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シナリオ詳細

再現性東京2010:峠の命を狩りし者

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性東京2010:峠の命を狩りし者
 練達の一区画、再現性東京。
 色々な建物が建ち並ぶ都心……から少し離れた郊外には山越えをする為に、、左へ右へと折り返す、見通しの悪い山越えの道路が整備されている。
 勿論、そんな道路を徒歩で越えるような人は殆どおらず、更に余り金が掛けられていないのか……道路灯も数えるほどしか設置されていない。
 急なカーブと、灯も少ない深夜の刻ともあれば、普通の人は恐れて、時間が掛かっても明るい回り道を通りそうな物なのだが。
『ヒャッハー-!! さぁ、今日も峠を攻めていくぜぇえ!!』
『ああ! 誰が一番綺麗にドリフト出来るか勝負だぜ!』
 急カーブで通る車も少ないから、とドリフトで峠を攻める若者達。
 ……そんな者達が多いからか、峠には夜な夜なギュルルルル、とタイヤのこすれるドリフト音が響き渡る。
 そうなれば更に峠を訪れるような人も居なくなり……夜に峠を通るのは彼らか、何も知らないドライバー位。
 でも……そんな峠を攻める彼らが。
『さぁ、ここがラストカーブだ! いっくぜぇええ!!』
 とドリフトしようとした、その瞬間。
『……』
『な……!? 人……!?』
 カーブの真ん中に、少女の姿。
 慌ててブレーキを掛けるが……ドリフト中の状況もあり、上手く制動せずに……そのまま車は崖の下へ一直線。
 更に続く彼の仲間達も……宵闇の中に現れる朧気な少女達を避けきれずに次々と制御を失う。
 ギリギリ停まったとしても仲間の車と衝突したりし……運転席に挟まれ、息も絶え絶え。
『はぁ……はぁ……う……ぅ……』
 呻き声を上げる無謀な若者達に対し……道路中央に居た少女は。
『……フフフ……』
 とくすりと笑い……まるで幻だったかのように、姿は闇の中に消えていった。


「あ、みんな来てくれたんだねー! それじゃなじみさんが直々に説明してあげるねっ!」
 と、綾敷・なじみは、『希望ヶ浜学園』の『カフェ・ローレット』に居た君達に満面の笑みを零しながら、早速説明を始める。
「えーっとね、今日みんなを呼び止めたのは、この希望ヶ浜と、隣町を繋ぐ山道に悪性怪異:夜妖<ヨル>が現れたんで、それを退治してきてほしい、って訳なんだ!」
 そう言うなじみの隣には、エクレアの姿。
「皆、余り知らない所かもしれないけど、隣町に繋がるつづらおりの山道は、隣町に行くには最短ルートなんだよね。でも、道路灯とか殆どないし、木々の間を抜けるようで見通しが悪い道程なので、車も殆ど通りがかる事はないんだ」
「そうだねー。それをイイコトに、毎週末には車でぎゅいんぎゅいんする人達が集まってるらしいんだ。公道でそんな事するのも本当はいけない事だと思うんだけどさー。まぁ若気の至り、ってな所なんだろうねー」
「そうなんだ。で、ここからが本題なんだけど……どうもこの山道に夜妖が出ちゃった、って訳みたいなんだ。で、夜妖に驚いて、ついこの前もこの峠で多重事故が起きちゃったんだよ」
「それにこの峠の事故は度々繰り返されてしまっている様なんだよねー。その結果、夜妖は自分一人で殺せないと分かると、周りに悪霊達を呼び寄せて身を守らせるみたいなんだ。だから、そういうのも纏めて討伐してきてほしい、って訳!」
 そんななじみとエクレアの会話の末に。
「繰り返される若者の死亡事故は、ちゃんとケリを付けないと面倒だよねー? って訳で皆、よろしく頼むね!」
 と、なじみは満面の笑みで送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 エクレアさんのアフターアクションから、いろは坂の様なつづら折りの道路にドリフト族が現れ、それを殺す夜妖退治をお届けします。

