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シナリオ詳細

未来よりも今が欲しくて

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●気付かなくてもいいこと
「お師様、もしかしてハクは……所謂、貧乳なのですか?」
「何を言い出すんじゃ、ハク」
 バルツァーレク派、バロール子爵領のとある小屋にて。ハク (p3p009806)は、思考の隅に去来した疑問を――もしくは不安を――師匠である【時操りの魔女】アガレスにぶつけてみた。アガレスは飲んでいた薬草茶を中空にぶちまけた。
 一般的な見地からすれば、成程確かにハクの肉体は発展途上にあり、世辞にも豊満とは言い難い。だが、彼女はまだ14であり、生まれてから今までの境遇もある。発育に乏しいことは、決しておかしな話ではないのだ。
 だが、彼女はその薄い体を話の種にあれこれ言われるローレットの面々がどんな反応を見せたのかを知っている。全員ではないが劇的な拒否反応を示した彼女たちと同じ轍を踏む自分……成程、どうにも受け容れ難い。耐えられない。
「お師様、どうにかなりませんか?」
「えぇ……いきなり『どうにか』と言われてもすぐには……ああ、いやちょっと待つのじゃ」
 アガレスは弟子に詰め寄られ、暫し考えてから棚の奥で埃を被っていたメモを引っ張り出した。『豊胸薬』、と書かれたページを開いた彼女は、ハクに得意げに笑ってみせる。今までに見たことがないくらいのドヤ顔であった。
「材料の調達を自分でやるというのなら、手伝ってやれんでもないが……どうする?」
「やります」
 即答であった。

●別にしなくてもいいこと
「そんなわけで、材料集めを手伝ってほしいのです」
 明くる日の朝。ハクはローレットに駆け込むなり、イレギュラーズに――主に贔屓目に見て発育が乏しい者達に――声を掛けて回っていた。ぶっちゃけ、『豊胸薬』と聞いてそのテの面々は過去に持ち込まれた依頼の数々とその顛末とを知っていれば眉唾ものである、としか思わないだろう。
 しかし、しかしだ。だからこそ、散々騙されてきた彼女達は「次こそは」の望みをかけてその話に乗ること、それのどこに罪があろうか?
 ハクによれば、材料のすべてはバロール子爵領の山の中で手にはいるという。ただし、戦闘あり断崖あり長時間の採集あり、兎に角熟練の面々でもナメてかかると負傷しかねないハードコースであるとのこと。
 つまり、壁が高ければ成果も期待できるというものだ。
 斯くして、彼女達(と、別にその辺興味ないけど依頼ということで集まった有志)は素材集めへと向かう。
 それがよもや、あんなことになるなんて……。

GMコメント

 部分リクエストのご用命ありがとうございます。
 多分、本編中で胸について劇的なリアクションを見せた情報屋は1人だけだったような……?

●達成条件
 『豊胸薬』の材料を回収する

●フィールドデータ
 バロール子爵領内、「おむねの森(ハク曰く)」。
 回収対象の材料は
・森の奥の滝壺から爆ぜる水滴
・断崖に咲く薬草
・くまの爪
・走る草
 など多岐に渡る。
 普通の水じゃなくて水滴を一定量とかいうのがエグい。
 断崖も対策なく上り下りすると落下で相応のダメージを負う。
 走る草は逃げ回る時に追いかけてくる相手を木の枝が密集した場所やその他危険な場所に無意識に誘導したりするので危険。

●くま
 正確には『クラッシャーマンティコア』、略して『くま』。
 かなり大きな合成獣然とした外見をしており、翼があるので飛んだりもできる(ほとんど低空飛行か大跳躍にしか使わないが)。
 かなりHPが高く、素早く攻撃が激しい。爪や尻尾部分の蛇の噛みつき、咆哮などが主な攻撃方法。
 そこそこ強い部類なので油断してはいけない。

●【時操りの魔女】アガレス
 ハクさんの師匠(関係者)。
 そこそこ名のある魔術師らしいが、抜けているところがあるらしい……?

