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シナリオ詳細

海は広いな大きいな

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 ネオ・フロンティア海洋王国。
 大陸の東側に点在する諸島郡を範囲とし、ひとつの国として成る国だ。
 海と密接に関わるその国は、夏に増加する観光客への対策に追われていた。
 それは、交通の整備であったり、観光収入の為の催し準備だったり様々だ。そして、特に忙しく重要な仕事は、
「……出たぞ、サハギンだ。ソルベ様に報せろ」
 海上、海中で暴れるモンスターの処理だ。
 個体ごとに差はあるが、島周辺の浅瀬まで近づいてくるサハギンはこの時期、珍しくない。生まれて間もないモンスターは、恐れ知らずに人の領域へ近づいてくるのだ。
 だから、今処理をする。
 今まではそうだったし、これからもそうなる。

 ……はずだった。


「そんなわけで、今回は海だ」
 皆、海は好きかい? と、急遽集めたイレギュラーズ達の前で、『黒猫の』ショウ(p3n000005)はそう言った。
「大規模召喚は、当事者も多いから知っているな。その影響か、海の荒れ方はこれまでと違ってきている」
 今まで対抗出来ていた事案でも、今年は少し事情が違う。その一つとして、モンスターの発生頻度の変化だ。
 それに危機感を持ったのか、最近活躍中のローレットへ助力を求めてきたというわけで。
「しかも今回の依頼、ソルベ・ジェラート・コンテュールからのものだ」
 それは、ネオ・フロンティア海洋王国貴族派筆頭の名前だ。
「これはチャンスだ。幻想だけではなく、諸国との繋がりを持つことは、俺たちギルドにとって願ってもない」
 だから、と前置きをしたショウは、依頼内容の説明を始める。
「要請はサハギンの討伐だ。ヒレの付いた二足で歩き、魚の体でありながら人と変わらない腕を持つ怪物。これが、首都であるリッツパーク近海に来ているらしい」
 まだ上陸はしていないが、放置すれば群れを成した怪物が島を荒らすのは目に見えている。
「それを君たちに討伐してもらいたい。それも、可能な限り多くだ」
 戦闘しやすいように足場を広く改良して船で沖に出て、襲ってくるサハギンを蹴散らせということらしい。
「群れを成したサハギンには、いわゆるリーダーの存在はない。欲望のままに襲い、本能のままに逃げる。だから、君たちがサハギンを狩り続ければ、恐れたサハギンは暫く島に近づこうとは思わないはずだ。とはいえ、軽んじていては怪我をする。だから、ノルマとして10体の撃破を目標にしてくれ」
 引き際を弁えた上で、大暴れしてきてくれ。
 と、そう締めたショウは、イレギュラーズをネオ・フロンティアへと送り出すのだった。

GMコメント

ユズキです。
 ……うーみー!!!!

●依頼達成条件
 ・サハギン10体以上の撃破

●目標敵
 ・サハギン
 気持ち悪い怪物。たら積みとかはしません。
 主な攻撃方法は手に持つ三叉槍の様な長柄刃物で斬りつけてきます。

●ポイント
 船上は船の上。サハギンは海からぴょいーんと飛んで乗り込んできますので適宜蹴散らしましょう。
 問題は船の広さがそこそこの広さしかない、ということです。
 レンジに気を付けましょう。
 また、ノルマ達成後は「かえりたい!」と言えば同席する操舵士が船を戻してくれます。無理はしないでいきましょう。操舵士はよほどの事がない限り安全です。
 
 それでは、参加をお待ちしてます。

  • 海は広いな大きいな完了
  • GM名ユズキ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年06月03日 21時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

エーリカ・メルカノワ(p3p000117)
夜のいろ
ラダ・ジグリ(p3p000271)
剣砕きの
ルアナ・テルフォード(p3p000291)
絶望を砕く者
ユーリエ・シュトラール(p3p001160)
優愛の吸血種
クィニー・ザルファー(p3p001779)
QZ
鬼桜 雪之丞(p3p002312)
玲瓏の壁
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
城之崎・遼人(p3p004667)
自称・埋め立てゴミ

