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シナリオ詳細

【黄昏幻影奇譚】土着神王編

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●土着神王
 まったく、人間というものはつくづく愚かな生き物だ。丁寧に祀っておけば良いものを……。
 私が祟り神としての側面を忘れたか。
 子が生まれれば呪い殺し。
 農作をすれば不作とし。
 軍事を扱うなら破滅させる。
 私にかかればその程度、造作もない。
 だというに……。ああ、もういい。腹も減った。今夜は盛大に人間どもを喰らい尽くしてやろうぞ。

●書斎
「やあ、イレギュラーズの諸君。よく来たね」
 黄昏幻影奇譚を片手にイレギュラーズを出迎える境界案内人のミヤコ。
「今回の討伐対象なんだけど。神様らしく理不尽な相手だ」
 土着神王。蛇神でもあるが、その神性は生誕、農業、軍事やその他諸々という多才な神様である。
「だけどね、この神様。実は祟り神としての側面もあるんだ」
 祟り神。それは荒御霊として畏れられる存在だが、手厚く祀りあげれば強力な守護神となるとして信仰される神々の事である。
「そしてこの神様。少しでも蔑ろにされると人間を祟ってしまうんだ」
 そしてどうも自分を信仰していた人間達を全員喰い殺すつもりらしい。なるほど、確かに理不尽かもしれない。
「そもぞもその土着神王が祟る原因ってなんだったんだ?」
「大切な帽子」
 うん?
「大切な帽子がある人間に失くされてしまったんだ」
 ……はい?
 首を傾げる一同。
「うん、まあ……。気持ちはわかるよ?私もそうだったからね。」
 この帽子自体はなんの力もない、それこそその辺にある帽子と変わらない代物だ。が、本人からすれば大切な物ゆえ、それを失くされれば怒るのは至極も当然であろうが。だからと言ってそれは理不尽過ぎるだろう。
「その……詳しい事はとある場所に行けば聞けると思うからとそこで聞いて?ついでにこの神様についても聞けば色々教えてくれると思うから」
ーーそれとさっきは討伐っていったけどお仕置きでも構わないからね?構わないからね?
 そう念を押しつつイレギュラーズを見送るミヤコであった。

NMコメント

●目標
土着神王の討伐、もしくは折檻
犠牲者を一人も出さない

●山王神社
土着神王を祀っている神社。
山の中にあります。
この神社を取り仕切っているのが山王・沙奈江という女性です。
山の麓にある集落も土着神王様を崇めています。

●土着神王
ロリ枠。見た目通りお子様で尊大です。神様ですから。
プレイング次第ではシリアスにもコメディにもなります。
が、討伐かお仕置きかだけでも方向性は統一した方が良いでしょう。
されてなければ泣きます。私が。

●技
桜吹雪:神秘性桜吹雪が舞います。それは神様を守る盾のようでもあり、刃のようでもあり。
蛇幻:とぐろを巻く蛇の幻影。狙いすまされたその一撃は狙いを外す事はないでしょう。
祟り神:相手を呪い、祟り殺そうとします。

●戦闘場所
戦闘するには充分な広さがあります。
視界良好。障害物なし。

●その他
山王神社にて聞き込みは出来ますが
集落でもできない事はないです。
ちなみに時間帯は昼から始まりますが
時間をかけ過ぎると夜になり
ミシャグジ様が動き出すでしょう。

  • 【黄昏幻影奇譚】土着神王編完了
  • NM名アルク
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年03月31日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

アリシス・シーアルジア(p3p000397)
黒のミスティリオン
ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)
黒武護
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
虚無堕ち魔法少女
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切

