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シナリオ詳細

<ヴァーリの裁決>急募、あくのそしき

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●悪の秘密結社『XXX』へようこそ!

説明しよう ダークネスクイーンとは 悪の秘密結社XXXの相当である
 美形、傲慢、色白、超強気と類い希なる悪の要素を詰め込んだ彼女であるが
 実は純粋無垢な赤子のようなハートを持っていた
 腐敗した正義の横行した世界に鉄槌を下すべく悪を掲げたダークネスクイーン
 進め、確固たる信念のもとに!
 ゆけ、未来ある子供達のために!
 みんなが君を待っている!

「皆の者、ゆくぞ!」
 特製戦車(人力)の上で旗を振りかざすダークネスクイーンダークネス クイーン(p3p002874)。迫るは巨人とミイラの混合部隊。
 ミイラ槍兵の突撃に、XXX戦闘員たちが柄にXの形がついた量産武器で応戦し正面からバチバチとぶつかり合う。
 一列後方のミイラ弓兵たちが呪力によって射程を強化された矢を次々放つが、対する戦闘員もX字のマークが入った盾をかざしそれを防御。
 一通り防ぎきったところでXXX盾兵がザッと左右に分かれ、特殊な大砲を担いだダークネスクイーンが姿を見せる。
「世界征服砲――発射ァ!」
 ミイラ兵たちを貫く真っ赤な光。
 そう、これは正義と悪の戦いではない。
 悪と悪の戦いなのだ!

●スラン・ロウより、滅びを込めて
 幻想のどっかにあるという地下アジト。
 かつてどっかのあくのそしきが使った末壊滅したから放棄されたとかそういう噂もあるこの場所は、自称悪の秘密結社『XXX(トリプルクロス)』のアジトとして機能していた。
 つっても中に入ってるのは中華料理屋とか漫画喫茶とか猫カフェとか銭湯とかおみやげ売り場とかである。
 受付でXXX戦闘員バッジを見せればわりかしフリーパスで入れるというこのアミューズメント施せ――じゃなかった悪のアジトはイレギュラーズの間でもイイカンジに人気を博していた。だってこのバッジ、ローレット・イレギュラーズ界隈にもう600個くらい流れてるもの。
 そんなアジトに警戒アラートが鳴り響いた。
 すべての部屋が、漫画喫茶が、猫カフェが、お土産ショップが真っ赤な照明に染まり道場や作戦室といったわりかしアジトっぽい部屋の戦闘員たちも揃って仰天した。
 お風呂でるんるんしていたダークネスクイーンももちろん例外ではない。とるものもとりあえず作戦室へと駆け込んだのだった。
「何事ォ!」
 裸にバスタオル巻いただけという悪の総帥らしからぬ格好に戦闘員一同一斉に鼻を押さえたが、ビッとモニターを指さした。
 そこに映っていたのは、アジトへと迫る軍隊の姿。
 すわあくのそしきぶっつぶすマンの仕業かと震えたがどうやらそうではない。あと震えたのはそんな格好でうろついてるせいである。
 報告します! とタブレットPC片手に走ってくる戦闘員。
「只今接近している軍は古廟スラン・ロウより現れたモンスターとのこと! 現在幻想各地の街を襲撃しており、その一環であると思われます!」
 なんと。ダークネスクイーンはへっくちとくしゃみをし、部下の持ってきた戦闘用コスチュームに着替えると、戦闘員たちへと号令を出した。
「敵の大群を迎え撃つ! ただちに周辺のローレット・イレギュラーズへ救援要請! ……あ、いや」
 ファミリアーを飛ばそうとした戦闘員の手をとめさせ、額に指をたてる。
「依頼内容はこうだ――『急募、XXX構成員』!」

GMコメント

 XXX構成員募集
 ローレット所属経験アリなら部隊長待遇
 君も戦闘員を率いて戦おう!
 経験者歓迎。自分の兵隊を持参してください
 一日のインターン期間を設け、モンスターの群れと戦って戴きます

■オーダー
 あくのそしき『XXX』の構成員となり、モンスターの大軍と戦いましょう。
 あなたには10人前後の戦闘員が配下としてつき、手足となって戦ってくれます。

