PandoraPartyProject

シナリオ詳細

イレギュラーズ同人誌データ販売陰謀計画

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 ――同人誌即売会という言葉をご存知だろうか?
 同人誌とは一言で言えば書物にして、それの売買の催しの事である。
 夏とか冬とかに大きな盛り上がりを見せるイベントだ――まぁ一大イベントレベルを除けば一年通して行われていたりもするが、ともかく。元々は異世界『地球』という所の文化だったらしいのだが、旅人の影響からか混沌にも齎され練達でも随時開催されている。
 ……しかし。

「どういう事よ……どうして、アタシの同人誌が練達闇市場に出回って……!?」

 コルネリア=フライフォーゲル (p3p009315)が衝撃を受けていた。
 ローレットにタレコミが齎されていたのだ――イレギュラーズの同人誌が、出回っていると。しかも結構あられもない姿の同人誌らしく、その書物の一つを手に取っているコルネリアの手は震えている。なんで、どうして? 脳裏に思い浮かぶ疑問符は絶えず。
「アルテミアの同人誌が出回るのは分かるわよ。歴戦の女騎士だもの。
 むしろ出回らない方が不自然だわ。でも……どうしてアタシのが……?」
「コルネリアさん? 今なんて言いました? 何か私の事を誤解してませんか?」
 同時。コルネリアの不穏な言い方をアルテミア・フィルティス (p3p001981)が素早く指摘するのだが、コルネリアの耳には届いていないのか反応を見せない。『コルネリアさん? コルネリアさん!?』と何度も呼び掛けるのだが、同人誌が出回っているショックの方が大きいのだろうか。
「とにかく――いけないわこんなの! アルテミアのは仕方ないとしても、これはKENZENな即売会が保たれる筈がないわ! こ、こんなのが出回っているなんて……ましてやR.O.Oが始まろうとしてるこの時期に……!」
「ちょっと!! だからさっきからなんですか『仕方ない』って!!?」
 タレコミによると、なんでもこの同人誌を販売している売人は今噂になっている『Rapid Origin Online』――通称『R.O.O』へのデータ販売も目論んでいるらしい。待て待てそれはまずい! 一度ネットに流れたデータは削除が難しいって聞いた事がある!

「こうしてはいられないわアルテミア!
 アタシの同人誌をデータ販売なんてさせない!!
 売人をとっちめてアイツらの野望を阻止しに行くのだわぁ!!」
「だからさっきから私も含めてくださいよ、ちょっと――!!?」

 意気揚々のコルネリア。話をせめて聞いてくださいよと懇願するアルテミア。
 イレギュラーズ達の面子を守る為。KENZENな即売会を守る為。
 こんな事で利益を上げようとする売人をぶちのめす為。
 或いはこっそりと前から狙っていたお目当ての同人誌を手に入れる為……おっと本音が。
 ともあれ皆それぞれの目的を携えて練達へと向かう。

 同人誌なんかに――絶対まけたりなんか、しない!

GMコメント

●依頼達成条件
 売人をぶちのめす!!

●フィールド
 練達同人誌即売会会場『コミック・コミック31』
 そこそこ広い会場です。色んな同人誌が売られているみたいですね。
 ただしここはKENZENな即売会会場なので、あられもない姿の同人誌は売られてない様に見えます。しかしタレコミが確かなら、どこかで闇の様に売られている筈です……
 実は裏口の方から入ると表からは見えない秘匿スペースに入る事が出来ます。
 そこではな、なんと表では売られていない同人誌たちが……!!

 しかし全員がイレギュラーズ本を売っている訳ではありません。
 どこのどいつが売っているか確定した上で暴れた方がいいでしょう――
 ちなみに調査がてら本を購入とかしても勿論OKです。ええ、調査の為なので。

●売人
「へへっ、イレギュラーズ本ってのは結構需要があるんですよ」
 タレコミあったイレギュラーズ本を売ってる売人。
 秘匿スペースの奥の方にいる様です。
 なんでも彼はR.O.Oへデータを移植し、そこでも販売を目論んでいるとか……実に危険な人物なので排除しないといけませんね。ね!

