＜希譚＞空虚の狂瘴＜呪仔＞

オープニング

●＜希譚＞空虚の狂瘴＜呪仔＞
　練達の一区画に存在する『再現性東京』。
　そこに伝わる噂話が蒐集された『希望ヶ浜　怪異譚』、その一つの噂話。
『最終電車も終わった後の、深夜1時23分。去夢鉄道中央駅に来る筈のない電車が停車する。それに乗ると、異世界へと連れて行かれる……』
　この噂話のタイトルは『石神地区の真性怪異』。
　勿論その怪異譚が本当なのか、偽物なのか……永らく事実は不明であった。
　しかし、希望ヶ浜学園にて編成された調査隊。
　実際にその電車に乗り込み、怪異を究明しようとした。
　そして……辿り着いたのは、奇妙な怪異と異界である『石神地区』。
　正しく『田舎』という言葉がぴったりと嵌まる様な山と農家がぽつぽつと点在するような地域。
　その山上にある『阿僧祇霊園』は、ダムに向かう、アスファルトもボコボコの穴だらけという、厳しい環境に晒されている。
　更にその周りには、木々が生い茂り、人気もない。
　……そんな山道、深夜の刻。
『……ウゥ……ウォォ……』
　唸る呻き声。
　その呻き声の主は……命無き者『ゾンビ』。
　ゾンビ達が何故、この山道を闊歩しているのか……その理由は分からない。
　だが、少なくとも獲物を求めているのは間違いなかった。

●
　そんな石神地区の真性怪異の真実が次第に明らかになりつつあった、ある日。
　カフェ・ローレットにいた君達に、音呂木・ひよのが。
「ねえ、貴方、暇かしら？　ちょっと頼みたい事があるの」
　と、声を掛ける。
　そして、皆が集まった所で早速、皆の前に差し出すのは、一通の便せん。
　宛先はひよのへ。そして差出人の名前は……『阿僧祇霊園　澄原 水夜子』と記されている。
「この便せんの差し出し人は……『石神地区』という所に居るのです。皆さんも、知って居ますよね？」
　頷いたり、頷かなかったり……それにひよのは。
「そうですね……簡単に説明するとすれば、『石神地区』は、再現性東京の中で、昔ながらの田舎の風景が一面に広がる地域の名称です。元々は、噂話位しか伝わっていなかったのですが……実際に存在する事が、先日判明したのです」
「彼女は澄原病院の病院長なのですが……彼女はこの再現性東京に伝わる『希望ヶ浜　怪異譚』全般について、調査しています。そんな彼女から、こんな手紙が届いたのです」
　と言いながら、便せんの内容を口にする。
『石神地区の阿僧祇霊園の石神支社周辺でのゾンビ退治を御願いしたいと思って居ます。皆さんにとっては、これは簡単なものでしょう。そう、単純なゾンビ退治ってだけです。元・人間と言うことを除けば……』
　霊園にゾンビ……という事は、中々やぶさかな状況ではない、と想定出来る。
　……そんな君達にひよのは。
「まぁ……そう思うのも仕方ないでしょう。でも、『阿僧祇霊園』の辺りに『元・人間』のゾンビ達が出没しているというのは確かな様なのです」
「恐らく彼らは『神様の狂気』に触れてしまった存在なのでしょう……つまり、石神支社周域を調査する私達が邪魔だ、という事なのだと思います」
　何だか本当なのか、嘘なのか……そんな気もしてしまうが、ひよのが嘘をついている様には思えない。
　そして、ひよりは。
「『石神地区』の調査を進める為にも、皆さんの力を貸して頂きたいのです。どうか宜しく頼みます」
　と、頭を下げるのであった。