■シチュエーション
 XXXのアジトへ迫るスラン・ロウの怪物たち。
 両腕を大砲にした巨人『雲を突く大木(ロックシューター)』数体、ミイラ槍兵大量数、ミイラ銃歩兵大量数。これらが役8つの小隊に分かれてアジト入り口めざし全方角から分散して攻め込んでいる状態です。
 本当に囲まれてしまうとヤバいので、こちらも部隊を東西南北くらいに分散させて迎撃するのがよいでしょう。

■■■小隊指揮について■■■
・このシナリオには小隊指揮ルールが適用されます。
 PCは全員小隊長扱いとなり、十名前後の配下を率いて敵部隊と戦うことができます。
・兵のスキルや装備といった構成内容はおおまかになら決めることができます。
 防御重視、回復重視、機動力重視、遠距離砲撃重視、特定系統の非戦スキル重視……といった感じです。細かいオーダーは避けましょう(プレイング圧迫リスク回避のため)
・使用スキルや戦闘パターンの指定は不要です。(プレイング圧迫リスク回避のため)
・部下の戦意を向上させるプレイングをかけることで、小隊の戦力が上昇します。
 先陣をきって勇敢に戦って見せたり、笑顔で元気づけたり、料理を振る舞ってみたり、歌って踊ったり、格好いい演説を聴かせたり、効率的な戦術を指示したりとやり方は様々です。キャラにあった隊長プレイをお楽しみください。
・兵のデザインや雰囲気には拘ってOKです。
 自分と同じような服装で統一したり、自分の領地にいる戦力を選抜したり、楽しいチームを作りましょう。特に指定が無かった場合、以下のデフォルト設定が適用されます。
・兵のデフォルト設定:XXX標準戦闘員
 0~2レンジ対応バランス型。防御とHPに優れる。

■おまけのお楽しみ要素
 皆さんは一日限りとはいえXXXの構成員です。しかも小隊長待遇です。
 なので悪の組織の幹部みたいにコードネームを名乗ったり、ワルっぽいコスチュームを着てみるのもいいでしょう。
 そして皆さんもうお気づきかも知れませんが、ダークネスクイーンの根が良すぎるせいでこの依頼はプラス側の名声が入ります。

●ブレイブメダリオン
 このシナリオ成功時参加者全員にブレイブメダリオンが配られます。
 ゴールド、ミスリル、アダマンタイトとメダルごとにランクがあり、
 それぞれゴールド=1p、ミスリル=2p、アダマンタイト=5pとして扱われブレイブメダリオンランキングにて総ポイント数が掲示されます。
 このメダルはPC間で譲渡可能です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <ヴァーリの裁決>急募、あくのそしき完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年03月27日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

志屍 志(p3p000416)
密偵頭兼誓願伝達業
エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)
愛娘
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
ダークネス クイーン(p3p002874)
悪の秘密結社『XXX』総統
ラムダ・アイリス(p3p008609)
血風旋華
節樹 トウカ(p3p008730)
散らぬ桃花
ノワール・G・白鷺(p3p009316)
《Seven of Cups》
耀 英司(p3p009524)
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リプレイ