●備考
 もしかしたら売人ぶちのめしてもR.O.Oにデータアイテムとして出回るかもしれません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • イレギュラーズ同人誌データ販売陰謀計画完了
  • GM名茶零四
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年04月30日 23時55分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女
キドー・ルンペルシュティルツ(p3p000244)
社長!
アルテミア・フィルティス(p3p001981)
銀青の戦乙女
※参加確定済み※
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)
音呂木の蛇巫女
カイト(p3p007128)
雨夜の映し身
橋場・ステラ(p3p008617)
夜を裂く星
オウェード=ランドマスター(p3p009184)
黒鉄守護
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)
慈悪の天秤
※参加確定済み※

リプレイ


「……おかしい、あの二人はまあわかります。だってあの二人ですもんね。でもなんで私まで増えてるんですか……? R.O.Oにも流出の危機ってどういう事ですか!? 世はデータ販売の時代ですか!?」
 そういう事ですよ『白銀の戦乙女』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)さん! そりゃあ姫騎士として名高い貴女の本も流れるのはある意味必然で……累計で何冊目ですかね、新たな出版記録更新おめでとうございます。
「ぶはははは! こうなったら三冊でも四冊でも五冊でもこいってもんさ! モテすぎか~~? いやーオータムハバラクイーン目指すっきゃないんじゃねこれ? ……いや流石に伝説の姫騎士二人には勝てねーか」
「とにかく……アタシの同人誌流出は止めなきゃね……アルテミアのはまぁ……アタシも買うし……それはいいし……なんなら三冊買うけど……とにかく! 行くわよ秋奈! 潜入かいs……肌ツヤが良いわねこの子……」
「三冊!? ちょっと!! まるで私のモノはKENZENではないみたいに言うんじゃないわよコルネリアさん! 確かに今まで何度かそういうモノが裏取引されていたけれどっ! 今回は!! いや今回も拡散は絶対に阻止してみせるわよ!!」
 ともあれ『奏でる記憶』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)と『慈悪の天秤』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)も突入するものだ。特にコルネリアが目指すはなんか絶対屈しないとかのたまってる『プロメテウスの恋焔』アルテミア・フィルティス(p3p001981)の本で、場に適合するためにコルネリアはバニーのコスプレをして潜入する――

 あれ、でもなんかこれむしろ逆に目立ってない???