参加者 : 8 人

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参加者一覧（8人）

リプレイ

●狂わされし者
　練達の一区画、再現性東京。
　そこに伝わる『石神地区の真性怪異』という、怪異譚。
『最終電車も終わった後、深夜１時２３分に来るはずの無い電車が停まり、それに乗る事で異世界へと連れて行かれる』
　その怪異譚の舞台となるは……田舎の風景が広がる『石神地区』。
「来名戸村から帰ってみれば、ゾンビ達が溢れているとは……」
　と、『痛みを背負って』ボディ・ダクレ（p3p008384）が深く溜息を吐く。
　こんなのどかな田舎の風景が広がる『石神地区』の石神支社周域に多くのゾンビ達が現れるという話を聞いて、イレギュラーズ達が招集されたのだ。
　ただ……その場所はのどかな町中という訳でなく、ダムに向けて登る山道の所に現れると言う。
　灯も無く、結構厳しい道のりが続く、という事に『奏でる記憶』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈（p3p006862）が。
「ぐええーっ！　やばい、山登りって思ったよりきっつい。つらたにえん。私ちゃんは市街地でタピりながらダブビして映えるやつ撮ってるのが仕事なんだぜ？　殺陣は好きだけど、肉体派じゃないぞー！　むすーッ！」
　険しい山道に、ぷんぷんとお怒りモードな秋奈に、くすくすと笑う『咎人狩り』ラムダ・アイリス（p3p008609）。
「そうだね～。足場は悪いし暗くて見通しも悪い……で、こんな感じでゾンビのお客さんが現れるだなんて……軽くホラーよね～」
　それに『半人半鬼の神隠し』三上 華（p3p006388）が。
「そうだな……霊園にゾンビとは……縁起が悪いと言うかなんというか、安らかに眠るはずの場所で起きてしまうとは……」
　と瞑目し、それに『幽霊少女』ホロウ・ゴースト（p3p009523）がどこか嬉しそうに。
「うんうん。ゾンビ退治だぁ！　もう死んじゃったのに、お行儀が悪いねぇ」
　そして『白き寓話』ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド（p3p000921）と『パープルハート』黒水・奈々美（p3p009198）、も。
「そうねぇ……夜妖が居る異常再現でしかないと思って居たけれど、東京っていう街に動死体が居たなんて言う話を聞いた記憶はないわねぇ……」
「ふふふ……ゾンビね……お、オカルトには定番の存在よね……そう、ゾンビって……死体を奴隷として扱う秘術から生まれたのが始まりって言われて居るのよね……死んでからも働かされるなんて……とてもつらいんでしょうね……うぅ……」
　小首を傾げるヴァイスに、悲しげに嘆く奈々美。
　更に華が。
「それに今回はゾンビだけでなく、ヒダル神もいるとはな……」
　もう一つの敵……『ヒダル神』を口にすると、更に奈々美が饒舌に。
「ヒダル神は……飢えて死んだ人が化けて出た夜妖らしいの……人にとりついて……とりつかれた人は新しいヒダル神になっちゃうんだって……とりつかれた時はすぐに何か食べ物を口にする。掌に指で米の字を書いて、口に入れる動作をするとかで助かるみたいよ……ちなみに「ひだるい」は、ひもじい、とか空腹みたいな意味ね……」
　そんな奈々美の言葉に華はこくりと頷き。
「そうか……。飯か何かを持って行ったら釣れそうだな。ああ、いやでもオレの知って居るやつなら素早く動くことは無さそうだから、違う奴なんだろうか……いや、ゾンビになったから性質が反転でもしているのか……？　とても気になるが、まあ、とりあえずは依頼を完遂しなければならないな」
　そしてヴァイスも。
「そうね。ここに居る以上被害を出さない様にする事が肝要なのだけれどね……この手の人の死を弄ぶ行為は、あまりいい趣味とは言えないわ」
　と、拳をぎゅっと握りしめる。
　……そんな二人に対し。
「……これからこいつらと対峙しなきゃいけないかわいそうなあたし……こ、怖すぎるわ……ゾンビ魔法少女……いやぁぁ……」
　と怯える一方な奈々美。
　そんな奈々美に『大阪人』ハロルド（p3p004465）が。
「ん、大丈夫か？　えーと……怖いなら帰るか？」
　となだめるように声を掛ける。
　それにふるふると首を横に振る奈々美。
「……こ、怖いから……さっさと終わらせましょう……だ、だから……頑張ります……うぅ……」
　そして華が。
「……まぁ、頑張って。みんなは怖く無いのかしら？」
　と問いかけると、アイリス、ボディは。
「ん、ボクに怖く無いのかって？　いや、相手はゾンビじゃないけど、こういうシチュエーション割とあるしね」
「そうですね。それにやる事が明確で助かります。さあ来いゾンビ達、同類が相手にしましょう。ハロルドさんもよろしく頼みますね」
　……それにハロルドが。
「……ハロルド？　な、なんのことや？　俺のことはユウキとでも呼んでくれや」
　額から汗だくだく流すハロルド。
「そうですか……解りました、ユウキさん、よろしくお願いします」
　とハロルドの言葉に頭を下げるボディなのであった。

