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シナリオ詳細

再現性東京2010:空の光る目

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性東京2010:空の光る目
 練達の一区画に存在する『再現性東京』。
 様々な建物が建ち並び、人々が日々の糧を頑張って生き延びようとしている……そんな『希望ヶ浜』地域。
 ごくごく普通の生活が営まれ、夜の帳が落ちれば家路を急ぐ大人達が街を歩く。
 ……そんな街角の上空を、黒い羽、黒い躰で飛ぶ者達。
 こういう所だからこそ、そんなに珍しくも無いのだが……漆黒に身を包んだ烏たち。
『カァ……カァ……』
 どこか人を小馬鹿にするような鳴き声を上げる烏たちが、漆黒の中に追い求めるのは……夜でもキラリと煌めく貴金属。
 指輪、ネックレス、イヤリング……彼らが何故、光り物に目を光らせているかは分からない。
 そんな光り物へとロックオンした烏達が。
『カァ……カァアアア!!』
 甲高い鳴き声と共に、大人達へと襲い掛かる烏連中と、それに混乱する大人達が阿鼻叫喚し、悲鳴をあげるのであった。


「うーん……あ。みんないたー!! ねーねー、みんななじみさんの話聞きに来てくれたんだよね、ね?」
 目をキラキラさせながら、『カフェ・ローレット』に集いしイレギュラーズ達に、猛アピール。
 有無を言わさぬがごとく、イレギュラーズ達に声を掛けていく。
 そして……声を掛けられた人たちが、仕方ないなぁ……とばかりに話を聞くために招きに応じると。
「ありがとありがとー。まぁ、今回の依頼もまた、夜妖退治の依頼なんだけどね? 今回はさー……金目の物に目を付ける夜妖が相手なんだよ!」
 金目の物に目を付ける夜妖、と聞いてきょとんとしているのもいるけれど、なじみはさっさと。
「みんなも貴金属とかを身につけていて、カラスに空から襲われたこととかない? どうやら今回の夜妖も、カラスがモンスター化してしまった、夜妖の様なんだ!」
「こいつらは、深夜の刻に繁華街のビルの上に居て、貴金属を身につけている人を狙うんだ。特に夜の飲み屋街とかを歩く、キラキラした宝飾品を持っている人を主に狙っている様なんだー。だからみんなも、そんな夜のキラキラした街に向かってもらって、空に目をこらしながら襲ってくる夜妖を迎撃してほしい、って訳!」
「ただ、こいつらは人気がある所でも構わずに襲い掛かってくるから、周りの人達を避難させるとかが必要だと思う。お酒に酔ってる人もいるだろうから、ある程度強引な手を使ってでも建物の中とかに避難させて、安全確保した後に夜妖を退治してきてほしいんだよ!」
 そしてなじみは最後に。
「カラスが夜妖になるだなんて、びっくりなんだけどさー。でもまぁ、こういうのもちゃーんと対処しておかないと後々困るって訳なんだよねー。という事で、みんな、よろしく頼むねー!」
 と、にっこりとイレギュラーズ達を送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 更に続いての『再現性東京』依頼、小さな冒険者達の救出依頼です。

 ●成功条件
   空から襲い掛かるカラス夜妖退治、および周りの一般人の避難となります。(一般人については多少けがしても問題ありません)

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   今回は夜のネオンが輝く繁華街が舞台となります。
   当然ながら周りに結構人がいます。(酒に酔ってふらふらな人達も……)
   ただ、今回の夜妖は宝飾品で着飾っていない人については、ターゲットにしません。
   そんな人達の中で、宝飾品で着飾った女性をメインターゲットに襲い掛かってきますので、最低限彼女を力尽くで守る必要があるでしょう。
   ちなみに、周りにはお店とかがあるので、その店の中に力尽くでも避難させれば、烏達はそれ以上追いかけられませんので、戦いに集中する事が出来ます。

 ●討伐目標
   敵となるのは『悪性怪異:夜妖<ヨル>』、全身黒づくめ『カラス』が30匹です。
   戦闘能力はそこまで高く無い夜妖ですが、いかんせん数が多いのが厄介です。
   また、夜の時間なので、黒い躰は目立たない……と思いきや、繁華街なので逆にその躰は目立ってしまう事でしょう。
   とはいえ敵は飛べるので、ヒットアンドアウェイで空と地上を行き来しながら攻撃してきます。
   また攻撃手段はその鋭い嘴で突っついてきます。
   主に目を狙う事で、暗闇の効果を及ぼします。
   また、カラスのはねをバサバサと震わせることで、戦場に対し不吉の効果を及ばせることが可能ですので、ご注意下さい。
 
