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シナリオ詳細

<ヴァーリの裁決>自然と、怪王種と

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<ヴァーリの裁決>
 ローレットの本拠地を構える幻想王国、北方に渡るアーベントロート領。
 その一角にセリカ=O=ブランフォール(p3p001548)が収める領地『旅するアトリエ・アーベントロート領』の街道では困っている人が嘆いていたり、湖で水浴びしてたら誰かが近づいてきたり……と、些細な事件には事欠かない場所。
 でも、そんな事件や騒動がありにせよ、街に住む人々はそれを愉しんだりしながら生活していて、また平和な日常のアクセントになっていた。
 そんなセリカの領地の一角の湖は、森の畔に広がっており、大きくて綺麗で……街の人が時間を潰すべく、釣りに興じていたりする事もある。
 でも……そんな湖の底から這いずる影。
 その影から生み出される泡が、段々と多くなっていく。
『ん……? 何か、居る?』
 釣り糸を垂れていた誰かが、ふとそんな言葉を呟いた……その瞬間。
『グギャゥゥゥ!!』
 湖底より飛び出してきたのは……恐竜。
 いや、恐竜の姿はしているが、地面を這うような高さと、背を覆う立派な鱗はまるでワニの様。
 そんなワニ恐竜が一匹、二匹……と、次々と湖底から姿を現すと。
『なんだこいつら! に、逃げろおおおお!!』
 と釣り竿を放り出して逃げ出していく釣り人達。
 だが……動く者を捕らえたワニ恐竜は、素早く地を這い、まるで逃げる釣り人達が美味しそうな得物とばかりに距離を詰めてしまうのであった。

●自然と、怪王種と
「イレギュラーズの皆さん、あの、ちょっといいです?」
 カウンターからちょこんと顔を出しながら、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)はギルド・ローレットのイレギュラーズ達に声を掛ける。
 そして、集まってくれた君達の前には、セリカが。
「皆さんももう知ってると思うですけど、最近この幻想王国に色んな素性不明の魔物達が現れ、領地を荒らしている……というのは知ってますよね?」
「『神翼庭園ウィツィロ』や、『古廟スラン・ロウ』から出て来たモンスターだと言う話もあるのですけど、今回こちらにいらっしゃるセリカさんの領地に現れたのは、ちょっと違うモンスターの様なのです」
 ちょっと違う……という事首傾げるイレギュラーズ。
「ちゃんと説明するのは難しいのですけど……えーっと、ワニさんに恐竜がくっついた様な姿をした『怪王種』が現れてしまったのです!」
 とユリーカの言葉にセリカが。
「そうなの。地面を這いずる様に湖から出て来て、ターゲットに狙いを付けると凄まじい速度で近づいてきて、ぐわって噛みついてくるみたいなの。私の領の湖はおっきくて、綺麗で……わたしの領に住む人達の憩いの場になっているんだけど……怪王種が現れるとなれば、このまま静観しておく訳にはいかないの」
 そしてユリーカがもう一度前に出て。
「そうなのです! 平和に過ごしている人達をイレギュラーズの皆さんの力で守って欲しいのです! という訳で、宜しくお願いします、なのです!!」
 と、力一杯拳を振り上げた。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 今回領地に突如襲い掛かってきたのは怪王種。
 セリカ=O=ブランフォール(p3p001548)さんの領地の湖から姿を突如現し、襲い掛かってきます。

 ●成功条件
   領地を襲撃する怪王種を退治する事と、周りに居る人々を護りきる事になります。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はBです。
   依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●ブレイブメダリオン
  このシナリオ成功時参加者全員にブレイブメダリオンが配られます。
  ゴールド、ミスリル、アダマンタイトとメダルごとにランクがあり、
  それぞれゴールド=1p、ミスリル=2p、アダマンタイト=5pとして扱われブレイブメダリオンランキングにて総ポイント数が掲示されます。
  このメダルはPC間で譲渡可能です。

