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シナリオ詳細

深緑ダイナマイトチョコミン塔

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●森林迷宮っていう割に迷宮要素なくてテンサゲというそこの貴方!
「どっかの観光客がミントハーモニアが現れるとかホラ吹いたお陰で調査に来てみたらマジでいたじゃねーかゆ。どうしてくれゆ」
「多分だけど僕関係ないよね? いや倒さなきゃイケなさそうなのは同意するけど!」
 『ポテサラハーモニア』パパス・デ・エンサルーダ (p3n000172)は某幻想種が大暴れした依頼の際にアト・サイン (p3p001394)が提唱した「ミントハーモニア」――以前現れたバンブーハーモニアや葛による幻想種洗脳事件の類縁が現れないかという危惧――が現実になることを恐れ、事前に怪しい要素を潰してまわろうと思っていた。
 思っていたのだが、なにもかもが遅すぎた。
「霊樹集落のひとつにカカオが生る霊樹があゆ。そこにどこから持ち込まれたのやら、ミントが繁殖を始めたゆ。幻想種達は早々に排除を始めたんだゆ。とーぜんゆ。でも、それでも排除しきれなかったどころか霊樹の大半を制圧したゆ。……なんでだと思ゆ?」
「いや、僕に聞かれても……待てよ、カカオ……ミント……まさか」
 アトは突然の前フリに驚きつつ灰色の脳を全開でぶん回す。その甲斐あってか、事態が見えてきた。
「そうだゆ。霊樹集落の個体のなかに裏切り者(ユダ)……『チョコミン党の使徒』がいたゆ。そいつのせいで霊樹集落内は固形化したチョコミントで制圧され、ところどころミントが繁茂して一部の幻想種が洗脳を受けたゆ。今回は霊樹集落の頂点部分にいる裏切り者をノす為に半迷宮化した霊樹集落を攻略して、洗脳された連中を不殺フィニッシュで洗脳から解き放つ依頼になゆ」
 わあ新鮮なダンジョンアタックだあ。
「ちなみに、ここを攻略する際にミント味のチョコが大量に発生するから適当に持って返っていいゆ。グラオ・クローネ近いし」
 いいのかそれは。
 ともかく、困っている幻想種がおり、攻略すべきダンジョンが生えたのでどうにかしないとならない。

●霊樹集落にて
「馬鹿なことを……貴様はミントの本当の恐ろしさを知らぬ。だから斯様な軽率な行いに走ったのだ」
「フフ、恐ろしいとは異なことを。ミントの繁殖力をこちらでコントロールすれば、被害など最小限。チョコミントを讃えるために、私は1年待ったのだ……!」
 霊樹集落を収めていた長は、最上部で裏切り者により捕らえられていた。彼はどうやら洗脳耐性がすごいらしく、日頃よりミントの危険性やハッカ油を使う時の程度問題を口うるさく伝えてきた過去がある。
 だが、裏切り者はそれを無視した。
 カチッ、カチッ、カチッ……と時計の秒針を刻むような音が聞こえる。
「ああ、呼び寄せてしまったか――奴等を……!」
 ブゥゥゥーーーーンン……。ブゥゥゥーーーーンン……。
「クソッ、だからミントを不用意に生やすなと……!」
 激しくなる羽音、秒針のような打撃音。
 迷宮は、その危険度を加速度的に増しつつあった――。

GMコメント

 温めてきたネタがおしゃかになったのでHATTEN(帽子かぶり野郎)させました。

●達成条件
 霊樹集落の奪還(裏切り者の撃破)

●失敗条件
 出現する虫達を撃破しない状態で50ターン経過後、未奪還の状態であること

●特記事項
 出現する敵の名前が全体的に長いです。
 皆で表記一致させるなら略称全然OKなんでよろしくお願いします。

●霊樹集落『チョコミン塔』
 もともとはカカオの木ベースの霊樹集落である。
 チョコミント化したことで最上部まで3層構造のダンジョン化しており、チョコをベースにした様々な仕掛けが設置されている。
 火炎系、熱量高めっぽいスキルを使用するとフィールド効果で「泥沼」付与判定(抵抗判定)を受ける。
 罠らしい罠というより、チョコミントの副次効果で滅茶苦茶虫系のモンスターが出現する。
 戦闘フィールドとしては最上階含めてそこまで戦闘に支障のある狭隘な場所ではないが、超機動によるアレコレができるほど広くはない。