●集合、あくのそしき!
「皆の衆! 良くぞ集まってくれた!」
 なびくマントと砂煙。
 特製馬車トリプルクロス号の台に立ち、『悪の秘密結社『XXX』総統』ダークネス クイーン(p3p002874)は整列する戦闘員たちへと声を張った。
「我こそは悪の秘密結社「XXX」総統!ダークネスクイーンである!」
「「総統ー!」」
「「素敵ー!」」
「期末ボーナスありがとうございます!」
「出産手当感謝です!」
「猫カフェ拡張万歳!」
 喝采が響く中、ダークネスクイーンはどうどうと両手をかざしてXXX(トリプルクロス)の戦闘員たちをなだめた。
「今日は諸君らに新たな仲間を紹介しよう! 彼らだ!」
 両手をバッと広げると、吹き上がるスモークの向こうから七つカラフルな影が出現。
 端からスモークがはれていく。
「猫カフェ推進派臨時幹部――『シュテルンナハト・ねこ』!」
 顔の上半分を覆う猫モチーフの仮面をかぶった、ホワイトな貴族風衣装を纏った『希う魔道士』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)がマントを払った。
「この戦いに勝利したら猫カフェの年パスをもらえると聞いて来た、よ!」
 喝采。からの二人目の幹部がスモークよりうきあがる。
「敵か味方か謎の美女――『白面』!」
「ふふ……」
 黒い着物の上から拘束具を装着したボディラインの見えるコスチュームに黒い狐面をあわせた『遺言代筆業』志屍 瑠璃(p3p000416)が、はれたスモークのなかで振り返る。
「中華料理屋推進派臨時幹部――『ゴールデンライオン』!」
「えっ……」
 チャイナドレスと有機的に波打ちつづける頭髪によって派手さを演出していた『金色のいとし子』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)が身に覚えのないコードネームに振り返る。
「続いては冷徹なる殺戮マシーン――『Λ(ダムダ)』!」
「案外名前そのまんまなんだ……」
 『魔導機巧人形』ラムダ・アイリス(p3p008609)が偽装外殻を纏った状態でスモークより出ると、片手で顔半分を隠すようなポーズをとった。
「外殻解除(リリース)――!」
 途端、黒鉄の身体に流体金属の翼。頭には双角をもつ堕天使型球体関節人形の姿となった。
 変身怪人幹部大好き勢が両手でサムズアップしながら『イェーア! ヒュー!』とかいって跳びはねる。
「最果ての島より現れた、破壊の悪夢を持て余す鬼――『桃鬼』!」
「そんな解釈は初めてだ……」
 黒い角をキラリと光らせ、『散らぬ桃花』節樹 トウカ(p3p008730)は着物の諸肌を抜いで木刀を肩に担いだ。
 彼の領地から遠戸はるばる(多分観光目的で)やってきていた鬼人領民たちが木刀や棍棒をかざして『節樹サーン!』と声を上げた。
「敵か味方かすべてが謎に包まれたマジシャン――『ノワール!』」
「皆々様々、ごきげんよう」
 道化のマスクとシルクハットでミステリアスにキメた『《Seven of Cups》』ノワール・G・白鷺(p3p009316)がピッと黒いダイスを三本の指の間にはさむようにかざし、次の瞬間にはぱっと手元から消滅させた。
「そして異世界からやってきた怪人の中の怪人――『怪人H』!」
「ハッピーな組織じゃねーの。アンタら、本物よりホンモノしてるぜ」
 黒いフルフェイス仮面の下からギラリと赤い光を漏らし、まるでそのためにこしらえたかのような暗黒騎士怪人の甲冑着ぐるみでパチンと指を鳴らすジェスチャーをした。本来こんなグローブごしには音が鳴らない筈だが、綺麗にフィンガースナップの音が鳴る。
 このテレビの中から出てきたかのような完成された動きに、一部の戦闘員たちが興奮のあまりガッツポーズで『イェーア!』と叫びだした。
「この作戦が成功した暁には、諸君らには我がアジトの年間フリーパスの授与を約束しよう! さあ往くぞ!」
 そして総統ダークネスクイーン。
 迫る巨人とミイラの軍勢へと振り返り、ビッと指を突きつけた。
「奴らに『悪』の鉄槌を下すのだ!!!!」

 士気は最高。
 気合は充分。
 全身タイツの戦闘員たちは量産品の武器を手に取ると、今がその時とばかりに一斉に走り出した。
「秘密結社『XXX(トリプルクロス)』――突撃ッ!」

