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シナリオ詳細

群れに隠れし影幾つ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●群れに隠れし影幾つ
 鉄帝国北部、ヴィーザル地方。
 その一角に広がる、春先と言えども凍り付いている永久氷樹が一面に広がる地域。
『さぁてと……今日もこの猟銃で無様な獲物を刈り取ってやるかぁ!』
 そう吐き捨てるのは、片目を眼帯で覆い、並々ならぬ殺気を纏いし者達。
 その耳は……人の耳ではなく、狐の様な獣耳がぴょこんと生えており、獣人種であるのは間違い無い。
 そんな彼らの手には、銃身を極端に切り詰めた、特製ライフル。
 射程は短いながらも、殺傷能力は極めて高い殺人武器。
『ヘヘヘ……今日もかい……まぁ、こっちは楽しいから、全然構わないけどよぉ? 余りに殺し過ぎて、獲物が居なくなったらどうするよ?』
『そーしたら、また別の所にいきゃーいいだけさ。この武器があればよ、俺達は無敵さ、はーっはっはっは!!』
 大笑いする彼らが、景気づけに空へと発砲。
 ……その銃声に、樹に止まっていた小鳥達が慌てて逃げ去っていく。
 そして彼らは猟銃を手に、近隣の街へと向かうのであった。


「あ、イレギュラーズの皆さーん! ちょっと御話聞いて欲しいのですよー!」
 と、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は、ギルド・ローレットに来た君達にぶんぶん手を振り注意を惹く。
 それに引っかか……いや、応じてくれた君達に。
「えーっとですね。今日は皆さんに、また北国へと飛んできて欲しいのですよ!」
 北国……という事は、鉄帝のヴィーザル地方。
 ヴィーザル地方とい事は……ノーザンキングス絡み、と繋がる訳で。
「そうそう、今回はノーザンキングスの『シルヴァンス』地方で最近活動を始めた『フェルドラ』一族を、始末してきて欲しいのですよ!」
「このフェルドラ一族は、どこかから奪っていた猟銃の砲身を切り詰めることで、射程を削る代わりに攻撃力を高めた危険な武器を所持している様なのです! そして彼らはシルヴァンス地域の街に前触れ亡く襲いかかり、次々と殺戮を繰り返している殺人狐、らしいのです!」
「彼らを放置すれば、シルヴァンス地方の人々が次々に殺されてしまうのです……だから、芽が出始めた今の内に、さっさと摘み取ってきて欲しいのです!」
 そして、最後にユリーカはもう一度皆を見渡して。
「彼らは素早く、接近戦を得意とする厄介な敵なのは間違い無いのです。至近距離での一発を喰らうと、大怪我間違いなしですから、其処の所、要注意でお願いします、なのです!」
 と皆を元気に送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 今回はノーザン・キングスの『シルヴァンス』地域の依頼となります。

 ●成功条件
   『シルヴァンス』地域に最近現れた狐獣人の『フェルドラ』一族を全員倒すのが目的です。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はAです。
   想定外の事態は絶対に起こりません。

 ●周りの状況
   フェルドラ一族は、基本的には単体行動を行います。
   とは言え仲間同士では、不思議な神通力(同族同士で何となく行動を予測出来る)を持っており、イメージとしては遊撃隊員が暴れ廻っている……という形です。
   戦場は早期に察知できた為、彼らの根城である針葉樹林の広がる永久氷樹地帯となります。
   彼らはその樹林の中を素早く動き回る事で攪乱&各個攻撃を仕掛けてくるので、ご注意下さい。

 ●討伐目標
   敵の武器ですが、銃身を切り詰めた特製の猟銃(ライフル)です。
   銃身が短いので、射程は近接範囲まで、となりますが、銃弾がまるで散弾の様に放たれる為、近接域に高速な銃弾が無差別に放たれますので、攻撃力が極めて高く、流血効果が及びます。
   識別はないので、近くに他の仲間が居ればそこにも被害が及ぶものの、基本的には単体行動と神通力で動く彼らにとっては、その辺りは余り問題ではないので、ご注意下さい。
   尚、敵一族の数は12匹、となります。
   
   それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 群れに隠れし影幾つ完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年05月16日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

サンディ・カルタ(p3p000438)
金庫破り
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海
ルリ・メイフィールド(p3p007928)
特異運命座標
橋場・ステラ(p3p008617)
夜を裂く星
マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ(p3p009452)
想光を紡ぐ

リプレイ

●群れの意識
 鉄帝国北部に広がる、ヴィーザル地域。
 その内陸部には、暖かいはずの春先であっても、根強く凍り付く永久氷樹が一面に広がっている『シルヴァンス』地域と呼ばれし所があり、依然として厳しい環境が広がっていた。
 勿論、この辺りに住まう人々は、季節を問わずに厳しい生活を強いられており……生きる為にも精一杯、努力しなければならない。
 そんな厳しい生活をする人々を苦しめよう……という訳ではないのかもしれないのだが、この凍り付く氷樹地域に姿を現わしたのは、フェルドラ一族という、狐獣人の種族。
 不思議な神通力で、お互いに意思疎通が出来ると言うのは……ある意味獣の本能と、物騒な武器が組み合わさった、厄介な一族。
「それにしても、オヤクソクになってるヤッカイな連中の一種だね。一つの部族を追い払うと、そこにまた新しい連中が入ってくるんだから、たまらないよね!」
 と肩を竦める『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)に、『特異運命座標』ルリ・メイフィールド(p3p007928)も。
「全くなのです。潰しても潰しても、どこからともなく生えてくるので、きりがないのですよ」
 と深く溜息を吐く。
 二人の言う通り、この地で延々と繰り返されるノーザンキングス討伐の依頼。
 鉄帝の上層部はこの事態の解決に本腰を入れるような気配も無い。
 かといって地方領主レベルでは手には負えない事態なので、イレギュラーズが解決する他に解決策は今の所はない様な状態になってしまっている訳である。
「根本的にカイケツする手がない以上は、オレ達が出てくる度に叩き潰すしかないんだよね、残念な事に」
 とイグナートがぐっと拳を握りしめると、それに『永久の新婚されど母』マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ(p3p009452)が。
「ええ……わたくし達がするべき事は、この地の平穏の為、脅かす脅威を取り除く事……彼らもこの地に住まう一族ではありますが、このままでは周りの人々に迷惑を駆けてしまう事でしょう……それを、わたくし達で止めなければなりません」
 そんなマグタレーナの言葉に、『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)と『雷はただ前へ』マリア・レイシス(p3p006685)が。
「ええ。彼らは飢えで悪事に手を染めている、という訳ではない様です。手にした武器が楽しくてしょうがない……それを利用し、力無い者を傷つけようというのならば、その辺り、天罰を与えなければなりませんね」
「うん、そうだねヴァリューシャ! 彼らは見事な連携に遊撃とか、厄介な連中であるのは間違い無いけれど、私達の力があれば、きっと考えを改めてくれる筈! その為にも頑張らないとね!」
 と、気合いを込める。
 そんな仲間達の言葉を聞きつつ、冷静に氷樹地帯を見渡していたのは、『花盾』橋場・ステラ(p3p008617)。
「しかし今回の相手は、狐の獣人……更に、神通力を持って居るという事ですか……それだけ聞くと、何だか妖怪を連想してしまいますね。殺戮を繰り返す様な、碌でもない方々の様ですが」
 と瞑目すると、それに『絶海武闘』ジョージ・キングマン(p3p007332)と『抗う者』サンディ・カルタ(p3p000438)も。
「ああ……神通力ならまぁ、動物の本能って所で済ませられるかもしれないが、今回の奴らは切り詰めた銃を扱うって話だ。奴らからすれば単なる狩り程度にしか思ってないのかもしれんが……趣味の悪い狩りだよな。不相応な武器に、舞い上がったのかは知らんが」
「だな。まぁそれ含めて、ぜってぇヤバイ話になりそうだから、さっさと鎮火してほしーんだが……」
 何か思うところがあるのだろうか、遠い目をするサンディ。
 そして、暫しの後。
「でも簡単に収まる話なら、最初っから競り合ってねーよな。今は……目の前のを何とかしねえとな」
 とサンディが氷樹地帯を見据えると、それに。
「ええ。彼らに何か理由があったのだとしても、お仕事ですし全力で倒すのみ、です」
「そうだな。調子に乗りすぎた害獣たちは、駆除するものだと決まっている。一匹残らず、始末してくれる」
 ステラとジョージの言葉。
 ……と、その瞬間。
『……ドォォォン!!』
 遠く離れた所から、僅かではあるが黒煙が立ち上る。
「ん……早速ですが、暴れ始めた様なのです」
 ルリが音と黒煙の方向を指し示すと、それにステラが。
「その様ですね……皆さん、急ぎましょう。被害が一般人に及ぶ前煮、けりをつけないといけませんし、ね」
 と逸る気持ちを抑えつつ、イレギュラーズ達はシルヴァンス地方の氷樹の上を駆け抜け、『フェルドラ』一族の暴れ廻る所へと急ぐのであった。