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 未来よりも今が欲しくて完了
  • GM名ふみの
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年06月09日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

志屍 志(p3p000416)
密偵頭兼誓願伝達業
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
リディア・T・レオンハート(p3p008325)
勇往邁進
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
フェーヤ・プライズライチニ(p3p009721)
満身総愛の狂姫
アリス・アド・アイトエム(p3p009742)
泡沫の胸
トルテ・ブルトローゼ(p3p009759)
鮮血の薔薇姫レベル42
ハク(p3p009806)
魔眼王
※参加確定済み※

リプレイ


「くま……? 詐欺にもほどがありません??」
「くま……くまかな? ……まぁ、くまで良いか!」
 世の中は常に疑わしい情報と欺瞞に溢れている。『遺言代筆業』志屍 瑠璃(p3p000416)は目の前で咆哮を上げるクラッシャーマンティコア、略して「くま」の存在に今季一番の詐欺臭さを覚えた。『希う魔道士』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)は深く考えることをやめ、倒すことに注力しようと考えた。真面目に考えると頭がおかしくなりそうだ。
「油断しろって方が無理ですよね? ですが全ては豊かなむ――助けを求めるハクさんの為! 死ねェ!」
「くまさん!くまさん! ……くま……さん? えっと、おつめちょうだい!」
 本人は隠しているつもりで欲望ダダ漏れな『勇往邁進』リディア・T・レオンハート(p3p008325)のは輝剣リーヴァテインを掲げ、全力の一撃をくま目掛けて叩き込む。めっちゃ殺意に満ちている。怖い。
 他方、『満身総愛の狂姫』フェーヤ・プライズライチニ(p3p009721)が放った霧は無意識下で悪意と害意を振りまいてくまに傷をつけていく。咆哮をあげたくまは尻尾を振るい、蛇の頭で噛みつきにかかる。『蕾蜘蛛』アリス・アド・アイトエム(p3p009742)はその攻撃に割り込む形でそれを受け止め、素早く反撃耐性に移る。
「おっぱいが……大きくなる薬……アリス、薬学者だから……興味、ある」
 薬学者だから、といいつつ目があらぬ方を見ているので彼女もそういうところ正直であった。
「爪、倒さずになんとかできないものでしょうか?」
「後々邪魔されても面倒であろう。後腐れなく倒しておくのが相手にとっても礼儀というもの……ところで、薬は本物なのであろうな?」
「お師様の言うことなので間違いありません! 頑張って回収しましょう!」
 『はらぺこフレンズ』ニル(p3p009185)はむやみな殺生は避けたいゆえか、どうにかできないかと頭を悩ませた。だが、『鮮血の薔薇姫レベル1』トルテ・ブルトローゼ(p3p009759)と『魔女見習い』ハク(p3p009806)や他の仲間達の「絶対倒す、いやさ殺す」という圧を前にすると強く主張するのもどうか。悩み通した末に、ニルは仲間たちの方針に従うことにした。仲間たちの波状攻撃に合わせるように自らも攻め、連携を取る。くまは敵の反撃に怒りを顕にしつつ一歩も退かず、猛攻でもって反撃する。
 ……そもそも、こんな危険生物と命がけで戦う理由とは、というか女性陣が殺気立っている理由とは何だったか――このメンバーについて改めて考え直したい。

