PandoraPartyProject

シナリオ詳細

命求むる救いの手

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●命求むる救いの手
「す……すっごーーーい!! 本当にファンタジーな世界に来たみたーい!!」
 目を爛々とさせていた、革鎧に剣、という、ファンタジーにオーソドックスな装備に身を包んでいる、女の子。
 彼女の周りには……彼女の憧れていたファンタジーな世界観が広がっており、とても嬉しそう。
 剣を手に取れば、ずっしりとした重さを感じるし……肉を焼いた様な、美味しそうな匂いも鼻腔に感じる。
「いや、嘘だろうなぁって思ってたけど……本当にこんな世界があったのね! テストプレイヤーとか、ちょっと不安だったけど、参加して良かったわ!!」
 意気揚々と彼女は街の人から依頼を受け、街を襲う盗賊がいる、と言われる森の奥の彼らの根城へと向かう。
 そして、街を襲う盗賊達に。
「貴方達ね! 街の人達を苦しめている悪い盗賊さん! この私、『彗星の一番星』サラが、貴方達を一ひねりよっ!!』
 と意気揚々と、攻撃を仕掛ける。
 ……しかし、ログイン仕立てな彼女は当然、剣の使い方なんてコマンドくらいしか知らない訳で。
「え……えっ!?」
『あぁ!? 何だてめぇ……そんな実力で俺達を倒しに来たって訳かよぉ!? 笑っちまうぜ、はっはっはぁ!』
 即座にで返り討ちにされてしまう彼女……剣が弾き飛ばされ、丸腰に。
『さてとぉ……覚悟は出来てるんだろうなぁ? 俺達の好きにさせて貰うぜぇ……!?』
 ニタァ、と笑みを浮かべる盗賊達。
「い、いやぁアアアア!!」
 と悲鳴を上げて、盗賊達から逃げようとする彼女。
『おい、逃がすな!! さっさと捉えて、好きにさせて貰うぜえ!!』
 そんな彼女を捉える為に、盗賊達は彼女を追いかけていくのであった。


『お願いします……あの子は家出するような子じゃない筈なんです。いい子なんです……きっと、どこかで苦しんでいる筈です……!!』
 希望が浜地域のニュース番組で、センセーショナルに報じられる声。
 それは昨今この地域で発生している、集団行方不明事件に関する報道……今迄、そんな気配も全く無かったはずの学生達が、次々と消息を絶つ……という話。
 最初はそんなに報道されていなかったのだが、行方不明の人数が増えれば増える毎に、報道も熱を帯びる。
 ……そんなニュース番組を、カフェ・ローレットで眺めながら綾敷・なじみは。
「物騒な行方不明事件なんだけどさー……これって、みんなも心当たりあるよね? そう、Rapid Origin Online』、通称ROO」
 ニッ、と笑みを浮かべて振り返るなじみに、君達がはっ、と表情を変えると。
「やっぱりー。みんなもROOにログインしてるんでしょ? みんなはログインしてログアウト出来るけど、どうやらログインしっぱなしで、ログアウト出来ない子達もいるみたいなんだよねー……それが、この行方不明な学生達、って訳みたいなんだよねー」
「みんなならさー、ログインして、彼女を見つけて、ログアウトさせるのなんて簡単にできるんでしょー? 正直さー、このニュースばっかり聞いてると、もうやだなーって感じて来てるんだよねー。という訳で……宜しく頼めないかな、な?」
 ニコニコしながら、距離を詰めてくるなじみ。
 まぁ……行方不明な子達を救うというのは、依頼としての妥当性もある訳で。
「やってくれるんだねー。ん、ありがとー! それじゃ、ヘッドセット被って、レッツログインだよ。頑張ってねー!」
 と彼女は手をひらひら振って、送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 ROO第五弾の舞台はレジェンダリア……まさしく冒険者に憧れた少女の救出作戦、となります。

 ●ROOとは
  練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
  練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
  R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
  練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
  自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
   特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline

 ●成功条件
   ログインしっぱなしで帰れなくなっている、『サラ』を救い出して、ログアウトさせる事です。
   盗賊達の退治については、必須条件ではありません。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はBです。
   依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   ROO世界のファンタジーな『レジェンダリア』世界の、盗賊が根城としている、見通しの悪い森の中が舞台となります。
   救出対象の彼女は、依頼を受けて野党退治へとやってきましたが……当然剣の使い方なんかに慣れている訳も無く、返り討ちにあってしまいました。
   挑発された盗賊達は彼女を捕まえて、好き勝手にやっちゃえ、という具合で士気高揚して捕獲に全力を向けています。
   一方、救出対象の彼女は返り討ちに遭って、もう精神的に一杯一杯です。
   彼女は森の中を必死に逃げており、彼女を盗賊達より先に見つけ出すのがポイントとなりますので、捜索のプレイングも重視させて頂きます。
   (彼女が先に捕まってしまえば、彼女が酷い目に合いかねません……盗賊をボコボコにしてその後ログアウトさせる事は出来るでしょうが、深い心の傷が残ってしまうでしょう……)

