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シナリオ詳細

再現性東京2010:春先の死に涙濃く

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性東京2010:春先の死に涙濃く
 練達が一区画、『再現性東京』。
 高層ビルに公園、アパートに団地、学校に町工場……等など、様々な建物が建ち並び、棲まう人々も極々普通の生活を過ごしている。
 ……しかし、そんな街角の一角には最近、不穏な噂が流れる場所がある。

 --あの廃病院には、夜な夜な叫び声が響き渡る--
 --そんな叫び声に惑わされて、廃病院の中で首をつってしまった犠牲者がいる--
 --そんな犠牲者の呻き声に絆され、更なる犠牲者が現れている--

 そんな不穏な噂を聞いてか聞かずかは分からないが……不穏な場所に近づく人の影は自ずと少なくなる。
 その場所は、この街で数年前まで開業していた総合病院。
 そこで総合病院で理由不明の殺人事件が一昼夜の内に起こり、病院は廃院……そして、そんな噂話が流れてしまう事態となったのだ。
 そんな噂話を聞いた、近くの学校に通う女子高校生達。
「なんだかさー……ちょっと怖そうだけど、面白そうじゃん?」
「そうだねー。ま、幽霊が出るだとか、そんなの嘘だろうし、ちょっと肝試しに行ってみない?」
「うんうん、いくいくー♪」
 と、女子高生達は怖い噂話を笑い飛ばして、深夜の廃病院へと向かう……。
『え、あ、まじまじ……え? きゃ、キャアアアアア!!』
 と、深夜の帳を切り裂く様な、叫び声が響き渡るのであった。


「ん。あー、みんな来てくれたんだー。なじみさん嬉しいよっ♪ それじゃー、その期待に応えない訳には行かないよねっ!」
 と、綾敷・なじみは、『希望ヶ浜学園』に潜入しているイレギュラーズ達が集まる『カフェ・ローレット』にいる君達を、半ば強引に手を引いて、依頼へと引き込む。
 ……そんななじみの強引さに苦笑しつつ、それで話は……と切り出すと。
「うんうん。今日はね、みんなに怖い怖ーい廃病院に向かってほしいんだー。何だかねー、廃病院に妖怪が出てしまった様なんだよねー!」
「どうやらこの夜妖は廃病院に取り付いた妖怪の様なんだよねー……それもちょっと厄介な『悪性怪異:夜妖<ヨル>』が、まことしやかに流れる噂話を纏って、更に凶暴化してしまった様なんだ」
「それに加えて、この噂話が嘘だと信じて疑わない、近くの女子高生達がどうやら肝試し感覚で向かっているみたいでねー。まぁ、このままだと女子高生達も夜妖に食われちゃうって事。そうさせる訳には行かないよね、ね? って訳でみんな、夜妖退治をよろしくー、って訳なんだよ!」
 そこまで言うと、最後になじみはもう一度皆を見渡して。
「ま、女子高生達の自業自得と言っちゃえばそれまでなんだけどさー。これじゃ寝覚め悪いよね? ってな訳で、よろしく頼むねー!」
 と、拳を振り上げるのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 今回は再現性東京シナリオ……定番の廃病院の夜妖退治シナリオとなります。

 ●成功条件
   女子高生達を護りながら、夜妖全てを打ち倒す事です。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はBです。
   依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   数年前に殺人事件が起こり、一気に人々が離れてしまった廃病院です。
   この廃病院、院長先生が気を触れ、殺人事件が起こったというのが真実なのですが……先生は自分の命を断ち、その怨念が夜妖という姿を取って姿を現わしてしまった、という事のようです。
   故に今回の夜妖は人型……更にそんな夜妖に殺されてしまった病院の職員、患者等も夜妖に代わってしまった様です。
   そんな夜妖達は、人の命を殺すだけが目的なので、弱そうな人を集中的に狙います……つまり、女子高生達が居れば、そこを優先的に狙うのは間違いありません。
   ちなみに女子高生達の人数は6人です。
   襲われない限り、自分達は大丈夫だ、というバイパスが働いているので、事前説得は不可能でしょう……なので襲われている瞬間に割り込む事が必要となります。