 ●怪王種(アロンゲノム)とは
  進行した滅びのアークによって世界に蔓延った現象のひとつです。
  生物が突然変異的に高い戦闘力や知能を有し、それを周辺固体へ浸食させていきます。
  いわゆる動物版の反転現象といわれ、ローレット・イレギュラーズの宿敵のひとつとなりました。

 ●周りの状況
   今回の舞台は、セリカさんの領地の『湖』が広がる地域になります。
   森の畔に広大で、綺麗な湖には小さな淡水魚たちが潜んでいる様で、領民の方達からすれば格好の釣りスポット。
   そんな釣りをしている人達を怪王種は狙い済まし、食らおうと這い出てきます。
   つまり周囲には、多くの一般釣り人達が居る状態ですので、彼らを避難させつつ、怪王種に対峙する必要があります。
   怪王種の高さは50cm程度と、地面を這う様な視界しかありませんが、誰かをターゲットに収めると素早く地面を這って近づいてきます。
   基本的に狙ったターゲットを食い殺さない限り、次のターゲットに視界が向く事は無い様ですが、視界外にターゲットが逃げると、次のターゲットを狙う、という習性がある様です。

 ●討伐目標
   敵である怪王種『ディノゲイター』は、その身体がワニの鱗で覆われており、これはかなり強固な外装となっている様です。
   つまり敵の防御力がとても高い状態では、攻撃をしても中々体力が減らない……という事になります。
   又恐竜の素性も持ち合わせており、体力もかなり高いです。
   更に、ターゲットをきめたらそのターゲットが視界内に居る限りは常にそのターゲットを狙う為、怒り効果は余り意味を成しません。
   最初のターンでは、一般人がそのターゲットに狙われてしまう為、視界外へと避難させる事が重要となります。
   
   なお、敵の数は2匹で、全員同じ姿形をしています。
   顎も強く、噛みつかれれば大ダメージなのは間違いなく、合わせて失血効果が顕れます。
   又、噛みつかれている限りはその巨大な身体が腕や足に乗っかかる状態なので、噛みつかれている限り体勢不利の効果が継続して付与されますので、ご注意下さい。

   それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <ヴァーリの裁決>自然と、怪王種と完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年04月04日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
セリカ=O=ブランフォール(p3p001548)
一番の宝物は「日常」
コゼット(p3p002755)
ひだまりうさぎ
ネーヴェ(p3p007199)
星に想いを
シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)
天下無双の貴族騎士
紅迅 斬華(p3p008460)
首神(首刈りお姉さん)
セレーネ=フォン=シルヴァラント(p3p009331)
正剣
耀 英司(p3p009524)
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リプレイ

