PandoraPartyProject

シナリオ詳細

TANky.

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 暗い、暗い路地の先。足元も覚束ない暗闇の中、迷ってしまいそうなそこには『迷うことで見つかる場所』がある。
 迷ってしまったその先で仄かな灯りを見つけたならば。その灯りが花の形をしていたなら。あなたはランプの傍らに存在する扉をも視認することだろう。
 誘蛾灯に引き付けられるかのように花型のランプへ近づいて、その扉を押し開ければ――来客を知らせるベルがカランと小さく響く。
「あら、よくぞおいでくださいました」
 カウンターの向こう側にいた女性がにこりと微笑む。その瞳はまるで深海を覗き込むように光のない真っ暗な色をしていたけれど、その口元は優美に弧を描いていた。
 得体の知れない、されども美しい女性。彼女はここを酒場であるのだと告げた。
「『惑いの花酒亭』では花やハーブを使ったお酒が豊富ですの。もちろん、それに合わせた食事もご用意できますわ」
 すん、と鼻を利かせてみればわかるだろう。この酒場は各地で見られるような活気とアルコール臭が満ちた場所ではない。華やかな花々の香りと、そこに薄ら香る酒精――酒場と言うよりバーと言うほうが似つかわしいかもしれない。そして天井からいくつも下がる花のランプがこの空間をより幻想的に仕上げていた。
「わたしのことはマダム・フラウ、と」
 本名ではないだろう。しかしそれを口にしたところで彼女が答えてくれることはない。
 だって、女はミステリアスな方が魅力的でしょう?

 そんな酒場が1日だけ、どんな迷い子が来たとしても扉を開くことのない日を迎える。ずっと以前から約束されていた、常連たちだけでの貸し切りパーティだ。



「マダム、準備はどうかしら」
「まあ、お待ちしておりましたわ」
 『惑いの花酒亭』の常連が1人、リノ・ガルシア(p3p000675)がカランとベルを鳴らしながら酒場へ入ってくる。マダム・フラウは肩越しに振り返ってにこりと笑みを浮かべた。
「他の方はもう暫し?」
「ええ、そうみたい。私が一番乗りみたいね」
 リノはぐるりと視線を巡らせた。そこに客はいない――当然だ、表には貸し切りの看板がかけられているのだから。
 しかしカウンター席にもテーブル席にも料理はどんどん用意されていく。とはいっても出来立て熱々の料理と酒は皆が集まってきてからだろうか。
「何か手伝うことは? マダム」
 折角の祝い事ですもの、とリノが言えばマダムは思案を巡らせるように頤へ指をあてた。彼女たちはマスターと客、あるいは用心棒――そして気の置けない友人同士でもある。前者であれば座って待ってもらうところであるが、これから来るであろう『彼女』を祝いたい気持ちは同じであるが故に。
「そうね、2階を見て来て下さる? 一通りは揃えたつもりなのだけれど、不足があったら困りますもの」
「わかったわ」
 頷いたリノは2階へ続く階段へ足をかけた。1階は酒場であるが、2階は客室となっている。普段も料金を払えば泊まる事ができるし、追加料金も払えば朝夕の食事だってつく。
 基本的に1人部屋でベッドとテーブル、椅子があるだけの場所であるが、本日のことを考えれば――お冷とコップとか、エチケット袋とか。『酩酊者のための』そういったものを用意しているのだった。リノの采配で他にアフターケアグッズを増やしても良いというお達しである。
 さて、彼女が2階へ上がっている間に再び来客ベルがカランと鳴る。今度はガタイの良い精悍な男だ。
「主役はまだか」
 言葉に安堵を滲ませた亘理 義弘(p3p000398)。彼も本日のパーティに参加する1人である。あと1人はきっと、主役と共にもう暫くしたらやってくることだろう。
 酒場をより美しく花々で飾りつけ、食事や酒も揃えたところで――最後のベルがカラン、と鳴った。