 ●討伐目標
   夜妖は人型が10人となります。
   一人一人の攻撃手段は『手術道具』『杖』『鉄パイプ』など様々ですが、基本的には至近距離の相手への攻撃……という攻撃手段のみとなります。
   ただ、そんな攻撃手段に加えて生への恨みがある様で……常に呻き声を上げています。
   この呻き声により敵に常にHP回復の効果が発生するので、ある程度のダメージを与え続けないと、全快してしまう事すらありえます。
   又、戦場においては『不吉』効果が常に発生するので、ファンブルが怒りやすいので注意して下さい。

   それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 再現性東京2010:春先の死に涙濃く完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年04月29日 22時16分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)
氷雪の歌姫
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール
ラヴ イズ ……(p3p007812)
おやすみなさい
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者
司馬・再遊戯(p3p009263)
母性 #とは
昼子 かぐや(p3p009597)
ガンカタ巫女
暁 無黒(p3p009772)
No.696

リプレイ

●春告げの死
 練達の一区画【再現性東京】。
 様々な施設が街角を彩り、棲まう人々らも極々普通に、平和的な生活を営んでいる。
 ……しかし、そんな平穏な生活に差し込むのは、漆黒の影……夜妖。
「はぁ……また肝試しの女子高生か……最近はこういうのが流行っているのか? ちょっと今度生徒達に効いてみるか……」
 と、『猪突!邁進!』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)が肩を竦め溜息をつく。
 今回なじみからイレギュラーズ達に言い渡されたのは、女子高生達が廃病院に肝試しがてらに訪れ、夜妖によって殺されてしまうのを止めてきて欲しい、という依頼。
 『絶海武闘』ジョージ・キングマン(p3p007332)がその話を聞いて考えるのは。
「軽率な行動だ。だがしかし、若い頃には、俺も度胸試しはしたものだ。あまり強くは言えないところだな……」
 ただ、その一方では話を話半分で聞いてた者も居るようで……。
「え、そうなんっすか? 俺、日課のスイーツ巡りしてたら急になじみさんに呼ばれたんっすよね。んで気付いたら肝試し、それも霊障MAX的な依頼に釣れて来られたんっすよお……」
「そうだったのです!? それは災難なのですよ! しかしまったく面白そうな廃病院があったからといって、好奇心だけで行っちゃダメなのですよ! こういう時は、事前にしっかり情報を集めて、探険道具を準備してから……」
 『No.696』暁 無黒(p3p009772)に『No.696』暁 無黒(p3p009772)が懇々と説明をしようとするが、それに『更なる縛りプレイを求めて』司馬・再遊戯(p3p009263)が。
「ええっと……今回私たちは探険するのではなく、女子高生保護の筈ですが……」
「えっ……? そういう事ではないのですか?」
 きょとんと小首を傾げる『シティガール』メイ=ルゥ(p3p007582)に、こくりと頷く再遊戯。
「そうです……普通の女の子を傷付けるわけにはいきませんよね?」
 それに『おやすみなさい』ラヴ イズ ……(p3p007812)と『氷雪の歌姫』ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)、更に理解したメイも。
「ええ……彼女達にとって、怪異に出会うだけで、恐ろしいでしょう、怯えるでしょう……まして、傷付けらrてしまっては……その傷が、一生心に残ってしまうかもしれない。絶対に、護らなければ」
「あらあら、そうですわねー好奇心は猫をも殺す、なんて言うこともござますがー。個人的には好ましいとは思いますが、準備と意識不足でございますわー」
「解ったのです! フッフッフッ。4月で中学生になった「お姉さん」なメイが、困った女子高生の先輩方を見事お助けしてみせるのですよ!」
 最後のメイの気合いに、『ガンカタ巫女』昼子 かぐや(p3p009597)とブレンダ、無黒も。
「そうだな。昼子神社の名に懸けて! 女の子たちを絶対に助ける! 傷の一つでも付けてやがったらただじゃ置かないよ! 最悪のオラクルが見えたとしても、絶対に回避するんだ1」
「ああ。まずは今回の依頼、彼女達を救うとしよう。それに釘も刺しておいた方がよさそうだしな」
「そうっす、しょうがないっすね~。ちょっと可哀想っすけど、彼女達には社会勉強してもらうっすよ! ささっとかたしてスイーツタイムっす!」
「そうなのです、さぁ皆、頑張るのですよ!」
 えいえいおー、と拳を元気よく振り上げるメイ……そしてイレギュラーズ達は、街に不気味に残る廃病院へと急ぐのであった。