リプレイ

●昼、山王神社
 山王神社。山の中に古くから所在しており、土着神王を崇める神社として麓の集落から名が知られている。そしてその集落も信仰者ばかりな訳だが。
 そしてイレギュラーズは集落班と山王神社班の二手に分かれていた。
 まずは山王神社。
 『黒武護』ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)と『汚い魔法少女』メリー・フローラ・アベル(p3p007440)の二人である。
 この神社を取り仕切っているという女性、山王・沙奈江に話を聞いた方がいいだろう。
 大切な帽子を無くされたら普通は怒るし、出来れば見つけてあげたい。ムスティスラーフとしてはそう思う。が、やはり不安ではある。
 ただ、メリーとしては。別に放置しておいてもいいのでは、というのが本音ではある。
 特別な力があるのだから、些細な理由で普通の人間を虐げても問題ない。なんなら特に理由がなくても構わないのだ。それは力を持つ者としての特権である。
 とはいえ、この神様には親近感があるが依頼は依頼ゆえ。とりあえず止めはする。
ーーあら、貴方達は……。ああ、もしかしてミヤコが言っていた荒事専門家って貴方達の事?人数が少ないようだけど。
 声がした方を向けば一人の女性。
「うん、そのミヤコちゃんから話を聞いてきたんだけど。他の人は集落の方へ。もしかしてここを取り仕切ってるっていう」
ーーああ、申し遅れました。ここ、山王神社の長を務めさせていただいております、山王・沙奈江と申します。以後お見知り置きを。
 ムスティスラーフとメリーも挨拶を交わし本題に入る。
 つまり、何故帽子がなくなったのか。
ーーうちの神様は見た目通りと言いますか……。神としての力は強いのですが、なにぶん幼い。その実年齢は私達より余程長い年月を生きておられるのですが。
 神に関係なく、怪異の年齢は見た目で判断するべきではない。
 見た目に反して数百年、あるいはそれ以上生きている、というのが普通にあるのだ。その逆も然り。
 それはイレギュラーズにも当てはまるのでわからない話ではない。
「それで、何があったの」
 用意されたお茶を飲みながら尋ねるメリー。
ーーこの山の麓にある集落の子供達とよく遊んでいるのですが。その日は集落で遊んだ後にこの神社に来て遊んでいたのですよ。
 その中で帽子をその子供の一人に貸したらしい。
 ただ、問題はどのタイミングでその帽子を失くしたのか。それがわからない。こういう事は子供の世界ではよくある事だが、今回ばかりはタチが悪い。
 頭を抱える一同。集落と神社、総出で探しているようだがどうにも見つからない。仕方ない、土着神王が動き出すまでまだ時間はある。それまでに見つけ出さなくては。

●昼、集落
 『黒のミスティリオン』アリシス・シーアルジア(p3p000397)と『霊魂使い』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)。
 集落に来ていた二人はここで情報収集を兼ねて帽子探しをしていた。
 あの神様とやらとここの子供達と遊んでいた中で帽子を失くした、というのは聞いた。そしてどこで失くしたのかもわからない、というのも。
 少女の姿をした神。その幼い精神性が現身に反映されているのだろうか。
 アリシスとしては相手が動き出す前に此方から赴きたいところではある。そして制止して止まってくれれば良いのだが、それは恐らく無理であろう。
「見つかりませんね」
 アリシスの声に振り返るアーマデル。
「そうだな。まったく、どこで失くしたんだか……」
 溜息を吐きつつも子供達と土着神王が遊んでいたという場所を歩き回る。
 神霊とは理不尽なものである。
 力があるが故に人とは違うものが見え、理解しているもの、常識さえも人のものは通用したりはしない。
 蛇神だからというわけではないが、例の神が怒るのもわからないでもない。アーマデルは旅人(ウォーカー)として別世界から来た存在であり、そして彼の一族が神秘の蛇と縁があるのだ。
 とはいえ、神霊の理不尽は人にとって迷惑なのは残念ながら往々にしてある。一人の過ちを集団で、しかも命で贖えというのも困りものだ。
 よって。その神を止めなければならない。
 これは今回のメンバーの総意である。
「……あ」
 アリシスの横にいた子供。
「どうかしましたか?」
ーーそういえば