GMコメント

●酒盛りを楽しみましょう!
 Happy Birthday!
 本日の酒場『惑いの花酒亭』は貸しきりです。誰の邪魔も入りません。
 お集りの4名とマダム・フラウで酒盛りと洒落込みましょう。

 特定の話題は用意しておりませんが、常連である皆様ならこちらで設定しなくとも自由に出て来るものと思います。
 料理や酒の感想を言い合ったり、互いの近況をぽつぽつ零してみたり。お好きなお酒をラダさんへお勧めするのも良いですね。
 そんな感じで夜明けまで過ごしましょう。大丈夫、夜の時間はたっぷりありますよ。

●景観
 皆様には今更でありますが、『惑いの花酒亭』についてまとめます。

 幻想の路地裏に存在するひとつの酒場『惑いの花酒亭』。花型のランプを目印に、皆様は貸し切りの札がかかった扉を開きました。
 いつもよりほんの少しばかり華やかな飾りつけ。それらから香る花の香りと美味しそうな食事の匂い。
 カウンター席5つ、テーブル席2つの広くはない店内ですが、料理と酒はどちらにもしっかり用意されています。というのも、張り切って作ったから置き場所がなくなってしまったそうで。
 もし酔ってしまった場合は2階がご利用いただけます。ベッド・テーブル・椅子の3点セットに酩酊者用のグッズが少しばかり。この辺りはリノさんの裁量で何があるか決めて構いません。

●メニュー
 以下に存在しないものも言えば出てくると思います。マダムのお店ですもの。

・料理
ナッツ盛り合わせ
チーズ盛り合わせ
固焼きビスケット
アボカドサーモンのカナッペ
キノコのオイル煮

白身魚のフライ
ほうれん草のキッシュ
ジャーマンポテト
チーズミートパイ
ベーコンステーキ
サンドイッチ(中身は色々)

グリーンサラダ
タコのカルパッチョ
野菜スティック(ディップソースはカッテージチーズ、甘辛チリソース、コンビーフとクリームチーズのソース etc.)
ポトフ
豆のスープ
……etc.


・デザート
アイスクリーム
杏仁豆腐
クリームブリュレ
プチケーキ
ひと口チョコレート(マダムのお土産ではありません)
……etc.


・お酒(割り方はお好みで)
薔薇酒(鮮やかな薄紅色。華やかな薔薇の香り)
桂花酒(金木犀の酒。甘やかな香り)
アカシア酒(一輪の白花が沈んだ酒)
オレンジ酒(強めのアルコールと共に柑橘系の爽やかで甘い香り)
菫のリキュール
蜜柑のリキュール
桜リキュール
……etc.


・ノンアルコール
果実のジュース
ミントティー
花香茶
果実水
チャイ
ココア
……etc.

●NPC
マダム・フラウ
 惑いの花酒亭のマスター。実名も年齢も不明な海種の女性。
 貴族のパトロンに請われてこの店を構えていると言うことですが、その実情は不明です。
 たまに店の鍵だけをリノさんへ預けて遠出する気まぐれな一面も。何処へ行っているのかは……やはり、わかりません。
 ともあれリノさんとは気の置けない友人であり、今回のように融通を利かせてくれることも多いです。
 今回はにこにこしながら話の相槌を打ったり、お酒を出したり、料理の皿を変えてくれたり……と店のこともこなしつつ、共に楽しんでくれそうです。

  • TANky.完了
  • GM名
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年05月09日 22時03分
  • 参加人数4/4人
  • 相談8日
  • 参加費---RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ラダ・ジグリ(p3p000271)
灼けつく太陽
亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
リノ・ガルシア(p3p000675)
宵歩
ジル・チタニイット(p3p000943)
薬の魔女の後継者