 ●NPC情報
   『『彗星の一番星』サラ』
     希望が浜の学生で、テストプレイヤーとしてROOに潜入しました。
     ファンタジーな世界が大好きで、特に女戦士(ビキニアーマー)に憧れを抱いていた女の子です。
     ただ現実世界においてはそういう小説とか漫画とかを読んでただけで、全く鍛えてません。
     なので剣の使い方なんて全然解っておらず、逃げ足も遅いです。

 ●討伐目標
   ・盗賊団 x 50人
     最近街を襲ったりして、街の人達を苦しめている盗賊団です。
     武器は短剣と弓矢で、近接レンジと遠隔レンジへの攻撃をそれぞれ仕掛けます。
     体力は一般人に毛が生えた程度なので、そんなに強く無いです。
     ただ数が多いので取り囲まれてボコボコにされたら、死ぬという事も当然あり得るでしょう。

※重要な備考

 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
 現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。

   それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 命求むる救いの手完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年06月06日 20時25分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シフルハンマ(p3x000319)
冷たき地獄の果てを行くもの
ラピスラズリ(p3x000416)
志屍 瑠璃のアバター
レグルス(p3x001627)
獅子王
ハウメア(p3x001981)
恋焔
レインリリィ(p3x002101)
朝霧に舞う花
フー・タオ(p3x008299)
秘すれば花なり
レイティシア・グローリー(p3x008385)
高潔の騎士
エイラ(p3x008595)
水底に揺蕩う月の花

リプレイ

●希望を胸に、現実は揺れ
 希望が浜地域で昨今ニュースになっている、学生達の行方不明事件。
 その行方不明者達が閉じ込められてるのがここ、仮想世界『R.O.O』。
 そして現実に似た人達がおりながらも、どこか違う人々が生活する『レジェンダリア』に、イレギュラーズ達は降り立つ。
「しかし……ログアウト出来ないか……なかなか嫌な状態だよな……」
 と、溜息を吐く『妖精粒子』シフルハンマ(p3x000319)に、『獅子王』レグルス(p3x001627)はこくりと頷く。
 イレギュラーズ達はログイン、ログアウトは出来るものの、閉じ込められた彼ら彼女らはログインしっぱなし。
 そして、今回閉じ込められた彼女は、最初は女冒険者という格好にわくわくどきどきしていただろう。
 だが、ゲームの中でのプレイ経験と剣の上手さはリンクしない訳で……簡単なクエストと思われた野党退治も、野党共に速攻で返り討ちにあってしまい……命からがら逃亡中との事。
「まあ、シチュエーションだけ見ればこれは、よくある盗賊退治クエストだよねぇ……無謀ではあるけど、ロールプレイとは言え盗賊退治を受けようってのは、立派なものだと思うヨ」」
 と、『朝霧に舞う花』レインリリィ(p3x002101)が素直に感心していると、それに『秘すれば花なり』フー・タオ(p3x008299)も。
「うむ。野党退治に向かって行方不明と……品性の足りぬ下衆な悪党の考えそうな事など、たかが知れておるといえなくもないが……それだけに生きておったとしても癒えぬ傷が付きそうでのう」
 二人の言う通り、ここは仮想世界であるのは間違い無い。
 しかし悪党の剣に斬り裂かれれば当然に痛みを感じるし、装備が外れれば恥ずかしさと恐怖を覚えるのは、現実世界に居る彼女自身。
「まぁ……仮想体験とはいえ、ここまで精緻であれば真にも迫ろうというものです。そして盗賊たちに蹂躙される苦痛など……混沌の中でも比較的平和な希望が浜の学生さんでは、なかなか耐えきれないでしょうし……そういうのを放ってはおけませんね……」
「ええ。ここでの痛みや感覚は現実とほぼ変わりませんし、それによる心の傷は本物です。『普通の日常』を送る少女がそんな事を何度も経験すれば、心が壊れかねません。そうなる前に、無事に助け出さないと!」
「ええ……まぁ、お仕事だからという部分も否定はしませんけれどね」
「そうなんだ。まぁ『レインリリィ』としても手を貸すのに異論は無いけれど、ボクは彼女が希望が浜の生徒だっていうなら尚のこと助けないとね。これでも教師だからさ」
 『志屍 瑠璃のアバター』ラピスラズリ(p3x000416)とハウメア(p3x001981)、そしてレインリリィが』頷き合うと、それに『高潔の騎士』レイティシア・グローリー(p3x008385)と『深海に揺蕩う月の花』エイラ(p3x008595)も。
「ええ……騎士をロールプレイする者つぃて、助けを求める少女を見捨てる訳には行きません。どうにか速く見つけられるといいのですが……」
「そうですねー……フーさんもー、女の子のことー、心配みたいですしー、助けないとですねー」
「……別に人の子の事など何一つ心配しておらぬが?」
 ぷいっと顔を背けるフー。
 ……何せよ、彼女を救い出し、彼女をログアウトさせる事が今回の依頼。
(「一応、いつログアウト出来なくなってもいいように自分も生存特化にして対策はしているが……そうならないのが一番だな」)
 とシフルハンマは自分に言い聞かせつつ、皆を促すように。
「さあ、少しでも速く救助要請者を助けよう! レイティシア、彼女が受けた依頼について、聞いて貰えた?」
「ええ。この森の奥に盗賊達のアジトがあるそうで、その討伐依頼を受けたのが数日前だそうです……森の中をくまなく探せば、恐らく」
「了解。それじゃ彼女を怖がらせない様に注意しながら進んで行こう」
 そしてイレギュラーズ達は、彼女のいるであろう森の中へと足を踏み入れるのであった。