 ●成功条件
   夜妖と、その周りに居る悪霊達を倒すことです。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はBです。
   依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   山越えのつづらおりのカーブで事件が発生します。
   何カ所かカーブはありますが、事故が起きるのは一番山頂に近い所のカーブ、の様です。
   数年毎に同様の事件が起き続けている様で……近くに住む人からは『幽霊カーブ』と呼ばれている状態で、一般の人は深夜の刻に訪れることはほぼありません。
   ただ若者達はそんな噂なんて何処吹く風で、峠をぎゅいんぎゅいんドリフトで攻めていた所に、夜妖が現れて多重事故……となってしまっている様です。
   道路灯もなく、木が茂っているので見通しも悪い……灯が無ければ、悪霊及び夜妖の姿は闇に紛れて殆ど見えないので、しっかりと灯の対策を取る様お願いします。

 ●討伐目標
   夜妖一人、と死んでしまった怨霊達が10人です。
   夜妖ですが、少女の姿をしています……ただ、色無く影のような姿を取ります。
   体力は少なめですが、スキルは強力な効果を持ち、哀しみの叫び声(神・遠・ショック+魔凶のBS)と、憂いの声(神・範・識別の回復)を発動可能です。
   一方、怨霊達は20歳位の若者の姿、同じく影のような姿を取り、体力は少し多めです。
   攻撃手段は様々ですが、物・近のか、物・遠のどちらかになり、どちらにも呪いのBSが付与されます。
   またこの怨霊は夜妖の身を守る様、彼女の周りを囲う事で攻撃を通さない様に配置につきます。

   それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 再現性東京2010:峠の命を狩りし者完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年05月04日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

ヨハン=レーム(p3p001117)
閃電の勇者
ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)
救いの翼
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
流麗花月
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール
楊枝 茄子子(p3p008356)
羽衣教会会長
エクレア(p3p009016)
影の女
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
アリス・アド・アイトエム(p3p009742)
泡沫の胸

リプレイ

●暗闇に響く
 練達に広がる一区画、再現性東京。
 ビルが立ち並ぶ都心や、一軒家が建ち並ぶ郊外、そして緑の潤いを与えてくれる山々。
 暮らす分には何不自由なく、そして変哲も無く日常を過ごす人々の生活が根付いており、傍から見れば事件など起こりそうにない場所。
 しかし今回の事件もまた、この再現性東京にて発生してしまう訳で。
 今回の依頼は人里離れ、郊外に聳える山に現れるという、夜妖を退治してきて欲しい、というもの。
 だが……出現する場所は、近くに住む人からは幽霊コーナと呼ばれている。
 畏怖の対象となっている怪談スポットであり、度々悲惨な交通事故が起きてしまっている、という場所。
「幽霊コーナーですか。最近も事故が起きてると言うことは、それを知っててもブーンと車を走らせる人がいるのですか? 怖くないのですか……?」
 と『シティガール』メイ=ルゥ(p3p007582)が小首をかしげると、『救いの翼』ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)が。
「そうだね……本当、怖い物知らずな若者達だね……正直、怪異なら別に轢いちゃっても良いんじゃないかな……って思うのもあるんだけど」
 と溜息一つ。
 その悲惨な交通事故を引き起こしている要因が、かの夜妖だと言う。
 つまり夜妖をこのまま放置しておくと、更なる被害が生じてしまい、それが更なる怨念を呼び寄せてしまうやもしれないし……事故も収まることはないだろう。
「ふむ……若気の至りとは、一種の生命エネルギーの放出。いやはや、実に素晴らしいな」
 と、この噂話を持ち込んだ『影の女』エクレア(p3p009016)が達観したかの様に告げると、それにミニュイも。
「確かに元気があるのは素晴らしい……だが、この被害者達は夜妖に狩られなくても、何処か別のところで事故って命を散らしてそうだ。他人を巻き込む危険もあるのに、制御出来ない速度で遊ぶもんじゃないな」
 肩を竦めるミニュイに、『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)が。
「うん。見通しの悪い夜間のカーブで、全速力でドリフトだなんて……危ない要素しかないよ。夜妖はもちろん倒すけど、できれば若者にもカーブを攻めるのを止めて貰うようにしたいよな?」
 と言うと、エクレアは頷きながら。
「ああ。死んでしまっては元も子もない。ゆえに原因を除くために、僕たちが一肌脱ごうじゃないか」
 と語尾を強めるうと、、『流麗花月』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)と『無限循環』ヨハン=レーム(p3p001117)も。
「そうだな、峠の幽霊話か。その発生までの経緯に興味はあるが、何にせよ処理せねばならぬ事に変わりは無いな」
「ええ。夜妖怨霊、何かしら恨みに未練とかあるのかもしれませんけど、殺そうとするのならばもう救えない。必ず討つ」
 各々、夜妖退治に対する強い決意。
 それに触発されたように、『羽衣教会会長』楊枝 茄子子(p3p008356)が。
「そうだね! 峠に現れる夜妖の少女……危ないね! この少女がが何を考えてそんな事をするのか解らないけど、死者が出ている以上容赦するつもりはないよ! さっさと成仏して貰おう!」
 元気よく、拳を振り上げると、『蕾蜘蛛』アリス・アド・アイトエム(p3p009742)が。
「……え……お化け……の女の子……?」
「ん、そうだよ? ちっちゃい女の子の姿形をしてるんだって!」
「……そう……すごい興味深い……気になる……けど、若者が事故起こしてる……若者……つまり女の子も……いる……それは……解決しなきゃ……また女の子が……失われる……だからアリス……頑張る」
 静かな口調ながら、並々ならぬ気持ちを口にするアリス。
 そしてイズマが。
「まぁ、今回の加害者は夜妖だけど、運転手にも責任はある。だけど事故はない方がいいからな。とにかくまずは、夜妖退治と行こう」
 と言うと共に、つづらおりの峠へと差し掛かるのであった。

