PandoraPartyProject

シナリオ詳細

神はぱんつを望みたもう

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●我は(自称)ぱんつの神である!
 ここは幻想内にあるどこかの領地。小規模の町。
 その町の一角にて、ある宗教が出来上がりつつあった。
 現れし宗教の名は、『ぱんつ宗教』!
 教祖を名乗る白いローブの男は何故か伊砂顔の仮面を被っており、声も相まってイケメンだと周囲に映っていた。
「はーはっはっは! 我はぱんつの神である! ぱんつを捧げよ! それも女物をだ! さすれば望みは叶えられるだろう!」
 最初こそ半信半疑だったものの、戯れに捧げた女性の恋が成就された事が切欠となった。
 その後も小さな願いが次々と叶えられていくのを見て、我も我もとぱんつを差し出されていっているという。
 ある時、町の子供達が彼に尋ねた。
「ぱんつ神様、何故ぱんつが必要なのですか?」
「それはね、お願いごとを叶えてもらうには対価というものが必要なのだ。君達も願い事があれば女物のぱんつを持ってくると良い」
「わかった!」
 多分、それはわかっちゃダメな案件だぞ少年達よ。
 少年達は願いを叶えて貰おうと、女物のぱんつを探しに家に行くのだった。
 その町を訪れる商人達は、客からことごとく女物のぱんつを所望される為、今ではぱんつが売れ行きらしい。

●……そんなうまい話があるはずもなく
「自称ぱんつの神を懲らしめて捕縛してほしい」
「いや、なにそれどういう事なの? またぱんつ依頼?!」
 情報屋の開口一番の台詞に『性別に偽りなし』暁月・ほむら(p3n000145)が即座に返した言葉はそれだった。
 以前、願いを叶えるというぱんつの泉なるものに行ったのは記憶に新しい。
 それから数ヶ月も経たない内に今度は願いを叶えるというぱんつの神である。
 彼が天を仰ぎたくなるのもわかろうというものだ。
 ほむらのツッコミに対しても動揺を見せず、情報屋は淡々と依頼内容を読み上げる。
「場所は小さな町。そこは馬車を使えば二、三時間で着けるよ。
 で、そこに新興宗教が出来た。その宗教名は『ぱんつ宗教』」
「宗教名そのまんまじゃない」
「教祖は『ぱんつの神』と名乗ってる」
「名前がもうダサい」
「ぱんつを捧げてもらったお返しに奇跡を起こしている。といっても、恋を成就する、無くしていた大切な物が見つかるなどの小さなものだけどね」
「ずいぶんちっちゃい神様だね」
「そこは同意するよ。
 話を戻すけど、そのぱんつの神とやら、どうも裏で商売をしているらしくてね」
「どうせぱんつを売ってるとかそういうのでしょ」
「話が早くて助かるね。そういう事だよ。
 彼がぱんつを集めているのも、好事家に売る為らしい。得た資金は私財として溜め込んでいるとか。
 ぱんつの神についての調査依頼を遂行していたらそれが判明してね。依頼主は続けてこの自称神とやらをどうにかしてくれと依頼してきたんだ。
 あ、そうそう。町の人達の大部分はその事実を知らない。これをどう扱うかは君達次第だよ」
 つまり、公開処刑にするか、密か捕縛して牢に入れるかはこちらの判断に任せるという事だ。
 続けて、情報屋はぱんつの神が普段在住している場所などの情報を提供してくれた。
「自称神は普段は町外れにある、平屋建ての神殿に居るらしい。神殿とは名ばかりの小綺麗な建物だね。ただ、場所が狭いから戦う際は気をつけて」
「護衛とかは?」
「屈強そうな男が十名ぐらい。ならず者みたいな粗暴な印象は受けないけど、それなりに戦闘経験があるんだろうね。
 体格のがっしりした男達だそうだよ。白いローブを着ているから信者なのか、そうじゃないのかまでは判断つかないけど。
 あ、そうそう。おそらくこいつらだけじゃない予感もするから、気をつけて」
 情報は以上だよ、と言って情報屋は見送りの手を振る。
 ほむら達はその依頼を受ける事にして、イレギュラーズと共に向かったのだった。

GMコメント

 ぱんつの神って全知全能じゃないんですよ、アナタ知ってましたか?
 そんなわけでぱんつの神を懲らしめちゃいましょう。えいえいおー
 成敗するって色々言えますよねえ。ねえ?

