PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<Rw Nw Prt M Hrw>さようなら、『私』と言う孤独

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●生まれ落ちた生命
 この世界にそれが誕生した時、それはどのような名もつけられぬ、失敗(エラー)作だった。
 小さな色宝の欠片を埋め込まれた、何者にもなれぬ泥人形。ホルスの子供達と呼ばれる、錬金術の産物。多くのホルスの子供達が、多くの名前(やくわり)を与えられ、多くの役割(いつわり)を演じていく中、その小さな泥は、何者にもなれず、何事にも成れなかった。
 次第に中枢が狂気に陥ってく中、多くの仲間達も狂気に壊れていった。その最中で、その小さな泥は、しかし少しずつ、冷たい思考をはぐくみ続けていったのである。
 何者にも、なれない。
 誰も私の名前を呼ばない。
 そもそも、私とは、何か。
 どうすれば、私は私になれるのか。
 わからない。誰も私の名を呼ばない。呼ばないから、私は私になれない。
 私は。私は。
 生まれてから幾年が過ぎた時。小さな泥は、初めてその小さな手を伸ばした。
 狂いこわれゆく仲間へ向けて。その手を伸ばし。それは、仲間へぐわりと食らいついた。
 飲み込み、食らう。砕いて、情報とする。
 ああ、ああ。染み入ってくる。その者と言う情報。与えられた名前(じんかく)。うみだされた性質(ありかた)。ああ――これが『個』。これが、生きるという事。これが、『私』という事。
 もっと。ああ、もっと。今まで我慢していた分、もっと欲しい。もっともっと、『個』が欲しい。もっともっと、『私』が欲しい。
 それは、食らい続けた。個を与えられた仲間を。役割を演ずる仲間を。
 食らい、食らい、食らい、食らい、食らい、食らい――。
 その泥人形は、いつしか、巨大な、巨大な、『私達』に。
 遺跡の天井に届くような、巨体。二本の脚では支えきれぬ。膨れた腹。脚が作れないのならば、崩してしまえばいい。這うように、流れるように。そう言う『脚部』でいい。山積する泥の山のような脚部に。人の身体。二本の腕。ああ、これが『私』だ。多くの『私』を取り込んで生み出された、『私達』だ。
 でも、どうしてだろう。あれほど『私』を取り込んだのに。あれほど『個』を取り込んだのに。
 私には顔がない。目がない鼻がない口がない。のっぺりとした泥の塊が、私の顔の所に固まっている。
 ああ、ああ、と私は哭いた。これでは不完全だ。これでは『私』は『私』ではない。顔が無ければ『個』とは言えない。これは『個』ではない。
 ああ。あとどれだけ『私』を喰らえば。『私』は『私』になれるのか。

●ジャイアント・キリング
「んー、泥の巨人、だね」
 『ぷるぷるぼでぃ』レライム・ミライム・スライマル(p3n000069)は、眼前に指でわっかを作って、双眼鏡のようにしてそれを見た。
 周囲には、依頼を受けたイレギュラーズ達の姿もあって、共に前方にそびえたつ、『それ』を目視していた。
 ファルベライズ中枢遺跡。そのエリアの一つ。遺跡内部ながら、色宝の影響なのだろう、吹き抜ける青空が見える廃墟の中心に、それは居た。
「仮称:特異ホルス一号。ホルスの子供達なんだろうけど、たぶん変な進化をしちゃった、想定外(イレギュラー)の人形」
 それは、泥の山から人間の身体が生えているかのような外見をしていた。泥でありながら、人間としてのパーツはそろっているようで、頭部からは長く泥色の髪が生えてもいる。
 だが、顔、が無かった。目はなく、眉はなく、鼻はなく、口はなかった。つるりとした泥の塊が、そこには据えられていた。
「特異ホルス一号……一号で良いかな。一号は、周囲の目につく生命……もちろん、ホルスの子供達も含めてだけど、とにかく生き物を取り込みながら、少しずつ地上を目指してるみたい」
 レライムが、むー、と唸りながら、言う。あのような巨大な怪物を――しかも、無差別に周囲に害を及ぼすような存在を外に解き放っては、どのような被害が出るか、想像するに難くはない。
「だからあたし達は、ここであの巨人を止めてないといけないんだよね」
 ぐにゅ、と身体を揺らして、レライムは言った。『仮称:特異ホルス一号』その討伐が、イレギュラーズ達にもたらされた依頼であった。敵は強大な存在であることに間違いはない。危険な任務となるだろう。
「ちゃんとあたしも手伝うからね。足手まといにはならないようにするつもり。いざとなったら、楯にしてくれてもいいから」
 むにゅ、と顔を揺らして、レライムは言った。それからこくり、と頷くと、
「それじゃあ、行こうか、みんな。無茶はしちゃだめだよ。がんばろー」
 レライムは腕をあげて、おー、と声をあげるのであった。

