シナリオ詳細
ドキッ!春の大運動会! ポロリもry…
オープニング
●季節外れの大……
――我々はただ、震えて待つことしかできなかった。
――ただただ倒れていく選手たちに、恐怖し畏怖しました。
――デスゲームとか、そんな甘っちょろいもんじゃないんですよ。
――競技の到達点、それがこの……
「さあ始まりました、第〇レース。全員遅れの無い良いスタートを切ることができました。最初に飛び出したのはゼッケン番号3番、体型も非常に期待されており、本レースで確かな人気を獲得しています。次に走るのはゼッケン番号1番、この日の為に頑張って痩せてきたとのことですが、果たして結果を残すことができるのでしょうか!」
会場に響き渡る実況の声、全力疾走するゼッケンの女性選手たち。
実況の内容だけで既に嫌な予感しかしないが、百歩譲ってここまでは普通の競争競技だったとしよう。もしかしたらほんの僅かだけ、その可能性だってあるかもしれないし。
「さてコース中盤に差し掛かってまいりました。選手たちを待ち受けるのは漆黒のブラックボックスと何が用意されているか分からない衣装、果たして最初に着替えが終わり出てくる選手はどんな衣装を手にしたのでしょう!」
うん、そんな可能性一ミリも無いだろうって予想は簡単だったよね。
コースを全力疾走していた女性選手たちは勢いよくブラックボックスの中へ飛び込んでいくと、少しして最初の選手が反対側からゴールへと飛び出した。
「おっと速い! 最初に出てきたゼッケン番号5番が着ているのはマイクロ――」
そこでは遂に始まってしまっていたのだ。
季節外れの大運動会第一競技『早着替え障害物競争』が……。
●最近は春でもやるらしい?
「運動会といえば10月や11月の秋に開催されるイメージが強い競技ですが、最近は激しい残暑などが原因で春に行うことが増えてきているそうです。つまり何が言いたいかといえば、この運動会だってごく普通の催事なんですよ?」
とりあえずお前は普通の運動会を見てこい選手権優勝、『境界案内人』イヴ=マリアンヌが何か言ってるが、その運動会は種目名を見るだけで既に普通じゃないことが分かった。
彼女が最初に説明した『早着替え障害物競争』を始め、『ヌルヌルスプラッシュ玉入れ』『胴上げ送り』など普通じゃ聞かないどころか嫌な予感がする競技しか載っていない。
「そこで皆さんに依頼が来ています」
そして、イヴのその先の言葉にもイレギュラーズたちの嫌な予感は続くだろう。
まあ、数々の苦行を熟してきたイレギュラーズさんたちならこれくらい余裕だよね?
……と。
- ドキッ!春の大運動会! ポロリもry…完了
- NM名牡丹雪
- 種別ライブノベル
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年05月16日 22時05分
- 参加人数4/4人
- 相談5日
- 参加費100RC
参加者 : 4 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(4人)
リプレイ
●ガチに変わった障害物競争
春の大運動会も殆どの競技が終了し、皆程よく疲れた頃合いである。
この運動会が何のためにどこで開催されているのか知ったこっちゃない話だが、この世界の参加者は一定数が楽しみ、一定数が人生の黒歴史を増やし、一定数(主にスタッフ)がそれを見て愉悦していた。
「うん、運動会っていうから希望ヶ浜の体育祭みたいなものかと早とちりしてよく話を聞いてなかった自分も悪かったとは思う。思うが……」
既に準備が整ったリレー会場、そのスタート位置で『誰かの為の墓守』グリム・クロウ・ルインズ(p3p008578)がため息交じりに呟く。
多くの観客に見守られたコース上には一見障害物競争として不自然の無い障害物が置かれている様に見えるが、それが普通じゃないことは誰もが知っていた。
「今宵(お昼)一人の猛者が姿を現す!
ゴールを目指せと天地が叫ぶ!
ネアンデルタールの威を示せと人が呼ぶ!!
アイア~~~~~ム……HASEBE TOMOKO!!」
多分、凄く帰りたそうにしてるグリムとその隣でアクロバティックにスタート位置に立った『蛮族令嬢』長谷部 朋子(p3p008321)の温度差は真夏の日差しとエアコンの効いた銀行並みに違う。
「ベネクトトライアスロン優勝者のあたしが来た!!
すなわちこの競技はあたしが貰ったも同然!!
