PandoraPartyProject

シナリオ詳細

新春寝正月

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■割と真面目に凄い発明
「あなた、遂に完成しましたわ!」
 とある異世界における年の瀬。魔族の王と人族の女王が恋に落ち結ばれた事から、魔族と人族が和平を結び、平和となった国。
 女王は知恵に優れ賢王とも讃えられるほどであり、時折魔術や科学を組み合わせたりして変わった品を作る事でも有名であった。
 大半は実用に耐えない物であったりするのが玉に瑕なのだが……時折とんでもない発明品が生まれたりする。
 今回彼女が作り出したのもそうだった。喜び勇んで夫である魔族の王……武王に報告する。
「妻よ、此度は何を作ったのだ?」
 幾度となく発明品の実験台にされ、その度にひどい目にあっていたりするのだが。この武王、そんなことは表に出さない。満面の笑みで妻を迎える。惚れた弱みというものなのだろう。
 そしてその妻が抱えているのは枕であった。見た目は至って普通の枕なのだが……。
「この夏に勇者が持ち帰って参りました、あの魔物の尻尾の成分を研究したところ。安眠に誘う成分がある事が判明しましたの」
「ほう。道理で皆のやる気が削がれる訳だ」
 勇者、イレギュラーズが過去に介入した、全ての生物のやる気を一日限定だが奪い去るというある意味での驚異であった魔物。それの討伐した証である尻尾が保管されていたのだ。
「その成分を使いまして、絶対に安眠、幸せな夢が見られる枕を作りました!」
「それは良き発明だな!」
 危険な目に遭わないという意味でも。武王は内心胸をなでおろす。
 後は実用できるか試すだけだという妻に、武王は喜んで枕を受け取る。
「実はたくさん作っておりまして。他の者達にも協力をお願いしたいのです」
「良かろう。王の命にて協力者を集おうではないか!」

■寝るだけでいいお仕事です
「……怪しいお仕事だと思うでしょ? これが本当に寝てるだけでいいんだってさ」
 境界案内人のカストルが集まったイレギュラーズの怪訝そうな表情を見て、もう一度説明する。
 イレギュラーズの懸念ももっともだ。寝てるだけで報酬が得られるだなんて、普通はやばい仕事だと思うだろう。
 発明品の実験台といえば、やばい匂いもするのだが。それはさておき。
「ほら、どこかの言葉では新年最初に見る夢って一年を占う夢だって言葉があるんだろう? 話の枕を使えば絶対幸せな夢を見られるって事だし、試してみたらどうだい?」

NMコメント

Q,もう1月6日過ぎてるんだが?
A,1月だからセーフ
 以下略です。新春にも遅れた気がするけど気にしない。
 今回はOPにもありました通り、ただ寝るだけの依頼です。OPに出てきた武王と賢王には絡む必要はありません。
 基本お一人様ずつの描写となりますが、【】でグループタグを作っていただくか、お相手のお名前とIDを指定して頂ければ同じ夢を見る事も可能です。寝る時に手を繋いでいれば同じ夢に入れるようなので。

 プレイングに書いて頂きたい事は
・夢の大まかな内容
・夢の中での行動
 です。
一例:夢の世界で勇者となって、悪の大魔王を打ち倒す。かっこよく立ち回って光の剣技を振るう。

 こんな感じで大丈夫です。後は私ががんばります。ええ。がんばります。
 起きた後のプレイングは不要です。
 注意点としては、この枕は【絶対に幸せな結末の夢しか見られない】ことです。バッドエンドな夢は見られないようになっております。
 過去の不幸な出来事を、幸せな夢としてIf展開で見るとかならセーフです。

 以上となります。
 イレギュラーズ達はどんな夢を見るのか、教えて下さいませ。

  • 新春寝正月完了
  • NM名以下略
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年01月15日 20時00分
  • 章数1章
  • 総採用数10人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

耀 澄恋(p3p009412)
六道の底からあなたを想う

「夢は未来を映すともいいますし、きっと旦那様とらぶらぶ♡な夢が見られるでしょう!」
 『およめさん』澄恋(p3p009412)は枕を受け取ると、何の疑いもなく夢の内容を予測、あるいは妄想し。即座に貸し与えられたベッドに横になる。
 寝付きが異常に良かったのは彼女の気質か、それとも夢への期待故か。