GMコメント

 お世話になっております。洗井落雲です。
 歪な進化を遂げ、狂気に陥ったホルスの子供達が現れました。
 これを討伐してください。

●成功条件
 『仮称:特異ホルス一号』の完全撃破

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

●状況
 ファルベライズ遺跡群の中枢エリアにて、一同は巨大な敵と遭遇しました。
 それは、調査された限り、歪な進化を遂げた『ホルスの子供達』の内一体であり、周囲にある生命、『ホルスの子供達』を見境なく取り込み、巨大化、変化を行いながら、地上を目指しているようです。
 このような危険な敵が地上へ向かう事を、許してはなりません。それに、中枢で暴れられても、その他の戦場に悪影響を及ぼす可能性があり、いずれにせよ厄介な事です。
 皆さんは、決死の覚悟でこの巨人に挑み、討伐しなければなりません。
 作戦エリアは、色宝の影響により歪んだ空間になっており、吹き抜けるような青空と、瓦礫と廃墟、砂が広がる砂漠地帯になっています。

●エネミーデータ

 仮称:特異ホルス一号 ×1
  想定外(イレギュラー)な変化を遂げた、『ホルスの子供達』です。
  巨大な泥の人形、と言った様相を呈しており、周囲のモノを無差別に襲います。
  見た目通りに強靭で厄介な相手です。その腕の一振りでも、周囲を巻き込んだ攻撃を行うでしょうし、その身体を礫に変えて、遠距離を狙う事もあるでしょう。
  ですが巨体故に、EXA、反応、機動力、回避力、命中力は低くなっています。
  判明しているスキルは以下の通りです

  パッシブ:超巨大
   巨大な山を抑えるには、貴方だけでは不充分だ。
   このユニットをブロックする場合、3人以上のユニットがブロックに参加する必要がある。
  
  パッシブ:巨体の弱点
   その巨大さゆえに、構造的弱点は存在する。
   すべての『飛行戦闘』状態のユニットは、このユニットへの攻撃に対して特効状態を持つ。

  アクティブ:私をください
   『私』には『私』がない。あなたの持つ『私』を頂戴。
   近・物・単。次のターンの終了時まで、『仮称:特異ホルス一号』の顔が、この攻撃がヒットした対象と同じになる。
   またランダムで一つ、対象が活性化しているスキルを、次のターンの終了まで『デッドコピー』する。

  アクティブ:デッドコピー
   あなたがくれた、『私』の『私』。
   レンジ可変・属性可変・対象可変。『私をください』により『デッドコピー』されたスキルを使える。ただし、オリジナルのスキルに比べ、あらゆる性能がランクダウンする。(例えば威力は低下し、射程は減り、付与するBSもランダムで減る)

●味方NPC
 『ぷるぷるぼでぃ』レライム・ミライム・スライマル(p3n000069) ×1
  平均的な能力値を持つアベレージファイター。攻撃、回復一通りこなせるが、言い方を悪くすれば器用貧乏。すべての能力は、PCに比べて見劣りするだろう。
  回復の穴を埋めたり、本人の言葉通り一時期な楯にしたり。好きにお使いください。

 以上となります。
 それでは、皆様のご参加お待ちしております。

  • <Rw Nw Prt M Hrw>さようなら、『私』と言う孤独完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別通常
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2021年02月23日 22時11分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

ラダ・ジグリ(p3p000271)
剣砕きの
外に出すわけにいかないのは分かる。
ただ、折角生まれたのに顔も名もなく生きて死ぬだけというのは寂しいものだな。



基本的に飛行戦闘状態、後衛にて行動。
副行動では敵から超遠距離を保つことを最優先とする。

構造的弱点の他に、どこかにあるだろう核たる色宝を探しながら攻撃してく。
様々な土塊を吸収したなら中心部近くか、それとも頭部か。
攻撃で体を削ぎながら、色宝を筆頭に攻撃が効果的な部位を探し狙っていこう。
移動が不要なら芒に月をのせ、基本はシビュラで身を穿つ。
そしてもし色宝が見つかったら。 逃がすものか、芒に月をのせ魔砲で撃ち砕く!

付与をデッドコピーされた際は待機し、仲間のブレイクを待つ。
他に誰もできなければ自分で剣魔双撃。

また飛行状態の味方が攻撃により落下した際は、受け止めに急行。間に合え!
ダメージによってはそのまま黎明院の所へ運ぼう。
倒れるにはまだ早い。立て直すぞ。
私もHP2000以下となったら黎明院の所へ降りよう。
攻撃しつつ回復を貰い、回復後は飛行戦闘へ戻ろう。

味方ブロックが外れても距離をとりつつ再ブロックを待つ。
もしブロック員が倒れたなら、移動しつつ撃っていくか。
機動が足りなければ地上に降りる。

悩み思考するのなら、それは確固とした個人だと思う。自分では思えずとも。
しかし顔を奪っても与えても満たされないのなら名を贈ろう。
大きいからアポープ。
ここでは死者の名ばかり呼ばれるが、何者でもない名を。
武器商人(p3p001107)
闇之雲
【心情】
カタチを持って生まれてくることができなかった異分子(バグ)
依頼さえなければ落し子達として連れていってあげたんだけど、哀しき哉、そういうわけにはいかないんだよねぇ
たぶんキミに必要だったのは誰かの情報でも役割でも無くて、なんなら名前でも無くて
「対話する誰か」だったのだと思うよ、きっと
だから、キミが死ぬその時まではお話ししようか
「私」がヒトリで死ぬのも、寂しいものね
そうして死んだその後に、手向けに名前でも付けてあげようか