 ほら周りの人も結構見てますよコルネリアさん。
 あ、写真良いですかコルネリアさん。あ、ポーズもお願いしますコルネリアさん。
「コルぴっぴさっすがぁ~私ちゃんいつぞやのミニスカチャイナを用意してきたんだけど、コルぴっぴ(31)の光マジパナい。私ちゃん負けちゃう~~で、エプロンいる?」
「エプロン!? なんで!!?」
 秋奈も撮影陣に混ざってコルネリアに連写。
 慌てふためくコルぴっぴの様子、あとでドヒャッターに挙げておかないと~使命使命~
 ――だがこれも遊んでいる訳ではない。先述の通り、これは潜入の為……
 コスプレイヤーとしてサークル側スペースにも目を届けるための秘策だ。
 後で秋奈と共に奥の方も見てみようと思考しながら。
「ていうかよお~待って、姫騎士達はともかく、なんで俺が?
 俺だっていくら何でも薄いブックの題材にされる身に覚えなんて」
 ――瞬間。『雨夜の映し身』カイト(p3p007128)の脳裏に浮かぶのは同名が多い事。
 とある赤い人物や騎士や、ついでに再現性東京で教師やってる奴も……
 それを統合すればもしかすれば――同人誌の材料に――!?
「あったわ!!! 思った以上に逃げ場無かったわ!! いっそ殺せ!!!
 くっそ!! しかたねぇ……めっちゃイヤだがパンドラの箱を開けに行くとするか……
 へへ……箱の最後には希望があるんだろ……?」
 希望とはあるからこそ絶望が生まれるという説も……
 ともあれカイトを含めイレギュラーズ達は会場に入りつつあった。様々な思惑を携えつつ。
「ドーモ、転売ゴブリンです。いやいやいやいやカイトよりも俺の方がおかしくね? この手のアレの題材になるのは綺麗所の……いや俺もイケゴブだけどさ、ワイルド系じゃん。どっちかといえば掛け算の左側に配置される系の……おっと脱線した」
 いやもしかしたら美男美女を襲う側として配置されてるかもしれないじゃないですか『最期に映した男』キドー(p3p000244)さん。え、そういう事ではないって? そんなー
「とにかく美男美女(一般準)の役目じゃねェかよ! こうゆーのの犠牲になんのはよォ! クソ、早い所見つけて潰してやらぁ! ……で、マジでどこにあんのイレギュラーズ本」
「ふぅむ、とにかく点稼……違うリーゼロッテ様に愛されたい故に……つまり点稼じゃ……点稼の好機じゃ……薔薇十字機関を出さずともワシが点稼してやるワイ……!」
 同時。逸るキドーと共に『英雄的振る舞い』オウェード=ランドマスター(p3p009184)も目を血走らせていた。いやね、こういう所にはね、大体ね、麗しいお嬢様本があるのが定石でね……?
 だからそれを積極的に潰すことで愛しき暗殺令嬢への点稼である!!
 珍しくオウェードは服装を軽装にして髪や髭も降ろして黒く染めている。
 変装の類だろうか――イレギュラーズとそう簡単に分からぬ様に策を講じて。
 売人を探して潰すのだ。いいですか皆さん、それが主目的ですよ。分かってますね?
「…………えっ? あ、はい。あ、すみませんそちら一冊頂けますか?
 ええ。お金はこれで……えっ? 普通にお買い物? いやこれは調査の為ですよ」
 『ジョーンシトロンの一閃』橋場・ステラ(p3p008617)さん?
 パンフレット片手に各地を巡って不審なスペースが無いかチェックを行っているのが彼女だ。買い物は調査。調査の為ですから。うーんしかし当たり前というかなんというかパンフレット上にはイレギュラーズ本があるようには見受けられない……
「……ですがどうやら『裏』があるようですね……?」
 しかしその最中。彼女の優れし耳に届いたのは、陰でこそこそと話す声だ。
 ――どうやら表に無いような本を取り扱っている『裏』への入り口があるという。
 調べてみればそこにあるだろうか……? あ、この本一冊下さい。