●命を刈る腕
 そしてイレギュラーズ達は、廃病院の入口へと辿り着く。
 暗闇の中に映りしその姿はとても不気味。
「ふむふむー……そうですのねー」
 とメリルナートが何かに納得する。
 その手にはaPhone10があり、そのブラウザで開かれていたのはこの再現性東京近辺で噂されている怪談話を纏めたサイト。
「ん……何か書かれていたか?」
「ええー。この廃病院、『行っては行けない怪談スポット』と書かれていますわー。本当の幽霊が出るとか、叫び声が聞こえる、とかー」
「そうか……ま、実際夜妖が出るのだから、それら全て正しい、って訳だがな……」
 メリルナートに肩をすくめて笑うジョージ。
 だが、更にメリルナートはサイトを色々巡っていて。
「特に現れると言われて居るのが、2階の部屋と、地下の安置所らしいですわー。恐らく、夜妖の元締めたる院長先生のお部屋と、殺人事件が起こった場所、という感じでしょうねー。そこの辺りに学生の皆さまは興味があると思いますし、その辺りを調べた方がよさそうですわねー」
「分かった。着いたらそこの辺りを優先的に調査するとしよう」
 と二人会話している所に。
『あははは! そっちじゃないってー! こっちこっちー!』
 と、女の声が廃病院の中から聞こえてくる。
「……もうすでに中に居る様っすね……」
 深く溜息を吐く無黒、そして再遊戯が。
「そうですね……急ぎましょう」
 と仲間達を促し、その声の下方向へと急行。
 声のした方角は上方、階段を駆け上がり2階へ。
『キ、キャー-!!』
 次の瞬間、女性達の悲鳴が響き渡り、走り回る音も響く。
 その声の方角も鋭く察知し、女子高生側の方へとイレギュラーズ達が走って行くと……大泣きしながら走ってくる。
 その後ろからは、ウウゥ、と呻き声を上げながら、こちらへ歩いてくる……白衣を着た男と、数人の患者達。
 ……そんな女子高生と夜妖の間に立ち塞がると、ブレンダとジョージが。
「君たちを助けに来た! 今すぐ我々の後ろに隠れるんだ!」
「もう大丈夫だ。これ以上、指一本触れさせん。怪我はしていないか?」
 と彼女達を守る旨の宣言と共に、落ち着かせるように声を掛ける。
 だが、女子高生達は。
『何、何何何なのよっ!? あれ、こわい、怖いっ!!?』
 とまだ混乱している模様。
 そんな彼女達の頭をぽん、と叩いて。
「怖かったよね、でも大丈夫! うちらが来たからには、こんな奴ら、すぐに片付けるから!」
 とかぐやは声を掛けると共に、夜妖に向けて射撃で迎撃。
 言葉だけでは中々理解出来ないが、実際に攻撃したかぐやの姿にえっ、と怪訝な表情を浮かべる女子高生。
『え、ええっ!?』
「だから、大丈夫だって言ったでしょ!? アンタ達を見捨てたりなんか、するわけない!」
 力強い言葉と共に、目を見て語りかけるかぐやの言葉に。
『で、でも……こ、怖く無いの……?』
 怯えた声の女子高生達に、かぐやは。
「ぶっちゃけ小さい頃からお化けとかうち、無理なんだよね。婆ちゃんが居なくなってからは特に。手が震えるの。でも、このギフトのお陰で誰かを守れるんだったら、怖くなんかない!」
 と半分、自分に言い聞かせるように叫ぶ。
 そして、段々と近づいてくる夜妖に向けてメリルナートが。
「ふふ。さぁ、女子高生達を殺したいのならば、まずはわたくし達が相手になりますわー」
 間延びした口調で夜妖に呼びかけ、そしてメイが。
「さぁラヴさん、ブレンダさん、行くのですよ!」
 声を掛け、彼女を基点に連鎖行動を開始。
 最速のメイがドリームシアターで囮用の幻影を作りだし、夜妖の近くに作りだすと、続いてブレンダが名乗り口上を上げて、敵のターゲットを引き付ける。
 更にラヴも。
「夜の妖よ、夜の恐怖を知りなさい」
 その宣告と共に、『夜を召しませ』を発動する事で、同じく怒りを付与していく。
 ……そんなイレギュラーズ達の怒りと囮作戦に、次々と夜妖達は全身し、弱そうな囮へ攻撃……一撃を食らい、煙のように消えていく幻影。
『……』
 言葉は無いが、夜妖達はそんな幻影に次々と攻撃し、数を減らす。
 ……その間にラヴは、敵の数をカウント。
「……8人、かしら? 後二体、別の所に居そうね」