●ミント洗脳幻想種×最大20程度
 ミントハーモニア。
 攻撃は弓や魔術など多彩。攻撃の全てに【火炎】【凍結】系BSが付随する(熱くてもl-メントール効果で冷たく感じるためこのBS系統が両立しうる)。
 結構回避高めなので注意。
 なお裏切り者当事者もちょっとステータス高いだけで同一ぐらいの性能である。

●スウィート・ビー×たくさん
 ミントの香りにつられてきた虫その1。
 針は物遠単・致死毒・必殺。
 顎は物至単・流血。

●シバンムシ×たくさん
 虫その2。放置しておくと霊樹集落が潰れる。秒針のような音のもと。
 顎の攻撃は神秘属性であり、ステータス低下系BSを多く備える。ただ、至近のみ。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 深緑ダイナマイトチョコミン塔完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年02月12日 22時30分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

サンディ・カルタ(p3p000438)
金庫破り
アト・サイン(p3p001394)
観光客
リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)
木漏れ日のフルール
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
奈落の虹
ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)
風吹かす狩人
フラーゴラ・トラモント(p3p008825)
星月を掬うひと
バーデス・L・ロンディ(p3p008981)
忘却の神獣
Я・E・D(p3p009532)
赤い頭巾の魔砲狼

リプレイ

●そうじゃないとは言わせねえんだわ
「しかしパパスの依頼に優先的にお呼びがかかると、あまるで僕がトンチキキャラみたいじゃないか。風評被害だぞ」
「どこがゆ。お前とあいつのせいが9割ゆ」
「アトさんの嘘から出た真だあ……お菓子で出来たダンジョンだなんて童話みたいだね……?」
「まってフラーゴラ、ちょっと待って」
 『観光客』アト・サイン(p3p001394)はこの惨状……霊樹集落がチョコミントに沈んだ現状を自分のせいだと思いたくなかった。秒で否定してくるパパスはともかく、『恋する探険家』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)のきらきらした視線からも挟撃されて彼の精神状況はズタボロだ。
「ん……ここはチョコミントのダンジョンなんだよね? じゃあ、壁とか食べて進んでもいーい?」
「あくまでメインは霊樹集落だかやあんまり推奨できねえゆ。なんて言えばいいかゆ……階段や調度品に分厚いチョコミントコーティングされてる感じゆ。壁は虫とキスしたいならアリだけど、建造物食べて魔力補充は……ちょっとそういうんじゃねえと思うゆ」
「ちょこみんと……おじいちゃんミント系はいいけどチョコが混ざると、こう、甘ったるい匂いで鼻がおかしくなりそうだヨ……オェ」
 『赤い頭巾の悪食狼』Я・E・D(p3p009532)は生来の悪食であるがゆえに、チョコミントという「普通に食べられるもの」に敏感に反応した。『風吹かす狩人』ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)はミントはミントでもミント煙草が好きなのであって、チョコミントは勘弁願いたいというのが本音だ。酒飲みは甘党を兼ねるが、喫煙者は往々にして苦手なのだ、甘味。
「チョコミン塔……なんだこの……何?」
 『風の囁き』サンディ・カルタ(p3p000438)はこの面子の中で最も常識的な反応を示した。無理解ゆえの、脳に広がる疑問符の発露。なお理解しようとしたメンバーは尽くがアレなこと言ってるしええやろ。
「何という事だ……もうすぐグラオ・クローネだというのにこんな……いやチョコミント別に嫌いじゃないけど」
「この、ダンジョンハ、少々、おかしい、デスネ?」
『魔風の主』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)はこの事態の裏にグラオ・クローネ絡みのなにかがあるのでは、と一瞬勘ぐったが次の瞬間に否定された。いや、ここまで自爆営業してまでアピらんだろうと。『忘却の神獣』バーデス・L・ロンディ(p3p008981)は周囲の反応というより、目の前に広がる霊樹集落のありさまがあまりにも現実離れしているため理解が追いついていなかった。そもそも深緑にあまり詳しくないという話は脇においておこう。
「チョコレートも冷えてればそれなりに硬さはあると思いますけど、塔の構成物に使われてるのはちょっと不安ですね。なるべく早く最上部へ向かって裏切り者を倒してしまいたいですね」
「まあ……塔自体は霊樹集落だから強度は問題ないゆ。ただ、これから昇る足場は大体チョコミントまみれだから踏んでる足場がそもそも不安定ってのはあゆ」
 『木漏れ日の魔法少女』リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)の疑問にはパパスが素早く応じた。邪魔する連中を排除しながら上へ上へと昇っていくダンジョンアタックで一番厄介なのは状況によって内部の形状が変わることにある。本体が崩れることはないが、チョコが溶けることで千変万化ともいえる変化を遂げる(そして不快な)この迷宮は、探索者達にとって非常に迷惑千万なものである。
「なるほど、3階立ての構造のダンジョンと考えればいいわけだ。じゃあ虫は罠だ」
「わくわく……じゃなくて何があるかわからないから気をつけようね。きっとチョコミントも珍しいものだからサンプルを持ち帰りたい……」
 至高を切り替えてダンジョン攻略の算段を立てるアトをチラチラ見つつ、チョコミントを持ち帰った「その後」をきっちり考えるフラーゴラの逞しさといったら。
「カァッ、羽音もうるさいし、虫退治で気を紛らわせようネ!」
 カチカチという針虫の顎音と蜂の羽音が騒々しい。恐らく窓などあれば蜂は侵入していよう。ジュルナットは辛抱たまらぬという感じで足を踏み出す。集落そのもの、そして周囲の環境音などから情報を引き出せていなければ無謀な突撃にすら見えたかもしれない。
「でもあれだよな。チョコミントのあのスーッとする感じのクールさとか爽やかさはちょーっと俺も見習った方がいいかもな。……今回の過激派からそーゆーのを感じねーのは残念だが」
 サンディは辛うじてミント擁護に回ろうとしたが、ダンジョン攻略過激派に捕食過激派、喫煙嫌甘過激派と過激派だらけのこの依頼で『クールとはなにか』という哲学の沼に浸かりそうだったので即座に考えないことにした。