だがしかしそれではあまりにこちらが有利というもの、だからあたしはこの身一つで正々堂々と戦うことをここに誓おう……!!」
グリムは思った、『そんなにフラグを立てて大丈夫?』……と。
ともあれ、集まったイレギュラーズたちが全員スタート位置についたことを確認した審判は火薬銃を上に向けると、耳を塞いで引き金を引いた。
「皆様には申し訳ありませんが、無理難題を蹴散らしながらブッチギリの優勝をいただきますわぁあ!! ヤッハァーーーー!!」
まず飛び出したのは、飛びぬけた瞬発力と機動力を持っていた『青白い令嬢』シャルロッテ・ナックル(p3p009744)だった。彼女は他の全員を置き去りにするスタートダッシュをキメると、瞬く間に一つ目の障害物『滑る平均台』に到達する。
「うおォン、今のワタクシは蒸気機関車ですわ!」
大体の参加者がヌルヌル池に落とされるその平均台はシャルロッテにとって障害物にならなかったみたいで、アクロバティックに平均台を渡り切った彼女には「良いぞ姉ちゃん!」だとか「ヌルヌルしろー!」だとかのヤジが飛ばされた。
このままいけば彼女がぶっちぎりの一位で終わると誰もが思ったかもしれないが、彼女の快進撃もそう長くは続かない。
「あら? あららら?」
「おおっと、ぶっちぎりのシャルロッテ選手が止まってしまったぁ!!」
平均台の先にあった二つ目の障害物『蠢くネット』は強力なもので、しかも一番に辿り着いたものだから執拗に絡まれて動きが止まってしまったのだ。
「わたしの装備は最新型ゆえ胸部装甲が薄く足元が見やすいのですが、ぬるぬるで足袋がずれて歩くにくうわあああ!」
さて、平均台に視点を戻そう。
二番目に辿り着いた『花嫁キャノン』澄恋(p3p009412)がちょうど足を滑らせぬるぬる池に落とされたところである。白無垢と角がべちょべちょになり、見るも無惨である。
「とりあえず慎重に、慎重に……」
そんな二の足は踏みたくないとグリムが平均台を慎重に渡っているが、その後ろからすごい剣幕の朋子が平均台に足を踏み込んできた。
「こんなもの、滑る余地も無いほどに踏み込めばいいのだ!!」
「あの……え、ちょっとまって。ねえ、今自分が渡って――」
グリムは言い終わる前に平均台をへし折られぬるぬる池に落とされた。
では彼を落とした朋子は渡りきれたのかといえば、彼女も勿論落ちた。
ついでに二次災害で澄恋が飛び散ったぬるぬるを頭から被った。
「おーっと、トラブル発生か?! だが何が起こるか分からないのがこの早着替え障害物競争!!」
例え障害物が壊れたとしても仕切り直しは存在しない。
満遍なくぬるぬる池に落とされた三人はなんとかそこから這い上がると、未だにシャルロッテが引っかかっているネットの方へ走り出すのだ。
「くっ、あたしとしたことが、一つ目の障害物で足止めされるなんて!!」
並走するグリムは、それってほぼ自業自得なんじゃと言いかけたが口を噤んだ。
何はともあれ全員『蠢くネット』に到達したわけだが、その中心辺りでシャルロッテが執拗に絡まれ網にかかった魚の様にビチビチ動いている。
「わーすごいうねうねしてますね。お昼に食べようと持ってきた謎肉まんの中身と動きが似ています。しかもこんなに懐いてきて……もしかしてこの子わたしのことが好きなのでは!?」
既にネットと戯れる澄恋が持ってきた謎肉まんは絶対表記以外の何かが入ってる。
負けじと朋子もネットの中に飛び込んでいくが、先人たちがネットに絡みつかれ身動きが取れなくなっている様子を見たグリムはどうしてもそこに飛び込む気にならなかった。というか平均台の時の様にまた何かに巻き込まれるのは御免である。
「しゃらくさい!! この程度で拘束できるほどあたしは軟弱じゃない!!」
「いいこ、いいこ♡」
結果的に彼がネットに飛び込まなかったのは正解だった。
何故なら先に入った澄恋と朋子が蠢くネットを消し炭に変えてしまったから。きっと二人とも力技で通り抜けようとしたのだろう、跡形も無く引きちぎられたネットは既に蠢く機能を失い、哀れ死骸になっていた。
ちなみに引っかかっていたシャルロッテは危うく消し炭になるところだったが、彼女の闘志はその程度じゃ燃え尽きない。先を行く二人を追いかけるべく彼女も再び全力で走り出すのだ。
「もう、帰っていいかな……?」
レースも中盤を越え、『水風船割り』に差し当たる。
ここは吊るされた水風船を割るだけの簡単な障害物だが、勿論タダで通して貰える訳がない。
「こんなものあたしの頭突きで!!」
水風船に一番に辿り着いた朋子は、走った勢いを殺さずそのまま水風船に頭突きして割るのだが、その直後柑橘類の匂いに気付いた時には既に遅かった。
彼女が割った水風船の中に入っていた『レモン汁』は容赦なく目と鼻に侵入する。
「イイッ↑タイ↓メガァァァ↑!!!!」
これには流石の観客も同情の苦笑い。
レモン汁に目を殺られた朋子は堪らず目を抑えると、お決まりの様にゴロゴロ転がった。
「四分の一を最初に引くなんてご愁傷様です。ではわたしは遠慮なく……!」