●森の畔
 ローレットが本拠地を構える幻想王国。
 その北方に広がるのは、『一番の宝物は「日常」』セリカ=O=ブランフォール(p3p001548)がお手伝いをしている領地『旅するアトリエ・アーベントロート領』。
 そこに棲まう領民達は極々普通の日常を過ごしており、代わらない平穏な日常を過ごしている……筈だった。
 だが……。
「本当に!? お手伝いしている領地の海に怪王種が現れるだなんて! これは、みんなの無事の為にも、全力で解決しないと!!」
 と、拳を振るわせるセリカ。
 昨今この幻想王国に点在する領地に、次々と現れているモンスター達。
「幻想で領地を得ている方々の土地に、どんどん魔物が現れて居るのですね……」
「その様ですね……わたくしの領地では、このような話を聞いておりません……が、対岸の火事と、のんびりも、していられません、ね」
「ええ。私はまだ領地など持つ気はありませんが……すでに領地を得ている方々は大変ですね……」
 『正剣』セレーネ=フォン=シルヴァラント(p3p009331)と、『うさぎのながみみ』ネーヴェ(p3p007199)の会話。
 確かに今回の話は、幻想王国に領地を持っていないイレギュラーズからすれば、対岸の火事であるのは間違いない。
 ただ、程度の大小こそあれ、同様な事件は他の領地でいつ起きるかも分からない。
 それに……今回セリカの領地へと現れたのは、湖の中から姿を現わす怪王種と呼ばれるワニと恐竜が合体したかのようなモンスターとの事。
「今度は怪王種との戦いか……」
 と『竜食い』シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)が呟くと、それに『首神(首刈りお姉さん)』紅迅 斬華(p3p008460)と『Heavy arms』耀 英司(p3p009524)が。
「そうですね! 今回は思いっきり刈ってもいいんですね……あぁ……素敵……♪ とっても刈り甲斐のありそうな首ですね♪」
「ああ! ワニと恐竜だとか、おもしれえ! こりゃ全身ワニ皮にしても余っちまうかもなぁ! ま、こういう怪獣vs怪人ってのも、良くあるシチュエーションじゃねえの。がっぷりようだぜ!」
 と、二人は何処か楽しそう。
 勿論そんな二人に対し、心穏やかではないのはセリカ。
 ……そんな彼女の心を落ち着かせる様に、怪王種が現れるという湖を前に、『ひだまりうさぎ』コゼット(p3p002755)と『饗宴の悪魔』マルベート・トゥールーズ(p3p000736)が。
「それにしても……きれいな湖、仕事じゃなくって、遊びできたかったな……」
「そうだね。湖のある領地は親近感が沸いてしまうものだね。あの領民達の様に、釣りでも楽しみたい所だ」
「うん……釣りもいいよね。あたし、前からやってみたいなぁって思ってたの……怪王種の様な大物はイヤだけど」
「全くだ。まぁ……今回の敵は釣るまでもなく、湖の畔に這い出てくる様だからな。ふふっ、手間が省けて悪くない……という訳で、セリカ、大丈夫だ。私達で確実に仕留めよう」
 そして、二人の言葉にシューヴェルトとセレーネも。
「ああ。『竜食い』の名において、敵を倒してみせると同時に、貴族騎士としてここに居る人々を守って見せる!」
「そうですね……私個人の力で何処までお役に立てるか分かりませんが、こうして関わりを得られた以上は、全力を尽くさせて貰いますね」
 そんな仲間達の力強い言葉に、セリカは。
「うん……ありがとう! 皆の力があればきっと大丈夫……! 私も頑張るから、皆も……よろしく頼むね!」
 と、精一杯の笑顔を浮かべる。
 そしてイレギュラーズ達は、のんびりと湖の畔で釣りをしている領民達の下へと急ぐのであった。