●山王神社、境内
 時間が経ち、そろそろ土着神王が動き出す時間帯。イレギュラーズも既に合流を果たしていた。
 空気が重い。風が生ぬるい。
 ……来る。
ーーほう、誰ぞこの神社に来ていたのは知っていたが。むざむざ喰われに来たか。
 上空から声がしたので見上げれば。
「あなたが土着神王?さっさと降りて来なさいよ。あなたの事止めてやるから」
ーー……不遜なり。やはり人の子など生かすに値せぬわ。
 メリーの我が強いのはいつものこととしても土着神王ーー神に対してもそれを貫けるのもさすがというべきか。
ーーまずはお前達から喰らうてやろう。我が血肉になれる事、光栄に思うが良い。
 会話もろくにせず、自らを押し通そうとする土着神王。やはり理不尽である。
 土着神王が手をかざし、それを振り下ろす。
 夜の帳に花嵐。篝火と月の光に照らされた桜吹雪は幻想的であるが、そんな優しいものではない。
土着神王の周囲を舞う盾となり、風に乗りイレギュラーズを切り刻む刃となる。
「桜吹雪で身を守ってるならそれごと貫いてあげるよ!」
 ムスティスラーフの必殺技、『大むっち砲』。桜吹雪に切り刻まれながらも限界まで息を吸い、放たれた緑の高威力の破壊力を持つ。が……、本人曰く今回はゲ〇成分込み、らしい。うん、なんというか……、その、はい。次行きましょう。
ーー汚い!汚いではないか!!
 土着神王の怒りももっともである。精神的にも相当ダメージが来ているはずだ。
 それを隣で見ていたメリーも思わず顔をしかめる。攻撃の手を止めることはしない。不殺の光。神聖なる光はたとえ相手が神そのものだろうが裁きを与える。
 アリシスの祈り。それは神に対するものか。その祈りは力を持ち相手を断罪する刃となる。
 神を畏れ敬うのは大人の仕業。だが、子供は違う。無知無理解。故に神を恐れたりはしない。もし畏れるとしたら。神と遊ぼうなどと思わないだろう。
「人々を本当に喰い殺す気ですか?」
 もしそうすれば本当に周りに誰もいなくなってしまうだろう。
ーー本当にそれをお望みですか?
 放たれる光刃。それをはじき返す手刀。
ーーはん、知れたこと!私は神ぞ!すべてを意のままに操り!それに沿わぬものは無に帰す!当然であろうが!
 いつの間にか現れ、とぐろを巻いていた巨大な蛇の幻影。獲物をアリシスに狙いを定め、うごめき始める。そして一気に噛み殺そうとその口を開く!
 かわそうと身をひねるが腕に噛みつかれてしまう。そこへ蛇目となった土着神王の呪詛。この幻影の蛇と共鳴しているのだろうか、違う声音が頭の中にがんがん鳴り響く。
 この場にいた全員がそう簡単に説得できないであろうことは恐らくわかっていただろうが……。
 なるほど、中々面倒そうだ。
ーーどうした、私を止めるのではなかったのか!
 せせら笑う土着神王。とはいえ、戦闘自体はもう終わりを迎える。性格こそは苛烈だが、耐久面には難があるようだ。お子様だからだろうか。
 英霊が残した未練の結晶。それが奏でる怨嗟の音色。物悲しくも狂気に染められた不協和音。アーマデルから発せられるそれは土着神王を蝕み、そして
ーーむきゅう。
 地に伏せた土着神王。これでとりあえず話は聞いてくれるだろう。

 土着神王が目覚めるのを待っている間、神社に集まった集落の人々。その前にいるのはイレギュラーズ。そして沙奈江と共に現れたのは
ーー神様!
 あからさまにむくれている土着神王。
 母親らしき女性と共に前に出てきたのは。
 土着神王とよく遊んでいたという大人しそうな小さな女の子だった。
 その手に握られいたのは
ーーそれは……
「ほら、神様」
 砂奈江に背中を押され前に出てくる。
ーーあ、あのね……。この神社でかくれんぼしてた時にね。
 か細く今にも泣きだしそうな調子で説明をし始める女の子。どうも帽子を借りたまま遊んでいたはいいが、かくれんぼの最中に帽子を脱ぎ、そのままになっていたらしい。しかもこの女の子、隠れるのが物凄く上手でいつも誰にも見つけられないらしい。中々帽子が見つからないわけだ。だが問題は。
ーー今更、これが見つかったところで私の木は収まらぬわ!
 凍り付く境内。
ーーちょうどいい、ここで皆まとめて

ーー……いい加減に、しなさい!!

 目を丸くする一同。
 沙奈江である。
ーーいいですか、土着神王様!あなたは確かに神様です!ですがそれ以前にあなたは子供なのです!
 沙奈江は普段から誰も怒ったところを見たことがない、と言われるぐらい温厚な人物である。それは土着神王自身もよくよくわかっている。
 そんな人物が本気で怒ればそれは恐怖でしかないだろう。まあ、今回のことを思えば致し方ないことであろうが。これはまるで親にこっぴどく叱られる娘の図である。

 その後。遊びの中で汚れていたのだろう、帽子はイレギュラーズ達の手で綺麗に洗われた。ついでに穴が空いているのを見つけたので、可愛らしいカエルのアップリケがあてがわれた。
 そしてイレギュラーズへのお詫びも兼ねて仲直りの宴会が開かれた。土着神王の前には奉納品としてアーマデルが持参していた菓子類が並べられていたが。
 機嫌を直した土着神王は再び守護神としてこの地を守ることを約束してくれた。

ーーこの帽子が大切な理由?この次ここへ遊びに来た時に教えてやるわ!
 自室でこの神様が帽子をじっくり眺め、そして嬉しそうにかぶっていたのを陰からばっちり沙奈江に見られていたのはまた別の話である。なんか意外と可愛いな、この神様。
ーーなにか言ったか!?
 いえ、なにも?

成否

成功

状態異常

なし

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