●こんな展開望んでなかった
「来やがったな芋野郎ァ! 竹と葛の敵じゃァ!」
「やっぱりパパスがだいたい悪いんじゃないか!」
「知らねーゆ! お前ら商売敵の仇討ちとかどこの極道しぐさゆ!」
 イレギュラーズの霊樹集落探索行は、一歩目からいきなり手荒い歓迎だった。爽幻種の放つ弓は熱感を伴ってバンバン飛んでくるし、合間に魔術を混ぜる工夫も忘れない。そして自分達の動きすらも制限する溶けたチョコミントを気にも留めない態度は、明白な狂気が混じっている事がわかるだろう。5名布陣はさすがに厳重すぎない? アトもパパスを責めて正解だと思う。
「最上階の裏切り者以外に用は有りません! スルーしましょう!」
「これだけの数がいると完全無視もできないから……まず通り道を開く」
 リディアが焦り気味に告げる前方で、フラーゴラは皆を護る盾として敢えて攻めに転じた。両手から放たれた銀光は爽幻種達を壁に叩きつけ、溶け崩れたチョコミントまみれになり動きを鈍らせる。
「で、こんな美味しい環境を見逃す虫どもじゃねえってな! 分かってるぜ!」
「同士討ちは勘弁だヨ。倒すなら蜂がいい」
 サンディとジュルナットは壁を貫いて現れた針虫と群れになって突っ込んできた蜂へ、それぞれ全力の攻撃を叩き込む。サンディは呼び寄せた嵐で次々と針虫を巻き込むことで近付く前に動きを鈍らせ、ジュルナットは当たるを幸いに鉄の驟雨を叩き込む。相応の威力と厄介さを兼ねた両者の攻撃は蜂と針虫の機先を制すことに成功した。
「洗脳されてる人を殺すわけには行かないからね、これで倒れてくれるならいいんだけど……!」
「邪魔すんなよ、散れっての!」
 ウィリアムは神気閃光をバラ撒くことで爽幻種に当たれば動きを止め、虫達へはダメ押しの意味も籠めて叩き込まれていく。イレギュラーズが揃って本来の実力を上回る戦果を上げているのは、他ならぬリディアのサポートあってのことだ。布陣を崩さぬように進むという、ただそれだけの行為がこの混乱した状況では想像以上に強い。
「んー、虫を齧った味わいもまた――痛ッ!?」
 Я・E・Dは針虫や蜂が近付くたびに貪欲に噛み付いていくが、されど奴等とてただやられるだけの虫ではない。針虫はその顎、蜂はいわずもがな毒針が強大な武器たりえる……つまり不用意に口に含めば、その代価を己の口内で払うことになるわけだ。間髪入れず噛みつき続けることで食い殺すことには成功したが、魔力よりもっと大事なものを失った気がしないでもないのだった。
「アチコチが、溶けテ、いまスネ。これハ……」
「こっちも暴れてるけどあっちの矢もあちこちに飛んでるからね。もしかしたらその為の矢……?」
 バーデスの疑問に応じたフラーゴラは、この霊樹集落をミントに沈めた裏切り者の爽幻種が、もしかしたらそれすらも加味して守りの姿勢に入ったのではないか、とさえ思った。
「……よっと」
 アトはこの状況に至って、それでも余裕を崩さない。溶け出したミントチョコに伝説の3メートル棒を突き立てると、そのまま棒高跳びの要領で上り階段を駆け上がる。ことここに至ると早いもの勝ちの様相でも見えてくるのか、アトは楽しげに3メートル棒を繰って前進する。