●達成条件
・自称ぱんつの神を成敗する
・護衛を全て撃退する

●敵情報
・(自称)ぱんつの神
 新興宗教『ぱんつ宗教』の主を僭称する詐欺師です。
 逃亡生活の繰り返しにより回避能力だけが高め。他で優れているものは特には無い。
 ぱんつの祈り(通常攻撃、神遠単:【万能】【魅了】)
 逃げ足補正(パッシヴ、自分から2レンジ以内に入ったら自動発生、抵抗判定失敗で【不運】付与)

・護衛の男達×十人
 神(オレ)が雇った傭兵上がりのごろつきです。
 HPが割と高めで、それ以外はそこまで突出していない。
 武器は長剣。
 通常攻撃(物近単)に【体制不利】【ショック】を伴います。

・???×三名
 正体は自称ぱんつの神が雇った魔術師系ごろつき。
 抵抗が優れている。
 魔術攻撃(神遠範・凍結or感電)
 接近された場合、【流血】【猛毒】のついたナイフで応戦してきます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 神はぱんつを望みたもう完了
  • GM名古里兎 握
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年02月25日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)
木漏れ日のフルール
Alice・iris・2ndcolor(p3p004337)
シュレーディンガーの男の娘
アクア・フィーリス(p3p006784)
妖怪奈落落とし
ルーチェ=B=アッロガーンス(p3p008156)
異世界転移魔王
マリカ・ハウ(p3p009233)
冥府への導き手
キサナ・ドゥ(p3p009473)
野生の歌姫

リプレイ

●P a n d o r a P a n t i e s P r o j e c t
 自称ぱんつの神と名乗る男が居るという町にやってきた、イレギュラーズ。
 町の人達に神殿の場所を聞くと、あっさりと教えてもらえた。一応戦いに備えた装備をしているのだが、余所から来た信者とでも思ったようだ。
 一番大きいのは、『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)による、懸命な訴えかもしれないが。
「願いを叶えてくださる、神様に、お会いしたいのです……!」
 彼女の訴えの甲斐あって、神殿までの道のりも把握出来た。
 町外れへと近付いていくと、平屋の建物が見えてきた。神殿のような造りをしているわけでもない、ただの平屋。最近建てたばかりのような小綺麗さが窺える。
 到着するまでに彼らはこれからの行動について情報の共有を図る。
 『性別に偽りなし』暁月・ほむら(p3n000145)が、口を開く前に、真っ先に宣言する声。
「前線は任せた!」
 その声は『ロスト・アンド・ファウンド』キサナ・ドゥ(p3p009473)だ。
「え、あ、うん」
 いきなりの宣言にやや困惑気味の『もふもふねこ巡り』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)は、彼女が持つ装備を凝視する。
 パンパンになった袋を腰に下げているのが気になったか、キサナはその袋を軽く叩いて中身を説明した。
「闇市に全ツッパして手に入れてきたぱんつだ。多分大体女モンだぜ。こんだけ揃えば何かしらの対神防御くらいにはなるだろ。
 他にもあいつのだとか、あの子のだとか、アレのもあったけどそれはあいつに送る」
(一体何が出たんだろう……)
 怖くて聞けないヨゾラだった。
「あとは……最終手段……ぱんつを投げて囮にするとか……だな」
 やりたくないけど、もし有効ならやるしかない。うんざりした顔してるけど。
 彼女以外にもぱんつを持ってきた者が挙手する。
「一応自分のを持ってきたけど……」
「はい、わたしも……」
 『木漏れ日の魔法少女』リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)とノリアが控えめに申請した。とはいえ、彼女達の持っているのは自分のものなので自分で穿いているのだが。
「パンツは通貨だからね仕方ないね……いや、そうはならんやろ?」
 セルフツッコミをする『Sensitivity』Alice・iris・2ndcolor(p3p004337)は頭を抱え、彼女を慰めるようにキサナが背中を軽く叩く。
 『異世界転移魔王』ルーチェ=B=アッロガーンス(p3p008156)は、近付いていく神殿の姿を見ながら、そこに居るであろう敵へと想いを馳せる。
「そんな小さい奇跡如きで神と名乗るか……。しかも対価がパンツとはあほらしい。ここで成敗してやる」
「ぱんつの神……ぱんつの、神? なにそれ、変なの……。
 やってる事は、ともかく……貰って、集めるわけじゃなくて……売って、儲ける……。そんなの、神様でも、何でも……ないの。
 潰そう、潰しちゃおう……その方が、みんなの、ためになる……はずなの」
 ルーチェのぱんつの神への思いに同調するように、『闇と炎』アクア・フィーリス(p3p006784)が深く頷く。
「宗教を騙って女物のぱんつを集めて、なおかつそれを売り捌く。まさに女性の敵です。お仕置きが必要ですね」
 リディアも同じくお仕置きへと意気込みを見せる。
 あっ、という声を上げたヨゾラに、視線が集まる。
「……断じて僕はぱんつ目当てじゃない! からね!」
 このメンバーの中でほむらと同じ男性枠であるヨゾラ。
 誤解無きように宣言した彼に返ってきたのは、「大丈夫。わかっているよ」という生暖かい視線だった。
「それにしても、このかたは、願いを叶えてくださる、神様ですのに、どうして、男女差別なんかを、なさるのでしょう?
 これは、あの方に、性根を、たたき直してもらう必要が、ありますの……。
 男性のぱんつも、大切なものだと、教えてさしあげなくては、なりませんの!」
 何やら変な方向に意気込みを見せるノリアを見て、好きにしろという感想しかない。多分、あの方というのも例の彼だろう。密かに心の中で合掌する。
 『トリック・アンド・トリート!』マリカ・ハウ(p3p009233)が、何やら据わった目をしてブツブツ呟いている。
「闇市回しても乙女のぱんつどころかじじいのぱんつばっか出てくるし。乙女のぱんつ装備してる人いるけど盗ったらダメだし。くそぅ、乙女のぱんつ寄越せよおらっ」
 こっちもこっちで合掌案件だった。聞かなかった事にしたい。
 そうこうしている内に神殿(という名の平屋)に辿り着いた一行。
 ここから始まる物語。それはマリカの言葉を借りるならこう名付けられる。
 P a n d o r a P a n t i e s P r o j e c t(パンドラ・パンティーズ・プロジェクト)と。