【戦闘】
基本の役割:ブロック役
【連鎖行動】で笹木の方の前後で一緒に行動する
移動で敵に接敵しブロック
【飛】や【麻痺】系で突破された場合はすぐ追いかけて再ブロック
移動以外で副行動が可能なら飢え無き羅生門
不要なら防御集中

複数回行動発生時
飢え無き羅生門で回復
自身にBSか敵にバフが付与されている場合はリーガルブレイド
上記共に不要ならフレンジーステップ

戦闘中はなるべく敵の気を引く言動を行い、「私をください」をなるべく自身へ向けさせることで高回避による攻撃の無駄撃ちを狙い、被弾時も至近〜近のや自単の技のみコピーさせることでデッドコピーをより使いにくい技に抑える

【怒】を付与されている時は積極的にリーガルブレイドを使用してBS回復を図る
雨宮の方に攻撃が集中している際は自身にBSか敵にバフが付与されている時はリーガルブレイド
BS回復不要ならフレンジーステップで攻撃
雨宮 利香(p3p001254)
雨宿りの
喰い過ぎて自我が崩壊するなんて貧弱な奴ですねえ
こっちはこーみえてアレよりずっと魂取り込んでピンピンしてますけどねえ
魂が無い奴に無茶言うな?そうですか

レライムにはヒーラーをお願いしましょう…どっかのアイツを思い出すんですよねー
まあいいや

花丸、武器商人が健在の時は雷翼で飛行を発動、攻撃役に回る
基本は炎月輪を放ちスマッシュヒットによるダメージBS狙いとBS回復を兼ねた天衣無縫を交えて戦います
戦いの最中顔の変化から敵の攻撃手段を予測し、付与スキル持ちのそれに代わった時は統率で【ブレイク】を指示し、私自身も雷迅月翔斬でブレイクしつつショックを狙い、刺されば炎月輪のコンボを

万が一、【飛】や麻痺系で二人が動けなくなった時はテンプテーションを放ち怒り付与を狙っていきます、もし怒りが刺さればは二人に一時的に攻撃に回る様にお願いしましょうか…あぁ憎たらしい顔ですね。でもご安心を、『私』が一番倒しにくいのは私みたいな性能の奴ですからね!
「選手交代にはまだ早いですよ?いひひっ!」
武器商人さんや花丸さんが倒れた場合は選手交代。ブロックの数が足りれば地面に降りてブロック、花丸さんが倒れた場合はテンプテーション→副行動で着地という形で完全防御の構えを取りつつ怒りを維持し続けます

さて、手向けの言葉の一つでも考えておきますか
例えどんな存在であろうとも死は変わらぬもので御座います。どうかごゆっくりお休みくださいね?
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
※アドリブ歓迎

自我の獲得か
魂無きホルスの子供たちを取り込んでも駄目なら、生身の人間を取り込んだりしたら面白いことになるかも知れないね
ふふっ、興味はあるが、流石に試すわけにも行かないか
……悪いね。何かが違えばキミとも仲良くなれたかも知れないが、今は私が先に進むためにも倒させてもらうよ

●戦闘(一号戦)
回復役に徹する
攻撃役とは違い、私は地上で戦うよ

ブロックと攻撃は味方に任せ、敵の攻撃が届かない位置から回復による支援を行う。
ひとりが集中してダメージを受けている場合はミリアドハーモニクス
複数の味方がともダメージを受けている場合は、可能な限りの味方を範囲に捉えられる位置に移動して天使の詩

味方がBSを受けている場合は副行動でクェーサーアナライズを発動する
(発動に移動が必要な場合は副行動で移動し、主行動で発動)

【飛】などの攻撃で前衛がブロックを外された場合は、敵から距離を取る

また、自分の行動時、回復が必要ない場合はソウルストライクで攻撃

●その他
戦場に他のホルスの子供たちが乱入しないか警戒しておく
私は後衛の安全圏だし、警戒は請け負おう
一号に吸収されても厄介なので、他の敵が現れた場合はソウルストライクで攻撃
また、即座に味方に知らせる



さて、お別れだ
キミの眠りが安らかなものであることを祈っているよ
魂は無いかも知れないが、それでもキミのことは覚えておこう
ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)
氷雪の歌姫
あらあら、これはまた大きな泥人形ですことー。
遺跡の天井に頭がくっつきそうですわー。

