PandoraPartyProject

シナリオ詳細

恋人たちに祝福のパイ投げを

完了

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オープニング


 沿岸沿いの気候。穏やかで暖かな風が頬を撫ぜる。石畳の道は町全体を迷路のように入り組み広がる。坂の多い町だが、地盤は安定しているのかレンガ造りの家々が立ち並んでいる。
 そんなどこにでもある町だけど、今日は年に一度の祝福祭。恋人たちの未来が輝かしいものであるようにという願いを込めて、真っ白のクリームパイが宙を舞う。
 恋人たちはお互いに真っ白の衣装に身を包み、坂の下から町の頂上にある教会に向かって駆け上がり、そして祝福祭を終えた後に婚礼を行うことで祝福に満ちた結婚生活に歩み出していく。クリームパイまみれの新郎新婦は町民以外からしたら奇異の目に映るかもしれないが、この町では全身がクリームにまみれた方が幸せな結婚生活が出来ると言われているのだ。

「ねえダーリン、今年の祝福祭は私たちしか参加者がいないって本当かしら」

「そうみたいだねハニー。でも祝福祭は町民以外も参加できるから、もしかしたら飛び入りの参加者がいるかもしれないよ」

 少しばかり残念なのは今年は町民で祝福祭に参加する恋人が一組だけということ。けれども、新郎のダーリンが言う通り祝福祭は恋人と白い衣装に身を包めば誰でも参加できる。もちろん、恋人を祝福するパイ投げ役も必要不可欠だ。祝福に満ちたクリームパイは今か今かと投げれるのを待っている。




「やあ、元気そうだね。今回は少々変わったお祭りに参加してもらうよ」
 境界案内人のレレウオくん(14)は屈託のない笑顔を浮かべながらイレギュラーズに説明をする。
「恋人と参加する場合は白い衣装に身を包んで参加してね、町の人じゃない場合はすでに結婚してても良いんだってさ。独り身の人はどんな方法でも良いからクリームパイを恋人に当てていいよ、もちろん現地人に当てる場合はケガの無い範囲でだけど」
 享楽のクリームパイ、ぽこちゃかクリームパイ、クリームパイボム、クリームパイストリーム。ありとあらゆるクリームパイ殺法が独り身イレギュラーズたちの脳裏によぎる。
「楽しんでおいでイレギュラーズ。誰かの幸せを祝えることは素晴らしいことだ」

NMコメント

 クリームパイ殺法って何?
 はじめまして、新人NMのナーバスと申します。チョコ色の季節が近づいてきましたが、クリームもまた良いものですよね。

 構成:一章構成予定
 総描写人数:未定

●どんな町なの?
 いわゆるヨーロッパの町並み。大きな坂の上に町が出来ています。穏やかで暖かな地中海気候。祝福祭の季節は春頃なのか、雪の気配は一切ありません。坂の下から頂上の教会までは大体1キロぐらい。

●目標
 恋人と一緒に白い衣装を着て、町の下から頂上の教会を目指すor恋人たちに祝福のクリームパイを投げつける。クリームにまみれればまみれるほど幸せな結婚生活が訪れると言われています。怨嗟なんて欠片も入っていません。祝福に満ちたクリームパイです、受け止めてください。

●恋人たち
 ダーリンとハニー。
この町の住民であり、恋人です。恋人なので白い衣装に身を包んでいます。幸せな結婚生活を送る為にクリームパイを投げてあげましょう。
 参加者の中に恋人の方がいらっしゃらない場合の救済役です。のっと犠牲者。
 
●タグ
 恋人と参加する場合、あるいは誰かと一緒に参加したい場合はプレイングの一行目に【】で囲んだグループ名と人数を記載してください。ハーレムでも良いぞ。
 例:【にゃんにゃん】5名。

●サンプル

サンプルA
一行目:【バカップル】2名 恋人として参加
二行目以降:プレイング

サンプルB
一行目:【デストロイ】3名 独り身として参加
二行目以降:プレイング



それでは皆様のご参加、おまちしております。

  • 恋人たちに祝福のパイ投げを完了
  • NM名ナーバス
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年01月16日 21時50分
  • 章数1章
  • 総採用数4人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

耀 澄恋(p3p009412)
六道の底からあなたを想う


 祝福祭に賑わう町。石畳の通路では大勢の町民がクリームパイを片手に、恋人たちを待ち構えている。
 人だかりに混じった『およめさん』澄恋(p3p009412)は紫色の瞳をランランと輝かせていた。

「(新郎新婦へのお祝いとしてパイを投げるのですね!なんて素敵なお祭りでしょう!わたしもそう遠くない将来に投げられる側になりますから、短い独り身のうちに投げる側をぜひ体験させていただきますね!)」

 まだ見ぬ素敵な旦那様と共にクリームまみれで町を走り抜ける自分を妄想しながらも、澄恋はふと考え込む。

「(人様に物を投げるだなんて少しばかり気が引けますが、どうなのでしょう。やはりお祝いごとですからね、派手な方がよろしいのでしょうか。よろしいですわね!ええ、お祝いごとですもの!どうせなら、派手に!勢いよく!パワフルに投げた方が華やかでお祝い感あって良いでしょうね!!)」

