PandoraPartyProject

シナリオ詳細

神様ゲヱムを始めましょう。

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●code/00/00/01
 ――五人の命を奪うか、等しい一人の命を奪うか。

 さあ、はじめましょう。
 さあ、はじめましょう。

 命の審判を始めましょう。
 善性溢れる世の中の。この世の審判の為に。
 神様ゲヱムを始めましょう。

 ――此処にスイッチが二つあります。
 ひとつを押せば、懸命に生きた人類のうち五名が無作為に抽出され、事故という形で削除(しょうしつ)されます。
 ひとつを押せば、五名に釣り合う命の重みを持った一人が無作為に抽出され、事故という形で削除(しょうしつ)されます。
 ▽取捨選択を行ってください。

「嗚呼、そうだね。そうかもしれないや」
「けれど、僕は少しだけ、このゲエムに飽きてしまったんだ!」
「毎日毎日ランダムにボタンを押し続ける、こんな毎日には、少しだけ!」
「そうだ、こういう時は誰かに『これ』を任せてみようか!」
「屹度それが、退屈しのぎにゃちょうどいい!」

 神々の遊戯に等しい。神々の気まぐれに等しい。
 ただ、一つ言えるのは。

 ――――その遊びは、あまりにも重すぎるゲエムであった。

 ▽取捨選択を行ってください。
 ▽取捨選択を行ってください。
 ▽取捨選択を行ってください。

 ▽ えらんで ください

 ▽ あなたが えらんだのは どの いのち ですか

●code/××/××/××
「……まったく、嫌になっちゃうよね」
「ああ、本当だ」
 境界案内人のカナタと顔を見合わせ。苦虫をかみつぶしたような表情をしているのは『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)だ。
 二人の間には一冊の本が握られていた。
「……相変わらず君が選ぶ本、なかなか奇抜なセンスしてるよね」
「俺とて不本意だ。どうせなら平和に食い歩きができる世界とか、お前の世界が良かったんだがなあ」
「あ、それなら今度、おいでよ。待ってるからさ」
「ひとつぼしの菓子折りが目当てだろ。まったく、がめついやつだぜ」
「はは、そうかもね」
 談笑を交え、語らい。
 されど、問題は変わらない。
「……さて、世界。この本は君を待ってるみたいだ。――けど?」
「……ったく。気乗りしないぜ」

 ――――――人殺しをゲームだなんて、言う世界に行くなんてさ。

 扉は開かれた。


▽ あなたは ゲームの 参加者です

▽ はいを タップしてください

▽ どちらのいのちを えらび ますか ――――――

NMコメント

 リクエストありがとうございました。染です。
 自分の命でないならば。どうなったっていい。
 なんて、思えるわけがありませんね。

●依頼内容
 神様ゲヱムに参加する。

 あなたたちはゲームのユーザーです。
 一日に必ず人を死なせなければいけません。
 さて、どうしましょう。

●選ぶ命について
 毎日各所で5人と1人が選出されます。
 そのどちらかが死にます。

 ・5人は世界各地から無作為に選ばれ、事故死などの形で処理されます。
 ・1人もまた世界各地から無作為に選ばれます。
 ただ違うのは、5人と等しい価値の人間が死にます。
 その価値は性格の良さや社会貢献度などに比例します。
 ・なお、この世界に悪人はいません。そういう作りです。これまでに生まれることもなければ今後発生することもありません。
 ・両方殺すことも可能です。別に何人殺してもいいです。

 ・両方助けることも可能です。6人纏めて救うことも可能。
  ただしその場合、遠くない未来に世界は崩壊して数億人の命が犠牲になります。
 ・また、イレギュラーズである皆さんが直接手を下すことも可能です。

 少数の命か。世界中の人々の未来か。
 どちらかを選びましょう。

●推奨事項
 参加してくださった皆様でどのルートを選ぶのか、選んでください。
 殺すのか。世界を捨てるのか。
 今回は文字数を多めに埋めていただくことを推奨します。
 内容は、
 ・ゲームについてどう思うか
 ・ゲームをどうしたいのか
 ・皆さんで話し合った結果
 などなどがあると、より良いリプレイ作成につながると思います。

●サンプルプレイング
 俺達が選んだ結果は ---- だ。
 ……正直これで良かったかなんて今もわからない。
 ただ、俺はこのゲームは終わらせるべきだと思ってる。

 正直自分で書いてて中々だと思います。やばいね。
 それでは、ご参加をお待ちしております。

  • 神様ゲヱムを始めましょう。完了
  • NM名
  • 種別リクエスト(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年03月11日 22時20分
  • 参加人数6/6人
  • 相談6日
  • 参加費150RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
ライアー=L=フィサリス(p3p005248)
嘘に塗れた花
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
※参加確定済み※
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
虚無堕ち魔法少女
冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛
Я・E・D(p3p009532)
赤い頭巾の魔砲狼