 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 再現性東京2010:空の光る目完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年02月23日 22時02分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
ハロルド(p3p004465)
ウィツィロの守護者
ルチア・アフラニア・水月(p3p006865)
高貴な責務
アシェン・ディチェット(p3p008621)
玩具の輪舞
微睡 雷華(p3p009303)
雷刃白狐
糸色 月夜(p3p009451)
マキシマイザー=田中=シリウス(p3p009550)
漆黒の堕天使

リプレイ

●夜の帳
 練達の一区域、『再現性東京』。
 様々な建物が建ち、人々が生活する『希望ヶ浜地域』の繁華街のエリアにおいて最近起きている事件。

『空からカラスが、キラキラ光る物を狙って、襲い掛かってくる』

 ……それだけ聞けば、ごくごく普通のカラスの習性の様な気がするのだが、なじみが言うにはこれは夜妖の仕業だという。
「このネオンが光る漆黒の夜に現れし漆黒の堕天使! あっ、漆黒って二回言っちゃった……えーと、マキシマイザー=田中=シリウスくん登場! 今回は異世界から召喚されてきた、俺にとっては割となじみ深い景色の再現性東京とやらでですね、なんかの力でスーパー強くなった鳥を退治しようという話ですね! 同じ漆黒の翼を持つ者として黙っちゃいられねぇな!」
 と『漆黒の堕天使』マキシマイザー=田中=シリウス(p3p009550)が解説するが如く声を上げるが……周りの人達は反応にちょっと困った風。
 ともあれ……今回の依頼は、そんなカラス退治の依頼。
「一般の人たちが居る中で、空から襲われる……なかなか厄介なシチュエーションだね……」
 と『雷刃白狐』微睡 雷華(p3p009303)が空を見上げてぼやくと『流麗花月』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)と『「Concordia」船長』ルチア・アフラニア(p3p006865)も。
「そだな。群鳥が人を襲うパニック物を思い出すが、よもやそれの具現化ではあるまいな?」
「……そういう映画を聞いた事があるわ。鳥が光り物を好きなのは知って居たけれど……夜妖になっても性質は変わらないのね」
 と、溜息を吐く。
 確かに姿形はただの烏と同じだが……凶暴性は比較にならない。
 彼らは人を傷付けるのではなく、殺すべく襲い掛かってくる。
 まぁ……宝飾品を狙うのは、烏本来の習性に抗えないからという可能性もあるけれど。
「でもなぁ、随分贅沢な鳥じゃねェか。きちんと女や、金品を識別して狙ってきやがるのは頭イイモンだ。しかし、ヒトの頭上をなンの断りも無く飛び、泣き喚きやがってよ」
 と『テスト対策中』糸色 月夜(p3p009451)が苛立ち気に吐き散らすと、それに『戦闘巧者』ヨハン=レーム(p3p00117)も。
「ええ。ロケーションに難あり、されど敵は見た目通り……そんな感じですね。ともあれ一般の方々に被害が及ぶのは後味が良いものではありませんし、鳥といえど全力でお相手しましょう」
 と微笑み、月夜はニヤリと笑みを浮かべ。
「ああ。殺す。いや、食い散らかしてやる。どっちが食物連鎖の上か、思い知らせてやるよ。鶏肉食べ放題ドリンクバー付きってなァ」
 辛辣な月夜の言葉に、『玩具の輪舞』アシェン・ディチェット(p3p008621)と雷華が。
「そうね。人のたくさんいる所で騒ぎを起こされてしまうのは困りものね! 鳥さんでしたら動物のせいって誤魔化せるかもしれないけど、お化けみたいなのが来てしまったらそれだけで大騒ぎだもの!」
「そうだね。うまく避難誘導が出来ればいいけど……どこまで被害を抑えられるかな? とにかく、酒に酔った人達は聞かない可能性もあるから、力尽くでも避難させないとね」
 そう、イレギュラーズ達が作戦を組み立てている中、周りを見渡しているのは『大阪人』ハロルド(p3p004465)。
(「げっ!? し、知り合いがおるやんけ!? 俺がハロルドとばれたら爆笑されかねへん! いい歳した大人が若返ってまで制服着たいんかと勘違いされたらかなわん! ここは別人の振りをせんと!」)
 ……そんな彼に汰磨羈が。
「どうした? 緊張しているのか?」
 と声を掛けてくる。
「だ、大丈夫。あ、ああ、俺の事はユウキとでも呼んでぇな! よろしゅう頼んます!」
 とハロルド(ユウキ)が答えると、それにヨハンはちょっときょとんとして。
「……そうですかぁ、解りましたユウキさん、よろしくお願いしますね」
 と、ニヤリ笑いながら、その背中をぽんと叩くのであった。

