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シナリオ詳細

雷の住処は紛れ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●雷の住処は紛れ
 鉄帝国北部に渡り広がるヴィーザル地方。
 極寒の雪原が広がる高地山間にそびえ立つは、半ば朽ちかけの古城。
 過去、この辺りを治めた豪族が住んでいたと言うが、その生活の影はもうない。
 ……そんな古城に、新たなる主の来襲。
『こんな所に使われてねえ古城があるってなぁ……これはラッキーやねぇ!!』
『そうやねぇ! んじゃまぁ、取りあえずここを根城とするかねぇ!』
 そう、筋骨隆々な鉄騎種の男連中が叫ぶ。
 ……そんな荒くれ者共は、この地域を最近根城にし始めた『雷神の末裔』を称する高地部族『ハイエスタ』。
 その一部族である『グリュートス』達は、放棄された城を勝手に根城化する。
 そして……。
『さぁてと、それじゃぁ略奪開始と行こうかねぇ! 雷神の名の下、雷のごとく超速の雷鳴で仕掛けていくぞ!!』
 と仲間達を鼓舞しながら、すさまじい速度で周りの街や村を襲撃。
 数刻の間に、罪もない人々を無差別に殺し尽くす事で、根城を察知させる事なく暴れ回るのであった。


「あー、イレギュラーズの皆さん!! ちょーっと話を聞いてほしいのです!!」
 と、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は、依頼を見に集まってきたイレギュラーズ達の前にぴょん、っと顔を出して、小首を傾げる。
 そんなユリーカの、思いっきり可愛い仕草にだま……いや、誘われるがままに話を聞こう、となると。
「ふふん、それじゃー説明させてもらうのですよ! 今回なのですが、まーた鉄帝国、ヴィーザル地方に姿を現わした、ノーザンキングスの連中を倒してきてほしいのです!」
「今回のノーザンキングスの連中なのですが、ヴィーザル地方の一角の村や町を無差別に殺戮し尽くしている、傍若無人、極悪非道な鉄騎種の『ハイエスタ』達なのです!」
「このハイエスタ達は、かなり昔に放棄された、小さな城を根城としている様なのです! これは村や町の襲撃された位置から割り出されたのです」
「このまま放置し続けても、良いことは万が一にもないのです。だから、早急に奴等を退治してきてほしいのですよ!!」
 そして、ユリーカはさらに。
「ちなみに、この『ハイエスタ』の一族である『グリュートス』という奴等が今回相手となるのですが、彼らは鉄騎種の強靱な体からは想像出来ない位、素早い動きをしてくる様なのです」
「今迄の村や町の襲撃に対しても、高速で襲い掛かり、一般人を躊躇なく殺して回って来ている様なのです。だからとても素早い動きをする敵の様なのです!」
 そして、最後にユリーカは。
「本当に、非道な行いをしている彼らをのさばらせておく訳には行かないのです! イレギュラーズの皆さん、よろしく頼むのですよ!!」
 と、元気いっぱいに拳を振り上げるのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 今回の依頼は、ノーザンキングスの雷神の末裔を名乗る『ハイエスタ』の一族を完膚なき迄にぶっ潰す事です。

 ●成功条件
   敵を完全に全滅させる事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   敵が居るのは、ヴィーザル地方の一角にある古城です。
   古城の中は普通なら罠が仕掛けられているでしょうが……今は根城としているので、罠はほとんど解除されています。
   しかしながら、隠し部屋とかに隠れてやり過ごす……という位の事は可能でしょうから、全滅させる為には敵の数をしっかりとカウントしておく必要があるでしょう。

 ●討伐目標
   敵は『グリュートス』の者達が15体です。
   全員鉄騎種の筋骨隆々な男達で、武器として所持しているのもその筋力をフルに活用出来る両手剣(大剣)です。
   この大剣を振り落としての単体攻撃、および横薙ぎでの近接範囲攻撃を主に仕掛けて来ます。
   また、基本ヒットアンドアウェイの行動をとります。
   また体力が危険になったらば、戦場から逃げる事も厭わない為、逃さないように包囲する事も重要となります。
 
 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 雷の住処は紛れ完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年02月14日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