リプレイ


(最初にこの酒場に来たのは何年前だっけ)
 『剣砕きの』ラダ・ジグリ(p3p000271)は『薬の魔女の後継者』ジル・チタニイット(p3p000943)と共に、すっかり覚えた道を進みながらつと記憶を掘り返す。そう、初めて訪れた時は地図を頼りに進んでいて、迷うように進んだ路地の先にあった甘い香りを辿ったのだ。
 酒場だから当然ながら酒の飲める者ばかり。そんな常連の中に混じりながらも、ラダは1人だけずっとノンアルコールのドリンクばかりを飲んで語らっていた。勿論居心地の良い場所ではあるのだけれど――1人だけという疎外感はどうしようもなく、ほんの少しばかりの悔しさを覚えさせて。
(それもやっと……本当に、やっとだ)
 19歳から20歳へ。大人の階段をひとつ上がったラダは今宵、漸く皆と同じ酒を楽しめるのである。
「こんばんはー……わ、すごい。なんだか色々できてる」
「よう、来たな」
 ジルが扉を開けるとカラン、とベルが鳴ってマダム・フラウが振り返る。ようこそと微笑む彼女の傍らで片手を上げるのは『仁義桜紋』亘理 義弘(p3p000398)だ。階段を下りてきた『宵歩』リノ・ガルシア(p3p000675)もラダたちの姿に顔を綻ばせる。
「おおっお店が素敵な雰囲気っす!」
 ラダへ扉を開け、後から続いて入ったジルもあちこちへ視線を向けた。いつもと店内の雰囲気が少しばかり違う。
「ふふ、かわいいラダの誕生日だもの。といっても私はマスターに色々お願いしただけなんだけど」
 肩目を瞑って笑みを浮かべるリノ。ジルに席へと促されたラダは持ってきていたワインをマダム・フラウへ差し出した。
「本当は全部店の酒でと考えていたけれど、これは皆やマスターと開けたいと思ってね」
「まあ、良いワインですわね」
 受け取ったマダム・フラウは長い指先でコルクを撫でながら目を細める。ヴォードリエ・ワインは『美味しすぎて盗賊が群がった末、その場で酒宴と化し全員翌朝二日酔いで帰った』なんて逸話も存在するワインである。
 メインの時に出しましょうか、とカウンターにワインを置くマダム・フラウ。ラダに続いて思い思いに席へ着いた仲間たちは揃ってシードルを注文した。というのも、リノの提案で。
「甘口で度数も低いから飲みやすいと思うわ。何処かの世界では『りんごは知恵の実』なんて呼ばれるのよ」
 口当たりの良い、ジュースにも近い、しかし酒。マダム・フラウがグラスを4つ出し、仄かな黄金色の液体を注いで。目の前に出されたそれをラダは感慨深い思いで手に取る。添えられたミントとりんごの花が可愛らしい。
「世の中なにやら賑やかっすけど、こういう時間がゆっくり取れるのは本当鬼有難いことっすね」
「ああ。せっかくの記念日だ、酒は飲んでも飲まれるなが基本だが、今日くらいはいいだろう」
「ええ。上で休める準備もございますわ」
 ジル、義弘もグラスを手に取って。リノの音頭で軽くグラスを掲げ、口を湿らせたなら――楽しいパーティの始まりだ。
(いつだったか、男たちがカウンターに行儀よく並んで花の酒を飲む様が可愛いとリノが言っていた)
「ん? どうした」
「いいや、なんでも」
 仄かなりんごの甘さを舌で感じながら義弘を見ていると、彼から問い返される。目を細めて首を振ったラダはマダムにエルダーフラワーの酒はあるかと尋ねた。シードルはリノに進められたカマンベールチーズと一緒に、あっという間になくなってしまったから。
「もちろんご用意しておりますは」
「じゃあそれを頼むよ。初めてこの店に来た時、リノにお勧めされてジュースを飲んだなと思い出してね」
「懐かしいわね、エルダーフラワーのジュース」
 リノは目を細める。数年前に彼女が訪れた時、自分の隣へと誘いながらマダムに頼んだのだったか。