「……あら? ここはどこなのでしょう?」
 次に彼女が目にしたのは、全く見覚えのない部屋。先程までいた部屋とも違う。そもそも寝ていた布団が違う。
 周囲を見回す。一人暮らしにしては広い部屋だ。タンスも一人用にしては大きい。しかし周囲には誰もいない。その事を残念がる澄恋だが、カレンダーに書かれた文字に目が止まる。心臓が踊る。
 『夜・出張から帰宅』
 こうカレンダーには書かれていた。隣の時計を見ると日付はその日。書かれている筆跡は己のものではない。
 まだよくわからない。布団から出ようとした澄恋の左手、薬指から光が放たれる。
 左手の薬指、に指輪である。
「え、ええ……!? そういうことですか!」
 一瞬思考が止まるも、すぐに理解が追いつく。愛しの旦那様はお仕事で出張中で、帰ってくるのは今晩だと。
 それならば、腕によりをかけて料理を作ろう。お風呂もピカピカに磨いて一緒に入ったりなんかして、その後は……。
 急いで台所の様子を確認する澄恋の顔は、幸せに満ちていた。

成否

成功


第1章 第2節

デボレア・ウォーカー(p3p007395)
海に出た山師

 『海に出た山師』デボレア・ウォーカー(p3p007395)の過去の記憶は曖昧である。
 それでも微かながらに覚えている事はある。小さかった頃の幸せだった記憶。夢とは記憶の再現、整理であると語った学者もいる。
 即ち……。

「お父さん、お母さん!」
 夢の中のデボレアは少女であった。森の奥の大きなお屋敷。顔がわからないけれど、両親だとわかる夫婦が庭で優雅に佇んでいる。
 デボレアは二人に駆け寄り、父親に飛びつく。父親は逞しい腕で彼女を抱きとめ、母親は美しい手で彼女の頭を撫でる。
「あ、じいや」
 住み込みで世話をしてくれていた執事が、美味しいクッキーと紅茶を用意して運んできてくれる。じいやの顔もわからないけど、いつも微笑んでいて、紅茶がとても美味しかったのは覚えている。
 紅茶とクッキーを楽しんでいると、遠くから歩いてくる祖父が見える。森の奥に自宅と工房を作った変わり者で、職人気質で頑固者。けれども、時々とっても優しい。時々しか会えなかったけど。
「おじいちゃん、おかえり!」
 職人特有の荒れたゴツゴツ骨ばった手で、デボレアの頭を撫でる祖父。やっぱり顔はわからないけれど。それでも、祖父だと確信できる。
「今日は皆一緒にご飯だね!」
 それはもう返ってこない日々。けれども、デボレアという人を形作る大切な、幸せな思い出である。

成否

成功


第1章 第3節

チクワ=ザ=アークゴッド(p3p009420)
誰だお前!

 『竹輪大明神』チクワ=ザ=アークゴッド(p3p009420)はモアイである。いや、モアイなんだよ、本人は何故かちくわ大明神だと思いこんでいるけども。
 故に彼(?)が見る夢は、モアイの頃の夢ではない。捏造100%のものである。それでもこの枕は叶えてくれるのだ。素敵。

「そう、この頃私はただの一匹のスケトウダラでした」
 海を泳ぐ一匹のスケトウダラになったチクワは、悠々と海の中を往く。何故か泳ぎづらい気がしたけども、彼は細かい事は気にしなかった。
 中々仲間のスケトウダラと打ち解けられなかった彼は、なんやかんやあった末に拳を交えて、友情を結ぶ事に成功する。
 魚に拳はないとか、彼は気にしない。だって本当はモアイだもの。
 でも交わすのはヒレ。あ、そこは魚に忠実なんですね。
 何はともあれ、仲間を得たチクワは海を荒らしていたサメに敵対の意を示す。
 その戦いは長く苦しいものであった。何匹もの仲間がサメに美味しく頂かれた。それでも、彼らは諦めず、サメに打ち勝った。
「一人ではなせない事でも、仲間がいれば為せる。なんと素晴らしき事か……」
 感涙しているチクワ。でも忘れてはいけない。この後人間という最強最悪の敵が待っている事を……!
 ガンバレチクワ!
 それいけチクワ!
 本当はモアイだけど!

成否

成功


第1章 第4節

モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera

 立派な机と椅子。高価なカーペット。趣味ではないが、順風満帆であるというアピールの為には必要なものなのである。
 『Stella Cadente』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)は社長となり、秘書からの報告に耳を傾けていた。混沌世界各国に店舗を構えるのが彼女の夢。ならばそれを見せるのが枕である。

「深緑では変わらず菜食中心ですが、近頃肉・魚を求める声も増えております」
「やはり傭兵の流れが増えたからか……ふむ」
 深緑と傭兵の交流が蘇ってからというもの、幻想種以外の人が深緑を訪れる事も増えた。ならば、声が上がるのも当然だろう。肉体労働をする傭兵には特に肉は好まれる。逆に幻想種からは忌避されるかもしれないが。
「店内にスペースを作るのはどうだろうか。肉食を避けたい幻想種専用のスペース、とか」
「少し増築が必要かもしれませんね」
「そのくらいの出費は仕方ないさ」
 後は魚や肉の流通ルートも確保せねば。顔の利く商人に打診しよう、とメモを書く。
「そういえば、海洋でも肉料理を注文する方が増えました」
「……ああ、鉄帝と一部協力しているからかな?」
 いつかの大戦以降、海軍達は共同作戦を行う事が度々あった。時折衝突もあるようだが、大きな問題には至っていない。
 ならばその関係を保つ為にも食は大事だ。次の手は……ああ、忙しくも、楽しいものである。