●宵招く
　そして、舗装はされるも険しい山登りの道を登っていくイレギュラーズ。
　登り初めて１時間は経過しただろうか……さすがにちょっと疲れてくる。さらに周りは真っ暗。
　市街地なら街灯位はありそうなものだが、ここは人気のない山登りの道……街灯の類いは一切ない。
「うーん……目薬はさしておいたから、なんとか見えることは見えるけど……でも、ボコボコの足場あかりはしょうがないのかな……」
　とホロウがいうとおり、山道の舗装はボロボロ、ボコボコ。
　所々が隆起している様な状況で、歩きづらいことこの上ない。
「な、なんとか……転ばない様に……頑張らないと……」
　と奈々美が注意深く、足を進めていくが……時々躓きかける。
　暗視で周囲は見えるものの、足場が悪い……というのは紛れもない事実。
　ともあれ、そんな山道を、さっきまでぶーぶーいっていた秋奈が。
「んー……」
　と、周りをきょろきょろと見渡し始める。
「ん、どうしたん？」
　とハロルド（ユウキ）が問いかけると、明奈は。
「いやぁ……さっきからワーワーあっちの方から煩いんだよねぇ！」
　と、声が下方向に視線をを向ける……と、そこの方向から……ゾンビと『ヒダル神』の群れがうぎゃあああ、うごぉぉぉ……とうめき声を上げながら仕掛けてくる。
「……ってゾンビじゃん、やっほー！　……おーたーすーけー！！」
　いつのまにやら現れていたゾンビ達、とっさにハロルドは仲間達の前に立ち塞がり、低空飛行で足場の悪さに対処しつつ。
「ホラ！　敵さんのお出ましやで！　怨霊とかやったらともかく、ゾンビがなんぼのもんじゃーい！！「
　と威声を上げて退治。
　でも、ゾンビ達は恨みの叫声を上げ続けるがのみ。
　……そんなゾンビ達のひどい姿、特に人の原型をほぼとどめていない、猿のような『ヒダル神』に向けて、アイリスが。
「いやはやキミたちは質の悪いのに関わったんだね……同情はするよ？　だからボクが一思いにスパッと苦しまない様に終わらせてあげるよ！」
　と、強く言い放つ。
　だがゾンビ達の反応は……うめき声を上げて、徒党を組んでけしかけ始める。
　さらにその後ろからヒダル神がぴょんぴょんと跳びはねながら、人語とは違う何かを叫びながら飛びかかってくる。
　その動きはまさしく猿……だが、その顔の部分には、人の面影がわずかに残り、かろうじて喜怒哀楽の表情は見て取れそう。
　そして、ヒダル神の一体は、イレギュラーズ達前衛を飛び越える様に飛び上がる。
「あ、あたしはおいしくないから……脂っぽいからぁ……かじらないでぇ……！」
　と、とっさに持ってきていたお弁当を投げる奈々美、それを妨害しようと。
「そう、やすやすと突破させへんで！」
　と、とっさにハロルドが狂月を放つが、それよりも先に弁当がヒダル神に届く。
　器用にその弁当を手にすると、喜びの表情を一瞬浮かべ、身を翻して再度間合いを取る。
「はぁ……！？　素早いし、弁当取るためかい！　おまえ、もっと真面目にやらんかい！」
　ハロルドが叫ぶと、それにヒダル神は嘲笑う表情。
　そんなヒダル神のころころ代わる表情に、秋奈は。
「げぇー！　本当にサルじゃん！　こらっ！　逃げんな！　うきーっ！！」
　と怒りの声。
　とは言えヒダル神はたった二体……それよりも面倒くさいのは、周りのゾンビ達な訳で。
「では作戦通り行きましょう。ユウキさんでヒダル神を抑える間に、私達でゾンビを仕留める、という事で」
　とヴァイスの言葉。
「ああ、んじゃあ行くぜぇ！　行け！　月影剣！　【狂月】！　じゃなくて、えーっと……【ゲート・オブ・大阪】！！」
　とヒダル神に向けて真っ正面から突撃し、【狂月】の一撃で感電および怒りの効果を付与していく。
　一匹がその攻撃に悲鳴を揚げて、もう一匹がキィィ、と甲高く鳴き声を上げてかきむしる様に攻撃。
　そんな二匹を、ゾンビ達から引き離すように仲間達から離れるハロルド。
　残っているゾンビ達も、半数はヒダル神の方に行こうとするが、素早くボディが。
「行かせませんよ」
　と、一番頭に居たゾンビへ『ブルーコメット・ＴＳ』を降り注がせながら、立ち塞がる。
　真っ正面に対峙され、前へ行く事が出来なくなると、続けて秋奈が。
「ゾンビ共も護符のおかげでよく見えるぜー！」
　と笑いながら、戦神ノ刀で一閃。
　斬られたゾンビに対し、悲しむが如く狂いし叫声を上げるゾンビ。
　一匹のゾンビが叫ぶとその周りのゾンビが次々と叫び声を上げ、戦場に狂気と呪いの効果を及ぼしてくる。
　……しかしそんな咆吼に決して惑わされる事無く、ヴァイスが。
「……逃げられないように、しっかりとＢＳは付与していきたいのだけれど……どうなるかしらね？」