●叫声を響かせ
 そしてイレギュラーズ達は、噂の峠道へ到着。
 ミニュイが用意したオフロード車と、汰磨羈のバイクで峠を登るが……逆側から来る車はない。
 更に左へ、右へ……と次々とカーブが続く道路には、道路を点す灯は数える程しかなくて、とても不気味。
 さらには道路沿いの木々はしっかりと生い茂り、カーブに差し掛からないと次の道が見えない……といった具合で、見通しも最悪な状態。
「なるほど……これは情報通りの見通しの悪さですね」
 ヨハンは軽く溜息を吐くものの。
「まぁ、夜戦とわかっていれば対策もしてきますよね……という訳で灯の準備はしてきました」
 と言いながら、その手の月明廻りを掲げて頷く。
 そして、数多のカーブを越えていき、山頂で、一端車とバイクを降りるイレギュラーズ。
 エンジンを切り、灯を堕とすと……ぽつ、ぽつとある心許ない灯だけしかなく、一層の不気味さが辺りを包む。
「いや……本当に暗いな。暗視でも、しっかりと目を凝らさないと解らない位だ」
 とイズマが言うと、アリスも。
「うん……肝試しみたいで……ドキドキ……する……これが、吊り橋効果……? で……女の子との距離……近くなると……いいな……」
 恐怖というより、私欲に傾いている様な気もする。
 ……取りあえず彼女は、aPhone10のライトを点灯し、ギフトで作り出した糸で頭にくくりつけ、ヘッドカメラ兼ヘッドライトとして装着。
「これで……良し……アリス……びっくりしたら……自然と抱きつける……不可抗力……だから仕方ない……ね……えへへ……」
 ちょっと顔を緩ませる彼女……それにえーっと、と言葉に困りつつ。
「……まぁ取りあえず、幽霊カーブの所まで降りるとしよう……と、そういえばメイ、手筈は大丈夫か?」
「大丈夫なのですよ! ちゃーんと山道の入口に『工事中の為通行止め』っていう看板、立ててきたのです! 夕方に立ててきたから、ちょっと街の人には迷惑掛けちゃいますけど……でも、仕方ないのです!」
「ああ……命あってこそ、だからな……ま、無理矢理やってくる可能性がない訳ではないがな」
 汰磨羈にメイが自信満々で頷き、そしてエクレアは肩を竦める。
 深夜の刻になれば、どこからともなく峠を攻める若者達が来てしまうだろうから、メイとエクレアの二人で山道を一晩だけ、封鎖させて貰ったのだ。
 とは言え強引にやってくる可能性も捨てきれないので……出来る限り早急に対処する必要はあるだろう。
「うんうん。準備は万全という訳ですね! それじゃー幽霊カーブに向かいましょう。灯はみんなにまかせたよ!」
 と茄子子が皆を促すと、ああ、と頷くエクレアが隼人明星で身体を発光させる。
 更にヨハンもセントエルモの火を、ミニュイが隼人明星を、そして汰磨羈にメイが南瓜ランタンを腰にぶら下げて、更なる光源を確保。
「これだけ灯があれば、一つや二つ消されても大丈夫だろう……備えあれば憂いなし、だ」
「そうなのです。この南瓜ランタン、普通のランタンよりも可愛いのです!」
 ともあれ、その輝きと共に幽霊カーブに向けて近づいていくイレギュラーズ。