リプレイ


 波を割きながら、船は進んでいた。
 桟橋を出発して、沖へと進むそれには、八人のイレギュラーズが乗り込んでいる。
「きれい」
 真上に広がる雲の無い空。船首が割って広がる波間。そして、水平線に溶ける境界線。
 それら一面の青を眺めて、『夜鷹』エーリカ・マルトリッツ(p3p000117)は思う。
 きれいだと。
 そうしてぼんやりとする視界の端、映った仲間の姿に彼女は気を引かれた。
 俯きがちで、どこか影の射す表情を見せるのは、異世界から喚ばれた少年、『自称・埋め立てゴミ』城之崎・遼人(p3p004667)だ。
 何を考えているのか。どうしてそんな顔をしているのか。考えても、エーリカに彼の心が解るはずもない。
 それでも。
「あの……」
 掛けた声に振り向く、その顔に。
 不安や怯えが見えるから、彼女は言葉を作った。
「痛いときは、なおすから。こわくないように、がんばるから」
 あー、うー、と上手い言葉を模索するエーリカに、遼人は目線を逸らして息を吐く。
「足だけは引っ張らないようにするよ」
 どこかひねくれたような口ぶりをする彼だが、励まそうと気にかけてくれた事はちゃんと解っていた。
 だから、ぼそりと。
「……ありがとう」
 と、緊張が和らいだお礼を告げた。
 そんな姿を見ていた『QZ』クィニー・ザルファー(p3p001779)は、潮風になびくブロンドを片手で押さえる。
「……夜鷹ちゃんは良い子だねぇ」
 と、微笑みを浮かべて言いながら、「そういえば」と向けていた視線を海の青に変え、思考を沈ませて思う。
 ……初デートも海洋だったよね。
 と、ここには居ない、恋人と過ごした一時を。
 鮮やかな記憶はやる気に繋がり、頷きを一つ入れ、
「うん、守りたい。……よし、がんばるぞ」
 そう自分に言い聞かせ、彼女は背後を見た。
 そこにあるのは、四方に壁を作られた操舵室だ。視界を取る為に目の高さをガラス張りにしたその部屋は、ベニヤの屋根が塞いでいる。
 そしてその屋根に、海を観察する『笑顔の体現者』ユーリエ・シュトラール(p3p001160)がいた。
「どう、なんかありそ?」
 掛けられる声に、ユーリエは広い海を視線で撫でながら、
「そうだね、なんかはあるかな」
 そう答え、飛び込んでくる青に目を染める。
 混沌に来て初めての海だ。
 そんな楽しみをもっていただけに、波間に揺蕩う影を捉えるのは、気持ちに水を刺される様なものかもしれない。
「アーリアさんも、見えてる?」
「ええ~、ばっちりよぉ」
 確認する声は、ファミリアーの烏で策敵を行っている『酔興』アーリア・スピリッツ(p3p004400)だ。
 恐らく同じものを見ている。そう判断した二人は、
「敵が来る」
 声を揃え、警告した。