「いやー良いですねよく調べてる……凄くいい。
 ここまで物語を上手く解釈しているとは、一致しますねぇ」
 そんでもって。キドーは上着のフードやめっちゃでかいマスクで顔を隠して情報の収集に努めていた――表向きは好意的な購入者として。何冊か買って金を落として作者を褒め称える事も忘れない。されど、その言動の裏に潜むのは。
「でも全年齢向けでは書ききれなかった事もあるのでは……? 資料を漁っていて創作者の魂が疼いたことは……?」
「う、うぅ、それは……!」
「さぁ楽になって……そして向かうのです。貴方の魂を呼ぶ所へと……!」
 まるで反転させようとしてくる魔種みたいな言動だ……とにかくこうしてキドーは相手の心の隙間に入り込んで『裏』の情報を探っていた。上手く行けば情報を引っ張り出せると――あ、それはそれとしてこの本ファルベライズ本じゃん。真面目に一冊下さい。
「しかしかの噂の売人は拙の本も? 出回っている、とか?
 ……どうして拙なのでしょうか。他の方々の方が色々と……」
 題材にしやすい――というか有名所なのではないかとステラは思考するものだ。
 本にされるには知名度とかその辺り色々ある筈。なぜ拙を選んだのか、単純に興味が湧く所であり――故にこそ彼女は耳を澄ませ足を運んで積極的に動いていた。
 一方で。アルテミアはステラ達とは異なりサークル側の立場として潜入を果たしていた。
 偽装用の新刊を用意して。己も変装……そう『ちょっと』ばかり変装を施して。
 ある程度の所で抜け出すか『裏』への誘いがあればと――試行していたら――
「へぇ。新刊一冊? アンタってこういう子が好きなんだぁ♪ いいよぉ、それならお金は――」
「えっ……アルテミア、さん……?」
「えっ?」
 目が合った先にいたのはシフォリィであった。
 し、しかし……シフォリィが目を合わせた先にいたのはいつもの騎士のアルテミアではない。
 正体がバレないように練達製の変装アイテムで『褐色肌』にメイクし『学生服』のコスプレをし、雰囲気もそれに合わせて演技をする――一見して誰がアルテミアなどと思うか。こ、これはギャ……
「違うわえぇいやこれは勘違いしないでほしいのだけれども確実に拡散を阻止する為の致し方ない行為いわばコラテラルダメージと言う奴よそうよちょっと心がズタズタになるだけであって本命を阻止出来れば万事解決なのよそうなのよだからそんな目で私を見ないでシフォリィさんこれは誤解であるという事を貴女にだけは分かってほしいわ」
 一息で話す死んだ目のアルテミアッ! 褐色肌で死んだ瞳……これはこれで……
「い、いえ。私も……私だと特定されないようにそれなりに変装して……人込みに紛れるようにしてますから……と、ところでその売っているものは一体……?」
「ええ! これはサークルとしての体裁の為の囮本よ――『リリファ☆クエスト -スットン遺跡の秘宝-』」
 むきゃあ? どこか天から妙な声が聞こえてきた気がするが気のせいだろう。
 とにかく後でリリファルゴンになんか狙われるフラグが立った気がするが、しかしこれは必要な事なのじゃ。アルテミアの行動もサークル側から情報を集める為に。シフォリィも売人として紛れるようにして――『向こう』から接触させる為に。
「奇遇ですね。私もダミーとして夢女スパダリゲルツさん本(全年齢)で触れ回ってるんですよ。ああ、あと……ええ……『裏』を見つけたらあの伝説のデータも出すつもりで……」
「ま、まさかシフォリィさん……!」
 あのかつて発売後3時間で発売中止になり(健全)に差し替えられたシフォリィのほんのデータメモリ……! これはいけません。餌にしても極上すぎます。後で差し止めるにもしてもなんてこった……こりゃ永久保存版ですよ……
 『アレ』も売られると情報を流せば釣れるだろうか――期待したいようなそうでないような。

「え、アタシ? アタシは実は売り子としての付き合いで……ええ。あ、サークルの方に呼ばれてるのでごめんね!」

 同時。シフォリィらが潜伏の姿勢を取るのなら、コルネリア達は動く側だ。
 どこのサークルの売り子さんなんですかと問われたコルネリアはそそくさと理由を述べてその場を離れて奥へ奥へ。怪しむ輩には人の心を掴む術を用いて、こう、きわどいポーズを取れば信者が幾らでも増えますよコルネリアさん。多分。
「はーコルぴっぴおもろ。さっきのも後でアップしとかなきゃ」
「やめなさいよ、削除しておきなさい削除。いい? 絶対よ? 絶対だからね?」
 分かった絶対ね! と秋奈は振りを理解できる女である。
 ――ともあれ歩を進める彼女たちの前。何やら怪しげな雰囲気の扉を目撃して。
「ねぇちょっと良いかしら? あぁ、売り子として来たのだけれど休憩中で見て回ってたの。イレギュラーズの本とかって、何処かにある? 頼まれてるんだけど見当たらなくて困っててねぇ……」
「んん、そりゃもしかして……アンタ『裏』をお求めかい?」
 裏――? コルネリアが鋭く目を。
 どうやらあの先がそうだろうか? なんにせよイレギュラーズ本の事を尋ねて反応を示したという事は『ある』のはやはり間違いなさそうだ――! 合言葉でも必要か? それともこっそり入れば行けるか――!?
「……あそこが秘匿スペースと言う奴か。成程、一見すると見えづらい。
 一般の客はこんな所寄らないだろうしのぉ……」
 同時。オウェードも件の秘匿スペースの近くにいた。
 キドーなどにも情報を行きわたらせタイミングを窺う。
 誰も見ていないタイミングで一気にと。3、2、1……!