●後追い
 そしてイレギュラーズ達が森の中に足を踏み入れ、暫し。
「サラさん! 聞こえるかい! 助けに来たよ!」
「安心して欲しい。ボクは希望が浜学園の教師だ、君たちを助けに来た!」
 と、レインリリィが大声で、森の中に呼びかける。
 当然その声は、救助対象の彼女だけでなく、彼女を捜索しているであろう盗賊達にも聞こえるだろう……だがそれは、理解為た上での行動。
「どのみち盗賊達とも戦わなきゃいけないんだ。彼女がボク達の場所を把握してくれれば救出が楽だし、盗賊達が来たら倒せば良いんですから」
 ……勿論彼女が警戒して、出てこなくなるという可能性もあるだろうが、そこは彼女の『蜘蛛の糸』の能力を信じての事。
 更に地上からだけでなく、飛行を活用し上空からも捜索するのはシフルハンマ。
 空からならば、木々の揺れ等を監視し続ける事で……その足取りをある程度辺りが付ける事が出来る。
 とは言え空中に居れば、地上からの集中砲火を喰らいやすいというマイナスな面もあるが……。
「大丈夫。みんなを信頼してるからさ」
 と微笑むシフルハンマ。
 そして、定期的にシフルハンマからの情報を受け取り、木々が揺らめく方向に軌道修正して、更に森の奥へ。
「~~♪ ~~♪」
 レインリリィの呼びかけに加え、ラピスラズリが希望が浜学園で聞いた事がある、学校の歌やら応援歌等を口ずさむ。
 歌は盗賊達からすれば、訳が分からない歌を口ずさんでいる奴らがいる。能天気な奴らだ……という位の認識になるだろうし、逃げる彼女からすれば……聞き覚えのある歌を聞く事で、更なる安心を抱いて貰えるかも知れない。
 そんな捜索方法で、森の中をくまなく探し続けるイレギュラーズ……そして。
「……ん?」
 聞き耳を立てていたレイティシアが、一瞬振り返ると共に、仲間達の歌と声掛けを一端制止。
 イレギュラーズ達も足を止めて、更に耳を欹てると。
『おい……あっちじゃねえのか!?』
『分からねえが……訳分からん歌はあっちの方から聞こえてきたぜ? 恐怖にチビって歌でも歌い始めたかねぇ! ははは!!』
『かもしれねぇな!! まぁ捕まえたら思う存分楽しもうぜぇ!!』
 馬鹿な事を言い合いながら、声を潜めることもなく、あっちだ、こっちだ、と言い合い無差別に捜索していく男の声。
「恐らく盗賊達の声ですね。となると、この近くに逃げた女の子もいるはずですが……」
「そうだねぇー……んー……」
 レイティシアに続き、エイラが人助けセンサーを発動。
 ……怯え、救いを求める彼女の必死の心を感じ取り……朧気にその方角を察知したエイラ。
「あっちかなー……?」
「ふむ……ちょっと待て」
 フーは足元に跪く。
 ……草木の倒れ方が、他の所と比較すると……不自然な倒れ方。
 その草木を少し掻き分けると、小さな足跡が点々と続いているのを発見。
「やはりな……必死に逃げているから、足跡を隠す暇も無い、と……ただ草木からすると、多少時間は経過している様だ。この足跡を盗賊達が先に見つけると……拙いな」
「そうですね……となると、足跡が続いている方向に急ぎましょうか。足跡は消しつつ、ですが」
「うむ」
 フーとハウメアの作戦に皆も頷き、そしてイレギュラーズ達は小さな足跡を追跡。
 ……そして、森の中に潜入してから一時間とちょっとが経過した頃。
『……う、うぅぅ……何でよ……こんなの、聞いてないわよぉ……』
 押し殺してはいるが、啜り泣く声は止められず。
 大きな樹を背にして、啜り泣いている少女の姿。
「あー……居たようですねー……」
 発見したエイラがそう声を上げると、当然驚く学生……いや、『サラ』。
『ひぃっ!! な、何何っ!?』
 驚き悲鳴を上げた彼女……それにレイティシアが柔和な表情で。
「大丈夫、大丈夫……私達は、貴女を助けに来たんです」
 と声を掛け、更にハウメアが再度希望が浜学園の校歌を口ずさんで。
「~♪ ~♪ ……この歌、聞いた事あるでしょ? そう……私達は希望が浜学園の関係者……閉じ込められた貴女を助けてきて欲しい、って依頼を受けてやって来たんですよ?」
『ほ、本当っ!? うう……もう……ワタシ、本当に怖かったんだからぁ……う、うえぇぇーーん……!!』
 更に大声で泣き始める彼女と……その鳴き声に気づいてしまった盗賊達。
『あっちから声がしたぞ!!』
『近いな……一気に行くぜぇ!!』