「残念ねぇ」
 操舵室に背を預けたアーリアは、陣形を組む仲間の背中を見ながら一人ごちる。
 目の前に青い海、直上には晴天の空が広がっているのに、バカンスではなく怪物退治の依頼だなんて、と。
 でも。
「でも、ソルベ卿には以前、バカンスにご招待してもらったしねぇ」
 そのお礼も兼ねられるというなら、一肌脱ぐのは苦ではない。
「3時と10時の方向、二体ずつ……きてるわよぉ」
 だからアーリアは、3時方向から先に乗り込んでくるサハギンに向けて、遠距離からの魔術式をぶちこんだ。
「ゲギャー!」
 空を飛来する光は一体のサハギンを焼き、その痛みで敵は激昂する。
 そしてそこへ、『遠き光』ルアナ・テルフォード(p3p000291)が飛び込んでいった。
「こっちはルアナがやるよ!」
 宣言するより早く、手に握った剣を上段から振り下ろしに行く。正中線をなぞった軌跡は、サハギンに鮮血を噴き出させ、深手を与えた。
「……っとと」
 しかし、止めを刺すには深追いになる。並ぶ二体にそう判断したルアナは、片足を一歩下げて剣を構え直す。
 ……それにルアナ、泳げないし。
 落ちなければ問題ないない!の精神であるゆえに、無茶はしない。
 それに、
「本当に、面倒だよね」
 近づかなくても、仲間の援護がある。
 今回は、億劫を言葉にした遼人からの援護だった。
 中衛に位置した彼は、鋭く尖らせて作り出した魔法の銃弾を、瀕死のサハギンに撃ち込んで止めを刺す。
 しかしその間、フリーになるもう一体のサハギンは距離を詰めにかかっていた。
 詰めると言っても、相手は知能も無いただの魔物。近くに居たという理由で、ルアナへと突撃して武器を振るしか能がない。
「っ、と……行かせないよ!」
 だからルアナは、迫る穂先を剣の刃で受け止めた。
「10時の方向からも、来るよ!」
 トンッ、と中衛に降りたユーリエの言葉の通りに、海面を跳ねたサハギンが二体、船の床へ落ちてくる。
 それを、QZは眼下に見た。
 体を宙に浮かせた彼女は、起き上がりの動きを見せる敵に、
「ーーさっさと終わらせようか」
 宣言と同時の攻撃を行う。
 広域範囲を対象にしたその攻撃は、サハギンの注意を浮かぶQZに向けさせた。
 その隙を、『朱鬼』鬼桜 雪之丞(p3p002312)が狙う。
 小さな体で飛び込むのは、上を向いたサハギンの懐。がら空きのそこへの侵入を果たす。
 そうして鞘から刀を抜く所作の合間に、雪之丞に気づいたサハギンは迎撃の動きを見せた。
 穂先を下に向け、上から打ち下ろす様に斬り付けた槍は、雪之丞の綺麗な肌を斬り裂く。
「それでは」
 だがそれを、彼女は気にも止めない。
 スラリと抜かれた刀を、振り切る様に一閃すると、それはサハギンのエラに食い込み止まる。
「斬らせていただきます」
 そして、刃を引くように滑らせると、サハギンの身体は綺麗に斬り離れた。
「二足歩行の怪物……まるで絵巻物の様な姿でございますね」
 血払いをしながらそんな感想を漏らす雪之丞の横手に、もう一体のサハギンが来ていた。
 隙だらけの獲物を見つけた、と、そう勇むサハギンを彼女は一瞥して、
「無駄、でございます」
 告げる。
 そして言葉の通り、それは無駄になった。
「ちょっとギリだけどね」
 サハギンの攻撃を止めたのは、ユーリエの放つ幾数かの鎖によるものだ。
 がんじがらめに絡められたサハギンは身動きも取れないままに、
「十分だ」
 『尾花栗毛』ラダ・ジグリ(p3p000271)の用いるライフルに撃ち抜かれた。
 元々は対戦車用に作られた銃弾だ。装甲をぶち抜く為の徹甲弾を、なす術なく食らったサハギンの肉は、白身を見せながら爆散する。
「人生初の海でこれとはな」
 景色も風も気持ちの良いものなのに、と、ラダは内心思う。
 ……どうにも落ち着かないな。
 ライフルに弾を込めながら、残った逆側の一体を見ると、ちょうど仕留め終えたところだ。
「……終わり?」
 訪れた束の間の静けさに、誰かが言った。
 情報よりも敵の数が少ない……?
 と、そんな予感が過った時、
「ーーいいえ、来るわよぉ」
 アーリアの声に、全員が構えをとった。
「どこから来るの!」
「うぅーん……あっちこっちから、たくさん?」
 そして言い終わらない内に、船の舳先を囲うように、サハギンが飛び込んでくる。
 数は六体。敵意を剥き出しにした新鮮な怪魚だ。
 そいつらが、槍を手に突撃してくる。
「先程はただの様子見、でしょうか。こんな生物もいるとは。本当に、この世界は飽きませぬ」
「……ここは敵のフィールドだと言うのを忘れてはいけないな。最後まで、気を抜かずにいこう」


 後衛に位置したエーリカは、船上での動きを見ていた。
 斬られ、撃たれるサハギンを、可哀想だと感じながらも、
「ごめんね。でも、ヒトの領域に踏み込むのは、だめだから」
 こちら側にはこちら側の事情がある。と、そう思い、増援の敵へ意識を向けた。
 飛び乗ってきたサハギンがまず行ったのは、各方面からの総突撃だ。
 それを、前衛組が押し止める為に動いている。
 ルアナと雪之丞は相対する二体を前に応戦の形を取り、QZは槍で一体を抑えつつ手にした拳銃ですり抜けたサハギンの背中を撃って足止めをした。
「防御は任せてーーって言いたいけど、ごめんそっちよろしく!」
 そうして抜けた敵の前に、遼人が割り込む。振り上げられる槍に怯まず、ガードの上から斬られる腕をそのままに、無事な手のひらをサハギンの顔に向ける。
「後ろには、通さない」
 決意と共に放った術式が顔を撃ち、サハギンの動きをすくませる。
「わたしが手当てを」
「なら、私が仕留める!」
 短い声掛けは、役割の確認だ。
 エーリカが遼人の傷を癒し、遼人が作った隙をユーリエが突く。
 行ったのは、武器へのエンチャント。炎の様な揺らめきを持つ剣に、黒い炎を纏わせたユーリエは、それを用いてサハギンを焼き斬る。
 だが一体を処理したところで、まだ存命のもう一体がさらに踏み込もうと前へ。
 対処出来るのは、アーリアとラダの二人だ。
 だから、そのように動く。
 迎える様に出たのは、ラダだ。
 三ツ又に別れた穂先が迫ると、刃と刃の間にライフルの銃身を差し込んで受け止める。そうやって止めた後は、ライフルを回すように捻って槍を絡めとり、大きく下へと引いた。
 そうしてサハギンの体勢を大きく崩してから胴へ蹴りを入れ、距離を少し開けさせてから、
「ーーっ!」
 銃身を握り、硬いグリップが当たるようにフルスイングで打ち抜いた。
「アーリア!」
「はいはぁ~い」
 強打に足をもつれさせたサハギンは、右舷の縁へと後退する。
 そこを、呼ばれたアーリアが狙い打つ。
 海を彷彿とさせる青色の衝撃が飛び、鱗を撒き散らしながらサハギンは海へと落ちていく。
「後ろはオッケー、後は……」
「ルアナ達の番だね!」
 防御から攻勢に切り替えたQZのスタイルは、槍と銃による異種の二刀流だ。
 敵の攻撃を槍で捌き、射線の空いた胴体へ弾丸を連射する。
「器用でございますね」
 身を刻む傷が増える中、雪之丞はQZの戦いを端的に評した。
 まるで無視するような彼女の振る舞いに、サハギンは突破を試みる様に突撃。
「通しませぬ」
 それを、雪之丞は身体を回して回避する。刀の握りを逆手に持ち変え、裏拳を打つ様に敵へと突き刺し、
「帰らせませぬ」
 そのまま順手に持ち直して、股下に抜けるよう引き下ろした。
「諦めて、藻屑として海へと還るがよろしいでしょう」
 処理を終える頃には、彼女の傷は塞がっていた。