●それぞれの防衛戦
 『白面』の瑠璃。彼女の部隊はアジト東部の防衛を任されていた。
 XXXのロゴをモチーフにしたガンブレードを装備した戦闘員たちを引き連れ、ミイラの群れへと悠然と歩いて行く。
「敵は強く、数も多いです。四方を兵で埋めつくされるほど。
 それでも、安心していいこともあります。
 今、ここには、私達がいます。……そうですね?
 それなら、私達の働き次第で、どうにかなるかも知れません。
 隣の人、後ろの人は死なずにすむかもしれません。私達の働き次第で、です」
 こくりと頷く戦闘員達。かれらは瑠璃がバッと片手をかざすように合図したと同時に一斉に飛び出し、列をくんでミイラと巨人へ射撃。一部の戦闘員は巨人の脚や腕にしがみつき動きを無理矢理制限しにかかる。彼らの仕事は牽制と防御。盾となって敵を阻む専門部隊だ。
「それでは、皆でいい仕事をしましょう」
 瑠璃は仮面の下でうすく笑うと、『眩術紫雲』の術を発動。虹の如く煌く雲が巨人や周囲のミイラ達をのみこんでいく。

「天に月、地には闇……ジャッジメントの時間だよ♪」
「「イエーーーーアッ!!」」
 こんな奴いたのかってくらいマッスルな戦闘員たちの神輿に担がれたラムダ。
 椅子から立ち上がり翼を更に広げると、ばっさばっさと空へとゆっくり浮かび上がっていく。
「じゃあ始めようか……戦闘員諸君。これより殲滅の刻。スーパーヴィランタイムだ!」
「「イエーーーーアッ!!」」
 飛行を一時中断し、対群精神感応攻撃術式『狂月』を発動。
 かざした両手から怪しい光が解き放たれ、ミイラたちの軍勢が突然自らの首を絞めたり頭を抑えてもだえ苦しみ始めた。
 たとえアンデッドの群れであろうとも、ラムダの術から逃れることはできない。
 そこへマッスル戦闘員達がタックルによって挽きつぶしていくという作戦だ。
 更に――。
「さてさて、敵は四方八方から此方を包囲しに来ます。いやーしかし甘い、甘過ぎます。そうですよね?我々『XXX』をこの程度で落とせる筈がない。
 なにせ我々には、長たるクイーン総統閣下と優秀な戦闘員たる貴方方がいらっしゃるのですから!」
 ノワールと同じスーツ姿の戦闘員(首から上はいつものマスク)が一斉にXXXガンブレードを構え、一斉射撃。
 目標は、範囲攻撃と挽きつぶしのパワープレイで残りがちな『雲を突く大木(ロックシューター)』。
「皆様、今こそ目に物見せる時です。恐れるものは無し、存分に力を振るいましょう」
 ノワールは指の間にパッと表した黒いダイスを巨人めがけて投擲。するとダイスが突如巨大化し巨人をパクンと飲み込んでしまった。中で暴れる巨人。だがそれを許さずノワールは戦闘員二名を両脇に並べバズーカ砲を構えさせる。
「FIRE」
 かざした手より放たれた黒い魔術交戦。そして砲撃。
 キューブから抜け出したばかりの巨人はほぼ何もできずに爆発四散したのだった。

 星空の竪琴を抱え、戦場を歩く仮面の紳士――『シュテルンナハト・ねこ』ことヨゾラ。
 彼に続く戦闘員たちは皆、覆面の上に猫耳を装着していた。
「諸君! 僕は猫が大好きだ!」
「「好きだー!」」
「後で猫をー! 撫でたいかー!」
「「撫でたーい!」」
「「猫ぉー!」」
「猫カフェもあるアジトを全力で守ろう! 後でにゃんこに癒されタイムだー!」
 うおーと言いながらミイラの集団めがけて突撃する戦闘員達。猫好きの絆が彼らを屈強に、そして勇猛果敢にした。
「総員攻撃……エアツェール小隊、砲撃降らしちゃってー!」
 ミイラ軍団めがけて猫型グレネードランチャーを乱射。
 ミイラ銃歩兵たちが射撃体勢にはいるも、その殆どを爆発によって飲み込んでいく。
 そしてヨゾラもまた、ミイラ銃歩兵たちの間に割り込んで星空の光によってなぎ払っていった。
 そんな彼らを追い払おうとミイラ槍兵たちが殺到。
 しかし、それを英司の部隊が阻んだ。流れる回想。
『アンタら、何のために戦うんだ?
 世界征服? 組織の為? そーだな。
 腹割って話そうぜ。総統が大好きだから、だろ?
 分かってんだよ。どんなお題目掲げようが、上がダメならこんないい組織は出来ねぇ。だから聞いてきてやったぜ……』
 暗黒騎士甲冑に身を包み、鞘から剣を抜く英司。まるであとから編集したかのように、綺麗にシャランという抜刀の音がした。
「総統、今回活躍したら、デートしてくれるってよ!」
「「イエエエエエエエエエエアッ!」」
「強く! 気高く! 美しく!
 そしてちょっぴりドジで可愛らしい総統が! ほんのひと時だけ見せるアンタらの為だけの姿!
 興味あるよなぁ! 夢があるよなぁ! チャンスはそこだ!
 ――一花咲かすぜ!」
 英司は剣でぐるりと円月を描くと、軌跡を描き現れた黒いエネルギー体を剣にのせ、巨人めがけて斬りかかった。
 黄金のスパークが走り、巨人が派手に転倒する。