◆戦闘
ディアノイマン、インフィニティバーンで自己強化を行い、接近されないように敵と20m程度の距離をとり、重詠恋華で攻撃を行いますー。
APが切れてしまった後は哀切のソネットで攻撃を続行いたしますわー。
基本的には飛行状態で対応し、敵の巨体の弱点、構造的弱点を狙って打ち崩すことを狙いますわー。
何となく怪しくて高所から狙いやすそうなのは、頭頂部や頭や首の後など、かしらー。
敵の図体はかなり大きいので、わたくし自身が飛びすぎて天井や構造物に身体をぶつけないよう注意しておきますー。
何だか歪んだ空間になって景色がごちゃまぜですので、混乱しないよう敵との距離を基準に自身の位置を常に確認しておきますわー。

また、巨体の足止めはお任せいたしますが、何らかの理由でブロックが解除された場合は再びブロックされるまでは攻撃可能距離から離れ、決して接近されないように試みますー。
そのまま、そのままー。ナイス足止めですわー。

◆私をください
味方の顔になる敵にはやや驚かされますが、その程度で攻撃の手が緩むことはございません。
なにせ、氷の如き冷血な姫にございますればー。


次々に顔を変え、技を変え。きっと依って立つものがなかったのですわねー。
もはや貴方は何者かである必要はありません。
静かにお眠りなさいなー。
歌ぐらいは手向けてあげられますのでー。
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
竜撃
そんだけ食ってまだ食い足りねえのか
そんだけ自分を求めてるっつーんなら、それも立派な自我な気はするがね
何にしろこんなやつを地上に出す訳にはいかねえ
ここでぶっ潰させて貰うぜ

俺は基本的に中距離から戦闘するぜ
ブロックは硬いやつらに任せて攻撃に集中する
攻撃する時は飛行で飛行戦闘状態になって攻撃するぜ
「俺の攻撃は痛ぇぞ!喰らいやがれ!!」
特攻状態の黒顎魔王を叩き込む
可能なら攻撃後は飛行を解除して自由落下で地上に戻る
無理ならそのまま飛行戦闘状態を維持し続けて戦うぜ
移動が必要ねえ時は攻撃集中するぜ

ブロックが外された時は移動で中距離を保ちつつ戦い、デッドコピーを受けねえようにしたい
流石にコイツの黒顎魔王は受けたくねえからな
「お前が自分を欲しいのはわかったけど、俺の顔はやりたくねえなぁ!」
敵が付与を使った時はアデプトアクションで剥がすぜ

もう一押しってところまで来た時は飛行状態で至近距離に移動する
「自分っつーのは他人から貰うもんじゃねえ!!自分で決めるもんだ!!」
下から副行動でハンズオブグローリーを捩じ込んで、同時に上から主行動で黒顎魔王を叩きつける!
「こいつで…終わりだぁああああ!!!」

戦闘が終わったら軽く声をかけてからトドメを刺す
「人間だって自分を求めて旅をする…なんてやつもいる。お前は最初から自分を持ってたんだよ」

>レライム指示
基本はダメージが大きいやつに回復優先
もう一押しで倒せそうなら攻撃に回る
エルス・ティーネ(p3p007325)
竜首狩り
「私達の攻撃をコピーしてくるだなんて
過去にそう言う敵と戦った事はあるけれども…
何にしても警戒しながらいきましょ!」

●行動
・攻撃の際は『飛行』使用
・ブレイクが必要な場合は『双鎌』使用
・対【飛】は再ブロックされるまで距離をとり、ブロック時に攻撃を再開
・デッドコピーの傾向が見られた際は距離をとる
「嫌な進化もあったものね…ドラゴンにしてもコレにしても
けれど、ネフェルストを脅かす脅威を…私が見過ごす訳ないのよ!」

●戦闘
・前衛アタッカーとして攻める
・攻撃は基本的に『双鎌』を中心に攻撃
・『野心』からの『黒顎魔王』や、『醒月』の使用は使用出来る隙があれば
・敵の動きには充分に警戒
・APの消費には気を使いつつ、AP切れの際は通常攻撃に切り替え
・HPAP回復はヒーラーに任せ攻めの姿勢
・急所を狙い、トドメがさせれば刺す
「私ね…こんな世界だから言えずにいたけれど
ホルスの子供達のような『紛い物』って嫌いなのよ
だってそうでしょう?
そんな紛い物に…王座を奪われたのだから」

●後に
・周囲を警戒
「他に敵はいないかしら?厳重に警戒しておかなきゃね」
「街の方はどうなっているかしら…」
(ホルスの子供達…これであなた達との戦いは終わるかしら
終わりなさい…紛い物との戦いなんて馬鹿馬鹿しい他ない
真は真でしかない、王は王でしかないように、ね
オリジナルの代わりに成り代われるわけがない…
ああ、またあの愚かな偽物の王を思い出してしまった)
笹木 花丸(p3p008689)
はなまるぱんち
敵味方の区別もなく周囲の目につく生命を取り込み続けるホルスの子供達、
特異ホルス一号…確かにこんな存在を地上に出すわけにはいかないよねっ!