 ……勿論不意に敵が攻撃してくる可能性があるので、出来る限り距離を取って、持ちうる暗視能力で、そのカーブに目を凝らし状況を確認。
「ここが幽霊カーブか……うわ、道路にタイヤ痕がある。という事はここで事故ったのか? それに崖の柵も、めくれ上がってる……下手すれば、うっかり落ちかねないな」
 と、イズマが戦場の状況から推理。
 いつ事故が起きても不思議ではない様な状況だから、夜妖が出たのか……とも思えてしまうが。
「余り外に膨らんで、攻めすぎない様にしなければ取りあえずは問題無さそうだな……ミニュイもその辺りは注意しような」
「そうだね。ま、車だから汰磨羈の方が危険だと思うから、お互いに気をつけましょう」
 と二人頷き合う。
 そして二人は再度車とバイクの方に戻り、他のイレギュラーズ達は一端森の中に姿を隠す。
 ……峠の下の方から、エンジン音を響かせて登ってくるミニュイ。
 幽霊カーブに近づくと共に、ブレーキを聞かせて、叫ぶような音を響かせる。
 それに並行するように、汰磨羈がバイクに乗って続く。
「さぁ行くぞ。バイクでドリフトは出来ぬが、要はギリギリを攻めれば良いのだろう!」
 峠を攻めた……その時。
『……ゥゥ』
 呻き声と共に、そのカーブに姿を現わす……夜妖と、その周りにも多数の怨霊達が出現。
「貴様等がターゲット、という事だな?」
 と汰磨羈はそのままバイクを吹かし、夜妖へとぶつけようとする。
 だが夜妖はすっ、と影を揺らめかせ、バイクの衝突を回避……そのままバイクは、崖へと向かう。
「っ……躱したか」
 と汰磨羈はバイクから飛び出し、何とか道路上に踏みとどまる。
 そして夜妖の登場と共に、隠れていたイレギュラーズ達が一斉に飛び出してきて、夜妖へと対峙。
「では、始めましょうか。そしてこの歪みを終わらせてやる、魔刻開放!!」
 ヨハンは己が秘めた力を解放すると共に、夜妖達を見据える。
 しかし夜妖達は、特段の反応を返すという事は無い。
 ただ、イレギュラーズを敵と認識為たのは間違い無く、夜妖の周りの怨霊達が、彼女を守護するように立ち塞がっていく。
 そんな敵の動きへ素早く反応したのはメイ。
「フッフッフッ。メイは車がなくても超スピードなのですよ!! ロケッ都会羊さんの加速力をお見せするのです! 安全ヨシ! メイ発射なのですよ!!」
 と、羊バックをよいしょと背負うと共に……中のスラスターが火を噴いて、怨霊達に突撃。
 怨霊達をドンドンと弾き飛ばしていくと、続いてイズマが怨霊を纏めてH・ブランディッシュの一閃。
 更にエクレアは手を掲げると共に……地面を踏みしめる。
 その行動に、一番手前に居た夜妖数体が弾かれるように飛ばされる。
「いや……しかし驚いたな。君たちには脚がないのに、影の概念はあるんだね。ふふふふふ、実に興味深い」
 微笑むエクレアだが、その攻撃は怒り効果を付与するもの。
 飛ばされた夜妖達は、エクレアに向けて進撃し始める。
 だが、エクレアの前に立ち塞がるアリス。
「……生きてる女の子が傷つくのは……だめ……だからアリス……ぜったい守りきる……!」
 その言葉と共に夜妖の群れに放つ名乗り口上……改めての怒りが怨霊達を支配。