●火花散る
「へっへっへ……ああ、今日もいい火花を吹いているぜぇ……!」
「ははは! そうだなぁ……!」
 大笑いするフェルドラ一族……火花を吹く銃に恍惚な表情を浮かべ、銃の威力に悦が入っている模様。
 とは言え幾度となく放たれる銃声は、周りの人達にとって大迷惑になっているのは間違い無いだろうし……彼らが暴れ廻れば、いつかは人死にする被害だって起きかねない。
「良し……それじゃ早速だが、奴らを逃さないようにしないといけないな」
 とジョージの言葉に、イグナートが。
「ん、でもここは敵のホームだし、バラバラに動き回るのは危険じゃないかな?」
 と提案、それにステラが。
「そうですね……ここは敵の根城、完全に地の利はあちらにあります。罠の類いが敷設されている可能性も充分にありますから、足元は確りと注意しておかないといけませんね」
 と進言し、それにルリとマグタレーナが。
「そうなのです。ボクはちょっと浮かべるから、その辺りは問題ないのです」
「解りました……後は上手く敵の射撃を惹きつけなければいけません。体力が高い方々に外側を固めて頂きつつ、内側から迎撃する様に致しましょうか……」
「それが良いと想うのです。敵の銃から放たれるのは、散弾銃みたいな物の様なので、余り纏まっていると被害が甚大になりかねないのです。ある程度離れるのが必要だと思うのです」
 それにサンディが。
「解った。そこは俺と、イグナートとジョージで手分けしよう。んじゃ……皆、準備はいいか?」
「ああ」
 そしてイレギュラーズは静かに進軍し……敵に声が届く距離まで移動する。
『……んー?』
 フェルドラ一族が、イレギュラーズ達の登場に気づき、臨戦態勢を取る。
 だが、ジョージは敢てフェルドラ一族に向けて。
「さぁ、来い! そのご自慢の武器と、オレの拳、どちらが強いか、力比べと行こうか!!」
 と、一際強い口調で挑発を嗾けるジョージ……それを受けて。
「あぁ? 何だこいつらはよぉ!?」
「訳分かんねえなぁ……まぁ、俺達を挑発してくるような馬鹿な奴らだ。丁度良い、この猟銃の餌食にしてやろうぜぇ!!』
 笑いながら、怒濤の勢いで攻め込んでくるフェルドラ一族。
 そんな彼らに向けて、サンディとイグナートが広く広がると共に。
「オレだって鉄帝の北育ちだからね! 凍土での殴り愛なんて朝メシ前さ! 死にたいヤツから掛かって来なよ!」
「所詮お前達の武器は、その違法改造した銃しかないんだろ? お前等には過ぎる玩具だってのを解らせてやるよ!」
 と、敵の頭に血を上らせようと、名乗り口上を嗾ける。
「くそ、ふざけやがって!!」
 そして頭に血が上ったフェルドラ一族は、早速、砲身を切り詰めた猟銃を構えて放つ。
 砲身が短い故に、銃弾の勢いは加速、そして照準が定まらないままに撃ち放たれる事で、様々な方向へと飛び散る。
 そして銃撃した後には後ろに跳ねて、イレギュラーズとの間合いを取ると共に、別の者が別の方角から更に射撃。
 ……そんな敵の動きにヴァレーリヤが。
「ええい、ちょこまかと! 戦士であれば堂々と戦いなさい!」
 と叫ぶが、フェルドラ一族は。
「はっ、うるせー、俺達に指図するんじゃねぇ!!』
 と、意に介するような素振りを取らず、周りの仲間達と連携し、間合いを調整しながら更なる銃撃。
「っ、マリィ、そっちに行きましたわよ!」
「む!? ヴァリューシャ! 了解! こっちに来たのは任せておくれ!」
 ヴァレーリヤに呼応する様に、マリアはリニアドライブで5m程浮遊すると共に、蒼雷式・天槌裁華の一撃を放つ。