 その接近してくるのを上空から監視していたシフルハンマが、仲間達の元へと合流。
 ……そして木々の間を踏み荒らしながらイレギュラーズ達と、サラの居る元へと攻め込んでくる、盗賊達。
 そんな盗賊と彼女の間に毅然と立ち塞がる、レインリリィとフー。
「さて、それじゃあ盗賊退治と行こうか」
「うむ。其方らの狙いは彼女であろう? ……彼女を好きにしたくば、妾らを倒してからにしてもらおう」
 二人の言葉に盗賊は。
『何ぃ!? ふざけた事言いやがって!! いいだろう、俺達がぶち殺してやろうじゃねぇか!!』
『おう! てめぇらの何倍もの人数居るんだぞ! 数の暴力ってのを見せてやらぁ!!』
 怒号を上げて、次々と攻撃を仕掛けてくる盗賊達。
 流石に6倍もの手数で攻め入ってくると、イレギュラーズ達も対処に苦慮する他に無い。
 更に……自分達の背後には戦う力の無い女戦士の姿。
『いや、いやぁああ……!!』
 先ほど、盗賊達に返り討ちにあったのがフラッシュバックしたのか、其の場にへたり込んで叫ぶ彼女……そんな彼女を少しでも落ち着かせようと、エイラが蛍光を辺りに飛ばして、灯を確保。
「シフルハンマー、彼女の事は任せたよぉー」
 とエイラの言葉にシフルハンマは。
「ああ! 妖精の守護はそう簡単に崩せぬぞ!!」
 副行動にて、アクティブスキル3≪リロードヒール≫で自己回復を飛ばしながら、サラをカバーリング。
 そして彼女の守護を完全に任し、フーから早速攻撃開始。
 敵の数が多いので、先ずに放つのは『ThunderFall』。
 敵陣ど真ん中に放たれた雷鳴が、盗賊達に無差別に襲いかかり、感電し。
『グゥアア!?』
 と悲鳴を上げる。
 その悲鳴を奏でる盗賊達に、更にハウメアがアクティブスキル3『氷の矢の雨』を発動し、更に盗賊達を無差別に撃ち抜いていく。
 そして、更にラピスラズリも仲間達から距離を取り、アクティブスキル1にて、盗賊単体を攻撃し、確実に敵数を減らして行く。
 そんなイレギュラーズ後陣の攻撃が一端落ち着いた所で、エイラ、レインリリィ、レイティシアの三人が盗賊の群れに突撃。
 敵を惹きつけるようエイラのメデューサが敵を射抜き、更にレインリリィのアクティブスキル1が続く。
 又、敵の攻撃の後に、レイティシアがパッシブスキル1にて敵の怒りを惹きつけ、決して更に刃が向かない様に動き回る。
 ……そんなイレギュラーズ達の熟練の動きに、多少盗賊達は驚愕。
『何だと!? こいつら……慣れてやがる!』
『くそが……だが、数はまだまだこっちの方が多いんだ。一気に取り囲んでボッコボコにしてやれ!!』
 もはや力によるごり押しで、どうにかイレギュラーズの陣を突破しようとする盗賊。
 流石にその猛襲の前に、毅然と立ち塞がるエイラとレイティシアの二人にかなりのダメージ。
「大丈夫?」
 とラピスラズリが声を掛けるが、それにエイラが。
「ちょっとぉー……厳しいかもぉー……でもぉー、大丈夫だよぉー」
 のんびりした口調は変わらずも、敵の圧倒的な火力にかなり厳しそう。
 アクティブスキル4で自己回復は行うものの、かなりの疲弊。
 次の刻、シフルハンマは完全にサラを守る為に彼女をカバーし続け、フー、ハウメア、ラピスラズリは密集して居る敵を、纏めて範囲攻撃。
 さすがに、先ほど単体攻撃を喰らった数人が、その一撃に沈んでいくが……まだまだ数は多い。
 そんな敵の熾烈な攻撃に晒され、数刻。
 流石に鉄壁も完全なものではなく……崩れ墜ちるエイラ。
『!? え、な、何で!?』
 自分の目の前で、倒れる姿を見たサラは……目を見開く。
 だが、エイラは。
「サラー、エイラはぁ大丈夫ぅ。向こうでぇ会えるからぁ……フー。いつもどおり。後は託すねぇー」
 彼女に優しい言葉を投げかけつつ……その姿が消失。
 とは言え総じて体力が減った盗賊達も、かなりの瀕死な状況。
「手加減はせぬぞ」
 とフーの宣告。
 『ThunderFall』と、幾つかの『アクティブスキル』が折り重なり、盗賊は一体、二体、三体……と、加速度的に数を減らしていく。
 そしてラピスラズリが。
「そろそろ、終わりにしてあげます」
 最後の宣告と共に、彼女のアクティブスキル2、魅剣デフォーミティに魔力を注ぎ込み、呪いの力を暴走させて発動。
 その一撃は敵を喰らい尽くし……50人もの数の盗賊達は、全てが崩れ去って逝った。