●カラスの鳴き声
 そして、イレギュラーズ達は繁華街へとたどり着いたイレギュラーズ達。
「さて、と……ここみたいですね」
 とヨハンが周りを見渡し、ぽつり。
 繁華街の、都会の喧噪はとても騒がしい。
 でも、そんな喧噪の中に宝飾品で着飾る夜の蝶の姿もちらほらと……。
 そんな夜の蝶に早速。
「ヘイ彼女! 良い夜だね! 俺で妥協しない?」
 と声を掛けるのはシリウス。
 ……でもまぁ当然と言うべくか、全く気にしない夜の蝶。
 でも、それにまけじと。
「ほら君があんまりきれいだからさ! だから声を掛けたって訳! ねえねえ、一緒に遊ぼ?」
 と更に声を掛け、そして無視され、追いかける。
 勿論ただナンパしている訳では無い。カラスが空から見張っている事を見越して……の筈。
 ともあれシリウスが声を掛けている間に、ルチアは持ち込んだ宝石やらビーズやらを多用した衣装にチェンジ。
「こんな服で本当に狙われやすくなるなら、儲けものではあるのだけど」
 とぼやくルチア。
 ……何にせよ、カラス達が自分達に襲い掛かってくれば儲けもの。
 逆にこなければ、狙われた人を守らなければいけないので、それはそれで面倒な事になる。
「取りあえず、俺達でルチアを守りつつ移動、って所やな?」
 とハロルドの言葉にルチアが。
「そうね。しかし、もっと別の物で満足しておけばいいものを……」
「全くだ。まぁ……とにかく歩き回って、カラスが仕掛けてくるのを待つとしよう。私は素早く動けるよう、少し離れておくな」
 頷き、そして汰磨羈は仲間達から少し離れ、人目の無いところで俯瞰する様にする。
 そして、イレギュラーズ達は個々で配置につき、いつでも対処出来るように準備。
 ……そして、ヨハンがハロルド(ユウキ)の所にすすっ、と近づいてくる。
「……な、何ですか、ヨハンはん?」
 と内心冷や汗を垂らしながら言うと、ヨハンは。
「せっかくですし、カラスへのアピール方法を考えたんですよ。『カラスども! 己の私利私欲の為に貴金属を狙い、一般人を脅威にさらした罪を赦す訳にはいかない! 正義の光で照らすぞ夜妖の闇! 特異運命座標ヨハン=レーム! 繁華街へとただいま参上!』ってね」
 つまりは決め台詞……それにきょとんとしていると。
「って感じの名乗りでどうですハロルドさん。東京? 日本? のアニメ? ってやつで流行っているみたいで。ここは正義のヒーローとして通行人にアピールですよ!」
「わ、私はユウキやって!」
 ……そんな事を言い合っていると……空から突如襲い掛かる、黒い獣。
『……キャー-!!』
 と、悲鳴を揚げて身をかがませる夜の蝶。
 いや、彼女だけで無く、次々と上空から襲い掛かるカラスが30匹。
「邪魔だ人間ども! 鳥のフンまみれにされたくなければ、さっさと消えるんだな!」
 と、カラス達の襲撃に、さすがに酒に酔った人達もワァァ、と悲鳴を揚げて……それをせかすように、月夜が叫ぶ。
「皆さん、危ないので建物の中に隠れて下さい!」
「凶暴な動物が現れたから駆除に来た。一度近場の建物に避難してほしい……」
 とディチェット、雷華がすぐさま周りに居る人達へ、大きな声を上げて避難する様に指示。
 それと共に雷華は取りあえず、周囲の被害を抑える為に保護結界を展開し、ディチェットはケースに隠しておいた銃を取り出し、カラスに向けて一発発砲。
 ……突然の発砲音に更に驚き、酔いどれ達も恐怖心のまま、取りあえず近場の店やビルに逃げ込んでいく一般人。
 ただ、完全に酔いが回り、転倒したり、うるせぇこのぉ……とか言ってくるのもいて、全部が全部逃げてくれるとは行かない。
『なーんだばろぅ、おめー、おれがいーところでのんでるってのによぉ!!』
 と、そんな酔いどれ連中にディチェットは。
「えとえと……私達は害虫駆除の者なのだわ! この銃は害虫駆除の為なのだわ!」
『うるせー! そんなんにみえるかってんだー!』
「……そうは見えなくても、説明はあとにさせてほしいかしら!」
 説得に手間取るが……そんな人達については、汰磨羈が。
「もう、お願いを聞いてくれない酔っ払いはしまっちゃうかな☆」
 と、主神軍馬を発動し有無を言わさず言う事聞かない酔っ払い達を店の中へと放り込んでいく。
 そう、ディチェットと雷華、汰磨羈の三人が軸になり、周りの人達を避難させる一方で、シリウスは襲ってきたカラスの嘴攻撃から、夜の蝶を庇いつつ。
「ほら君があんまり綺麗だから、カラスがせめてそのアクセサリを寄越せって嫉妬してる。ね、ちょっとの間だけでいいからどこかに隠れてて? あとでお酒でも奢るからさ!」
 危機に陥る彼女を助ける事で吊り橋効果を狙ってるのかもしれないが、それはさておき……彼女もまた、安全なところへと避難させる。