●ぱんつ求めるものに愛はあるか否か。あっても困るけども。
 神殿に足を踏み入れ、途中までは難なく進む事が出来た。
 しかし、奥深くへと進もうとすると、護衛のような輩が数名現れて、彼らを制止した。
「止まれ! 何用だ!」
「ぱんつの神とやらに用があるんだ。良ければ通してくれないかな?」
 ヨゾラがにこやかな笑みで乗り切ろうとしたが、逆に不信を抱かせる結果になったようだ。
 なおも言い募ろうとした護衛の声を遮り、イケボの声が響き渡る。
「おやめなさい。見苦しい。何事ですか」
 現れたのは伊砂顔の仮面を着けた青年。
 彼へノリアよりも真っ先に声をかけたのは、アクアであった。
 彼女は両手を胸の前で合わせ、青年に問う。
「ぱんつを捧げたら……本当に、願いを叶えてくれるの……?」
「ええ。もちろん」
「あ、あぅ……ぱ、ぱんつは……ここに、あるの……」
 スカートの中に手を入れるアクアの大胆な行動に男性達の目が好色を帯びたそれになる。鼻の下伸びてるぞみっともない。なお、ヨゾラとほむらは目を背けている。
 彼女の手を止めたのはマリカ。据わった目を自称神達へと向けて、彼女は咆える。
「乙女のぱんつをよこせっ!!
 乙女のぱんつを要求するっ!
 おとなしく乙女のぱんつを出せ!
 さもなくば――呪殺する!」
「マリカさん、『一応』不殺ですよ?」
「不殺? 何それおいしいの?」
 リディアの制止の声にも、マリカの顔は崩れる事は無く。むしろ真顔だ。
 マリカの肩に手を置いたルーチェが、つり目の赤い瞳で自称神達を見つめ、告げた。
「なぁに、このあと民衆の前で公開処刑を行うからな。死なぬ程度に痛めつけておいてやる。本来だったら余の『バスター・レイ・カノン』で消し飛ばすはずだったらからな」
 その言葉でイレギュラーズを敵と認識したのだろう。
 自称神の雰囲気が険しいものとなり、イレギュラーズを見つめる。
「早々にご退場願いましょう。お前達、おやりなさい」
 低く紡がれた声が、護衛と思われる男達を動かす。自称神が手を叩けば更に数が現れた。皆一様に長剣を構えている事から、全て護衛のようだ。
 ノリアがヨゾラへと大いなる海の力を分け与える。
 駆け出すヨゾラ。向かう先は自称ぱんつの神へと。
 それを阻む護衛。向こうから踏み込まれた一歩と一撃に、彼はかろうじてバックステップで回避する。
 複数の敵相手に挑むAliceは、楽しそうに笑いながらそれを放つ。
 ソレは甘い、とても甘い夢。情熱の炎に焼かれながら溺れていく夢。
 護衛達を数人纏めて巻き込んだその攻撃に、知らず知らず体は痺れていく。
「うふふ。いっぱい乱れましょう?」
 容姿に似合わず妖艶な笑みを浮かべる彼女に危険を感じるのも無理なき事。
 腰が引ける者も見える。そんな彼らに届く二人分の歌声。かつての『絶海の青』を思い起こすような歌声は冷たく、しかし、否応なく魅了する。
 その二つの歌声はアクアとキサナのものだ。それは遠くまで届き、隠れている敵まで巻き込んでいく。
 次々と魅了されていく護衛達へ、ルーチェの術式が飛ぶ。それは各個撃破する為の遠距離術式。痺れや魅了でまともに動けなくなってきている護衛達は格好の的だ。
 マリカも遠くから一人を狙う。そう、自称神の男だ。
(とにかく拷問だ、拷問にかけろ!)
 物騒な思考が口に出なくて良かった。出てたら周りがドン引きだよ、これ!?
 彼女の放つ術が自称神に纏わり付く。
 ガシャ、ガシャ……と音を発して人型になっていくそれは骸骨の姿を取っていた。
 それが自称神の男を襲う。流石にこればかりは避けきれず、受け止めるしか無かった男。
 耐えかねて、男は叫ぶ。祈りの言葉を。
「ぱんつの加護を与えましょう。さあ、ぱんつを崇めるのです!」
 その言葉を誰に向けて放ったか、彼は後悔する事になる。
 よりにもよって、ノリアである。なんでこうなった?!
 彼女自身にも大海の力が包まれているはずだが、彼女は頬を染めると自称ぱんつの神へと歩みを進める。
「リディアさん……」
 彼女の名前を告げる。護衛の間を縫って近付いてきた彼女は、幸運にも、何事に見舞われる事もなく彼の背後をとった。
 そのまま羽交い締めにするリディア。ノリアが自分の名前を呼んだという事は何か考えが合っての事だろうと考えて――――
「さあ……! わたしに、ぱんつを、くださいですの!!」
 一瞬でも真面目な事を考えた自分を殴りたくなった。
 唖然とする自称神の男のぱんつが無情にも剥ぎ取られる事態になるとは、一体誰が予想しただろう。
 ついでに可哀想なものも露わになってしまったわけだが、それはノリアが自分のぱんつを分け与えた事で事なきを得た。……得たのかこれ?
 あまりにもよく分からない混沌の戦いとなり、なんやかんやでイレギュラーズが勝利したのだった。
 短い? いいんだよ勝てば。