 そして夜妖達は、アリスと先陣に突っ込んできたメイの二人をターゲットに収めた様で、メイには近接攻撃、アリスには遠距離攻撃を呪い付きで放つ。
 そして怨霊達の攻撃を一先ず受け続けた二人に。
「大丈夫? 会長がめっちゃ回復してあげる。とりゃぁ!!」
 と茄子子がクェーサーアナライズで急いで回復、更にヨハンも。
「数押しの怨霊、統率も取れていてなかなか良い動きをしている。だが、僕は数が多ければ多い程真価を発揮するんだ。死、闇の魔法がお前等の専売特許ではない事を教えてやる!」
 と辛らつな言葉と共に、コーパス・C・キャロルで回復を行う。
 そして怨霊達に攻撃する一方で、汰磨羈とミニュイの二人が怨霊達を回避するように大回りで移動し、夜妖に出来る限り肉薄。
『……!!』
 近づかれた夜妖は、悪霊達の方へ数歩下がり間合いを取り直す。
 しかしそれを見越してミニュイがハイロングピアサーの遠距離攻撃で射抜き、凍結効果で敵の回避と反応を削っていく。
 次の刻も又、最速のメイが悪霊のど真ん中で、ブルーコメット・TSを放ち、手近な敵に恍惚効果を付与。
 そしてイズマは先ほどに続き、再度H・ブランディッシュで纏めて攻撃、アリスも。
「夜妖……女の子……だからアリス……直接傷付けたくない……他の霊も……女の子……いる……でも……生きてる人……守る!」
 並々ならぬ女の子への思いを叫び、名乗り口上を重ねていく。
 一方で後衛、茄子子はヒーラーとしてクェーサーアナライズで仲間達を回復しつつ、夜葬儀鳳花で夜妖達を大量の炎に包み込む。
 更にヨハンが。
「終焉の帳は下りた。傷が塞がる事は無い、終わりだ!」
 と、ワールドエンド・ルナティックの一撃で攻勢に転じる。
 そしてエクレアは、魔神黙示録にて前衛の仲間達に。
「攻勢を止めなくて良い……背中は任せてくれ」
 と充填の効果を付与。
 流石に恍惚効果を受けていた怨霊一体が、耐えきれずに消失する。
 そう怨霊を退治している中、夜妖を追い立てる汰磨羈とミニュイ。
 周りの怨霊達を盾にしてくる為、中々大打撃を与える事は出来ないのだが……夜妖の攻撃は追い立てる二人に放たれるので、厄介なバッドステータスも汰磨羈とミニュイだけに放たれる。
 そんな二人の状況を常に見張り続けていたエクレア。
 二人が危険になれば、すぐに回復する事で戦線を維持していく。
 そして時の経過と共に、怨霊達を一人、また一人……と倒していく
 10人いた怨霊達を全て倒し、残るは夜妖だけ。
「僕は戦う事だけが取り柄の人間だ。いたずらに生者を弄んでいるだけのお前らが、戦いにおいて僕に勝てると思うな!! 死ね!!」
 とヨハンが夜妖に向けてワールドエンド・ルナティックの一撃を放つ。
 渾身の一撃に、半身が闇へと消え失せ、そして。
「御主は、悲劇的な理由で生じた夜妖なのかもしれぬ。だが、御主は多くの害を成しすぎた。そこに情状酌量の余地はない。疾く、逝くがよい」
 近接で対峙してきた汰磨羈の宣告……それと共に『絶圏・勦界儀『震羅无消』』の必殺の一閃。
 その一撃に、夜妖は闇の中に、完全に崩れ墜ちるのであった。