リプレイ

●神様のいうとおり
「本当、神なんてロクデナシばっかなんだよな。自分の都合で人を振り回して、都合が悪くなったらぽい、だ」
 『黒花の希望』天之空・ミーナ(p3p005003)は苦いような表情をして、そのスイッチを見つめた。
 矛盾ばかりのこのゲームには飽き飽きだ。『赤い頭巾の悪食狼』Я・E・D(p3p009532)はため息をついてボタンをつつく。
「正直、これはゲームの要件を満たして無いよね。最大の問題点は、このボタンが人を選んで殺すボタンじゃなくて――『押さない事で世界を滅ぼす事ができるボタン』になっちゃった事だよ」
 人差し指はピンと、まっすぐに。Я・E・Dの視線もまた、まっすぐに。
「ボタンを押すだけでなんてたしかに退屈な生活ですよね。ご本人に同情します。あ、御本尊かな?」
 『しろがねのほむら』冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)は小首を傾げた。
(ここだけの話、僕も元の世界では神通力を得た神子でしたし、人の生き死ににも関わってきました。だから思うんですよね。
 何人死のうと世界が滅びなければべつにいいんじゃないかな?
 生病老死は人間の義務です。それが少し早まるだけ。もちろんそこには、僕自身も含まれていますよ)
 彼女は笑った。いつか死ぬ定めであるのならば、それが早まったところでどうこうしたところで意味はない。それだけのことだ。
 『汚い魔法少女』メリー・フローラ・アベル(p3p007440)に至っては極上の笑みを浮かべていた。嗚呼、なんて楽しい遊びなのだろう! と。
(素晴らしいゲームね。人の生殺与奪の権利を握るほど愉快なことは無いもの。
 一日だけなんて言わず毎日でもやらせて欲しいわ!)
 そんなメリーと同意見の『嘘に塗れた花』ライアー=L=フィサリス(p3p005248)は、ぱんと手を叩きにっこりと笑みを浮かべた。
「まあ、まあ、まあ……なんて面白いげえむだこと!
 ボタンひとつで人の生死を、いいえ世界の存続でさえも決めてしまうだなんて。
 これまでげえむを続けていた人たち…いえ、神様かしら? 飽きてしまったのなら一思いに壊してあげれば良いと思うのは私だけかしら?」
 飽き飽きするようなゲームを作ってしまう方が悪いのだ。単純である。神様、おめーが悪いんだよ。
「悪趣味だとは思うが、別に言う事は無いな。そういう世界もある……と言うだけの話だろう。
 おかしな世界や平穏な世界、それ以外にも色々見て来たからなぁ。こういうのがあっても変じゃあないさ」
 それじゃあ会議を始めよう。
 意見統合を図ったのは『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)だった。この世界に来ることを選んだそのひとり。

 神様が置いてけぼりにしたこのゲームの行く末について討論をはじめよう。
 どの命にするか議論をはじめよう。

●議論
(……世界を維持する為に人を殺すなんざ、本当ロクでもねぇ。
 ……そして、それがわかっていても、世界を維持する為なら人を殺せる私も、な)
 ミーナはしばし目を伏せて口を開いた。
「死神になんて、なるもんじゃないさ」
 と、気難しい顔をしてミーナは言った。
「このげえむが続いても、続かなくても、私にはどうでも良いの」
 ライアーはそう告げてからりと笑った。
「だって私にとって関係ないことだもの。その世界に思い出も思い入れも存在しない。
それって『蟻の巣を埋めるか埋めないか』くらいの問題でしょうに。蟻の巣に水を注いで、溺死させて…それに心が痛むことなんて、あり得ないでしょう」
 たかが一世界の人が滅んだところで、見ず知らずの命が失われたところで、知ったことか。
 蟻を踏みつぶして遊んでみたり。水の中に沈めてみたり。太陽の光を当てて焦がしてみたり。
 そういったことをするのが人間だ。興味のないおもちゃを壊すのは、好奇心があるからだ。そうやった果てに、どうなるのか興味があるから。
 それを理解しているライアーはあえて提案する。
「そうね、でも……飽きてしまうような世界なのなら、壊してしまっていいんじゃない?
 いつまでも同じげえむをしていたら飽きるのは当然ですもの。次の面白そうな遊びに興じたら如何かしら」
「自分で手を下すつもりの人が他に居なければ、わたしが殺るつもりだけど、他にも居るなら選出された犠牲者は譲ってもいいわ。
 わたしはゲームとは別にやりたいこともあるから」
 屈託なく笑ったメリー。
 その笑顔は溌剌としていて、無邪気だった。
「この世界のシステムは僕には詳しくわかりませんけれど、もしボタンを押さないと誰も死なないのなら、積極的に押していくべきじゃないでしょうか。でないと世界から人が溢れてしまいますもの。それってさらに大きな不幸ではないでしょうか」
 睦月はゆったりと髪を揺らしながらつぶやいて。
 いずれ死ぬのなら。死なないことが不幸であるなら。
 それを使うべきであると、睦月は考えた。
「僕にも大切な人がいるし、その人が死んだら泣きわめくでしょうね。実際、数年前行方不明になってしまいましたし。
 ……まあ混沌へ呼ばれてたんですけどね。今では僕も同じイレギュラーズになり、婚約までしました。あ、惚気かな、これ」
「今回、わたし達ができる選択は一つしか無いよ。
 この世界に10億人が居ると仮定したなら『9億9999万9999人の人を救うボタン』を押すのは当然だよね」
 Я・E・Dは耳をふるりと震わせて、あくまでもそれがいちばんだというのは譲らないらしい。
「このボタンを押すのに飽きちゃったって言ってる存在も、結局は悪人では無いからそんな事を言ってるんだと思うよ。
 この世界には悪人が産まれないみたいだし『本当に起こってはいけない事』を想像できなかったんだと思う」
 世界はパンパンと手を叩き。
「ルールに乗っ取って事を為すだけだ。無理にシステムに抗う必要も無いだろう。
 他の人がどう考えるかはわからないが、俺にとってはこの本の中ってのも立派な現実の一つでね。
 下手な事をしてこの世界が崩壊、数億人の命が消えるなんてのは出来れば避けたいわけよ」