「そうっすか……了解っす」
「女子高生達はうちが絶対に守る。どこから来るか分からないけど、させないわ! 昼子の女をなめんじゃないわよ!」
 無黒とかぐやが威勢良く叫び、女子高生六人を全力でカバーリングしながら、曲芸射撃で威嚇射撃していく。
 一巡して次の刻……夜妖達の動きは変わらずにイレギュラーズよりも、弱そうな者を狙う。
 最速のメイが、更に幻影を作り敵の目を欺く工作を行い、ラヴとブレンダが怒り効果を重ね掛けし、決してターゲットが後方で怯える女子高生達に行かないように動き回る。
 ただ、なじみに聞いた夜妖の数は10体……後2体が発見出来ない事には、どこから襲ってくるかも分からないので、油断は出来ない……でも弱気になっては、守る女子高生達も不安に感じてしまうやもしれない。
「さぁ、来い! 弱者を狙うしか能が無い怨霊共! 俺が相手になろう!」
 とジョージが先の二人に続いて名乗り口上を上げて怒りを追加付与。
 そして向かってくる彼らに対し無黒と再遊戯二人が肉薄。
「さぁ、これでも喰らうっすよ!」
「女子高生達には、絶対に手を触れさせません!」
 肉薄戦と神子饗宴を連続して同じ敵に集中放火する事で、まずは一体倒すべく攻撃に傾注する。
 そんなイレギュラーズ達の行動に対し、夜妖は攻撃と共に『ウゥゥ』と呻き声を上げ、不吉効果と共に、受けた傷が癒されていく。
「どうやらこの『呻き声』で回復するみたいっすね。でも、口を塞いでも意味なさそうっすが……」
「そうだな。ならば一極集中で、一人ずつ確実に仕留めて行くまでだ!」
 ジョージの言葉に皆、頷く。
 そして一歩後ろに下がったメリルナートは。
「さぁ、歩を進めるものたちに幸あれ。進みゆくその先で、きっと何かを掴み取れる事を」
 と仲間達に『道征きのキャロル』を発動し、強化を行う。
 強化を受けたイレギュラーズ達は、確実に一匹を始末するべく、攻撃。
 かぐやとメリルナートの二人は女子高生を護る事に重点を置いて行動を行う。
 とイレギュラーズ達が攻撃している所に……別の方向から。
『ウウゥゥ……』
 と、ちがう呻き声がしてくる。
「……ん」
 振り返ったラヴの視界に……階段を上りきった夜妖二体の姿が映る。
 とっさにラヴは女子高生達を飛び越え、上がって来た彼らの方向へ対峙し、夜を召しませ、を発動し怒り付与。
「これで10人、全員居たわね……後は、全部仕留めるのみ。こっちは私が抑えるから、メイさん、そっちは頼むわ」
「了解なのです! さぁ、急いで倒すのですよ!!」
 元気よくメイが反応。
 勿論夜妖の呻き声が更に二体出たという事は、回復量も上がってしまう。
 それに負けじとメイがソニックエッジ、ブレンダが二剣による輪舞曲で斬り付ける。
 更にジョージのH・ブランディッシュが纏めて敵を斬り付けつつ、無黒の肉薄戦と再遊戯の神子饗宴が更なる一撃を与えていく。
 一方メリルナートは氷水晶の戦旗で更に仲間達の攻撃力を増強する事で、回復量を上回る攻撃を増やす。
 そしてかぐやは、女子高生達を励ましながら、彼女達の近くより。
「あーしの永遠威來斗は魔を払う。趣味の悪いドサンピンの悪霊なんか、とっととくたばりやがれ!」
 と永遠威來斗からのディストラクションを放つ事で、自分達が全力で彼女達を守っている……と行動で示す。
 ……そんなイレギュラーズ達の動きに女子高生達は……啜り泣きつつも、大人しくイレギュラーズ達の庇護の下で大人しくしてくれる。
 そして女子高生達の間に割り込んでから十数分経過した刻。
『ウァアア……!』
 攻撃を集中させていた、白衣のようなものをきていた夜妖をどうにか倒す。
 常時回復の能力はあれど、一人減れば回復量も減少するので。
「さぁ、どんどん行くのですよ!!」
「ああ……安心しろ、全員、ひとり残らず終わらせてやる!」
 メイの言葉にジョージが女子高生達に呼びかけ、元気付ける。
 そしてその言葉に応じるよう、イレギュラーズ達は次なるターゲットを定め、確実に集中攻撃。
 そんなイレギュラーズ達の連携の前に、強力な回復量と不吉の能力だけでは次第に押しきられてしまう。
 加えて数十分もの時と共に、夜妖達は全てが崩れ去っていくのであった。