サンディ・カルタ(p3p000438)
金庫破り
咲花・百合子(p3p001385)
白百合清楚殺戮拳
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
飛島 飛鳥(p3p002704)
鴉羽
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
ラムダ・アイリス(p3p008609)
血風旋華
微睡 雷華(p3p009303)
雷刃白狐
マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ(p3p009452)
想光を紡ぐ

リプレイ

●古の城の支配者
 鉄帝国北部に渡るヴィーザル地方。
 雪原の広がる高地、その山間に聳え立つは、半ば朽ちかけている古城。
 朽ちかけているから誰も住んでいない……と思われたが、今は否。
 ここに最近棲み着いてしまったのは、高地民族『ハイエスタ』の一部属『グリュートス』達。
「これは夢のマイホームと言うヤツであろうか? クハッ、ノーザン・キングスの連中にとっては過ぎた玩具よ!」
 と豪快に笑う『白百合清楚殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)に、『鴉羽』飛島 飛鳥(p3p002704)と、『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)も。
「……勝手に占拠しているだけのこと。彼らには過ぎたる玩具である事に変わりは無い」
「本当、ノーザン・キングス共め、性懲りも無く! 必ず全員探し出して、償わせてやりましょう。勿論、命で」
 鉄帝に集う者達からすれば、故郷を荒らす彼らは許されざるべき存在。
 ……まぁ、彼ら自身このノーザンキングスにおける『雷神の末裔』と名乗った上で暴虐非道の限りを尽くしているので、それも許せないという理由もある。
「……雷神の末裔……ね。たいそうな名前の割には、やっている事は賊と変わりない……」
 と『折れた忠剣』微睡 雷華(p3p009303)が苦々しく拳を握りしめると、それに目を閉じた『永久の新婚されど母』マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ(p3p009452)は小首を傾げ。
「……生憎とこの世界の神様には疎いのですが、雷のごとき速き振る舞いも、悪逆非道の為に使われるのであれば神の名も泣こうというもの。或いは犠牲を尊ぶ邪なる神なのかもしれませんが……」
 そんなマグタレーナの言葉に『風の囁き』サンディ・カルタ(p3p000438)は。
「まぁ……そうだな。でも何であろうと言える事は、その力を元に何もかも奪う様な行動しか出来ない奴等は、裁かれてしかるべきだ。だからこそ、俺達に依頼が任された訳だしな」
 と言うと、『咎人狩り』ラムダ・アイリス(p3p008609)が。
「なるほどなるほど、随分と好き勝手にやっているんだねぇ~。うん、まごうことなき咎人、情状酌量の余地なしだね♪」
 どこか楽しげなアイリスに、『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)も。
「そうだね。弱い者イジメしか出来ないヤツらにケンカの仕方を教えてやろう!」
 そんな仲間達の言葉にに雷華とマグタレーナも。
「そうですね。『雷』の名前を持つ者としては、見過ごせない」
「ええ……善人を気取るつもりはありませんが、悪因悪果という言葉もあります。相応の報いは受けていただくのが筋でしょうか……つまり、お仕置き、です」
 各々が呟き、そしてイレギュラーズ達は、嵐の前の静けさに包まれている古城へとたどり着くのであった。

●雷のごとく
「さて、と……ここみたいだね? 取りあえず情報は、っと……」
 と古城の前でアイリスが開くのは、事前に聞き集めておいた情報。
 どうやらこの古城、かなり昔に放棄されており、それからほとんど人の手が入ることも無かった。
 更に古城の気味悪さもあり、探索された記録はあるものの、細かく調査された様な事も無い様である。
 ただ、特徴的なのは隠し扉や、隠し地下道が多いという事……恐らく今回の『グリュートス』達も、そんな隠し部屋があるからこそ、気に入って棲み着いたのであろう。
「確かにここ、隠れるには都合よさそうだよねー?」
 とアイリスが言うと、それにマグタレーナが。
「そうですね……下手に逃げ込まれたら、わたきうし達が出て行くまで籠城とか……されないとも限りません。見つけたら、逃さないように事を進めるのも重要そうですね」
「うん。そういえば敵意を持っている人を察知出来るのって無かったっけ?」
「ん……エネミーサーチの事か? なら、俺が持ってるぜ」
「そうそう、それじゃ周りの敵の察知はサンディさんに任せるね?」
「それでは吾は、しらみつぶしに探せるよう地図を描きながらすすむとしよう。アイリスの効いたのと照らし合わせれば、隠し部屋もあぶり出せるだろうからな!」
「うん、それじゃ百合子さんにはそれをお願いするねー」
 と、古城内を逃げ回るという敵陣を一人残らず倒すために、作戦を組み立てていくイレギュラーズ。
 そして……改めてエネミーサーチを発動すれば、城内に敵対心を持つ物の気配を感じ取る事が出来る。
「城の中で待ち構えているのは、間違いなさそうですね……」
「そうだね。取りあえず行こうか! 隠れられても、場所さえ分かればこの拳で壁をぶっ壊せば見つかると思うしね」
 と、イグナートに飛鳥は頷くのであった。