 そうして仲間達が、周りの人達を避難させてく一方で、ヨハンと月夜はその場に構える。
「さて、と……ほら、テメェらの捜し物つか、大好きなもんはこれだろ? こっちに来やがれ、遊ぼうぜ? 生きるか死ぬかのなァ?」
 と、宝石やコインを周りにばらまき、カラスの意識を惹きつける。
 そして惹きつけられた所に、ヨハンが。
「戦闘ですね、はい。今回はヒーラーさんも多い様ですから、大暴れさせて貰いますよ! 寓喩偽典ヤルダバオト!第一のページ! 神気閃光!! ヨハァァァンッ!サァァァンシャアアアアイイィン!!!!」
 全力全開の大声で、神気閃光を放つ。
 識別効果を持つ神聖なる光が夜妖達を包み、等しくダメージを与えていく。
 カラス達はそんなイレギュラーズ達の攻撃に、数匹が降下を止めてしまう。
「おいどうした? 鶏肉共。恐れをなしたか?」
 そんなカラス達に、更に憎まれ口で吐き捨てる月夜。
 ……そんな月夜の声を認識したのかは解らないけれど、カァ、カァと更に甲高く鳴き声を上げて威嚇。
 そして急降下しながら黒い羽を辺りに撒き散らし、不吉の効果を戦域に展開しながら鋭い嘴で目を狙うカラス。
 そんな目を狙ってくる敵の攻撃なので、目は死守。
 嘴が腕にグサリと突き刺さり、中々痛いけれど……致命傷にはならない様にする。
 そんなカラスのヒットアンドアウェイの攻撃を幾度か受け、躱しつつ……周囲の人達の避難誘導の完了を待つ。
 数分経過し、周りに居た一般人を一通り避難させた仲間達もやっと合流。
「待たせたな……さて、御主達は空中戦がお望みの様だな。ならば、付き合ってやろうではないか!」
 と汰磨羈は簡易飛行を活かし、仲間達よりは高所へ位置し、ブルーコメット・TSを降り注ぐ。
 自分の頭上からの攻撃に、不意を突かれたカラスが、そのまま地面へと落下。
「ほーれ、コレがほしいんかワレぇ! 盗れるもんなら盗ってみんかい!」
 更にハロルドが『牛乳に相談』しながら、翼十字で空の敵を追撃しつつ、怒り効果を付与。
 ……怒りにより、地上へと引き寄せられるカラス達。
 それを地上から狙い撃つディチェット。
 ディアノイマンを自己付与しつつ、揺蕩うラメントを発動し迎撃する。
 そして攻撃を受けつつも、ある程度地上まで近づいてきたカラス達。
 近づく間にヨハンが更に神気閃光、雷華も雷爆、更に纏雷を発動する事で、全力でカラス達を攻撃。
 そして敵陣が数多の攻撃で、イレギュラーズ達をついばんでいく。
 だが、食らったダメージはルチアがまず、クェーサーアナライズと、ミリアドハーモニクスのコンビネーションで体力とAPを回復。
 さらにはシリウスも。
「さぁ、星よりも清らかな歌声を聴け!」
 と、スーパーアンコールで、APを回復。
 ほぼ仲間達を回復しきり、最後に月夜が、地上近くのカラスへ。
「掃除屋が出張る隙さえねェように掃除してやるよ。有り難く思うンだな!」
 と、ルージュ・エ・ノワールで業炎の炎で焼きカラスにしていく。
 さすがに羽も燃えたカラス達は、上手く飛行出来ず、近接距離以上離れることが出来ない。
 次の刻、汰磨羈はまだ空に居るカラスへ再度ブルーコメット・TSを放ち、更に恍惚効果を付与……更にスーパーノヴァの追撃を発動させ、決めた一匹を撃ち倒す。
 とはいえ……まだまだ敵数は多い。
「とにかく空から打ち落として、できるだけ地上で戦えるようにお願いします! ハロルドさん!」
「!? ……わ、解ったぁ!」
 半ば諦めながら、ハロルドは上空のカラスをにらみ。
「おらおら掛かって来んかいチキンやろうども! それとも無様に逃げ帰ってゴミ漁りでもするんか!!」
 と、更なる翼十字で怒り付与。
 同時に後衛のディチェットが、揺蕩うラメントで遠隔射撃をして、カラス共を地上へ誘引。
 地上近くまで来た所に、ヨハンが容赦なく神気閃光、雷華の雷爆がそれぞれ範囲攻撃で、総じての体力を削る。
 そして瀕死の状態に見受けられたカラスには、月夜が血蛭で噛みつき、食い散らかす。
「吸血鬼だって喰わなきゃしぬんでなァ、お前達は俺の食事だ! 一匹たりとも逃さねえぜェ!」
 そして、空を飛んでいた筈のカラスは総じて地上付近に抑えつけられる。
 ……そして、そんな敵へハロルドが。
「オルァァァ! 死に晒せぇーー!!」
 と翼十字、更に追加行動の発動に。
「続けて食らえやァ! 大阪殺法【弥刀】! 【喜連瓜破】ッ!」
 と、大阪殺法を展開し、カラスを一網打尽。
 そしてヨハンが。
「そろそろ終わりにしましょう!! ヨハァァン!! サァァァンシャアアアアイイィン!!」
 と、渾身の一撃を放ち……全てのカラス共は、その場に崩れ去っていった。