●怪王の襲撃
 そしてイレギュラーズ達は早速、湖の畔へ。
「みんなー! ちょっとちょっとーーー!!」
 そう、湖の畔で釣り糸を垂れている領民達にセリカが声を掛けるが、領民達は。
『あれ、あれは領主様でないのかぃ!?』
『そうだなぁ。あれ、どうしたんだい?』
 と、領主の姿に慌てるような事も無く、むしろ久しぶりに見た領主の姿に手を振り答える。
 しかし、このままのんびりとしている訳にはいかない……現に。
『……ウグゥゥ……!』
 不意に湖からザバァァン、と姿を現わす怪王種。
 湖の中から、地上に居る獲物を喰らうが如く飛び出してきた彼らに、流石に驚いてしまう領民。
『な、何だぁこいつら!?』
 と驚き慌てふためく彼らに、即座にシューヴェルトが人心掌握術とカリスマをフルに活用して。
「全員、落ち着いて避難するように! こいつらの相手は僕たちでする!」
 威風堂々と声を上げ、更にネーヴェも。
「ええ、ここはイレギュラーズが抑えます! 助け合いながら、離れて下さい!」
 その視線を敵からそらすこと無く、毅然と言い放ちながら、領民に襲い掛かろうとしている怪王種一体へ割り込む。
 ネーヴェの割り込みに対し、怪王種は湖から出たての噛みつき攻撃……それを格闘術で対応。
 牙が深く突き刺さらない様にするが、流石に無傷とは行かない。
「そう、やすやすと倒れません……よ!」
 だが、ネーヴェは唇を噛みしめ、その傷を耐える。
 そうして、領民達の注目を集めながらセリカが、湖の畔から次々と人々を避難開始。
 ……勿論、そんなイレギュラーズ達の動きに多少恐怖に混乱している領民達が、わあああ、と逃げ始める。
 ただ怪王種からすれば、逃げようとする領民達こそ格好の獲物な訳で。
『グギャァアアア!!』
 と咆吼を上げて、瞬く間に接近しようとする。
 そんな怪王種と領民達の間に颯爽と割り込む英司……いや、「怪人H」。
「市民の諸君はさっさと逃げな! シーユーレイターアリゲーター、ってな!」
 シニカルに笑いながら英司が、ネーヴェの対峙する怪王種の対峙役に入れ替わる。
 更にその横でコゼットが、もう一匹の怪王種を引き寄せるようにして。
「はいはい、こっち、こっちに注目だよ!」
 と怪王種『ディノゲイター』をブロック、更に斬華が。
「都市伝説として恐れられたお姉さんが人助けなんて……変な感じがしますね……オリジナルの私なら当然、こうしたのでしょうけど♪ さぁ……お仕事と行きましょう♪」
 とディノゲイターそのものを首と見据えながら、領民達が逃げる時間を稼ぐ。
 領民達を逃がす者と、ディノゲイター達を足止めする者の二手に分かれる事で、効率的に避難誘導を行っていく。
 ……ただディノゲイターからすれば、邪魔するイレギュラーズ達は一刻も早く殺したい様で。
『グギャルゥゥ!』
 その咆吼は恐竜の如く、逃げる領民達を威嚇する。
 恐怖に転倒したり、悲鳴を揚げたり……でも、そんな領民達の前に傘をぱっ、と開くことで、領民が怪王種を視認しないようにするセリカ。
「大丈夫。わたし達が必ず助けるから!」
 とセリカの言葉に、シューヴェルトも。
「ああ、安心してくれ。あの程度の敵ぐらい『竜食いの貴族騎士』が倒して見せるさ!」
 と元気付けるように、強い口調で語りかける。
 ただ、セリカ、ネーヴェ、シューヴェルトの方にターゲットが向いてしまっては、怪王種達がこっちに来てしまうかもしれない。
 なので、三人は怪王種に攻撃を加えること無く、ただ領民達の避難へと集中する。
 ……そして。
「さてと……では、始めようか」
 とマルベートが自身に魔門開放を付与し強化する一方、コゼットは享楽のボルジアで、致死毒のバッドステータスを。
「……ワニって口を開ける力が弱いって言うけど……ちっと口を押さえるのは無理ぽいかな。こわいし」
 口の中にたたき込もうとしたが、一瞬考えた後に、その身体にたたき込むことにする。
 ただ、その強固な鱗に囲われた身体は、かすり傷程度にしか与えられない。
 更にセレーネが、コゼットに続き同敵へ。
「一意専心。一度依頼を引き受けた以上は、貴方達を倒すまではそう簡単に倒れる訳には参りません!」
 と宣言すると共に、ワニにアクセルビートを使い攻撃集中でたたき込む。
 だが……その一撃を喰らったところに、返す刀で噛みつき攻撃を食らわせるセレーネ。
「くっ、流石にそう長くは堪えられそうにありませんね……! 領民達が逃げ終わったら、一気に仕掛けましょう……!」
 と、声を上げる、それに英司も。
「本当かい? それじゃ俺もやってみるぜ!」
 と、彼も首元に噛みつき、口の押さえ込みを狙うが……やはりすぐに、口を開かれてしまう。