「こ、ここは――ッ!」

 カイトが見据えた先に広がるは――あるわあるわ危険な匂いがする同人誌が!
 念の為にとカイトも変装をしていたのだがこれはよかった――ふと横眼を向けた先にあるのは、どこかで見たことがある人物の本で――ていうかもしかしてあれってカイト本――
「む、むむぅ! これはいかんのぉ、BLは某ファンド殿やザーズウォルカ様……むむむ、こちらなんぞKENZEN物じゃがまさか某女王×オウェードの恋敵カプがあるとはのう……一体どこの誰が記した物なんじゃか……!」
 思わずカイトは目を逸らさざるを得なかったが、オウェードは見た。
 様々なイレギュラーズとの組み合わせの本の数々を。
 これはいけません。元々依頼ではあったものの、これは暗殺令嬢本だけでなく全ての仲間の本もまとめて処分するのが世界の為ッ――!!
「行くぞ! 一気に攻め込み制圧する! 御用改めと言う奴じゃ――!!」
「あ、これザン●マン総受け本じゃん。自分がネタにされてないモノってのはなんか普通に見れるもんだなぁ……あ、これ一冊。いや二冊頼みたいんだけど」
「カイト――!!」
 とにかく流出を防ぐ為に焼き尽くさねばならぬのだと――
 イレギュラーズは強制査察を開始したのであった。いっけー!


 KENZENは良いとしよう。だがHI・KENZENは許されない。
「カチコミの時間だオラァ! 命が惜しけりゃ本を出しなぁ!!」
「げ、げげぇイレギュラーズだ逃げろ――!!」
 変装の為の服を脱ぎ捨てたキドーはゴブリン全開。略奪の勢いで秘匿スペースを駆け巡る――! ゴブリンが(同人誌の右左的な意味で)犠牲になるなど許されないのだから!
「――あっ!?」
 だがその時。ふとキドーの目に留まった一冊があった。
 それは……いやまさか、まさかこんな本があるなんて――!!
「す、すいませんこのコルボ×キドー本十冊下さい。お願いします。金は幾らでも」
 いや違そんなんじゃないか、勘違いしちゃいけねえ! これは地獄で馬鹿にするネタにするだけだしでもこういう因縁とか執着とか殺し殺されの間柄って創作のいいネタになるんだ! え、データ販売の予定もあるって? そいつの始末もぐわー文字数ダイーン!
「逃げろー! 逃げろー! イレギュラーズに捕まったらやばいぞー! おばさんも来てるぞー! バニーのコスプレしてるおばさんに気を付けろ――!!」
「――は? 今、おばさんって言った?」
 途端に蜘蛛の子散らした様な騒ぎになりつつある場所――にて。
 踏み込んだコルネリアの耳が捉えたはとても聞き捨て出来ぬ。
 なんだって? おらぁ! も一回言ってみろやテメェ!
「まだ若いだろぉ? おぉん!? ぉいテメェこっち来いつってんだろゴルァ!! 秋奈ぁ!! 笑ってねぇで手伝え! こいつらボコるぞぉ!!! 一人も逃がすなぁ!! 狩れッ!!」
「コルぴっぴガチすぎてウケるー! あ、バニーが駄目だったんじゃね? やっぱエプロンだったらイケてたんじゃね? 今からでも衣装替えしてくる?」
 ウサギの衣装を着てるのに鬼の形相のコルネリア。めっちゃ爆笑中の秋奈。
 二人合わさって正に最強に見える――ああ! コルネリアさんがさっきおばさんって笑った奴をボコボコに!!
「へ、へぇーこんなん売ってるんだ。わぁ大胆じゃーん♪ なになにこういうのが好きなの?」
 同時。アルテミアは引き続きギャルの振りをしながら進んでいた。
 売人を探しつつ己がバレないように。ぶっちゃけ普段しないような発言をさっきから何度も繰り返していて、見たモノと自身の姿の二重羞恥で死にかけている。この依頼は記憶から消去するべきかもしれないと、脳髄の温度が沸騰する程の熱を感じながらアルテミアは慎重に歩を進めて――
「とんでもねぇ事態になってきたなぁ、くっそ瞼を開けたくねー! やめろよやっぱ自分がネタにされてる本とか直視出来ねーよ!! くそ、でも証拠の為に一冊は確保しておかねーと!!」
 直後。もはや現実を認識したくないカイトは苦しみながらも前に進んでいた。
 いや仮に一冊ならまだ耐えられるかもしれない。だが二冊以上あったら……
 恐らく精神的パンドラが減る! 心のEXF判定が屈しちゃう!!
「と、ともかく流出は可能な限り防ぎたい、が、もうどうすりゃいいんだこれ……」
「おや、これは件のシフォリィさんの本やアルテミアさんの本……折角ですし確保しておきましょうか。おやカイトさんの本もあるようですが」
 やめてくれステラ――! 叫ぶカイトの声はどこまでも。
 ステラは元々『表』の方にいる時から壁を透視してその先に何がいるのか……或いはどんな本を置いているのか事前に把握していた。故に記念とばかりに皆の本を手に取るものだ。と、視線を巡らせ混乱の中でも購入を忘れなければ。
「……おやこれが拙の本ですか」
「あ、ああそれは!」
「成程件の売人とは貴方の事」
 ついに見つける真犯人。本も持っていこうとモタモタしていたからか、イレギュラーズ達に捕捉されてしまったようだ。さすれば。
「点稼……この純愛本まるで芸術品……点稼……気に入ってたが……点稼……ワシは……点稼……リーゼロッテ様に……点稼……愛されたい……点稼……この妄想を現実にしたい……点稼……だから大人しく……」
 オウェードが至る。
 何度も何度も呟く様に。何度も何度も己に言い聞かせるように。
 言葉を反芻し。思い悩み。しかし――ッ!!
「――点稼されるが良いッ!」
「うわあああああ!?」
 強大なる一撃。安心せい、不殺付きの峰付きである。地が抉れてるけど。
「見つけましたか遂に――! こら! もう何冊も出回ってるから今更感ありますが、どうせ今回もひどい目にあわせて……!?」
 瞬間。シフォリィも追いついて売人を追い詰めた先にあったのは――
 なんと。
「ら、ラブラブ純愛本……!? 『しふぉりぃのはじめて』なんて、まさかそんな!?
 これはいけません――市場に出回らせてはいけない! 手元で管理しなくては!
 こんなの絶対に世に流出などさせません!!」
「あ、すみません。それもうR.O.Oの知り合いにデータ渡してて……」
「死んでくださ――い!!」
 あまりにも手の早い売人に、シフォリィ怒りの一撃。
 そう――『販売』が先なだけで、実は『準備』は既に完了していたのだ。
 おそらく近いうちに実際にROOにデータが流れる事だろう……ナンテコトダー