 そして城の入口へと到着するイレギュラーズ。
 目の前で、ぽっかりと口を開いた城の入口。
 その壁をちょっと調べてみると、無効化された罠の痕跡を発見する。
「これ……矢が飛び出してくる罠だろうな。何とか戻す事は……っと」
 とサンディが罠の再起動が出来ないか調べる。
 だが……力尽くで射出口を潰されているので、岩をけずっても、矢が上手く出てくるとは思えない。
 ……他にも、入口付近に仕掛けられている罠を調べてみるが、足元が開く落とし穴の罠くらいしか、簡単に復旧できそうな物は無さそうである。
 取りあえずその罠を再度発動する様、百合子が細工。
「城の周りを一周回ってみよう。そこから敵が逃げるかもしれないし、そこの罠も作動させておけば、敵が逃げるときに引っかかってくれるだろうしさ」
 サンディの提案に皆も頷く。
 勿論、その間もずっと常に警戒を張り巡らせることで、敵からの不意を突いた奇襲を防ぐのも忘れない。
 そして全ての出入り口の罠を再起動させ、更に入口を塞ぐように柱とかがれきが落ちてくるような簡易的な罠を仕掛けることで、万が一逃げおおせたときも、罠に掛かり、更に道を潰すように仕掛ける作戦。
「通れると思った道が通れないとなるだけでも計算や思考を狂わせるでしょうしね」
 マグタレーナの言葉の通り、焦って逃げてきた時にその逃げ道が潰されれば、頭が真っ白になってしまうだろう。
 そんな罠を一通り仕掛け終わった所で、再度イレギュラーズ達は、正面側の入口へと移動」。
 エネミーサーチで、中に敵が居る事を改めて確認すると……サンディと飛鳥の二人はいったん仲間達から離れ、別の入口へ。
 タイミングを合わせ、両方の入口から侵入し、敵の退路を両面から塞ぐ作戦。
 ……城内は静まりかえっており、少し薄暗い。
 そんな城内だからこそ、余り足音を立てないようにして……道を進む。
 すると……そんなイレギュラーズ達の城内侵入に対し、『グリュートス』の者達も動く。
『……チッ』
 と、舌打ちが聞こえたかと思うと次の瞬間、3人の敵陣が奇襲を仕掛ける。
「……後ろです」
 とマグタレーナが仲間達に呼びかけ、それに応じ陣形展開。
 そして奇襲三人の最初の大剣の一撃を、バックステップで回避。
『躱しやがって!』
 苛立ちの言葉を叫ぶ敵に対し、アイリスと百合子が。
「じゃあ始めよう……狩りの時間だ!」
「うむ。『グリュートス』共! 正当な持ち主が取りに来たぞ!」
 敵陣に宣戦布告。
 その宣言が聞こえたのか、途端に古城の中が騒がしくなる。
 それにサンディと飛鳥二人が別働隊として動き、敵の動きをチェック。
 気配がある所が地図に記されていない所であれば、そこが隠し部屋であるだろうと判断。
 隠し部屋の一部が、敵陣の住処でもあるのだろう……そこから動く気配も幾つか発見する事が出来る。
 聞いていた限り、15体のグリュートス達が居るとの事だが、次々と声を出したイレギュラーズの方を仕留めようと走って行く。
 ……そんな敵の動きを、息を潜めて待ち、通り過ぎるのを待つ。
 勿論、その間にもイレギュラーズ達に向けて次々とグリュートス達は向かい、全力で潰すよう攻撃開始。
 敵があらかた仲間達の方に向かった所で、サンディと飛鳥も追いかけるように移動する。
 ……勿論多数の敵が次々と襲い掛かるのだが、その攻撃を前に立ち、毅然と受け止める百合子とイグナート。
「クハッ! 奴等の知性を試してくれよう!」
 と百合子は一切ひるむような声も出さず、むしろ敵を挑発する様な声を掛け続ける。
 そんな挑発に対しては。
『へへへ……そーんないい気になってて、後悔するのはてめぇらやでぇ!?』
『そうや。この古城はウチらのもんや! てめぇらに渡してやるかよぉ!』
 勝手知ったる家とばかりに、大剣を全力で振り回してくる。
 単純に片方から攻めるのでは無く、敢えて包囲する様に、回り込んでくるのもいる。
 さらには大剣を振るった後、すぐに間合いを取り仲間が攻撃する間合いを取るという……仲間との連携を軸に置いた敵の動き。
 そんな敵の動きに応対するように、百合子とイグナートのペア、オリーブと雷華のペアで前後へと展開。
 その間にアイリスとマグタレーナが挟まれるように立つことで、二人に強烈な一撃が行かない様に陣を取る。
「さぁ、行くぞ!」
「そうだね。キミ達、投降する気があったら早めにシロハタを揚げるとイイよ。殴った時に運が悪くて死んじゃってもセキニンは取れないからね!」