「本当だな。恐竜とワニのあいの子みたいな図うちアしてるが、性質は恐竜の方が強いみたいだぜ!」
 と仲間達に注意喚起を行う。
 その注意喚起を聞いて斬華が。
「ええ♪ 堅そうですが…お姉さんの斬撃なら大体斬れたりるすんじゃないかしら? ディノゲイターさんは首♪」
 と、どこか嬉しそうにしながらも、身の丈ほどの巨大な首刈り用鉈を振るう斬華。
 硬い装甲だが、勢いよく振られた鉈が軽く刺さり、ダメージは多少ではあるが付いた模様。
 だが、決して怯むような素振りは見せず、むしろ更に凶暴化している様に見えなくも無い。
「とにかく領民達が避難完了するまでは、二体をここより先に行かせないようにするわよ。それまでは、攻撃も抑え気味で」
「ああ……分かった。まずはH側の怪王種を仕留めるとしよう」
 セレーネに頷くマルベート。
 そして次の刻、セレーネは牽制する様に攻撃をする一方、マルベートは攻撃集中からのハルメギドを発動し、怪王種の魂ごと刻む。
 更に斬華が斬華無空で敵の眼球を狙い撃ちし、英司が先ほど鉈で切り拓かれた所に急所攻撃・血桜で出血と恍惚効果を二重付与を行う。
 対し、もう一匹の怪王種にぴったりと張り付いるのはコゼット。
 じわじわと、もう一体との距離を遠距離位に収めるように移動し、怪王種の攻撃が仲間達に届かないようにする。
 更に防御集中で、敵の攻撃を確りと耐える事で……一体の引き付け役を、しっかりと全うする。
 そして、戦闘開始から数刻後。
「みんな、お待たせ! 領民のみんなは、もう大丈夫だよ!」
 と、領民達を避難させていた三人が、戦列に合流。
 すぐにセリカが、コゼットに『歩む者への、献心の光帳』を放ち、コゼットを回復。
 更に合流するなりシューヴェルトが、プラチナムインベルタを射抜き、ネーヴェもフレンジーステップで攻めていく。
 勿論そのターゲットとなるのは、英司側の怪王種。
 つまりは1体の怪王種に、7人が総攻撃を仕掛けると言う事になる。
「ふふ~ん♪ そんな大口を開けていて大丈夫ですか? 鱗は硬いみたいだけれど、粘膜はどうかしら♪」
 と、斬華の言う通り、硬い装甲に覆われた怪王種ではあるが、目、口の中への攻撃は装甲が薄く……更に大量のバッドステータスが積み重なる事によって、少しずつではあるが削られていく。
 勿論怪王種も、食らいつき、暴れることでイレギュラーズ達に反撃するのだが……いかんせん回復手段を持ち合わせていない。
 だからこそ、そんなイレギュラーズ達の猛攻の前に十数分の後……。
「さぁ、そろそろ終わりだぜ。グンナイベイビー」
 と『湛盧ノ怪刃』を放つ英司。、
 その一撃に、一体目の怪王種は甲高い悲鳴を上げて、地面へと臥し目を見開いて絶命。
「これ……死んだのだろうか?」
 とシューヴェルトが少し考えるが……ぴく、ぴくと僅かに微動はするものの、大きく動くことは無い。
「大丈夫そうだね。それじゃ、コゼットさん、お待たせ!」
「うん……それじゃ、いっきに倒しちゃおう……!」
 コゼットが声を上げる。
 そして、セリカが神気閃光で遠距離から牽制し、更に英司が、ジャケットを怪王種に投げつけることで視界を一端奪い、隙を作る。
 隙を作った後に、他のイレギュラーズ達が次々とコゼットが対峙する怪王種へと近接。
「さあ、それでは最後の一匹だ。油断せずに行こう」
「ええ」
 マルベートに頷くネーヴェ。
 そしてシューヴェルトが蒼脚、セレーネがアクセルビートと立て続けに放ち、コゼットも全力防御を解き、蹴兎の攻撃にシフト。
 そしてマルベートが。
「さあ、自身の血でうがいをするといい」
 と、口の中にまたハルメギドを放ち、口の中から喰らい尽くす。
 また、ネーヴェが。
「随分と、硬い鱗をお持ちですが。こちらは、いかがでしょう」
 と施政を低くして、すくい上げるような一撃を放つ。
 その一撃に、くるりと反転する怪王種。
 脚を振り回して、体勢を再度取り戻そうとするが、その隙に露わになった腹部へ、斬華が斬華天照で恍惚を付与した後、斬華無空のコンビネーションの一撃。
 背中側は流石に装甲が硬いものの、腹部側はそこまで厚くなかったようで……かなりの大ダメージを喰らってしまう怪王種。
「弱点はそこですか……ハハ、仰向けでだだをこねているベイビーの様だぜ!」
 そう笑いながら、更に腹へ湛盧ノ怪刃。
 ……そして、体勢をまた取り戻したとしても、弱点を見つけたイレギュラーズ達は再度すくい上げる一撃を放ち……再度腹ばいにし、そこを集中攻撃。
 そんなイレギュラーズ達の熾烈な攻撃の前には、流石に怪王種も対した対抗が取れずに……数刻の後に、甲高い絶叫と共に崩れ墜ちていった。