「皆様……! こんなにも同志が集まってくれてハクは嬉しいのです!」
(私は同志というわけではないんですよね……気付いたら育っていたので……)
 ハクの言葉に拳を突き上げた女性陣の姿に、瑠璃はしかし、いまひとつノリ気ではなかった。というかハクがそもそも胸の発育を気にするには早い年齢な気がしないでもない。アリスとリディアはともかく。この2人はなんていうか「一般的な成長限界」の年齢を過ぎているので気持ちは分からんでもない。
「僕的に大事な事をひとつ……下心とか! 一切! ないので!」
「したごころ……大事なおくすりをつくる、のですよね?」
「うん、大事な薬だから興味があるだけだよ!」
 豊胸だのおむねだのの事情がよくわからないニルの問に、ヨゾラは力強く応じた。そんなに力いっぱい否定しなくても……。
「フィーもおてつだいがんばるの! くさとおいかけっこして、くまさんからつめをもらって、おみずをあつめたりすればいいんだね?」
「そうであるな、実にわかり易い」
 フェーヤが指折り数えて今回の依頼内容を列挙すると、トルテは大仰に頷く。表現がだいぶマイルドなので危険度が全然伝わってこないがまあそれはそれだ。そもそもフェーヤがその辺りを理解しているのかも怪しいものだ。依頼遂行には支障ない分、誰もツッコミはしないが。
(しかし余が元の姿に戻り、威厳を取り戻すためには手段を選んでなどおられぬ。なんとしても手に入れねば……!)
(私利私欲ではなく騎士としての努め……でもちょっとだけ分けてほしくも……いやいやいやいや!)
(『あの情報屋さん』みたいに変な叫びを上げないように、ハクも豊胸薬で……!)
 トルテ、リディア、ハクの3名はそれぞれ目的こそ違うがひとまず豊胸薬を必要としていた。どころか、トルテは「背が伸びる薬とかないのか……?」とおずおずと聞き出す始末。胸とか身長の前に取り戻すべき威厳がそこにある気がするのだが?
「ただ、草にせよ獣にせよ、取り過ぎて絶滅したら二度と薬が作れなくなる。ほどほどで我慢するのは大事ですよ?」
 しきりに胸(のさらし)を気にしつつ、瑠璃は気が逸っている面々に一言口添えする。彼女らは一様に「なるほどー!」って顔をしているので、多分彼女が居なければ根こそぎもあり得た。
「素材の取り扱いについては、アガレスさんから特に注意点みたいなのはなかったね。元気がいいからきをつけろってくらいで……あ、草は捕まると勝手に動かなくなるから別にいいって」
「それじゃあ、遠慮なく狩れますね!」
「……リディアさん?」
 ヨゾラがアガレスから聞き出した内容を告げると、ほっとしたようにリディアが返す。なんかちょっと殺気じみたものを感じたが気のせいか?
(よくわかりませんが、大事なお薬なんでしょう。ニルも力になりたいとおもいます)
 ニルはどこまでも純真なので、一同の下心ですらも助けるべきナニカだと思うし、多分達成後に食事をしたら「おいしい」のだと感じている。あー……こういう子をこんな依頼に巻き込んだのは一体誰なんだろうなあ(ぼうよみ)。


 と、まあそんなわけで。
「ニル達は、お薬の材料がほしいだけなので、森を壊してはいけないと思うのです」
「えいっ、えいっ!」
 ニルが先んじて保護結界を展開したおかげで、フェーヤの放った悪意の霧が如何に禍々しく蠢いても周囲に破壊をもたらすことはなかった。されど、くまは確実に傷ついている。トルテもまた、純粋な戦闘力ではなく状態異常を活かした戦い方に注力することで仲間達の負担を最大限軽減する役割を担う。なにせこちらは8人、あちらは1体。連携さえしっかりとれれば、多少なり被害はあれど自己補完の範囲内なのである。
「とりあえずこれでくまの爪は確保したね。一番大変なのが片付いたから後は楽ができる……といいんだけど」
 ヨゾラはくまの爪を剥ぎ取りながらどこか遠い目で呟いた。綺麗にフラグを立てに来た彼の献身を、仲間達はきっと忘れないだろう。