それにしても今迄の子供達は名前を呼び、想起する事で姿を変えていた。
けど、アレは…そうじゃなかったって事なのかな?
って、戦う前にこんな事を考えてても仕方ないよねっ!

空間が歪んで戦場が砂漠地帯に変わってるって事だし、
砂に足を取られない様に低空飛行を心掛けておくね。

花丸ちゃんの役目は武器商人さんと連携して一号の動きを封じる事っ!

一号の下まで踏み込んでハイ・ウォールを活かしてブロックするねっ!
3人で動きを止められるって言うなら花丸ちゃんが二人分の働きをして、
武器商人さんと協力すれば十分に何とかなる…じゃない、してみせるんだっ!

移動不要時は防御集中。
範囲攻撃で吹き飛ばされそうなら何とか踏ん張るっ!
それでも吹き飛ばされたら直ぐに体勢を立て直して直ぐにブロックに復帰するねっ!

―また、変わった。
この子は誰かになりたいのかな?
それとも誰かじゃなくて、自分が欲しい…?
わかんない…けど、その今の在り方はきっと苦しいんだよね。

一号に怒りが付与されている間は拳闘を使って兎に角ぶん殴るねっ!
移動不要時は攻撃集中。

HPが心許なくなってきたらヴァルハラ・スタディオンで踏ん張るよっ!

貴方に名前が無いのなら名前をあげる。
本当はいけないのかもしれないけど…寂しいもんね。君の名前は―…。

リプレイ

●想定外と、特異運命座標
 吹き抜けるような青空と、砂塵舞う砂漠が目の前に広がっていた。
 ファルベライズ遺跡中枢に踏み込んだイレギュラーズ達を待ち受けていたのは、色宝の影響で歪んだ空間。
 そして、巨大な一体の泥人形……『仮称:特異ホルス一号』であった。
「なるほど……アレが報告にあった『特異ホルス一号』って奴だね」
 ふむん、と鼻を鳴らしながら、その巨体を見つめるは『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)。そして特異運命座標(イレギュラーズ)達だ。
「本当におおきいですわー」
 感心半分、『氷雪の歌姫』ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)が声をあげる。『一号』はまさに巨体だ。数メートル、もしかしたらそれ以上の巨人である。
「もしここが、ちゃんとした遺跡の中なら、きっと頭をぶつけてしまいますわねー。そうならないように、こんな景色の中にいるのかしら―」
 小首をかしげるユゥリアリア。前述したとおり、ここは遺跡の内部とは思えない、砂漠の景色が広がっている。
「或いは、ここが彼――彼女かも知れないが、とにかく『一号』の心象風景なのかもしれないね。それか、牢獄なのかもしれない……まぁ、地上を目指して移動しているわけだから、捕らえられているという訳ではないだろうが。しかし興味深いね。魂なきホルスの子供達を取り込んでだめなら、魂持つ生物を本当に取り込んだら、彼は『彼』になれるのかな? それとも、結局は元の在り様に引っ張られて、誰にも成れないのだろうか。まぁ、試すわけにはいかないが……おっと、失礼」
 こほん、とゼフィラが咳ばらいをした。
「『ホルスの子供達』は、名前を呼び、想起することで、姿形を変えていた……んだよね?」
 声をあげたのは、『はなまるぱんち』笹木 花丸(p3p008689)だ。
「けど、アレは……そうじゃなかったって事なのかな? 名前を呼んでも変化しなかった? それとも呼ばれなかったから変われなかった……?」
 ううん、と唸り、小首をかしげる。想定外の変化を遂げた、という事もあり、『一号』の成立については謎のままだ。そして研究者もいない以上、その謎が解かれることは無いだろう。
「どうなのかしらね。紛い物は所詮紛い物なのかもしれないわよ」
 ホルスの子供達に対する、些かの嫌悪の色をにじませながら、『砂食む想い』エルス・ティーネ(p3p007325)が言った。
「相手の目的がなんにせよ、私達にそれを達成させてやる理由はないわ。……それより、私達の力をコピーする、って言う能力が厄介よ。警戒していきましょ?」
 エルス・ティーネのいう通りではある。イレギュラーズ達は、ここに調査に訪れたわけではない。『巨人殺し』を行うために来たのであり、まずは戦闘に思考を費やすべきなのかもしれない。
「あの巨体が相手だ。地上から相手をするより、空中から攻撃する方が的確に相手の弱点をつけるだろう」
 『剣砕きの』ラダ・ジグリ(p3p000271)が告げる――敵は巨体だ。それ故に、対処方法としては二つ。相手と同じ巨大のフィールドに立つか、或いはこちらが小さい事を生かし、徹底的にかき回してやるか。
「もちろん、リスクのある行為だ。だが、安全のみを選択して戦っていても、損害は増えると私は考える……どうだろうか?」
「いいと思うぜ」
 『竜撃』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)が言った。
「俺としても、ちまちまやるのは性に合わない。敵も厄介な奴だろう? さっさと倒しちまうに限る」
「いひひ、じゃあ決まりですねぇ」
 『雨宿りの』雨宮 利香(p3p001254)が言った。
「アタッカーは空を飛んで戦う。抑えに、花丸さんと武器商人さん……お願いできます?」
「もちろんだとも。我(アタシ)としても、そのつもりだったからねぇ」
 『闇之雲』武器商人(p3p001107)が頷いた。
「で、レライムさんは……援護、お願いします。なるべく離れて……」
 そう言ってレライムの顔を見た利香は一瞬、眉をひそめて、頭を掻いた。
「ん。どうかした?」
 レライムが尋ねるのへ、利香は苦笑した。
「んー、いや、別にレライムさんがどうこうってわけじゃないんですが……知り合い(アイツ)を思い出してしまって」
「へー、なるほど」そう言って、レライムはむに、と自身のほっぺたに触れると、「そのアイツさんによろしくね。仲良くなれるかも」と言った。
「はいはい。じゃ、そのためにも、お互い無事に帰りましょう」
 利香の言葉に、レライムは頷く。
「さて、準備はいいかい?」
 武器商人の言葉に、仲間達は頷く。
「笹木の方。ちょっときつい仕事だけど、よろしく頼むよ」
「おっけー、おっけー! 花丸ちゃんにお任せ!」
 花丸は笑って返すのへ、武器商人もまた薄く笑った。
「さぁ、行こうか……」
 そう言って、武器商人が仲間達へ告げる。一行は、巨人へ向けて一気に駆けだした。
「すこし、お話をしようじゃないか。『私』よ」
 誰にも聞こえぬように、武器商人が呟く。その言葉は、他の誰かに届くことなく、砂塵と風にまかれていった。

