PandoraPartyProject

シナリオ詳細

BANANA NO KAWA

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●芸人が見ると吸い込まれるように踏み抜くアレ
 それは曰く、太古の昔から伝わる超古典的なトラップである。
 それは曰く、雪や氷よりも摩擦係数が低く、良く滑ると言われている。
 それは曰く、地面に落ちていると踏みたくなる衝動に駆られるという。

「で、貴方はこんな所に来て何をしているのですか?」
「ほら、イレギュラーズってすごく強いじゃん?」
「そうですね。で、それと境界図書館にゴミを並べることに何の関係があるのです?」
「最強のトラップを前に、イレギュラーズが平常心を保てるか気になったのだ!」
 境界図書館の一部を管理しているイヴ=マリアンヌは、大きなため息を吐いた。
 彼女の視界の先では、暇を持て余した『闇の精霊』オプスキュティオが、何かを口に入れながらそのゴミを境界図書館の地面に並べている。
「そんな目に見えた罠に、彼らが引っかかるとも思いませんが……」
 なんせオプスキュティオが罠と呼ぶそれは、落とし穴や盥落としのように地中や天井に隠すわけでもなければ、ただ地面に置いただけ。もはや罠と呼んでいいのかすらわからないが、イレギュラーズがこれに引っかかる確たる根拠がオプスキュティオにはあった。
「ぐふふ、そう言ってられるのも今の内なのだ。これを見よ!」
 彼女が超自慢げに取り出した本、それはイヴがとある異世界の偉人が提唱しすごい賞を取ったから興味本位で取り寄せてみたものの、蓋を開けてみれば下らないことしか書かれていなかった『バナナの皮は何故踏みたくなるのか』というタイトルの本である。
 内容はそのタイトル通り、芸人は落ちてるバナナの皮をどうして踏んでしまうのかとか、バナナの皮の摩擦係数はすごい低いだとか、誰が見てもお馬鹿なことしか書かれていないが、そんな本をオプスキュティオが見て本気にしてしまう辺り、彼女のレベルは知れていると言えよう。
「ふふ、ふふふ……イレギュラーズがこれを見て焦る姿が目に浮かぶのだ」
「あとでちゃんと片付けてくださいね……?」

●Trap in the境界図書館
 貴方はきっと、境界の依頼を受けるために境界図書館に訪れたのだろう。
 だがその日、貴方が踏み入れた境界図書館には沢山のバナナの皮が散乱しており、肝心の案内人であるイヴの姿も見えなかった……。

 ――え、それだけ?

NMコメント

 ゴミはゴミ箱に捨てましょう。
 どうも、牡丹雪です。

●目的(できること)
・バナナの皮に対して何かリアクションを取る
・悪戯好きのオプスキュティオをわからせる
・その他(思いつけば)

 やることはとてもシンプルです!
 とりあえずバナナの皮を発見してリアクションを取ればいいのです!

●NPC
・【闇の精霊】オプスキュティオ
 とある異世界で退屈過ぎてイヴの所へ遊びに来た精霊。
 可愛らしい幼女の姿をしているものの、性格はそこまで可愛くない。
 真面目に戦えば凄く強い存在なのに時々頭がおつむになる。
 最初は隠れてますが、探知系スキルで一発で見つかります。

・【境界案内人】イヴ=マリアンヌ
 隠れろと言われたので隠れてますが、探せば普通にいます。
 オプスキュティオとは真逆の性格で淡白ですが、普通に会話できます。
 それ以上の詳細はNMページを参照ください。

●フィールド情報
 イヴが普段過ごしている広い図書館です。
 イレギュラーズを異世界へ送るための本が陳列していたり、バナナの皮が落ちています。

●重要
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らずネタとして済まされます(絶対)。
 また、強めのアドリブ演出が含まれる場合がございますので、NGの方は予めプレイング等にご記載ください。

 では、レッツリアクション!