「豊胸薬の為に! 負けるかぁぁっ! ……ああ畜生速い! 速いですよアレ!」
「Grrrraaaaassss」
「鳴き声……上げるの……!?」
 リディアは走る草を追いかけていた。否、おいつめていた。アリスが驚愕の声をあげ、トルテとハクも必死に縋る。そして、その動きは飽くまで「陽動」である。
「無駄に傷をつけなければ、薬効にも影響はないでしょう」
「ふふ……アリス、ちゃんと準備、したんだから……!」
 瑠璃が死者の群れを駆使して草の動きを遅らせると、アリスの予め仕掛けた糸へと面白いように引っかかっていく。リディア達の必死な追跡劇も、まあ一応演技ではあるのだ。
「まああああっだ、まだああああああああ!」
「おいかけっこだったらまけないよー!」
 滅茶苦茶必死なリディアに反し、フェーヤはどこか牧歌的ですらある。あるのだが、彼女の周囲が不自然に歪んだ空気を纏っているのがわかるだろうか? ニルが逐次保護結界を展開していなければ、間違いなく森の中は異様なオブジェクトまみれになっていたに違いない。
「そっち側は崖だよ! そっちも行き過ぎると滝壺! 気をつけて、結構危険な場所にガンガン誘導してくるよ、この草!」
「ふっふっふ! この『†魔眼王†』のハクの魔眼に恐れ戦くがいいのです!」
「……あっ、動き止まった……」
 あちこち危険地域へと向かおうとする草に警句を飛ばしたヨゾラはしかし、なんか当然のように香ばしいポーズを見せたハクと、それに伴ってバタバタ倒れだした草を見て目が点になった。多分きっとメイビー、魔眼の効果だろう。そうに違いない。でなければハクがあまりに不憫すぎる。
「ハク、貴様どこでその様な所作を……」
「お師様がこうすれば畏怖で走って逃げるだろうって!」
「逆効果ではないか!?」
 流石におずおずと問いかけたトルテはその答えに呆然となった。もっとお師様を疑っていいんだぞハク。
「あとは……断崖の薬草と、滝壺の飛沫……?」
「飛沫、水滴でしたね。あちらはもう準備できていますので大丈夫です」
 アリスが首を傾げて問いかけると、瑠璃がしたり顔で応じる。実はくまとの交戦前、彼女は先んじてつぼと木の板を組み合わせた簡易の集水器を作っていたのである。仕組み的にも、飛沫以外の水が簡単には入らない……はずだ。
「ニルは、とんだことがないのですが……このドーナツで、飛べるらしいのです」
 断崖の手前にきたところで、ニルはそう言ってドーナツを取り出す。飛ぶの意味が違うんじゃないかと一同は思ったがそんなことはなく、ニルはふわりと飛んで断崖へと消えていく。
「余は使い魔で警戒をしておこう。襲ってくる不届き者などいないだろうが、警戒はして足りることがないであろう」
「ハクは魔女見習いですから魔女っぽい事は得意なのです、むふー!」
「フィーはあぶないからおうえんしてるねー! がんばれ、がんばれっ!」
 ニルを追うようにして、ハクは箒を引っ掴んで断崖へと降りていく。さらにそれを追うのは、哨戒用のトルテの使い魔だ。彼女らは一様に飛べたりトバせたりするので、大分楽なほうだ。
「私も……ええと私もいってきます!」
「命綱なら用意してあるけど、使う?」
「アリスも……この間の『大会』でだいぶ鍛えたから支えるのなら、まかせて……!」
 リディアは、仲間達の頑張りを見て居ても立ってもいられずソワソワと周囲に視線を投げかける。根本的に善人な彼女は、誰かに任せきりにするというのが好かないのだ。そして、ヨゾラもしっかり準備しているしアリスはギフトでサポートする気まんまんだ。そこでふと、アリスとヨゾラは顔を見合わせる。もしかしてロープに粘性の糸を絡ませれば上り下りに凄く役立つんじゃね? と(多分アリスは男との共同作業にちょっと否定的だろうが)。
 斯くして、三位一体となった彼女らは崖を糸付きロープでガンガンに降りていき、怒涛の勢いで薬草を摘み始める。瑠璃が気休め程度に「ほどほどに」と声をかけるが、果たして彼女らに届いているのかどうか。
「これで材料は全部だよね? あと必要なものはないから……滝壺の仕掛けを回収してアガレスさんのところに行こうか!」
「お師様も、これだけ集めれば喜んでくれるはず……!」
「まさかこれだけ苦労して偽物ということはあるまい……あるまい?」
「だいじょーぶっ、たぶんんだいじょーぶ!」
 ヨゾラの指揮の下、一同は色々回収してから森を去るべく準備を始めた。トルテの圧がすごいが、そこをフェーヤがどうにかして(無意識ながら)中和している。いいのかなあ、こういうので。