 そしてまずは百合子が咲花式で、イグナートはハンズオブグローリーでそれぞれ自己強化をした後、近接してきた敵を狙い済まして白百合百裂拳と、雷吼拳で強烈なダメージを入れる。
 逆側においては、オリーブが雷華に。
「さ、頑張りましょう」
「……そうね。雷神の末裔だって言うなら……わたしの雷くらいは、破ってもらわないとね」
 と応じ合い、オリーブもまたハンズオブグローリー、雷華もマギ・ペンタグラムにてこちらもそれぞれ自己強化。
 オリーブが一歩前へ進み出て、敵の大剣を受け止めつつ、その勢いを殺す形で、懐めがけてH・ブランディッシュを突き込み、雷華もまた制圧を穿つ。
 そして、各前衛の仲間達の攻撃の後にアイリスが狂月、マグタレーナはリジェネレートを活用しながら、エメスドライブ。
 後衛二人の攻撃によって、暗闇、恍惚、狂気、呪縛、混乱……と大量のバッドステータスをたたき込むことで、敵のヒットアンドアウェイを抑える。
 互いの行動が一巡した次の刻。
 攻撃していた仲間がバッドステータスで邪魔なので、その手を強引に引っ張り前線から引き離して、それに入れ替わるようにして『グリュートス』の面々は入れ替わり立ち替わりに攻撃。
 そんな敵の動きに対して、毅然と立ち塞がるイレギュラーズ。
「自分の思い通りにならないと気が済まないのですか? ……鉄帝に刃向かうノーザン・キングスは、本当……我が儘ですね」
 とさげすむように言い放つオリーブ。
『何をぉ……ふざけたこといいやがってよぉ!!』
 逆上する彼らを、冷静に見つめる雷華。
「……やってる事は、『賊』と変わらない……貴方達に『雷』は相応しくない……」
 と、彼女もまた、辛辣な言葉でこき下ろし、イレギュラーズの言葉で、更に更に激昂。
 敵陣に、アイリスとマグタレーナ二人が更にバッドステータスをなすりつけていけば、もはや五体満足で動ける者もいない。
 そして大量のバッドステータスに毒された敵を一匹ずつ、確実に倒して行くイレギュラーズ。
 ……そして、戦闘開始から数十分した頃。
『……な、何ぃ!?』
 百合子とイグナート側の敵の背後からの驚愕の叫び声。
 そう……包囲したと思っていた彼らを、逆側からやってきたサンディと飛鳥の二人。
「さて、と……お前等は包囲されてるぜ? 自分達優位と思っていたのが、一転大逆転だ」
 サンディの言葉が響き、それに百合子が。
「サンディ殿、こちらの敵は絶対に逃がさぬぞ!」
「ああ!」
 と、呼吸を合わせる様にして、百合子が白百合百裂拳。
 怒濤の勢いで押し込んでいくと、それにイグナートも併せて雷吼拳の連係攻撃。
 二人の連携に合わせるように、サンディの突風と、飛鳥の紫電一閃が貫く。
 四人の動きと、前後どちらも包囲されてしまったという状況に、回避も出来ずに倒れていってしまう。
 その間は、オリーブ、雷華、アイリス、マグタレーナが逆側の敵へ集中する事で、攻撃が行かずに逃げおおせる……という様な事が無い様に対処。
 ただ……さすがに仲間達の悲鳴が響いてくると、恐怖心が段々と強くなってきてしまい。
『くそっ……何だよこいつら!! ふざけやがってよ!!』
 と怒り気味に吐き捨て……こちらは背後には誰も居ないので、背中を見せて逃げ始める。
 ……そんな逃げようとする敵の動きを鋭く察知したアイリスが。
「無念無想、無我の境地に至りし刃は空をも断つ必然の刃と成れり……故に惑い無し……残念だったね生憎とボクの斬撃は見た目通りの間合いじゃないんだよねこれが」
 と剣禅一如「不感」を発動し、逃走する敵の背中を穿つ。
『ぐぇっ!?』
 と、そのまま倒れ込んだ敵に、更にマグタレーナのスティールライフ。
 体力を吸い取る事で、逃亡しようとする彼の戦意を失わせる作戦。
 そして、今だ前に立ち塞がる輩達に、オリーブが。
「逃げたいのなら逃げれば良いでしょう。ですが、自分達はどこにいようと必ず見つけ出します……貴方達の居場所は、この城にはありません」
 並々ならぬオリーブの怒りをはらんだ言葉に、震え上がる敵陣。
 そして、イグナート側の敵も全て倒し、彼らも戦列へ。
「さてと、そろそろ終わりカナ? 逃げたいなら逃げてもいいヨ? この拳なら、隠し部屋を破壊するのなんて難なき事だからネ?」
 そんなイグナートの言葉に、心底まで震え上がる『グリュートス』は……走って逃げるような事も出来ずに、その場へと崩れ墜ちて行くのであった。