成否

成功


第1章 第5節

フリークライ(p3p008595)
水月花の墓守

 今よりも綺麗な身体をしている自分が、主と共に炬燵に入っている。
 その事実に気づいた『水月花の墓守』フリークライ(p3p008595)は、少し身体を揺らす。とても大きな身体のフリークライだが、主が作った巨大炬燵はそれに負けないくらいに大きく、暖かであった。
 自分の身体が綺麗だから、これは夢なんだとすぐに気づく。でも、冷たい身体のうちにある暖かい『ナニカ』は現実であると理解する。
「フリックー。蜜柑ー」
 主たる科学者が、だらしない声でフリークライの身体にくっついている蜜柑をねだる。彼は手を伸ばし、蜜柑を一つ手にとって、主に渡す。
「ありがと」
「ドウイタシマシテ」
 へにゃりと笑いながら蜜柑を剥く主につられるかのように、フリークライもまた笑う。表情はわからないけれど、主なら通じるから。

 主はもういない。けれども残してくれた『ナニカ』はフリークライの中にある。
 でも、もし。主がこの夢を見せてくれた枕の事を知ったなら、「すごい発明だ!」と目を子供のように輝かせるのは想像できる。
「見セタカッタナ」
「何をだい?」
「……ナンデモナイ」
 思わず声に出ていたらしい。聞き返す主に、誤魔化すフリークライ。
 今はこの、枕が見せる幸せな夢を楽しんで。記憶に刻み込もうと。

成否

成功


第1章 第6節

ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)
氷雪の歌姫

 『氷雪の歌姫』ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)は最初この話を疑ってかかっていた。美味い話には裏があると考えてしまうのは性分なのだ。
 しかし今回は本当に実験だけだからと話を聞いて、それならばと枕を受け取り夢の世界へと旅立つ。

 どこかもわからぬ海岸線。見覚えがあるようで、ないようで。不確かなのは夢が見せる世界だからだろうか。
 胸がざわめく。ああ、これから『彼』に会えるのだと理解する。現実にはできなかった、婚約者との再会。心音が大きくなる。
 夕焼けに照らされて、顔が少し影になっているが彼だとすぐに気づく。波打ち際に立つ彼の名を呼びながら駆け寄る。もう少し。
 彼が振り返る。唇がユゥリアリア、と呼ぶ。笑っている彼に手を伸ばし、彼も手を差し出す。あと一歩。

「……ああ、ここで終わるのですか」
 確かに幸せな瞬間を夢に見た。けれども、続きは暗闇の中。
 この枕が見せるのは【絶対に幸せな夢】。つまり途中で終わった夢の続きは悲劇か……それとも、彼女に記憶も何もない、『不確定の未来』だからか。
 自分に問いかけても、ましてや枕に問いかけても解答などない。ただ一つの方法は、本当の彼に出会ってみる事のみ。
 願わくば、夢の通りであり、夢の続きでありますように。

成否

成功


第1章 第7節

古木・文(p3p001262)
文具屋

 とても素敵な枕だと『文具屋』古木・文(p3p001262)はわくわくしながら眠りにつく。寝て過ごすだけでいいのなら、夢の中でものんびり過ごしたいと微かに願いながら。

 どこかの山奥の宿だろうか。空気の澄んだ場所で、開けた場所に椅子を置いてある。
 酒とつまみを適当に脇の机に置いて椅子に座り、書物を開く。
 周囲に人の声も雑音もなく。時折鳥の囀る声が耳に届くのみ。
 何の気兼ねもなくただ欲のままに本を読み進める。時折酒を呷り、つまみを口に放り込む。
 夕方、ほんの少しだけ肌寒く感じた彼の夢は場面転換。温泉に浸かる場面へと。
 他に誰もおらず貸切状態の湯船に一人浮かぶ。
「あー……」
 意味もなく、意味もない声が出る。広い広い青空を見上げ、まだ見ぬ世界に思いを馳せる。彼が実際に赴く事はあるのかどうか。それは彼自身にもわからないが、いつか書物に見たような世界、出会い、冒険があるのだろうかとぼんやりと。
 山の幸に舌鼓をうち、一息ついてから再び書物を開く。
 何もかも。煩わしい世俗を忘れ好きなことに没頭するのが今の彼の幸せな時間。
 読んだ本の内容は、夢が醒めれば忘れてしまうけど。いつかきっと、どこかで出会う書物であるはずだから。
 最後の1ページを名残惜しげに捲り、読み終えて。枕の見せる夢は終わる。