●乙女のぱんつは一つじゃない
 捕縛されたぱんつの神とその護衛達。自称神が喋って魅了をかけてこられても困るので、彼だけはしっかり猿ぐつわをしておいた。ちなみに伊砂顔の仮面を外してみたところ、そばかすが目立つ平凡な顔が現れただけだった。だからあの伊砂顔の仮面をつけたのかと納得してしまうのが悲しい。
「で、乙女のぱんつはどこ?
 さては履いてるなオメー。
 乙女のぱんつだ!!
 乙女のぱんつ履いてるんだろう!?
 なあ、乙女のぱんつ履いてるんだろうおまえ。
 乙女のぱんつ置いてけ!! なあ!!」
「落ち着いて! それじゃ追い剥ぎですよ!」
 自称神に詰め寄るマリカを後ろから羽交い締めして宥めるほむら。自称神は何か言いたそうだったが、猿ぐつわの為にそれも言えない。
 そんな一場面もあったが、とりあえずは彼らの罪を町の人達に公表する為の証拠集めをしようという事で、私財とぱんつが集められた場所へ案内してもらう事になった。
「おらっ、キリキリ歩け!」
 縄で捕縛した彼らを追い立てるマリカ。これじゃどっちが悪だかわかりゃしない。
 平屋なので、それがある場所までは遠くなく。信者と対話する為のような広間を抜けると、すぐに倉庫のような部屋へと辿り着いた。
 丁寧に作られた棚。その中に収められた箱が複数個あり、中にはジャンル分けされたぱんつがある。どんなジャンルかって? 「男物」「女物」で大別されているとはいえ、女物に関しては更に「ひもパン」「えっちなぱんつ」「布ぱんつ」「女児のぱんつ」とかそんな感じのがあったりする。多いなジャンル?!
 男性二人が見張りをする中で、物品についてどう返却するかとかを話し合う女性陣。
 何かを思い出したかのように、ヨゾラがぱんつの神の猿ぐつわを外して尋ねる。
「ところでさ、君……皆の願いをどうやって叶えてたの?」
「私も気になります。どうやって願いを叶えていたのか教えてくれませんか?」
 箱の確認をしていたリディアもやってきて、彼に問う。
 甘えるような声が功を奏したのかは分からないが、自称神の男は顎で護衛達を示す。
「彼らや商人の助けを借りて何とか叶えてやったんだ。小さい望みぐらいなら叶えられるからね」
「なるほど」
 と、納得した顔をするリディア。彼女は再び猿ぐつわを噛ませると、再び箱の方へと戻った。
 一生懸命箱の中身を確認している。自分の分が入っていないか気になっているのだろうか。
 リディアを含む女性達の中で、Aliceが箱を他の皆に任せてヨゾラ達の方へやってきた。
 彼女は自称神の顎を持ち上げるとジッと見つめ、笑う。それは大人の女の笑みであった。
 この時、彼女はギフトを発動させていた。エナジーを相手と循環させるのが彼女のギフトだ。
 途端に蕩ける目をする男。
「ふふ、どうかしら? 私のエナジーたまらないでしょ♪ もっと欲しくなっちゃうでしょ?」
「はい……はい……」
「だったらぁ、罪を告白し過剰に稼いだ分を町の人達に還元してこれからは真っ当に生きることを宣言しなさい」
「仰せの通りにぃ~~! ロリ女王萌え~~!!」
 ひどい性癖だ。聞きたくなかった。
 密かに溜息を零す男性二人。