　と『奇怪な機会に黄の気界』を発動し、ゾンビ達へ感電と暗闇の効果を纏めて付与し、続いて華もＨ・ブランディッシュで纏めて攻撃。
　そんな前衛の仲間達の立ち回りに続き、アイリスの行動。
　ゾンビ達と少しの間合いを取りながら。
「ん～、キミたちに囲まれるとかちょっと勘弁……いや、腐敗臭がどうとかってわけじゃないからね？　いや、ホントだよ？」
　臭いから、という所に対して何故か否定しつつも、『対群精神感応攻撃術式「狂月」』で纏めて攻撃。
　そして、最後に奈々美とホロウ。
　怖い奈々美はしっかりと距離を取って神気閃光、ホロウは敵を一直線に串刺しにするライトニングの雷撃で攻撃。
　その一撃に、ゾンビ共は更に痺れの効果に苛まれていく。
　次の刻。
　ヒダル神を相手にするハロルドは、充填でのＡＰ回復に加え、牛乳に相談して更にＡＰを回復。
　そして流れるように。
「おらおら！　そんなもんじゃ俺の命（タマ）には届かへんで！」
　と叫びながら、再度狂月で攻撃。
　全力で攻撃する事で、万が一にも仲間達の方へ攻撃が行かない様に立ち回る。
　とは言え、牛乳に相談したり、悪霊退散を願ったりすれば、自分へのダメージと、回避がおろそかになってしまうので……ずっとこれを続ける訳には行かないだろう。
「ユウキさんが倒れる前に、ゾンビを倒さないといけないわね……ちょっと急ぎましょうか」
「そうだな……」
　ヴァイスに頷く華。
　そしてボディは、敵の中で一番ダメージを喰らっている者に対し、スーパーノヴァの一撃を放つ。
　渾身の一撃に、さすがに骸化するゾンビ。
　そして次なる敵に行く前に、いったんアイリスは大蛇咬の準備。
　それを支援する様、前衛の鼻のＨ・ブランディッシュと、ヴァイスの薔薇に茨の棘遂げるで、ゾンビ達を削っていく。
　最後尾から再度ホロウがライトニングを、先ほど当てた敵とは別の射線に移動して放ち、奈々美も神気閃光で更に削っていく。
　……そんなイレギュラーズ達の猛襲に、全体的に体力が削られていくゾンビ。
　次の刻、ボディがゾンビへ接近すると、その首を鉈で薙いで、一撃死を与える。
　続いて秋奈も、ダメージディーラーとして強烈な戦神ノ刀やギガクラッシュにて敵をなぎ払う。
　ホロウ、奈々美、秋奈がバッドステータスの付与と共に体力を削り……そして、最後に華が、レジストクラッシュで確実にトドメ。
　的確に攻撃を重ね、狂った１５体のゾンビ達を一匹ずつ、確りと仕留めて行く。
　そして、突然の襲撃から十数分経過し……どうにか１５匹のゾンビ達の討伐を完遂。
「よーっし、後はサルだけだぜ、うっきー！！」
　と戦場を駆け、秋奈はハロルドの横へ。
「ハロ……や、ユウキ、よーく頑張ったね！　後はこいつらだけだ！」
　と威勢良く言うと、ニッと笑い。
「ああ、解ったぜ！」
　そしてハロルドはまず、ずっと攻撃していた相手に。
「すまんなァ……過去に死んだモンは、今を生きとるモンのために道を譲ってくれや！　往生せいやァ！　大阪殺法奥義ぃ！　『喜連瓜破』イィィィッ！！」
　と、渾身の大阪殺法の一撃を顔にたたき込む。
　それに連携するように秋奈とボディも。
「だね、ほらやすらかにねむれー」
　と、戦神ノ刀を全力で振り回して滅多打ちし、それにボディがスーパーノヴァ。
　すさまじい猛攻、今迄のダメージの蓄積もあり、ヒダル神一匹も崩れる。
　……そして唯一残ったヒダル神へ。
「もう、こんなになるまで起きて居ちゃだめよ……おやすみなさい？」
　と、ちょっと優しい口調で声を掛けるヴァイス。
　ただ……その声に相手は、威嚇する様に甲高い声をならす。
「本当、姿も、声も猿になっちゃったのかな？　……取りあえず、そろそろ終わりにしないとね」
「そうだな……」
　アイリスに頷く華。
　そして、アイリスが『スーサイド・ブラック』で渾身の一撃を放ち、更に華もレジストクラッシュ。
　二人の強烈な一撃に、その体が吹っ飛んでいく。
　そして、吹っ飛んでいった先へホロウが。
「ゾンビからもライフを奪えるのは、幽霊の特権かもっ」
　と少し嬉しそうにスティールライフ。
　残り少ない体力を、余すところ無く吸い出して……もはやふらふら。
　でも……最後の力を振り絞り、強く地面を踏みしめ、高所へジャンプ。
　イレギュラーズ達の頭上を飛び越え……逃亡を企てる。
　だが。
「逃げられると思う？　おいたはだめよ……オシオキね」
　と、ヴァイスが放つ『薔薇に茨の棘遂げる』が暴風を吹き荒れさせて撃墜。
　そして、秋奈が。
「さぁ、これでおわりだよ！　かっこいい秋奈ちゃんに仕留められるなんて良かったね！」
　と、トドメの戦神ノ刀を振り落とすのであった。