 更にマリアに連携し、ヴァレーリヤも「どっせえーーい!!!」で突撃し、メイスを全力で振り落す。
 そして、仲間達の動きを一通り経た後に、マグターレーナは。
「一方的に撃って逃げられると思われては困りますね……逃がしませんよ?」
 と、マリアが狙った相手に、更にシャロウグレイヴで追撃していく。
 更に次の刻……まだまだ動き回るフェルドラ一族に向けて、ジョージが更に。
「いつまでも、狩る側だと思っていればいい。次の獲物は貴様らだ!」
 重ねての名乗り口上で敵を引き寄せると、そこに向けてヴァレーリヤが敢て接近すると共に『死者の果実が実をつける前に』の一閃、それに連携したマリアがハンズオブグローリーからの、電磁加速拳・裂華へ繋ぐ一撃。
 その一撃を食らったフェルドラの一人が地面へ頭から突っ込んでいき……暫しの後に気絶。
『何、だってぇ!?』
 仲間が早々に倒されるという状況を目の当たりにした彼らが、驚愕の表情を浮かべる。
 だが決して容赦する事無く、別の者へイグナートがティタノマキアで己が攻撃力を上げつつ、覇竜穿撃の渾身の一撃を放つと、更にサンディも別の敵を惹きつけるよう、呪刻奪命剣を放ち、牽制。
 続いて敵の攻撃が一通り放たれ、それをイグナートとサンディ、ジョージが受けると……喰らったダメージを、ルリがライフアクセラレーションや、サンクチュアリにて回復。
「皆さんの体力はボクが全力でカバーするのです。だから、安心して戦って下さい、なのです」
 ルリの言葉に、三人軽く頭を下げる。
 そして、最後に動くステラが享楽のボルジアを全力攻撃で敵の脚部へ。
『ぐぁっ……!?』
 流石に脚に傷を受ければ、仲間達と入れ替わり攻撃する、という行動にもたつきが出てしまう。
『ちっ……ちょっとお前、下がれ!』
 と仲間達から指示を受けて、傷ついた彼を後方へと引き下がらせ、別の者達がそれをカバーする様に前へ出て、援護射撃。
「……本当、仲間内の連携は素晴らしいですね……勿論、手加減は致しませんが……」
「そうだね! みんなに迷惑を掛けるような悪いノーザンキングスの一派は、しっかりと悔い改めて貰わないとね!」
 マグタレーナの言葉に、マリアが頷く。
 そして、更にヴァレーリヤとマリアの連携に、マグタレーナが加わり一体への集中砲火を行う。
 その結果、また一匹が氷樹地帯に沈んでいく。
 ……立て続けに二匹が気絶という状況に、更に驚愕する彼ら……僅かに動きが鈍る。
 そこに、追加行動で動くヴァレーリヤとマリア。
「仕留めたと思った時にこそ、隙が生まれるもの……油断しましたわね!」
「さぁ、ここで仕留めさせて貰う!」
 更なる全力攻撃を重ねた一撃を、二人同じ者へ撃ち込むことで、一体追加して仕留めていく。
『く、くそっ……騙しやがって……!』
『仕方ねえ……いいか、力を合わせて一点突破を狙うぞ!!』
 イレギュラーズの動きに、即座に作戦を組み立てるフェルドラ一族。
 しかし、その作戦を組み立てている間にも、イレギュラーズ達は陣を変え、彼らの作戦に対抗。
「俺達を突破できるというのなら、突破してみればいい。そんな実力があれば、の話だがな」
「うん! さぁ、行くヨ!!」
 とジョージが威圧し、そこにイグナートが『ぽこちゃかカーニバル』で多重殴打。
 イグナートがボッコボコにに殴り、そこにサンディの崩滅呪王と、ステラの黒顎魔王の連撃。
 ……そんなイレギュラーズ達の容赦無い猛攻。
 フェルドラ一族同士の神通力が上手く立ち回る……という様な事もなく、一匹、また一匹……と、彼らは永久氷樹の地へと臥していくのであった。