 一方トウカの部隊はミイラ銃歩兵めがけて一斉に突撃。先陣を切るトウカは木刀によってミイラ兵を殴り倒した。
『我が領民の鬼人達よ
 ここまでの長旅ご苦労様だ!
 遠き異国の地で慣れなかったり、疲れてたりするかもしれないが
 幻想各地の街を襲撃する敵軍からこの地を守るために諸君らの力を貸してほしい!
 神威神楽が神使達に助けられたように、俺も誰かを助けられる鬼でありたい。
 だから俺と共にこの神使が治める地を守る手助けをしてほしい!
 ただし死ぬ気で戦おうとしたら俺がぶん殴って止めるからな!
 戦が終わったらこの11人で宴会をする!だから俺以外は無茶すんなよ!』
 トウカの言葉をかみしめて、鬼人兵たちはそれぞれ木刀や棍棒によってミイラ兵を殴り倒していく。
 その横をミイラ槍兵隊が突破し、中央エリア……つまりアジト前へと進軍していく。
「節樹サン、連中が――!」
「振り返るな。目の前の敵を倒せ。なあに心配いらん、中央には……我らが総統がついてる!」

「さあ、征く、ぞ。マリアに、力と、命を貸してくれ」
 中央アジト前に陣取っていたのはエクスマリアとダークネスクイーンによる遊撃&最終防衛部隊であった。
 エクスマリアと同じくアジトの中華料理屋が大好きな戦闘員たちがガンブレードの連射によってミイラ兵を牽制。
 ある程度固めたところで、エクスマリアは頭髪によって作り出した大砲から黄金のビームを撃ちまくった。
「砲撃フォーメーション、だ」
「「イエッサー!」」
 エクスマリアを固定砲台としたフォーメーションへとチェンジ。ガンブレードで防御の構えをとった戦闘員たちが、エクスマリアを落とそうと迫るミイラ兵たちをガードしはじめた。
 そこへ更に投入される巨人ロックシューター。
 腕の大砲に岩石を詰め込むと、激しい空圧によって次々に発射した。
「「グワー!?」」
 タフな戦闘員とはいえ直撃をうければただではすまない。
 防御が食い破られるかと思われた……その時。
「走れ、戦闘員一号!」
「ッシャオラー!!」
 胸にひかるは『1』の数字が刻まれたバッジ。
 日頃喫茶店バイトをしながら町の保安活動にいそしむ彼こそ、ダークネスクイーンがこの世界において最初の戦闘員に任命した栄えある一号戦闘員なのだ。見分けは、全然つかないが!
「一号、戦闘員タックルだ! 射線を開けよ!」
 ギュウンとエネルギーを両手の間に集中させるダークネスクイーン。腰だめに構えると、両手のエネルギーを一度に放出するような構えでもって突き出した。
 さあ、画面の前のみんなも一緒に叫ぼう!
「超・世界征服砲!」
 放たれた砲撃は数体のミイラ兵をぶち抜き、更には巨人ロックシューターの腹部に直撃。こらえようと踏ん張った巨人だが、そのままエネルギーは巨人の腹を突き破っていった。