「溶けているのをかき混ぜたら余計悪化しますよ! 最上階までの道を塞ぐように爽幻種がついでに10人現れてるのに……!」
 リディア、さらに混沌となりつつある戦場に思わず悲鳴をあげた。考えてもみてほしい、高所から低所への弓矢という歴史が証明してきた超有効戦術、それに伴う、足場を不利ならしめんとする追加効果。
 行く手を遮る形で横隊になった彼らの口の端がつり上がるのを、イレギュラーズは見逃さなかった。
「おじいちゃんは別に殺すことに躊躇ないんだけどサ、世間体? そういうものが赦しちゃくれないんだよネ」
「分かるぜ、手加減って面倒だよな。俺も自信ねぇや」
 ジュルナットはその間も絶えず現れる(といってもペースは落ちたが)蜂や針虫目掛け弓を構えると、当たるを幸いに矢をバラ撒く。針虫が壁から顔を出せば、弓本来の貫通力を駆使して穴越しに数体の針虫を確実に貫く。
 サンディも嵐を駆使して次々と虫達を叩き落としつつ、一瞬の隙をついて仲間達へ向けて嵐の加護を与える。己を賦活することはないが、さりとてトータルでの効果を鑑みればイーブン以上ではあろう。
 イレギュラーズの苦境に気を良くしたのか、爽幻種は次々と矢だの魔法だのを打ち込んでくるが、少し待って頂きたい。べつに、彼らは殺さぬことを意識して攻撃できないのではなく――。
「こっちばっかり足場が溶けるのは嫌だってだけなんだけどね!」
「大丈夫、ちゃんと最後は殺さないようにするよ……」
 Я・E・Dは温存していた魔力をここぞとばかりに狂気劇場(偽)に流し込み、魔砲をぶっぱなす。耳障りなおしゃべりは聞かないことにする。火線の余波を裂いて飛ぶのは、フラーゴラの銀のナイフだ。相次ぐ猛攻に動きを鈍らせた爽幻種達は、そのまま間合いに踏み込まれフラーゴラの拳の前に沈んでいく。もしくは……。
「悪いけど、足止め食らってる場合じゃないからね! 解決前に虫に木をやられたらたまったもんじゃない!」
 ウィリアムのはなった神気閃光により、バタバタと意識を刈り取られていくわけだ。攻撃に意識を傾けすぎたばかりに、守りが余りにもおろそかだったらしい。普通ならもっと抵抗できようものだが、恐らく洗脳効果の影響……だろう、多分。
「悪いけどトンチキ扱いされても困るのさ、大人しく寝ていてくれ」
「まー、もう遅いと思うけどゆ」
「格好良く決めたところに茶々いれないでくれる?」
 アトはナイフの一閃で手近な爽幻種の意識を刈り取るとクールに決めようとしたが、パパスの横槍で台無しだ。残念ながら、果ての迷宮かシリアス展開はここにはないのだ。深緑だぞ。
「足止めにもならないか、全くはた迷惑な隣人もいたものだ」
「貴方がこの集落の裏切り者だね」
 深々とため息をつく爽幻種……と思しき男に、Я・E・Dは指をつきつける。
 残る敵は彼とその手勢、そして流入する虫達……最後の一息といった数は、悪あがきのようでもあり――。