●仮初めの扉
 そして……。
「ふん……ハイエスタと言えば誇り高き雷神の末裔というに、こんな有様とは笑わせてくれる。逃走に情けは要らぬが、道理をもってするものよ……最も、忠告は遅かったと見えるがな」
 と、倒れた『グリュートス』達に対し、そんな言葉を言い捨てる百合子。
 それに雷華も。
「一件落着だね……」
 と息を吐きつつ、倒れた雷神の末裔……いや、『グリュートス』達に。
「雷神の末裔……でも実際には、人から奪う事しかできない……そんな人達に、『雷』の名前は、似合わない……」
 と、冷たく吐き捨てる。
 無論、全て倒れし彼らがもう、その言葉を聞き届ける訳もない。
 そして……。
「一応、敵の気配はしないけど、万が一……って可能性もあるか」
「そうだね、一応しらみつぶしにさがしておくとしようか。変な場所があったら、取りあえずぶっ壊せばダイジョウブだろうし!」
 と、サンディにオリーブがにっこりと笑う。
 そして地図を元に、全ての通路と、変な隙間を拳で殴り、部屋があれば全て調査。
 グリュートス達の生活の跡の他には、敵の影一つも無い事を確認。
 そして……古城の外に出て、出入り口の罠を発動させ、完全に古城を封鎖。
「……これで、良し、と……」
 と、飛鳥が入れない事を確認。
 そして……イレギュラーズ達は、寒風にさらされる古城を後にするのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

ノーザンキングス退治依頼、参加いただきありがとうございます!
今回は隠し部屋に潜む敵、という事で、見事に逃げおおせればもっと面倒くさい事になっていたと思いますが……敵を逃さないという気迫と作戦の前には逃げられないだろう、と思いました。
もうちょっと頭が良いノーザンキングスだと、話は変わったかもしれませんね。
ともあれ皆様の勝利、本当お疲れ様でした!

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