●煌びやかな世界
 そして、イレギュラーズ達は全てのカラス共を仕留める。
「ふぅ……終わった様だな。しかし随分と夜妖も無節操になってきたな。何かの前触れで無いと良いが……」
 と、汰磨羈が呟き、暗い空を見上げる。
 それに雷華も。
「うん……取りあえず終わった……戦闘の痕跡、始末しないと……下手に詮索されると……面倒だし……」
 こくり、と頷きながら、周りを見渡す。
 カラスの黒い羽が舞い、それに加えてカラスの死骸……何も知らない人が見れば、カラス同士がケンカしたのか……とでも思うかもしれないけれど。
 そんな周りの状況に対し、月夜はaPhoneを取り出し、掃除屋へと電話。
「ヒトが多い所で夜妖が出やがって……秘匿は任せた、掃除はしておいてやる」
 と伝え、すぐに電話を切る。
 そして……周りの夜妖の死骸を、文字通り『喰らい』尽くし、お腹もいっぱいに。
「はぁ、暫くなんも喰わなくてイイなこりゃア」
 と、満面の笑みを浮かべる。
 そんな月夜を横目にしつつ、ディチェットは使用していた銃を再びケースに隠した後。
「掃除が終わったら避難していた人達を呼び戻して来ましょう……」
 と仲間達を促す。
 そして、一通り『掃除』を終えたイレギュラーズは、店やビルに避難していた人達に声を掛けて呼び戻し……何も知らない人達は、ごくごく普通の日常を再び送るのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

カラス夜妖退治に参加いただき、ありがとうございました!
夜でも煌めくもの……という事で、ちょっとアダルティな夜の街の事件とさせていただきました。
皆様も、夜の街を歩く際は、光る物にお気を付けください……。

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