大体四つに一つが外れだと聞いていた澄恋は朋子の惨状を見て安心して水風船を割った。
直後、味噌の匂いが澄恋を包み込む。
「なっ!」
水風船の中に入っていた美味しい『なめこの味噌汁』を頭から被りながら澄恋は思う。
飲んだ瞬間にほっと落ち着ける味噌汁。人によって濃い味付けが好きだったり薄味が好きだったり、赤みそや白みそ、具材も様々に変えられる味噌汁。もし旦那様を捕まえることができたら、好みの味噌汁を作って上げれるようになろう……と(大捏造)。
「熱づぅぅぅ?!」
実際は熱々の味噌汁に、澄恋も朋子の様にゴロゴロ転がっていた。
「ふふん、二人とも足が止まっていましてよ!」
現在三位のシャルロッテは地面に転がる二人を見てこれはチャンスと水風船を割る。
既に確立を超越して半分も別のものが入っていたのだから、きっとそれはただの水だろうと後方から見ていたグリムは思う。
でも現実は非情だ。ぬるぬる池に嵌ることのなかったシャルロッテはネットの破壊に巻き込まれてボロボロなこと以外何かを被ることはなかったが、彼女が割った水風船に入っていた『牛乳』を被ることになる。とても牛乳臭い。
「ふ、ふふ……この後着替えるのですから関係ありませんわ!!」
シャルロッテはそれでも笑いながらブラックボックスに飛び込んでいった。
「きっと四分の一で水なんだね、そうだよね……」
最期に水風船を割ったグリムは、半ばわかってるような表情で水風船を割る。
ここまで別のものが入っているのなら最後に残った水風船だって絶対別のものが入ってる。そう覚悟しながら割ったが、無論やっぱりその通り。
「この障害物考えた奴絶対おかしいだろ……」
ただでさえぬるぬるしていた彼は更にヌルヌルすることになった。ついでに顔が真っ黒に染まり海の生臭い匂いがする。入っていたのはあろうことか『たこ墨』だ。
ここまでで半ば心を折られかけているグリムは、ふらふらとブラックボックスに入っていった。
「さあ全選手ブラックボックスに飛び込んでいきました。
いったいどの選手がどの衣装を手に取ったのでしょうか?」
イレギュラーズたちがブラックボックスという名の簡易更衣室に入って少し経つ。
反対側から一番に出てきたのは澄恋、その直後にシャルロッテだ。
「おーっと、一気に二人出てきました! ん……?」
実況が凄く不穏な声になる。
まずはシャルロッテの衣装を見よう、彼女が来ていたのはゴスロリが着るようなピンクのコスプレドレス、まあ普通な方だ。だがその隣を走っていた澄恋の姿が問題だった。
全身が光輝いていて、誰も見ることができなかったのである。
「やだああああああああああ!!!」
騒ぎながら三番目に出てきた朋子は、手で背面を隠している。
何故なら彼女が着ていたのは前面しか隠せない裸エプロンだったから。
羞恥のあまり、更衣室から出てくることを躊躇ったことは言うまでもない。
「ええ、結果が出ました、順位は……!」
結果、順位は羞恥を捨てて動きやすい姿で走った澄恋が一位に輝いた。
二位にシャルロッテ、三位に朋子……そして最後まで出てこれず失格になったグリムが入った更衣室の入り口には、『探さないでください』の貼り紙がしてあったのだった。
成否
成功
状態異常
なし
NMコメント
ポロリはないです。
どうも、牡丹雪と申します。
●目的『運動会を盛り上げる』
依頼の内容は運動会を盛り上げてほしいとのことでした。
その手段としてイレギュラーズの皆さんはエキシビションとして行われる『特別早着替え障害物競争』に参加することができます。
また、参加しないでコーラとポップコーン持って観戦決め込むのもOKです。
何かの手違いで全員観戦になった場合は別の何かを走らせます。
●特別早着替え障害物競争とは
冒頭で行われていた障害物競争の長いバージョンらしいです。
距離的な違いは天皇賞の春と秋くらいの差がありますが、障害が更に豪華です。
以下障害物内容になります。
①滑る平均台
スタートから割とすぐの位置にある平均台です。めっちゃ滑ります。
また、落ちると更にヌルヌルすることになるので注意。
②蠢くネット
滅茶苦茶絡みついてくるネットです。遠目から見ても蠢いています。
長居すればするほど絡みつかれるので、早めに抜けたほうが良いでしょう。
③水風船割り
紐で吊るされた水風船を攻撃して割ります。とても単純です。
1/4の確率くらいで中の水が別のものになってることがあるそうです。
④早着替え&ブラックボックス
巨大なブラックボックスの前にランダムな服が用意されています。
一人一着、早い者勝ちで服を取り、ブラックボックスの中で着替えましょう。
因みに服はプレイングで指定できたりします。
●重要
当シナリオにはパンドラ残量に拠らずネタとして扱われることがあります。
また、強めのアドリブ演出が含まれる場合がございます。アドリブNGの場合は予めプレイングや通信欄にご記載いただければ幸いです。
では、グッドラック!
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