「……えっ? じゃあ初めからこんな格好をして、あんな言動をしていた私の苦労は一体何だったの……?」

 直後。アルテミアは絶望する。
 その手に抱いていたアルテミア百合本『あるえる♪』を床に落とす程に。
 ――その瞬間に周囲にも気づかれた。ああアレはアルテミアさんだと。
 間違いない。変装していても間近で見比べれば分かる――!
「なッ――! あのアルテミアさんが褐色肌で学生服!?
 こ、これは新たなインスピレーションが……! 次回のコミケはこれだ――!!」
「貴方に次回なんてある訳ないでしょ――ッ!!」
 思わず売人ガッツポーズ。したので思わず蹴りをぶち込んでしまった。
 ――黒。
 顔面に一撃入れられた売人の最後の一言は――そういう意味深な一言だったとか。

成否

成功

MVP

アルテミア・フィルティス(p3p001981)
銀青の戦乙女

状態異常

アルテミア・フィルティス(p3p001981)[重傷]
銀青の戦乙女

あとがき

 シフォリィ、キドー、アルテミア、秋奈、カイト、ステラ、オウェード、コルネリア……

 同人誌名前リスト化、ヨシッ! 近いうちにご期待ください。
 ありがとうございました!!
 あ、MVPはおそらく調査の為に一番体張ってた貴女に!

PAGETOPPAGEBOTTOM