「おお、随分と集めてきたのじゃな。さて……」
 アガレスは、一同が集めてきた材料をつぶさに検分した。余計なものが入っていれば効果は減るし、素材自体が足りないなんてこともあるからだ。
「問題ないようじゃな。それで、欲しいものはハクだけか?」
「完成したらちょっと分けてほしいです……」
「……少しわけてもらいたい……なんて……!」
「当然余の分もあるのであろう? ……あろう?」
(皆興味津々だなあ……)
 アガレスの問に即答したリディア、アリス、トルテの3名を見てヨゾラは微笑ましく思っていた。のだけれど、果たして本当に望み通りの効果が得られるのだろうか?
「まあ待っておれ。全員分を用意しても余るでな」
「ニルはお薬、いらないのですが……飲み終わった後に皆でご飯が食べたいです」
「おお、構わん構わん。用意は各々でしてもらうが材料くらいは用立ててもバチは当たらんじゃろう。久々に作る薬じゃからな、楽しめよう」
 調合のために奥へと向かおうとするアガレスの背に、ニルは提案を投げかけた。それには彼女も賛成らしく、台所を顎でしゃくって示した。
(皆さんの努力が報われる事を祈っておりますが……)
 瑠璃は不安で胸がはちきれそうだった。主にそこにあるサラシ布が。

 そして。
「これが……おむねの重さ……!」
 ハクは感激にむせび泣き。
「夢にまで見た……!」
 リディアは慣れぬ胸の重さにふらつき、そして感動のあまり空を仰いだ。そして頭を打った。
「お胸は……気にしないけど……アリス、この状態はすごく興味がある……!」
 アリスは嘘が下手すぎて視線がすごい泳いでいる。
「わー! すごいすごい! みんなおっきいー!」
 フェーヤはそんな仲間達を見て喜んで騒いでいる。
 なおヨゾラは屋外待機。
 結論から言えば大成功であった。全員が全員、類例ない大きさの胸を獲得している。ここまででかけりゃ文句ねえだろう、っていう適切なサイズだ。嫌味なきサイズである。
 これで喜びに震える仲間達との食事だ。心から「おいしい」のだろうと、ニルも(ない)胸が高鳴った。
 高鳴ったのだ、全員の胸が。今このときだけは。

 だが数日後。
「その、申し訳ないしすごーく言いづらいんだけど……回復、今すぐ要る?」
「ぐだざい゛」
 偶然道端で会ったヨゾラが見たのは、豊胸薬を飲んだ当日勢い余って服とかなんやらを新調したはいいものの、すぐにブッッッッカブカになって(でも首筋がゴムなので胸チラはない)この世の終わりみたいな顔をするリディアの姿であった。

成否

成功

MVP

リディア・T・レオンハート(p3p008325)
勇往邁進

状態異常

なし

あとがき

 一番ダメージでかくていい顔しそうなので一等賞(MVP)です。おめでとうございます。
 私にとってはこの展開はすごく美味しいですねえ(クソみたいな笑み)!

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