 各々酒を飲み、ぽつぽつと言葉を交わし。その合間に頼まれたナッツやチョコレート、チーズ、サラダなんかも少しずつ減っていく。ジルは飲むより食べる方を優先に、ジャーマンポテトやサンドイッチを。もう腹の虫は鳴らさないぞ。
「桂花酒やエルダーフラワーのお酒は花の香を楽しんでね」
 体の奥から花が香るのよ、というリノに思わずラダは自らの腕へ鼻を寄せてみる。とはいってもまだ特に、何かが香るということはなかったが――この店を出たなら、空間を満たす花の残り香も共に纏っているのだろう。
「勧めたい酒はあるが、まずはラダが好む酒を見つけなきゃな」
 義弘は戦いの度に身も心も酒で癒していた身、飲んだ種類はかなりのものだろう。けれども初心者であるラダが好みそうなものは、と彼が選んだのはリノも挙げていた桂花酒だった。
「俺みたいなのが似合わねぇと思うだろ? だが気に入ったんだから仕方ねぇのさ」
 口触りの良さ、抜ける香り。向こう(元の世界)では甘い香りの酒と縁がなかったから、こちら(混沌)で知ることのできた味だ。
「ラダにもきっとこういう1本ができるはずだからよ、時間をかけてゆっくり探していこうぜ。俺達と一緒によ」
「いいね。皆で飲み比べしてみたりするのも楽しそうだし」
 今回は酒を楽しむためにお預けだけれど、自身の限界を知る為にも、色々な酒を比較するという意味でもやってみたい。ラダの言葉にリノは視線を義弘へ向けた。
「アナタ確か強かったわよね? 強面なヒトがくたくたに酔っちゃうところ、見てみたいわ」
 果たしてその時、くたくたになってしまうのがリノなのか義弘なのかは、やってみなければわからない。
「そういえば、亘理さんはウイスキーを良く飲まれてる印象があるっすね。僕も今日は飲んでみたいっす!」
 マダムに頼んだジルはひとくち含み、口の中でその味を確かめる。普段飲むような酒とは違った味。香りも良い。沢山飲んだらあっという間に酔い潰れてしまいそうだが、チョコレートと一緒に飲んだらより進みそうな酒だ。
「ジル、アナタ意外にイケる口ねェ。ごはんもたくさん食べていってちょうだい」
「そろそろメインですから、ワインもご用意しますわね」
 リノの言葉にマダムはヴォードリエ・ワインをグラスへ次ぎ始める。ラダが選んで持ってきた冒頭のあれである。
「ラダ、ちゃんと食ってるか?」
「勿論。ジルが食べてたカナッペも気になるんだよな」
 美味しそうに食べていた彼女の姿を思い出しながらラダは水を含む。あの料理に合う酒は何だろうか。リノやマダムに聞いても良いかもしれない。
 酒も料理も進めば、必然と会話も盛り上がる。最近どんなことがあった、なんていつものような日常会話からどの酒が美味しい、チョコレートとのマリアージュと言えば、なんて酒を飲める者だからこその会話も。
(うふふ、悪いこと教えるって楽しいわ)
 口が軽くなっていることを自覚するも、それを止める気のないリノ。だって知らないことを教えるってちょっとした快感なのだもの。
「俺は酒とスイーツも一緒に食べられる派だが、みんなはどうだ?」
「自分はいけるっすよ」
 先ほどのウイスキーとチョコレートの組み合わせを思い出したジル。またあれを味わいたい気持ちもありつつ、今はノンアルのターンだ。
「酒とスイーツか……」
「ただ飲むだけじゃないのよ? アイスにリキュールをかけて食べる楽しみ方もあるの」
「いつでもご用意できますわ」
 リノとマダムの言葉に目を瞬かせるラダ。もう少し後で頼んでみようか?
 とはいえ、先ほどメインが終わった辺りから実はふわふわしている。楽しい。周りもラダのそんな様子を知ってか、ご飯や軽食、果実水などを勧めてくれている気がする。
「あ、ラダさんこれ美味しいっすよ!」
 目をキラキラさせたジルが、ほら。ラダは勧められるままにキッシュを一切れ食べる。アルコール分のないそれにリノから出された水を飲んで、ほんの少し頭がすっきりした。