●私たちの戦い
「なるべく高度をあげろ! 弱点を探し出して、そこを集中攻撃するんだ!」
 『宙を走りながら』、ラダが叫ぶ。振り下ろされた『一号』の拳が大地に後を穿ち、巻き起こる砂煙が視界を遮る。
「くっ……衝撃波だけでもなかなかの威力だ……!」
 土埃がバタバタと肌を叩く。ラダは舌打ちしつつ宙を走る。一瞬前までラダが居た空間を、巨大な岩が通り過ぎた。『一号』の放った、岩石の銃弾である。
「接近するわ! 利香さん、サポート! お願い!」
「いいわよ――さぁ、燃えちゃいなさい!」
 エルス・ティーネの言葉に、答えた利香は夢魔の翼で宙を舞う。その飛翔の軌跡を追うように振るわれる魔の鞭。尾を引くように無数の炎が生み出され、次々と発射されていく。ボン! という破裂音が連続し、『一号』の右腕の表面で破裂した。その爆発の衝撃は、巨体とは言えど腕の動きを鈍らせた。
「嫌な進化もあったものね……ドラゴンにしてもコレにしても」
 呟きながら、その隙をついてエルス・ティーネは飛翔する。爆発により動きを固められた右腕の付け根に向って、手にした大鎌を振り下ろす!
「けれど、ネフェルストを脅かす脅威を……私が見過ごす訳ないのよ!」
 鋭い斬撃が、『一号』の泥の肉を裂いた。腕の付け根あたりの弱点を見事に切り裂いた。それは、ため込んだ色宝の欠片の一部が収納されていた場所で、宝石のような色宝の欠片が、血飛沫のように吹き出していく。
「ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!!」
 『一号』が、吠えた。何か大切なものを失っていくのに、怯えるような声だった。
「ため込んだ『私』という事……? でも、それだって結局、偽りに過ぎないのよ……!」
 エルス・ティーネが腕の付け根を蹴って飛翔する。次の瞬間、暴れるように振り回された腕が、その場を通り過ぎた。風圧がエルス・ティーネをもみくちゃにして、その高度を下げさせる。地に向って、自由落下していく――。
「おっと!」
 落下するエルス・ティーネの下へと滑り込んだのは、ゼフィラだった。墜落寸前で抱き留める。
「無事だね? 酷な事を言うようだが、まだ飛べるかい?」
 治療術式をかけつつ、ゼフィラが言う。
「ええ、後方のサポート、引き続きお願い!」
 叫び、エルス・ティーネは再び砂塵の空をはばたく。
「まかせたまえ。誰一人、死なせはしないと約束しよう」
 ゼフィラは不敵に笑った。