成否

成功


第1章 第8節

黎 冰星(p3p008546)
誰が何と言おうと赤ちゃん

 新しい枕だとはしゃぐ『耐え忍ぶ者』黎 冰星(p3p008546)は少年のように見える。
「いやー、今使ってる枕が大分合わなくて、起きたら肩が痛かったりするんですよ。その分この枕は反発力も高さも申し分なくて……え、そういうテストではない?」
 きょとんとする彼に、賢王がもう一度丁寧に説明する。その説明をふんふんと聞いていた彼は、更にはしゃぐ事に。
「【絶対に幸せな夢を見られる枕】! やばいじゃないですか! 申し分ないじゃないですか!」
 その興奮冷めやらぬままに、彼はベッドへダイブし、秒で眠りにつく。

「ここは、どこだろう?」
 夢の世界で意識を取り戻した彼は、見覚えのない光景に若干の警戒をしながらも周囲を見渡す。どこかの部屋の中だろうか、家具が見える。いずれも見覚えはないが。
 そして部屋の中程には丸テーブルが一つ。テーブルの上には彼が見慣れたあるものが山積みに。
「マタタビ!? マタタビだぁぁあ!!」
 粉末状になったものから葉っぱそのままのものまで様々なマタタビに、彼は飛び込む。大きく息を吸う。マタタビの匂いが肺に満ちる。
「あ、やば……酔っ払ってきたかも……」
 でも不快感はない。むしろ幸福感しかない。もう一生夢から醒めなくてもいいなんて気にすらなる。
「このままここに住むぅ……むにゃ……」
 しかし夢の中でももう一度眠った彼が次に気づくのは、現実である。

成否

成功


第1章 第9節

ソニア・ウェスタ(p3p008193)
いつかの歌声

『いつかの歌声』ソニア・ウェスタ(p3p008193)が意識を取り戻すとそこは森の中。一体自分はここで何をしていたのだろうかと記憶を呼び覚まそうとする。
 しかしその試みは失敗する。何故ならば、周囲には幸せそうに眠る数多の動物達がいたからだ。
 一匹の猫がソニアの膝の上で丸くなっている。こうなれば下手に動く事もできない。いや、猫を起こせばいいのだが、幸せそうに眠る猫を起こす事などできるだろうか?
 いや、できない(反語)。
「ど、どうしましょう、これ……」
 動物達を起こさないように、極めて小声でそう呟く。当然誰もその問いに応える事はない。
 ソニアの右手側ではもこもこの毛皮をした白兎が一匹、すぴーと鼻息を立てながら眠っている。寝相が悪いのかソニアの身体にこてん、と転がってきた。
(あわわ……ふかふか、撫でたい。でも起こす訳には……)
 欲求と理性の間で葛藤するソニア。そんな彼女の様子を知ってか知らずか一匹のゴールデンレトリバーが寝ぼけ眼で起きだして、ソニアの左手側に座り込んで再び眠り始める。
 ぽかぽかと木漏れ日から差し込む陽が暖かい。周囲で眠り続ける動物たちに誘われてかソニアもうとうととし始める。
「……暖かくて気持ちよくて、また眠くなってきました……」
 おやすみなさい、と小さく動物たちに告げて、ソニアもまた目を閉じる。
 

成否

成功


第1章 第10節

江野 樹里(p3p000692)
ジュリエット

 『受理教使徒筆頭』江野 樹里(p3p000692)は名前の通り受理教というものを信奉していた。世の中の全ての人に不受理という不幸が訪れないようにと日々祈り続ける。

 その祈りが通じたのか否か。夢の世界の彼女が見たのは、不受理という単語自体が存在しない世界。受理教が広まらないのは少し不服だけど、受理が行き渡っているならば問題はないと考え直す。
 道行く人が「今日も受理もらっちゃったー」などと嬉しそうに話し合う。人の欲に際限はないもので、一つ受理されれば次が欲しくなる無限の彼方。だが、この世界はそれをも無限に叶え続ける。
 まさしく理想郷。桃源郷である。
「この光景だけでご飯が三杯はいけますね」
 本当におかずなしで白米だけで食べている辺り、樹里は幸せなのだ。人々の顔に憂いが、妬みが、不幸が一切ないこの世界にいることが。
 祈り花を施さなくても、樹里が祈る必要がなくても。今が人生の花咲く時だと、皆が笑っていられる。
 彼女はその光景を少し離れたところで眺めているだけで満腹なのだ。

「さて、ご飯も終わりましたし……」
 それでも、必要がないとわかっていても。彼女は再び祈り続ける。
 世界の人々に、耐えぬ受理の恵みが降り注ぎますように、と。

成否

成功

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