●恐怖の集い
　そうして、やっと全てのゾンビ達を倒しきったイレギュラーズ。
「ふぅ……ゾンビ退治、かんりょーう！　もう起きて来ちゃ駄目だぞっ！」
　と、ホロウがニコッと笑顔を零しながら、ゾンビ達にそう声を掛ける。
　……勿論骸となったゾンビ達に、そんな声を掛けても無駄ではあるが……。
　そんなホロウに対し、ふぅ……と深く溜息を吐くのはアイリス。
「……まったくここの神様とやらはえげつないというかなんというか……いや、だからこそ神様と呼ばれる存在なんだろうね」
　と、そんなアイリスの言葉に対しボディと秋奈が。
「そうですね……神様の気紛れ、とでもいいましょうか……神様に触れる事で狂気に捕らわれてしまうというのは、何とも難しい所ですね……」
「うん。まぁでもこれでゾンビ達は一通り仕留めた訳だし……あともう少しすれば、この辺りも平和になるんじゃないかな？　いや、平和になってほしい所だけれども！」
「ええ……その為にも、私達が一つ一つしっかりと対処していくしかありません」
　そしてボディは、ゾンビ達の骸を道路脇へと運び始める。
「ユウキさんも、手伝って下さい」
「ん？　あ、ああ！」
　と、ボディとハロルド、男性二人で手分けして死体を運んだ上で、ボディは霊園へと電話。
「……こうなっても、元は人間でしょう。後は……霊園側に、しっかりとした所での埋葬をお願いして、私達はこの場を荒らさないよう、帰るとしましょう」
　同類として、弔いをしたいボディ。
　……そんなボディの気持ちを理解しつつ、イレギュラーズ達は……登った険しい山道を下って行くのであった。

成否

成功

ＭＶＰ

状態異常

なし

あとがき

石神支社のゾンビ退治、皆様お疲れ様でした！
ちょっと今回のヒダル神……猿の性格が強く出ていた様な気もしますが……皆様のプレイングがヒダル神の猿の性格を押出した結果のでしょう、多分。
まぁ、何故この様な怪異が起きているかは不明確な部分ありますが、皆様のお力で少しずつ解決していくと思いますので、これからもよろしくお願いします……！