 そう決意をした澄恋の視界に恋人たちの姿と同時に特大サイズのクリームパイが映り込む。
 
 あのサイズのクリームパイが準備されているのであればどれだけ派手にやっても構わないのでしょうと。乙女の決意が恋人たちに最大限の祝福を与えんと動きだす。
 
 そして澄恋は女性が持つには少々大きすぎる槌をどこからともなく取り出すと、恋人たちに向かって特大クリームパイを渾身の一撃で吹き飛ばした。

 「【クラッシュクリームパイホーン】お幸せにぃ!」
 

成否

成功


第1章 第2節

ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
祝呪反魂

 ●
 雲一つない晴天の下。町民たちの祝福の声援が町に響く。『蒼の楔』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)は屋根の上からその賑わいを見つめていた。
 祝福される恋人たちの姿を見ると、最愛の魔剣の姿がレイチェルの脳裏に浮かぶ。二人で祝福されながら町を走るのも悪いものじゃないだろうと。

 ただ、こういう催しの際にはカップルデストロイ側の方が楽しそうだ。屈託のない笑みを浮かべては、恋人たちをどう祝福してやろうかと算段を付ける。
 無論、加減はする。なんといってもこれは一種の祝福なんだろ? 分かってるって、と。静かに笑う。

 レイチェルは卓越した戦闘経験を持って恋人たちが次に駆け抜ける道を予測すると、気配を消して潜伏。狙撃手として多くの戦いに挑み続けた直感は寸分の狂いもなく標的を捉えた。

「(この目は獲物を逃さねぇぜ?確実に当ててやるさ。【鷲の目のレイチェル】ってのは俺の事だ!)」


 恋人たちはまだレイチェルに気付いていないようだった。少し息が上がっているが、幸せそうな笑みを浮かべながら道を行く。ならば、特大のクリームパイをセットして、サイズに負けないほどの祝福を込めて力いっぱいに投げつける。

「おめでとうお二人さん!憤怒ノ焔…改め、祝福ノ焔だ!!これでも食らえぇえ!!」

 祝福を媒介とした一撃。吹き出す白色の炎(害はない)を纏ったクリームパイが恋人たちの未来を熱く祝福した。

成否

成功


第1章 第3節

黎 冰星(p3p008546)
誰が何と言おうと赤ちゃん

 
「クリームパイ殺法?………殺法!?いま殺法って言いました!?」

 世界に入る直前に境界案内人が呟いた恐ろしい発言に思わず聞き返してしまったが『耐え忍ぶ者』黎 冰星(p3p008546)が最後に見たのは案内人の不敵な笑みだった。

 シリアス風な入りだが、町に降り立った冰星の目に映ったのは幸せそうな恋人たちとそれを心から祝福している町人たちの姿。ひょっとしてアツアツのクリームパイなのではと警戒してみたが人肌よりも少し冷たい程度。
 これなら大丈夫かな?
 ホッと一息を付きながらもクリームパイを投げることにはまだ抵抗があるのか、尻尾が不安げに揺れ動く。

 困惑していた冰星の手にいつの間にかクリームパイが置かれていた。気の効いた町人が手持無沙汰だった冰星を見かねて準備してくれたらしい。

 渡された祝福を無碍に出来るはずもなく、冰星は目の前にやってきた恋人たちに向かって全力で投げるのだった。

「い、いきますよおー!目に入らないように!しっかり目を閉じてー!せぇ〜〜〜……のっ!ひぇぇぇ!白い衣装がとんでもない事に……あ、でも嬉しそう。喜んでるならいっか!」

 幸せそうに走り抜けていく恋人たちを見送りながら冰星は二人の幸せを願う。通り過ぎた祝福の残り香が冰星の鼻を刺激する。

 パイを準備してくれた町人に余ったのを食べていいか聞いてみるが、残念ながら食用には向いていないとのことだった。

 
 

成否

成功


第1章 第4節

グリーフ・ロス(p3p008615)
紅矢の守護者

 ●
 新郎新婦を村総出で祝う慣習。経緯はよくわからないがその意図はとても素敵なものだと『白き不撓』グリーフ・ロス(p3p008615)は思った。
 町を包み込む祝福はグリーフの瞳に眩い白を写す。純粋な白で包まれた光景は、どれほど鮮やかに彩られた世界よりも何倍も美しいものだった。

 婚姻、祝福、門出。それらがグリーフの中に眠る思い起こせない記憶と混ざり合い、感情の揺らぎを生み出す。けれどそれらは今は関係の無いものだ。

 周囲の人々が、恋人達の素敵な門出の日の思い出に通じればと願いながら投げるパイを見て、グリーフの揺らぎも重力から解き放たれる。

 白は純粋の色。何物も寄せ付けない愛の色。

 少し気になったことがある。町の人々は男性ならば男性に、女性ならば女性にという風に同性に対して投げることが多いように思える。それなら秘宝種である自分はどちらに投げるべきだろうかと。
 少し考えた後、グリーフは男性の方に投げることにした。間違えて女性に怪我なんてさせたらとんでもない。或いは、グリーフに刻まれた何かがそう選ばせたのかもしれない。

「せっかくなら顔を狙った方が、強く思い出に残るかもしれませんね」

 優しい口調で呟いた後、純粋なお祝いの気持ちで男性の顔面にパイを投げる。

 その瞬間、込めた祝福が産声を上げたかのように強い光がグリーフの瞳を煌かせた。

 おめでとうございます。赤色の瞳からは何故か涙がこぼれていた。

成否

成功

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