●峠の悪夢
 風に木々が擦れ合う音に、持ち込んだ車とバイクのライトだけが、幽霊カーブを照らす。
「……終わった……」
 アリスがぽつり呟き、頭にくくりつけていたaPhoneを取り外す。
 そして……録画していた、戦闘中の映像を確認すると……朧気ではあるが、夜妖の姿も何となく映っていて。
「これ……霊の女の子……倒したら消えちゃうの……勿体ない……から……」
 と、消さない様に、ロックを掛ける。
 そんなアリスの横で、ヨハンが。
「……さようなら、お嬢さん」
 と、ヨハンが消えた夜妖に向けて、弔いの一言を捧げる。
 それに茄子子、エクレアも。
「そうだね。どうか、無事みんなが成仏しますように」
「そうだな……今回は調査出来そうなサンプルも無さそうだしな……亡くなった彼ら、彼女等の為にも黙祷を捧げさせてもらう」
 と、それぞれの方法で夜妖と怨霊達への弔いを捧げる。
 暫しの静寂の後……再度目を開いたエクレア。
 ふと、空を見上げた彼女に茄子子が。
「ん……どうかした?」
「いや、な……」
 茄子子に対し顔を背けつつ、小さな声で。
「正直、こういうのは柄じゃあないんだがな、君たちには『貸し』を作っておくとしよう。輪廻転生を済ませたら、死後の世界について教えておくれ」
 と、夜妖に向けて語りかける。
 その声が届いたかどうかは解らないけれど……少なくとも辺りを包んでいた不気味な気配は、ほんの僅かではあるが和らいだ様な気もする。
 ただ完全に陰鬱な気配がなくなった訳ではないのは……やはりココで死んだ人が、先ほどの悪霊だけではない、という事なのだろうか。
「うーん……これはやっぱり危険だよな。街灯を立てる、看板か柵を置く、とかが必要かな? 何度も事故があったって知らしめるのも必要だろうし……」
 とイズマが考えて居ると、メイも。
「そうなのです。夜妖を倒しても、危ない運転をする人は、きっとまだまだ居るのですよね……どうするべきなのでしょうか……うーん……事故防止に、幽霊コーナーが解決した、というのは秘密にしておいた方がいいでしょうか?」
 うんうんと唸るように悩んでいるメイに、ミニュイが。
「確かにこのままじゃ、ギュインギュインする人々は変わらず出て来そうだね。そこのガードレールがめくれ上がったままなのは、暴走行為を助長するようなものだし。とりあえず道路整備について、行政には連絡しておくとして……後は実力行使、というかネットの力も活用してみようか」
「ネットの力、です?」
「うん。例えば……」
 とミニュイがaPhoneで、現場の写真をパシャリと撮影し、更にそれをSNSにアップ。
「ここが危ないってのをネットに拡散すれば、行政もやらざるを得ないだろうしね……?」
「おお……すごいのです!」
 びっくりカンゲキしているメイ。
 まぁ、話題になってネットニュースにでもなれば、渋々でも行政が手を出さない訳には行かないだろうし……順当と言えば、順当な手段。
 そして一通り撮影を終えて上げ終わると共に……イレギュラーズ達は両方の峠入口に設置した看板を片付けた後に、山道を後にするのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

夜妖退治へのご参加、ありがとうございました!
ドリフトでぎゅいんぎゅいんする人が、SNSの力によって一人でも少なくなれば……いいなぁ。
皆様も、暴走行為にはご注意下さいね……?

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