●希望と現実
『え、ええっと……その……あの……』
 そして盗賊達を全て倒したイレギュラーズ。
 何が起こったのか……という感じで、信じられないといった表情のサラだが、そんな彼女にハウメアが。
「よしよし、怖かったわね。大丈夫。もうすぐ家に帰れるから……安心して?」
 と翼で覆い隠すように、優しく抱きしめ背中をさするハウメア。
『……』
 抱きしめられ……自然と落ち着きつきを取り戻す彼女。
 ……そんな彼女に、レインリリィが。
「本当、よく頑張ったね。でも、親御さん……心配していると思うんだ。だから、まずは親御さんの元に戻って、顔を見せてあげて? その為にはログアウトしないといけないんだけど……ログインした所まで、案内して貰えるかな?」
 と言い、それにこく、こく……と頷くサラ。
 ……そして彼女がログインした街へと向かう道中、彼女にシフルハンマが。
「それにしても……なんでゲームに参加したんだ?」
 と問いかける。
 それにサラは。
『えっと……図書館で読んだ、ちょっと古い本に……そういったマンガが書かれてて……戦う女戦士って……カッコイイなぁって……』
「え? ……それでビキニアーマー女戦士に憧れたの? 一応……スキルを使えばビキニアーマーは作れるだろうけれど、着るの?」
『……こういうのも……いつもと違って、いいかな……って……』
 顔を紅くしながらも、彼女の言葉は嘘偽りない。
 そんな彼女の願いが具現化したのが、この格好なのだろう……大人しそうに見えて、意外に……。
「……ま、まぁ……いいか。ごめん、辺な事聞いちゃって」
 こっちの方がちょっと恥ずかしくなって、顔を背けるシフルハンマ-。
 ……ともあれ、そんな彼女の案内で、ログインポイントまで到着したイレギュラーズ達。
「さて……それじゃ一端ここでお別れだね。もしこのゲームが安全に遊べるようになったら、今度は一緒に冒険しよう?」
『あ、は、はい……!!』
 レインリリィの言葉に目をキラキラさせて、頷くサラ。
 そして、彼女の姿が消えたのを確認し……そしてイレギュラーズ達も、各々ログアウトしていくのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

エイラ(p3x008595)[死亡]
水底に揺蕩う月の花

あとがき

ROOレジェンダリシナリオに参加頂き、ありがとうございました!
意外に彼女は大胆だったかもしれません……でも、皆さんの力が無ければ、悲しい目に遭って仕舞ったのは間違い無いでしょうね……。

PAGETOPPAGEBOTTOM