 一方、イレギュラーズ達による打撃を受けた『一号』も、ただやられているわけではない。その身をよじらせ、その巨大な腕を振るい、岩石の弾丸を打ち出す。そんな巨体を押しとどめている小さな二つの影があった。
「キミをこれ以上、先へは進ませないっ!」
 一つは、花丸だ。その姿は小柄ながら、しかしその身を支える気迫は巨人に負けてはいない。その身を挺して、巨人の抑えとしての真価を発揮している。
 そして共に巨人を抑えるのは、武器商人だ。二人による足かせが、巨体の進行を押しとどめていた。
「ヲヲヲヲッ!!」
 『一号』が吠える。振り下ろされた拳が、武器商人に直撃。激しいインパクトが砂埃を巻き上げ、
「武器商人さん!」
 花丸が叫ぶ。確かにつぶれた。確かに死んだ。だが、拳を持ち上げられた先に立っていたのは、変わらず微笑(わら)う武器商人の姿だった。
「ああ、『私』よ。分からないのだろうね。コミュニケイションと言うものの取り方が、『私』よ、キミにはわからなかったんだねぇ」
 少しだけ――口を真一文字に結んだ。
「ならば『私』よ。君は本当に、まったく、孤独であったのだね」
 そう言った瞬間、『一号』の顔に変化が発生した。その顔からぱらぱらと泥がこぼれ、瞬く間に、『誰かの顔』へと変わっていく。
 それは、武器商人の顔だった。中途半端に複製された、武器商人の顔。本質をコピーできたわけではない。ただ上っ面だけを真似ただけの、顔だった。
「変わった……!? この子は、『誰か』になりたいの……? 他のホルスの子供達みたいに?」
 花丸が言った。武器商人は、静かに頭を振った。
「その問いの答えは『是』であり『非』だよ、笹木の方。この子はね、『私』を……『自分』と言う個を求めているのさ」
 可哀そうにねぇ、と武器商人は言った。
「自分……? 個性とか、個人の人格って事? そんなの、生まれたら誰だって持ってる……あっ」
 花丸は、刹那、理解して声をあげた。
 『ホルスの子供達』とは、つまり『誰か』になるために生まれてきたものである。それは、本来持っている『個』と言うものを捨てて、『誰か』に成り代わると……個などと言うものはもともと存在しないことになる。
 しかしながら、この『一号』……想定外とされたこの個体は、例外的に、『自我』を持って生まれてしまった。だが、『ホルスの子供達』と言う在り方が、それが『自我』であり、『個』である事を、本能の段階で理解できなかったのである。
「じゃあ、この子は、『探しているものを持っているのに、それが分からなくてずっと間違ったことをしている』って事?」
「そう。間違っている――そして、そのことにきっと、自分じゃ気づけないんだろう。寂しいねぇ。まるで道化じゃないか。この子もまた、この世に生を受けたはずなのにねぇ」
 花丸はあっけにとられた。そんなのは……悲しすぎる。
「ねぇ、武器商人さん!」
 花丸は叫んだ。
「どうやったら、この子を救えると思う!?」
 武器商人は一瞬、あっけにとられた様に口を開いた――それから、ひひひ、と笑い声をあげた。
「そうさねぇ、ここはひとつ、この子達の流儀に乗っ取ってみるのはどうだい? もちろん、仕事は終えてからだけれどね」

「さぁ、押して圧していきますのー」
 ユゥリアリアが放つ氷の槍。砂塵を切り裂いて飛来するそれが、『一号』の左手を貫いた。体のバランスを崩すように放たれたその一撃によって、『一号』が地に左手をつく。
「手は休めませんのー。ずうっと、尻もちをついていてもらいますわー」
 にっこりと笑い、ユゥリアリアは苛烈な氷の槍の乱舞を放ち続ける。血液を媒介にした、赤の氷の槍が、杭のように次々と『一号』の左手に突き刺さり、大地へと縫い留めた。
「そのままだ、ユゥリアリア!」
 ルカが叫び、氷の槍の合間を縫って飛翔する。次々と着弾する氷の槍をしり目に、完全に隙を晒した形の左腕の付け根に向けて、
「俺の攻撃は痛ぇぞ! 喰らいやがれ!!」
 黒の顎を解き放つ! 大口を開けた黒顎は、左腕の付け根にかじりついた。黒顎が閉じると同時に、左腕は噛みちぎられ、巨体がついに倒れ伏した。噛み傷から無数の色宝の欠片を放出しながら、
「ヲヲヲヲヲッ!!!」
 『一号』が吠える。のたうつ身体に、利香の炎のリングが次々と着弾。爆風をあげていった。じりじりと、泥を焼く匂いがあたりに立ち昇った。表面を焼いていた焔は体の内側まで、確実にそのダメージを浸透させていく。
 『一号』は千切れそうな右腕を、反射的に振るった。その手の先端が、利香の身体を撫ぜた瞬間、『一号』の顔が利香のモノへと変貌する。
「あぁ、憎たらしい顔ですね」
 利香が眉をひそめた。一方、再度立ち上がろうと右手を突っ張る『一号』。その腕の付け根に、銃弾が突き刺さった。
「起こすな! 倒したまま攻撃を続行するぞ!」
 ラダは叫び、まったく同じ着弾位置に、もう一発の銃弾を送り込む。構造的欠点を貫かれた『一号』の右腕が、ついに千切れ飛んだ。右腕が、泥の山へと変貌し、『一号』本体が再びその身体を大地へと横たえる。
「この機を逃すな! 全員一斉攻撃にうつりたまえ!」
 ゼフィラの号令に後押しされ、イレギュラーズ達が一斉攻撃の態勢に入る。
「自分っつーのは他人から貰うもんじゃねえ!! 自分で決めるもんだ!!」
 ルカが叫び、『一号』へと肉薄した。『黒犬』のレプリカを片手で振るいあげ、泥の山に叩きつけるように、『一号』の身体を斬りつける。
「馬鹿野郎が。お前はきっと、もう『自分』を持ってたんだ……」
 どう、と音を立てて、その泥が爆散した。血飛沫のように舞い上がる、泥。そして飲み込まれていた色宝の欠片たち。
(……私ね……こんな世界だから言えずにいたけれど……。
 ホルスの子供達のような『紛い物』って嫌いなのよ……!)
 胸中で呟き、エルス・ティーネは手にした大鎌を振り上げる。斬。衝撃波が、『一号』の首筋へと走った。泣き別れとなった首が、泥へと溶けていく。
「……だってそうでしょう? そんな紛い物に……王座を奪われたのだから」
 小さな呟きは、ざざざ、ざざざ、と泥が融けていく音にかき消されていく。泥の巨人が、泥の山へと変貌していく。ずずず、ずずず、と流れるように、泥が落ち、零れ――その合間から、無数の色宝の欠片が――『取り込んだ誰かの欠片』が零れ落ちていく。
「ヲヲヲヲヲ……ヲヲヲヲ……」
 その呻き声は、溶けた頭から聞こえてきたわけではなかった。心臓の位置。泥人形の胸。その位置から、深い、深いその位置から、響く様であった。
 エルス・ティーネは、大鎌を器用に振るうと、胸の位置に突き刺して、その声の主を取り上げた。
 それは、赤子のように小さな、泥人形だった。
「まぁ、それが、『一号』の本体ですのねー」
 ユゥリアリアが声をあげる。
「ええ。これで終わりよ」
 エルス・ティーネが泥人形を地へと横たえ、その首筋に大鎌の刃を当てた――時。
「待って!」
 声が響いた。
「ちょっとだけ……待って!」
 花丸の声だった。