 ルアナの手にした剣が、船に上った最後のサハギンを袈裟に分断する。
 それは、ノルマである10体の討伐が完了した事を意味していた。
「回復はまだ余力がある」
「前衛組も……うん、まだ平気そう」
 引くか、残るか。
 事前に決めた条件を確認しあい、彼らは残ることを決めた。
 次の波が来るまでの少々の隙に、船上にあるサハギンの死体はぼちゃんぼちゃんと海へ落としていく。
 ただ、戦闘の形跡という形で、船には生臭く磯の香りが少し漂っていた。
「……お酒に酔って船には酔わないけどぉ……この臭いはいやねぇ~」
 そんなことを思った所で、仲間の死体が落ちてくるのを海中で見たサハギン達が、何事かと船に上ってくる。
 そして、そこからの流れは、正に処理をするというに相応しいものだった。
 元々から、役割をきっちり分けていたのがよかったのだろう。
 疎らに、しかも数体ずつで上ってくるサハギンは、前衛が食い止め、中衛が削り、後衛が止めや回復のフォローをする形で仕留められていく。
 それでも、蓄積する疲労と傷は目に見えて増える。攻撃は簡素で単調になり、対応出来ていた事が出来なくなっていく。
 そうして余すこと無く全員が肩で息をする頃、船の進路が島へと向けられる。
「……追って来ないようだ」
 呟いたのは遼人だった。
 見る先には、海面から顔を出すサハギン達が見える。離れる船を眺めながら、しかし追ってくる事はしない。
 むしろ、もう戦う事は無いと思ったのか、我先にと海中へ逃げる様に潜り、姿を消していく。
「……ふぅ」
 それを見て、本当に戦闘が終わった事を実感した遼人は、どさっと腰を落として緊張を解いた。
「はー、終わったねぇ」
 それに倣うわけではないが、QZも両手の武器を納め、力を抜いて海を見る。
「地道な仕事でも、少しは海洋の役に立てたかな?」
 そうだったら嬉しいなぁ~、と思いつつ、口では「疲れたぁー」と息を吐いた。
 陸へと帰る船の後ろでは、割ける様な引き波が跡を作り、波に消えていく。
 ざぷんと揺れるそれに揉まれる様に、サハギンだったものが崩れて消える。
「……ごめんね」
 命を奪う罪悪感を、ルアナは吐き出した。ちゃんとした棲み分けさえできていれば……と、そんな事を思い、
「陸でも海でも、棲み分けは大事だ。人間優先にしている自覚はあるが」
 それを察してか知らずか、ラダがその吐き出しを拾う。
「強者が優位に立つ。それも、世の習いだ」
 そう言って眺める海には、もう戦いの痕跡は一つも無くなっていた。
 あるのはただ、一面の青色。海洋が誇る象徴だけだ。
「帰りの船旅くらいは、この青を楽しんでも許されるかしらぁ」
 そして、
「これで、みんなが安心して夏を迎えられるといいな」
 きっと今年の夏は、いつでもこの海を楽しんでいける。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

ユズキです。
海にはぜひ競泳水着でお越しください女の子。
以上です。

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