●狂いを治めて
 そして、無事に怪王種達を倒したイレギュラーズ。
「ふぅ……倒れたみたい……だね。もう動かないよね?」
 と、セリカが確認する様に注意深く接近。
 ……地面にひれ伏した怪王種達は、まるで眠っているかの様。
 だが呼吸も無く、ぴくりとも動かないので……おそらくは命が無いのは間違いないだろう。
「うーん……大丈夫かな?」
 とセリカが振り返り、皆もほっとし、胸をなで下ろす。
「良かった……でも、後始末もしっかりとつけないといけないわね。一番困るのは、この怪王種の処理だと思うのだけど」
「そうだね。ワニの肉はなんか臭いって言うから、たべられないね……なんか堅そうだし」
 セレーネの言葉にコゼットが小首を傾げる。
 確かにこれだけの装甲を誇った怪王種……中の肉も固そうというのは一理ある。
 そんなコゼットに、マルベートが。
「なら、獲物の肉は私が貰っても良いだろうか? 普通のワニ肉は淡泊な味なんだが、怪王種の肉となると、中々手に入れられる物でもない。それにどんな味になるか気になってな……色々と料理してみたいんだ」
 そんなマルベートの言葉に、誰も他に怪王種肉がほしい……という人はおらず。
「ありがとう。それじゃこの怪王種達は、領民の目につかない所まで運んでおくよ。みんなは、領民達に無事に終わったことを報告してくるといい」
「そうだね……もう、湖にワニいないかな……? いたら、危ないから……ちょっとあたしは、様子を見るよ……」
 とコゼットは、釣り人が置いていった釣り竿を手にして、湖に釣り糸を垂れる。
 ただ……釣果は無く、しばし。
「……大丈夫、かな……居なさそう……」
 とコゼットの言葉にセリカとネーヴェが。
「ありがとう。それじゃわたし、みんなを呼んでくるね!」
「あ、セリカさん。わたくしもお手伝いします……逃げたときに怪我している人が居るかもしれませんし……止血程度なら出来ます。それに……ちゃんと逃げてくれて、生きてくれて、ありがとうを、伝えたいから……」
「うん、いいよ! それじゃ、一緒に行こう」
 と、セリカとネーヴェが領民達の下へ。
 そして、他の仲間達は戦闘の痕跡……特に、怪王種の爪痕を一つも残さない様に、周りを掃除。
 怪王種が現れたのは夢ではないけれど……領民達に、まるで夢だったのだと思わせようと。
 そして……ひとときの平和な日常を取り戻した領地に、今一度胸をなで下ろし、イレギュラーズ達は領地を後にするのであった。

成否

成功

MVP

コゼット(p3p002755)
ひだまりうさぎ

状態異常

なし

あとがき

領地襲撃防衛シナリオに参加頂きました皆様、ありがとうございました!
湖に棲まう怪王種……こんなのが現れたらおちおち釣りもしていられないと思いますが、皆様がしっかりとまもってくれたお陰で、きっと領民達も、これから先釣りを続けられる事と思います……?
ありがとうございました!!

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