 そうこうしている内に確認も終えたようだ。女性達がこちらへとやってくる。
 彼女達の結論はこうだった。
「KOUSYUUのMENZENでRYOUJOKUしてOSHIOKIしてもらうぜ」
 キサナの笑みが深くなっていたのは、見なかった事にしたい。
 捕縛状態の自称神達を連れて、彼らは広場にやってきた。
 証拠となる物品も押さえてあり、ルーチェがそれを見せた事と調査結果の資料を読み上げた事、ならびに自称神の自白により、真実である事は認められたようだが……。
 町民達の反応は困惑が大多数だ。無理もない。今まで願いを叶えてくれた成果があるだけに、にわかには信じがたいのだろう。
「溜め込んでいた私財は町民に返却する事が望ましいかと」
 リディアの提案に、自称神は深く頷いて私財の返却を宣言。困惑気味ではあったが、「それならまあ……」とどこか納得する町民達。私財といっても、大体はぱんつだし、加えてお金が貰えるのならいいのだろう。
 ヨゾラは微笑んで彼らに慰めの言葉をかける。
「ショックかもしれないけど……どうか、希望を抱いて生きてほしい」
 他にも癒やされるものがあるはずだ。彼らにはそれで癒やされて欲しい。そう、可愛い猫とかツンデレな猫とかね!
 彼が心の中でそう思っているなどとは露知らず、町民達のざわめきが広がっていく。
「皆さん!」
 よく通る声で、少女が叫んだ。ノリアである。
 彼女に集まる視線。十分に集まったのを確認してから、彼女は口を開く。その目に決意を滲ませて。
「わたしは、この方を、神と、認めますの……。
 ですが、この方と似た方を、わたしは知っていますの……。その方は、この方よりも、上位の神ですの……。
 故に、わたしは、この方を、かの大明神の下位神として、未来永劫まで、お祀りしますの!!!!」
「えっ????」
 突然の祀る宣言に戸惑ったのは自称神の方である。
 ノリアの宣言に対し、町民達にも「あっ、今まで通り神様でいいんだ」という空気が広がっていく。いや、広がっちゃダメだろこの空気。
 そして沸き起こる神コール。
 困惑する神。そしてイレギュラーズ。
 ほむらが心配そうにノリアを見つつ、イレギュラーズに尋ねる。
「あれ、いいの……?」
「いいんじゃねえの」
「この後どう祀られるかは、彼女が決めるでしょうし」
「え、ええ……」
 キサナとアクアが生暖かい視線をノリアに注いでいるのを見て、ほむらは頭を抱える。
「これ、あいつにどう報告すればいいんですか!?」
 多分、そのまま言えばいいと思うよ。
 頭痛を覚え始めた彼に、周りは「頑張れ」という視線や肩ぽむをするのだった。
 斯くして、ぱんつの神事件は祀られる結果となって終わる事となった。
 ……いいのかそれで?!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

お疲れ様でした。
ぱんつの神(自称)は無事にぱんつの神(公認)となったようです。
いいのか。割と真面目に、いいのか?!

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