●多分説教は聞き入れられないと思う
「アナタは、何故、言伝えガ有るのか、理解シテいないのデスネ」
「ハハ、老人達が後生大事にしてきた眠気を誘うような言い伝えの何に価値があるというんだい。何故か? 寝物語の種だろう」
 バーデスは裏切り者へと威嚇術を放つが、彼は理性がある分立ち回りに慣れが見られ、やすやすと躱していく。バーデスには言い伝えというものがどれだけ重要なのか、それに対する一家言……というか明確な主張が存在した。
 言い伝え、掟というものは過去の失敗あってこそのもの。つまり、次の失敗を防ぐ抑止力である。
「ソレを、無視シタ。アナタにも、覚悟ハ、オアリですネ?」
「……まさか君、俺に覚悟がなくてこんなことをしていると?」
 金の瞳を光らせ威圧的に問うたバーデスは、次の瞬間連続した矢に深々と肉体を貫かれていた。明確な意志のもと覚悟を問う。それは正しい威圧たりうる。が、それは自分自身に対しても覚悟を問うものだ。追い詰めるなら、追い詰められる覚悟ありや、と。
「チョコミントは確かに美味しい。けど、ラムレーズンだって、ホワイトチョコだって、ハイカカオだって、チョコに貴賤なんて無い。一つのフレーバーにこだわって他を受け入れられないのは、貴方達の狭量でしか無いんだよ!!」
「……そういう話なのかナ?」
 そういう話ということにしておこう。破邪の術式を放つЯ・E・Dの覇気をみていると、ジュルナットは小言を挟んだら自分もなんかされそうだなと思った。当然、虫以外に攻撃を向けるつもりはない。激情に任せたやりとりはそれだけ相手を目立たせる。必然、リディアのはなった毒蛇の符術もきっちり目印になるわけだ。
「っていうかその頭部のミントは本当に見栄え悪いな! 今切り落としてやる!」
「やめろ! 神聖なるミントに攻撃を仕掛けるなんて何を考えてるんだ!」
「いやお前等の方が何を考えてんだよ。長まで拉致って」
 アトが周囲の共連れを次々と(フラーゴラと有機的な連携を取りながら)ぶっ倒していくと、裏切り者が悲鳴を上げる。まあツッコまざるを得ないのはアレだ、サンディの心労が更に増えるからやめてほしい。
「君が裏切り者だね、じゃあ他の子達よりも痛くしておかないと……!」
「な、何をするだァーッ!?」
 ウィリアムは裏切り者にじりじりと近付くと、雷華槍を構える。当たるだけでなく花開くことで痛撃を叩き込むそれは、長く尾を引く悲鳴を奏でた。

「ありがとうございますですじゃ……このチョコミントを掃除した後に、我等秘伝の虫除け術によりなんとかこの場は収めましょうぞ」
「どういたしまして……じゃあ、チョコミントもらっていってもいいかな?」
 村長をなんとか助けた一同は、一部の面々(フラーゴラとかウィリアムとか)がチョコミントを分けてもらってあとは霊樹集落の人達に任せる流れとなった。チョコミントのドリンク、絶対携行性が悪いなとアトは首を傾げる。普通持ち運ぶようなモンでもないが。
「うん、フカフカしてて良い土だね。でも、他の地方に比べると繊維質な感じ?」
「土ソムリエかゆお前」
 Я・E・Dが霊樹の出口で土を頬張る姿に、パパスは辟易したようにツッコミを入れたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

バーデス・L・ロンディ(p3p008981)[重傷]
忘却の神獣

あとがき

 お疲れ様でした。
 略称は誰か1人が代表して入れればプレイング圧縮になりますが、皆で入れたら逆に窮屈になるので……まあその辺の役割分担も相談ということで! 別にそうしたからマイナスにはなりゃしないけれど!
 とりあえずなんとか解決です。よかったね。

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