●恐怖の扉
 そして……再び静けさに包まれた廃病院。
『う、うわぁぁん……』
 恐怖に耐えきれず、その場でわんわんと涙をこぼす女子高生達。
「まぁ……肝試しも確かにいいですが……深夜にこんな所に来たら、こういう事になるのは十分分かっているでしょう?」
 と再遊戯が溜息をつきながら、声を掛ける。
 しかし女子高生達は、泣き続けている。
 そんな女子高生達に敢えて厳しい口調で諭すように。
「……全く。これで身にしみただろう? 君たち……肝試しをしたくなるのは分からなくも無いが……こういう場所に勝手に入るのは一応不法侵入になるんだぞ? 以後慎むように」
 とブレンダは、ここ、希望ヶ浜学園の体育教師として告げる。
 彼女達の高校の教師ではないけれど、同じ教師として、そしてイレギュラーズとして彼女達の行為を看過する事は出来ないし……彼女達がこのようなまねを繰り返さないようにしなければならない。
 ただ、そんな彼女の言葉を聞いてか聞かずか。
『だって……だってぇ……こんな事起こるだなんて、知らなかったんだもん……!! こんなの……おかしいよぉ!!』
 と不平不満を口にする。
 そんな彼女達をやれやれ、と思いながらブレンダは宥めなら
「分かった分かった……今回の事は学校には黙っておいてやる。君たちがこういう事がしたい年頃なのは、十分理解しているからな」
『うぅ……あ、ありがとう……だけどぉ……』
「……とにかく、もう夜も遅いわ。帰って、ゆっくりと休みなさい……明日には、心の整理も付いているでしょうから、ね」
 最後にラヴが呼びかけ、彼女達を支えながら立たせ……彼女達の家へと送る。
 そして彼女達がいなくなった後に、残るイレギュラーズ達はもう、他の夜妖が居ないか確認に巡回。
 窓ガラスは割れ、寂れた雰囲気はかなり不気味。
 ……でも、そんな雰囲気を作りだした原因は、倒したこの病院の院長であると思うと……。
「そうですわねー……思えば哀れな存在なのやもしれませんわねー」
 とメリルナートがぽつりと零すと、それにメイも。
「そうなのです。噂を聞くと、夜妖になった病院の皆さんも、院長先生の被害者な気がするですよ。これで解放されて、安らかに眠ってほしいのですよ」
 と言いながら、院長室と思しき所でしっかりと手を合わせ、冥福を祈る。
 その祈りに、ほんの僅かではあるが、廃病院を包む陰の気配もほんの僅かではあるが、和らいだような気がする。
 これから先も、ここで怪談話は繰り返されるであろう。
 ただ……それが真実となる事は、しばらくの間は恐らく無い筈。
 そしてメイがお祈りを済ませて。
「それじゃ……良いか? んじゃ、さっさと帰るとしよう」
 とジョージが促し、イレギュラーズ達は廃病院を後にするのであった。

成否

成功

MVP

メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール

状態異常

なし

あとがき

夜妖対峙に参加頂き、ありがとうございました!
好奇心に溢れた彼女達も、流石に暫くの間は怖いスポットになんて行きたくない、と思った事でしょう。
もう少しすれば夏……先に対応しておくことで、一人でも怪談話に首を突っ込む人が少なくなる事を願う事としたいですね……。

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