●テーマソングが聞こえる
 侵攻してくるミイラ及び巨人部隊の殆どを迎撃、殲滅した秘密結社『XXX』。
 しかし敵の侵攻は終わってなどいなかった。
「――!?」
 歴戦のカンなのか、エクスマリアが突如として天空へ上向いた。
 雲を抜けて落下してくる、奇妙な影を目にしたからだ。
 影はみるみる迫り、それが巨大な人の形をしていたことにようやく気がついた。
 ズドン、と大地に足跡をつけるほどの勢いで着地した巨人。ロックシューターに似た造形だが、そのサイズは倍以上に大きく、そして本来腕に備えていた大砲もすべての指全十門に増えていた。
「オイオイオイ、こういうのはコッチのお家芸のはずだろ。どうすんだ総統、あんたも対抗してデカくなるのか?」
 英司が振り返ると、ダークネスクイーンはニヒルに笑った。
「なあに、こういう相手は慣れている」
「……?」
 巨人は種のようなものをばらまき、種から複数のミイラ兵が出現。
 トウカ、瑠璃、そしてラムダの部隊は各方面から集結した。
「援軍が来るまでこのまま耐え続けろ! 俺は飛び道具を引き付けてくる!」
 トウカが真っ先に巨人のすねへ殴りかかると、部下の鬼人兵たちがミイラ兵たちと交戦を開始。
 そこへ更に瑠璃の部隊が接近。
「防御隊列。アジトを護ってください」
「「承知!」」
 瑠璃の術がミイラ兵たちを包み込む一方で、連携防御陣形(組み体操ピラミッド)をとった戦闘員達がロックシューターEXの砲撃を防御。
「ミイラ連中は任せて!」
 ラムダが蛇腹の剣を展開すると、まるで蛇が暴れ回るかのようにミイラ兵たちだけを次々に切り裂いていった。
 その間に負傷した仲間を抱えたダムダ隊の戦闘員たちがアジト内へと退避。
 入れ替わりにノワール及びヨゾラの部隊がロックシューターEXへ急接近をかけた。
「ああいうのは、案外懐に入ってしまえば脆いものですよ」
 ノワールは戦闘員のフォローをかりて大ジャンプすると、零距離から魔術砲撃を発動。
 黒いエネルギーの塊がロックシューターEXの腹へとたたき込まれ、更にヨゾラと英司が跳躍。
 飛行ユニットを装着した戦闘員たちのアシストによってロックシューターEXの顔面への軌道を確保すると、同時に猫パンチと怪人キックを繰り出した。
 人間でいえば、頭の上から斜めに打ち下ろすようなパンチを浴びせたようなものである。腹にくらって体幹がゆらいだこともあってか、ロックシューターEXは派手に転倒。
「あとで中華、だ。マリアの奢り、だ。麻婆豆腐でも、酢豚でも、好きなだけ、食べると、良い」
 エクスマリアとダークネスクイーンが並び、同時に両手を天にかざした。
「『XXX』戦闘員たちよ――最後の力を、我に集めよ!」
 バッと一斉に手をかざし念じる戦闘員たち。
 彼らの想いは、ふしぎとひとつだった。
「「総統!!」」
 集まったエネルギーはエクスマリアの頭髪によって作られた大砲にあつめられ、それをがしりと掴んだダークネスクイーンが――その肩をがしりとつかんだ英司が、ノワールが、思わずそれに続いてしまったトウカ、ラムダ、ヨゾラ、瑠璃。彼らの力が一つに集まり――。
「――XXX(トリプルクロス)パンドラフィニッシュ!」
 解き放たれた三つのX型エネルギー体が、起き上がったロックシューターEXへと直撃。盛大に爆発させたのだった。




 かくして悪の秘密結社『XXX』のアジトは守られた!
 年パスを貰った仲間達は中華に猫カフェに銭湯にと楽しい一日を満喫したという。

成否

成功

MVP

耀 英司(p3p009524)
諢帙@縺ヲ繧九h縲∵セ?°

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete!

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