●折れた砲弾
 そして、全てのフェルドラ一族を倒したイレギュラーズ。
「ふぅ……どうやら無事に終えたようだな」
 息を吐くジョージ。
 そして数匹、非殺で気絶した彼らを観察し……取りあえず目を覚ますような気配が無い事を確認。
「……さて、と……危ないこの武器は取り上げさせて貰いますわね?」
 と、ヴァレーリヤの言葉に頷き、マリアが彼らの取り柄である、切り詰めた猟銃をその手から取り上げていく。
 更に後ろ手に両手を縛り、動きを拘束。
 ……とは言え暫しの間は、気絶したままであろうから、目を覚ますまでは暫しかかりそうで。
「彼らを逃がしてあげるわけには行かないのだけれど……でも、このままここに放置しておくと、それだけで凍死してしまいかねないですわね……取りあえず、毛布でも掛けておきましょうか」
 とヴァレーリヤの提案に、頷くマリア。
 ただ、その寝顔は、先ほど迄のような荒々しい雰囲気とは全く違う、安らかなもの。
 そんな彼らを見つめながら。
「……彼らが罪を償い行いを改めればきっとやり直す事も出来るでしょうから……」
 とヴァレーリヤが言うと、それに頷きながらマリア。
「そうだね……ヴァリューシャ……この世界は厳しく、人は弱い。過ちを侵してしまう事も有る……でも、そんな彼らにも罪を償うチャンスはあってもいいはずさ……」
 と、呟く彼女。
 二人が言う通り、彼らが考えを改めれば……共存する道もあるかもしれない。
 無論、考えを改める事無く……迷惑な存在なまま……という可能性も十分にありえるのだが……その辺りを判断するのはまだ、難しい所だろう。
 そんな仲間達の言葉に、イグナートが。
「そうダネ。取りあえず、目を覚ました時に暴れるかも知れないし、暫くの間、オレが観察しておくヨ! 皆は……後片付けをお願い出来るカナ?」
 と依頼。
 それに頷き、武器から弾を抜き、銃の砲塔を潰し、発射出来なくさせて……完全に無効化。
 更に抵抗し続け、気絶で留められなかったフェルドラ一族の数人は、雪の下に埋葬。
 ……そんな対処をしていると、程なく目を覚ます生き残り達。
『……う、うう……ん……』
 起きると共に、身じろぎ……体勢を崩す。
 当然後ろ手に縛られているので暴れようにも暴れられないし……体勢を崩して、其の場に伏すしかない。
「ん……起きたみたいだな? ……縛られている理由は、全く解ってない様だが」
『何だと!? おい、解け、解けよ!!』
 サンディの言葉に、荒々しく言い放つ彼ら。
 とは言え満足に動けない身体では、わーわー騒ぎ立てる他には何も出来ないし、抵抗も出来ない。
「取りあえず、あなた達は村へと連れて行くのです。そこで今迄の悪事を確りと裁かれるのですよ」
 ルリの言葉と共に、ひょいっ、とルリが抱え上げ……他の生き残り達も抱え、村へと連行していくのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

ノーザンキングスに平和を取り戻す為に参加して頂いた皆様、ありがとうございます!
新しい武器……を面白がって使いたがるという敵でしたが、こんな物騒な武器は早々に一掃するに限りますね……。

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