  • BANANA NO KAWA完了
  • NM名牡丹雪
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年05月24日 21時45分
  • 章数1章
  • 総採用数2人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

ノア=サス=ネクリム(p3p009625)
春色の砲撃

●気を付けろ、奴らは踏まれに来るぞ
 バナナの皮は自立歩行をしない。これはバナナを知っている者であればごく一般的な常識であり、そこに意思もなければ動くための機能も持ち合わせていないからである。
 では、例えば異界人が異界バナナを持ち込んでいたとしたらどうなるだろうか。

「どうしてこんなにバナナの皮が落ちてるのよ。ここって本当に境界図書館なのよね?」
 境界依頼を受けに来たノア=サス=ネクリムは、境界図書館に大量のバナナの皮が落ちていることに、深めのため息を吐きながら案内人を探していた。
 足の踏み場が無いというのは少し大げさな表現だが、境界図書館の床をこんなにゴミで汚すなんてなんてだらしのない案内人なのだろう――ノアはそう思いながら、刀の鞘で床を払いながら進んでいる。
「それとも踏んで欲しいのかしらね? 踏むわけないでしょ――」
 彼女の目の端に、明らかに色の違うバナナの皮が映り込んだ時にはもう遅かった。青紫に白い模様のついた癖の強いバナナの皮が一歩踏み出したノアの足元に滑り込む。
 完全に油断していたノアは急に止まれる筈もなく。

「…………」
 結果、それはもう盛大にスッ転んだ。
 身体が宙に浮き世界がスローモーションに回る中、ノアはまさか私だけがこんな醜態を晒す筈がないと、文字通り期待で胸を膨らました。……が、頭にバナナの皮を乗せて辺りを見回しても、こちらを見てイタズラに笑う少女が居るだけだった。

成否

成功


第1章 第2節

八重 慧(p3p008813)
歪角ノ夜叉

●それを足で除けてはいけない
「えっ、なんすかこの散らばってるの」
 境界図書館に訪れた八重 慧は、地面に散らばっている黄色い物体に怪訝な顔をする。
 辺りを包む甘い独特な残り香から実芭蕉の皮であることはすぐにわかったが、問題点はそこではない。何故こんなに実芭蕉の皮が落ちているのか、境界人に何かあったのか心配になるくらいである。
「うーん、とりあえず境界人さん探すか……」
 実はあまり実芭蕉の皮が身近な存在でなかった慧は、床に散らかった実芭蕉の皮を足で除けながら図書館内を走り始める。が、それが滑るものだと気付いた時には遅い。
「あっ待て、この皮なんかぬるっと……っ!!」
 足は既に頭より高い位置に浮き、身体が真っ逆さまにひっくり返る。
 慧は背中に鈍い痛みを感じながらも前に進もうとした慣性を殺しきることができず、そのまま滑って本棚の方へ――直後に大きな音がした。

「ってぇ……」
 バラバラと落ちてきた本が頭にあたって痛い。
 とんだ災難。そう思いながら慧は頭を押さえて立ち上がると、何気なく目線がいった図書館の隅っこの方に彼女は居た。凄く分かりづらいところで静かに本を読んでいる。
「あの、そこで何してるんすか?」
「ここに隠れていろと言われましたもので」
 境界人の言葉を聞いて沢山散らばっていた実芭蕉の皮がただの悪戯だったと理解した慧は、少し疲れたような、呆れたような表情を浮かべるのだった。

成否

成功


第1章 第3節

「それで、満足はしましたかね?」
「むぅ……満足までとは言わないけど、とりあえず気は済んだのだ」
 二人だけになった境界図書館から声が聞こえてくる。
 来客が少なかったこともあるが、元より下らなかったオプスキュティオの陰謀は不発に終わったと言っても過言ではないだろう。
「それでは、私は本の整理に戻らせていただきますね」
 隅の方にいろと言われていたイヴは表に出てくると静かに作業をし始める。
 当のオプスキュティオといえば、まだ中が残っているバナナをもさもさ食べていた。
「ああ、言い忘れるところでした……」
「む……?」
「散らかしたものはキチンと全部、片付けてくださいね?」
「むぁ……」
「まさかこんなに散らかしておいて、そのまま帰れるとでも?」
「…………」
「汚れた地面の掃除もちゃんとしてくださいよ」
 オプスキュティオはバナナの皮が散らかった広い境界図書館を見渡した。
 先程、イレギュラーズが盛大に転んで本棚を盛大にぶちまけていたこともあってか、全部片付けて地面の掃除もするとなればかなり大変そうだ。
「……手伝ってくれたりはしないのだ?」
「勿論。全部終わるまでは帰してあげませんからね」
「そんなぁ……」

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