYA7371が立ち塞がる。
 ちゅーるをえいって投げても巨大さゆえに一瞬で喰らってしまい時間稼ぎにならない! どうすれば……!?
 と頭を抱える森林警備隊隊長女(35歳独身)をはげますように、コルは狼の耳をスッと撫であげて笑った。
「猫は寒いと丸くなるよね。だからこうして……」
 手のひらに氷の魔法をおこすと、それを息でフーって飛ばし始めた。
 巨大長猫をたちまち寒い空気が覆い、身体をぶるぶるさせた巨大画猫は暖をとるべく沢山収穫された長猫たちの山へと頭を突っ込んだ。
「隙ができた! WYA7371さん、いまよ!」
「さあ、Step on it!! 無駄な抵抗はやめなさいっ!」
 WYA7371は指の間に沢山ちゅーるを挟むとそれをエネルギーバレットにして乱射。
 沢山くらった長猫は身体についたちゅーるをぺろぺろ一生懸命なめはじめた。
「更に、これだ!」
 巨大猫じゃらしを掲げると、それに夢中になって片手でちゃいっちゃいしてる巨大猫をもてあそぶ。
「フフフ、動けまい……どうだ、猫に対して軽くSな私……!」
「S?」
 小首をかしげるコルをよそに、WYA7371はとどめとばかりに飛びかかった。
「さぁて、大人しくしなさい! うりゃー!」
「はうっ!?」
 そして抱きつかれ押し倒される森林警備隊隊長女(35歳独身)。
 前髪をふぁさあってかき上げるWYA7371ハンサムフェイス。
「おっと失礼。可愛い子猫ちゃんだったものだから、ついうっかり」
「そんな、私ノーマルなのに……」
 ポッて頬を赤らめて両手で覆う森林警備隊隊長女(35歳独身扉開きかけ)。
 一方の巨大長猫はといえば一斉にとびかかった花糸撫子やレニーやエルセ。ねこやミーティアたちによって取り押さえられ、ルージュの取り出した長猫用収穫棒(なんかふわふわしてる棒)をつかって総出でぽこぽこされていた。
 最後にはうにゃーんって言いながら丸くなった巨大長猫が収穫されたという。


「フウ、ありがとう皆。おかげで沢山の長猫が収穫できた」
「実際に目の当たりにすると本当に長いわね、そして可愛いわ」
「たしかに……」
 エルセやコルたちが長猫を一匹ずつ手に持って、脇のあたりを掴んでぶらーんってさせてみる。
 普通の猫の二倍以上胴体が長く、そして伸縮可能という不思議生物である。もっといえば植物なのでカリカリとか与えなくても水と日光で生きるらしい。
「これを持ち帰ってどうしてたのかしら。首にまくとか?」
 にゃーんつってる長猫を首に巻いてみせるコル。
 虎柄の長猫が自分の尻尾にじゃれついてひっしにぺしぺししていた。
「ふつーにペットとして楽しむんじゃねーかな。食べられないし」
 みんなと同じように長猫とじゃらしで遊んでいたルージュが振り返る。
「ともあれ、これにて一件落着か。あ、そういえばオレたちはなんでこんなことを……?」
 抱きかかえた長猫を撫でながら空を見上げるレニー。
 花糸撫子はご厚意で分けて貰った長猫を両手で掴み、高くかかげてぶーらぶーらさせていた。
「なるほど、子猫ちゃんを持ち帰り……ハッ、閃いた!」
 ぽんと手をうつWYA7371。
 ミーティアはとりあえず礼儀としてWYA7371をピコハンでピコッてしておくと、ゴリラに長猫を一匹抱っこさせておいた。
「そういえば忘れていたが、研究員の魂が長猫のデータ内に囚われていたんだったな。収穫を終えたことで解放されたわけか」
「それは、よかったね。翡翠の人達も……長猫さん達をよろしく、ね」
 にゃごにゃごっていいながら手を振るねこ。
 イレギュラーズたちは感謝を述べる森林警備隊隊長女(35歳)に手をふり、帰りのサクラメントまでの馬車へと乗り込んでいったのだった。
 持ち帰った長猫はネクスト内に作った彼らなりの拠点でかわいがられることだろう。

 めでたしめでたし!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

ねこ・もふもふ・ぎふと(p3x009413)[死亡]
しろねこぎふと

あとがき

 ――クエストが完了しました
 ――研究員が救出されました。なんか猫っぽい癖がついたそうです。

 ――ついでに希望者に一匹ずつ長猫をくれたそうです。アバターごしにかわいがってね。

PAGETOPPAGEBOTTOM