「マスター、酒気醒ましは何がいいだろう? 今夜はちょっと頑張りたいんだ」
 二日酔いの覚悟も済んでいるというラダにくすりと笑みを浮かべながら、マダムは酒気醒ましを用意してくれる。彼女へ義弘は一緒に飲もうと誘った。当然、常日頃はマスターと客という立場だから飲むと言っても軽くだけ。
「今日くらいはいいだろ? ラダの祝いなんだ」
「それでは、このひと時だけ……お言葉に甘えさせて頂きますわね」
 今日だけはマスターと客、ではなく知人を祝う1人として。マダムもグラスを手に、再び皆で乾杯する。ラダの手にあるのも最初は軽いカクテルだったが、今はアルコール強めの酒だ。ふわふわしてしまうのも道理であろう。
 彼女へ再度水を出したリノは「そうだわ」と持ってきていた者を差し出した。
「大事なことを忘れるところだったわ。ラダ、改めて誕生日おめでとう。アナタが歩む道に、どうか幸大からんことを」
「これは……」
 ラダが手渡されたのは薄紫の大判ストール。滑らかな肌触りのそれは縁に銀糸で小鳥の刺繍がされている。春は三寒四温、少し肌寒い日やラサの夜にも活躍することだろう。
「僕からもあるっすよ。ラダさん、誕生日おめでとう御座いますっす!」
 ジルが差し出したのは茶筒。磨き上げた樹皮で覆われたそれの蓋を開けると、ふわりと茶葉の香りが香った。
「これ、ちょっと渋いっすけど二日酔いには効くんすよー」
「良薬口に苦し、ってことか」
 この茶葉はただの茶ではなく、薬膳茶だ。それもジルが自領で栽培した薬草を入れたオリジナルのものである。リノと義弘にも、とジルは一回分ずつの包みを渡した。
「いいわね。明日早速飲んでみましょう」
「ああ、だな。酒の飲みがいがある」
 薬効を知るために酒を飲むのか、二日酔いだからこの薬効に頼るのか。どちらかはわからないが、少なくとも現時点で4人とも――ジルは加減していたが――呑んでいるはずだ。明日はきっと薬効に頼りながらベッドの住人だろう。
「最近はあの土地にかかりきりっすけど、色々と新しいお薬が出来そうで毎日楽しいっす!」
 茶葉に入れた薬草もそこで――角印の薬草畑で採取されたものだろう。かの土地でしか育たない薬草は少しずつであるが順調に育っており、薬師としての腕も存分に振るえているらしい。
「皆さんも是非遊びに来てくださいっす!」
「いいわねえ。カムイグラのお酒を買いがてら、なんて」
「どんな酒があるんだろうね。知人が行ってみるって言っていたけれど」
 ラダはグラスを傾けながらパサジール・ルメスの友人を思い浮かべる。もう船には乗った頃だろうか? 静寂の青は必ずしも安全な海とは言い難いが、それでも絶望の青と言われていた頃よりはずっと平穏になった。無事にカムイグラへ到着していれば、きっとまた独自の感性でカムイグラという国を楽しむのだろう。
「その時はマスターに土産を買ってこないとな」
「まあ。楽しみにしておりますわ」
 義弘はナッツを手に、カムイグラにはカムイグラのツマミがあるんだろうか、なんて。

 姦しいというほどではないけれど、程よい賑やかさは空が白んでくる少し前まで続き。その後、ジルが介抱を行ったり、翌日の昼に2階から降りてきた一同が揃って薬膳茶の世話となるのは、また別の話である。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 相談からパーティが始まっていて、こっそり眺めるのがとても楽しかったです。
 特別な時間を書かせて頂き、ありがとうございました!

 それでは、またのご縁をお待ちしております。

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