●さようなら、『私』という祝福
「……分かった。あなたがそうしたいなら、止めないわ」
 エルス・ティーネは静かに息を吐くと、踵を返した。
「……周囲を警戒してくるわ。そのあいだに、済ませておいて」
 エルス・ティーネは泥の山から飛び降りて、消える。
 花丸は、その泥人形を抱き上げた。
 花丸が提案した事とは、この泥人形に新たな名前を与えてやる事だった。死者の名前でないのならば、ホルスの子供達として再生することは無い。これは、武器商人の提案でもあった。この泥人形が個を求めていたのなら、最後にそれを与えてやりたい。この場にいた仲間達も何人かは、想いを同じくするところだった。
「……って。勢いで言ったけど……名前。どうしよう」
 花丸が苦笑するのへ、
「では、アポープ、はどうかな」
 ラダが微笑しつつ、言った。
「巨人、と言う意味だ……まぁ、今は小さいけれど。ぴったりだとは思う」
 うん、と花丸は頷いた。
「アポープ。あなたは、アポープだよ」
 そう言った瞬間、泥人形に変化が現れた。その顔が、『私』の顔になった。それは、この世の誰でもない、初めて世界に生まれた顔だった。
 おぎゃあ、おぎゃあ、アポープは泣いた。それは、産声だった。この時初めて、アポープはアポープとして、生まれたのだ。
 ……だが、その命の脈動も、僅かな時間のモノでしかなかった。消耗しきった身体は徐々に崩れ始め、泥へと溶けていく。
 あ、と花丸が声をあげた時には、もうそれは泥の塊になっていた。少しだけ泣きそうになった花丸に、
「いいのさ」
 と、それだけ、武器商人が言った。
 アポープは生まれ、僅かな時間精一杯生きて、散って行った。しかしそれは、アポープにとって間違いなく、救いだった。
「例えどんな存在であろうとも死は変わらぬもので御座います。どうかごゆっくりお休みくださいね?」
 利香が言う。ユゥリアリアは、静かに歌を紡いでいた。それは生を祝福する歌であり、死を送る歌であった。
「人間だって自分を求めて旅をする……なんてやつもいる。お前は最初から自分を持ってたんだよ」
 ルカが呟いた。確かにアポープは、自分を持っていたのだろう。でも気づけなかった。それはとても寂しく、悲しい事だった。
「でも……今は。彼の眠りが安らかなる事を、祈ろう」
 ゼフィラの言葉に、仲間達は頷いた。

 静かな風だけが、世界に吹いていた。
 送るものと、送られるもの。
 エルス・ティーネは、そんな彼らをぼんやりと眺めながら、
(ホルスの子供達……これであなた達との戦いは終わるかしら)
 静かに胸中で呟いた。その脳裏に、紛い物の王の姿を思い浮かべながら。

成否

成功

MVP

笹木 花丸(p3p008689)
はなまるぱんち

状態異常

なし

あとがき

 ご参加ありがとうございました。
 今はただ静かに、遺跡の中に、アポープは眠っています。

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