 故に。


 ひとりを、ころそう。

●さよなら
 殺害という選択はあまり心地の良いものではないかもしれない。
 直接手を下すのもそうだけれど、別の部屋でその様子をただ見守るだけならばなおさらだ。
 殺害を担当するミーナとメリーは高層ビルを潜り抜け、ターゲットを探していた。
「私は全員を殺して差し上げたかったけれど、皆様はどうも世界を存続させたいみたい。
 ええ、良いでしょう。私はそれでも全く。ゲームで本気になるなんて馬鹿げているもの」
 ライアーは様子を見守りながら、ぼんやりと呟いた。
 この世界もことわりも乱れている。それがあるからこそ生き延びているものもいるのだけれど。
 選ばれずに今日を生きられる者と、選ばれて今日死ぬ者がいる。
 誰かだけが選ばれた者の喪失に苦しみ、悲しむ。
 なんて不公平な世界。しかし、それが世の常なのだ。
「それでも朝は来るんですよねー。マクロな観点、それこそ神様の視点で見れば、こんな悲劇、よくある出来事のひとつに過ぎないですよね。きっとご本尊はそんな有象無象にも飽きちゃってるんですね」
 睦月はにこにこと笑みを浮かべながら平然と呟いた。

 結果から言うと、システムは作動しなかった。
 イレギュラーズが神でないからかもしれない。Я・E・Dが押したボタンはうまく作動しなかった。
 故に、ミーナとメリーが対象の首を、命を刈り取ることになったのだ。
「縁もゆかりも、恨みもないんだがね。世界とお前を天秤にかければ世界を取る。神なんてそういうもんなのさ。
 恨むなら恨めばいい。だが、死神の名にかけて。お前を必ずあの世に連れていくし、悪いようにはしないさ」
「あーはいはい。じゃあ死後の案内はこの死神さんに任せて。運が悪かったわね。じゃ!」
 軽快にピストルの音が鳴る。
 ミーナは亡骸を回収し、仲間の元へ先に帰る。
(これを見ているかどうかわからねぇけど、この世界の神よ。こんなことを続けていると、いつかしっぺ返しを喰らうぜ。遠い遠い未来だろうがね。
 何故そんなことを言えるか、だって?)

 私が神を殺した側だからだよ。

 遠い空をにらむ。肉塊は語らない。
 失われていく体温がやけに生々しくて、ミーナは考えることを止めた。
 ミーナから依頼が終わったことを聞き届けた四人は、先に帰ることになった。


「選ばれた人以外殺しちゃいけないとは言われてないし、両方救うと将来数億人が犠牲になるのに、両方救うのが許されるなら、自分の手で数億人殺してもいいってことよね!」
 実際はそうなのである。どうせたかが小世界、滅びようと壊れようとメリーにとっては知ったことではない。
(まあ、さすがに数億人は無理だとしても、百人……いえ、頑張れば千人ぐらいはいけるんじゃないかなー?
 だって悪人が居ない世界なら犯罪も戦争も滅多に起こらないでしょ?
 なら警察や軍隊も存在しないか、極端に規模が小さいはずよね。恐れるに足りないわ)
 ガトリングを握り。
 街中で弾丸は踊った。

 かみさまなんて、いやしない。

成否

成功

状態異常

なし

PAGETOPPAGEBOTTOM