シナリオ詳細
<アアルの野>秘密結社ネオフォボス新春特番! 復活怪人大集合!
オープニング
●お好きなヒーローテーマを脳内再生しよう
「フハハハハハ! 我輩はGAU8タカジェネラル! 地獄の底から帰――」
「スノヴァ!」
「グワーーーーーーーーーー!?」
いきなりなにが登場したのかわかんないと思うけど大丈夫もう爆発四散したから。死んだから。
無慈悲に見栄切り前に敵を倒してしまったローレット最速のバイクことアルプス・ローダー(p3p000034)はズアァっとアキラブレーキで停止するとまたがっていた美少女アバターがヘルメットを外して振り返った。
「かつては反応が500くらいあったと言われるタカジェネラルも、今の私には追いつくことすらできないようですね」
なぜなら今のアルプスローダーの反応速度は――786!(2021/01/05現在)
「なんなら携行品込みで800を越えますよ」
そんなにあげてどうすんだって話だけど轢くんだよ。問答無用で。速攻で。
そんな彼女が突っ走っているのはそうラサ・ファルベライズ遺跡群その深層クリスタル迷宮内。
いつだか突入したネオフォボスの秘密基地を摸した風景が広がる中、アルプスローダーはノリノリでタイヤをころがしていたのである。
一旦背景を説明せねばなるまい。
ラサ砂漠地帯に見つかった遺跡の奥深くには『願いが叶う宝物』こと色宝の真の力を引き出して作り出したというクリスタルの迷宮が広がっていた。
その時々で風景ごと変えてしまうというこの空間には、死者の名を奪う錬金疑似生物『ホルスの子供達』が待ち構えている。
彼らは扉を通じ地上へ続々進出しようと試み、その一旦として水晶竜による首都進撃があったのだった。『ホルスの子供達』はいくらでも再生可能であることから、このまま放置すれば第二第三の首都進撃があるとも限らない。
一刻も早くこの迷宮を攻略し、潜伏しているということの元凶『博士』なる人物を探し出すのだ!
「倒した怪人の復活……博士……ハッ、まさか黒幕はジーニアス・ゲニー・ジェニ博士!?」
この流れで本当にそうだったらびっくりだね。
アルプスローダーのノリはさておき、これまで倒した敵もうっかり名前を呼んだせいで蘇ってきてしまうので困ったものなのは確かだった。
●ナンイドナイトメア再び
巨大な石の柱が等間隔に並ぶ広大な空間。もうなんか首都圏外郭放水路をライトアップしていい感じに飾り付けたようなその空間にアルプスローダーと仲間達はたどり着いていた。
そんなとき。
「フハハハ――フハハハハハハハハハハ!」
二段階に渡る笑いが場内に響き渡った。
立ち止まり身構えるアルプスローダー。
「この声は……」
「知っているのかアルプスローダー!?」
「はい。幻想国内にアジトをもち幻想ナイル計画をはじめ様々な手段で幻想国滅亡をもくろんでいたけど資金獲得のために売っていた日焼け止めに製造住所を記載するというコンプライアンス意識の高さゆえにアジトの所在がバレローレット名物三桁アタックをぶちかました結果いきなり滅びた悪の秘密結社――ネオフォボスの総帥ナンイドナイトメア! 死んだはずでは!?」
「我は何度でも蘇る」
やけに深い縦穴からヴォーンって謎の効果音をあげて浮遊してくる悪の総帥。そうですトップ画面中央にいるそのひとです。
あと出現のシチュエーションからして確実に『ホルスの子供達』なので全然蘇ってないのですがそこはお約束的な何かだと思って頂きたい。
思わず身構える仲間達に、アルプスローダーは叫んだ。
「ということは――総帥ナンイドナイトメアに加え油圧ワニファラオ、バズーカライオン大佐、花火ドッグ、カメコトド、トレードシャーク、太陽マッスル、ついでに大怪獣ベリィハアドまで復活してしまうのでは……!?」
集中線つきで叫んだアルプスローダーと、その左右で二度見する仲間達。
「おい」
「……あっ」
ぱきぱきぱきんと音を立て、いきなり出現する復活怪人たち。
「秘密結社ネオフォボスの恐ろしさ、今こそ思い知るがいい!」
「しまったーーーーーーーーーーーーー!!」
- <アアルの野>秘密結社ネオフォボス新春特番! 復活怪人大集合!完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年01月23日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●ネオフォボス。それは平成の中に消えたまぼろし。いや……
アクセルをひねりエンジンをふかす。振動をシート越しに感じながら、『二輪』アルプス・ローダー(p3p000034)は、もといそのアバターはヘルメットのバイザーを開いた。
「ナンイドナイトメアとその手下たち。一体どうして復活したんだ……!
ともかく、以前程のパワーがないにしても放っておけば大変な事になるのは間違いありません。ここで倒し切ってしまいましょう、そう……新たなヒーロー達ッ!」
OPの出来事をすっかり(セルフで)水に流してから、アルプスローダーは振り返った。
暗闇に光るライト。足下をけむるスモーク。
浮かび上がる七つのシルエットが、ゆっくりとこちらを向いた。
さあ、一人ずつスポットライトをあてて見ていこう。
「くっ! これはいかなる罠であろうか! まさかかつて倒した怪人たちが復活してしまうなど!
しかし、再生怪人は噛ませと相場が決まっておるもの! ゆくぞっ!」
美少女構えをとる『白百合清楚殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)。
湧き上がる美少女力はレベル45に至ったことで形のある清楚オーラを周囲に発生させるに至っていた。時折レース生地のようにオーラが編み込まれる瞬間があるのは、50レベルを前にして美少女力がうずくゆえか。
『厳密には「ホルスの子供達」の擬態で全くの別物でちが……これは燃える展開でち!
再生怪人ならそれほど強くないって言うのが相場でち! マジカル★カルマの知名度及び人気獲得の為にヤっておしまいでち、カルマ!』
「お、おう……後半は納得しづらいが、概ね同意だぞ、アザミ!」
割と無理矢理マジカルステッキを握らされた屈強な二十歳男性『魔法少女(?)マジカル★カルマ』カルマ・モンクスフード(p3p009282)。
「たしかネオフォボスというのは、幻想で活動していた悪の秘密結社……だったか。アーカーシャーで追体験したおぼえがあるぞ」
「私も過去の依頼の報告書を読みましたが……中々に厄介な敵の様ですね、秘密結社ネオフォボス。とはいえ、以前の接敵時の情報もあり、何より本物ではありません。油断せずにいけば問題ない筈です。
……というか。ヒーロー物でこういう強敵の復活って、お約束でございますよね。何故でしょう」
『《Seven of Cups》』ノワール・G・白鷺(p3p009316)がポケットからトランプの束を出してはめくるたびにハートのエースが出てくる謎の手品をしながらつぶやいた。
「Uhaーーーー!!? ふえた! ふえたんだよ!
アルプスは知ってる感じだけどぼくには知らない人たちだ……」
そんな彼女の袖をぐいぐい引っ張って『とど! とどなんだよ!』と叫ぶ『うそつき』リュコス・L08・ウェルロフ(p3p008529)。
二人とも状況ゆえにか緊張感が若干抜け落ちていた。そりゃカメラ構えたトドに緊張するほうが無理あるよ。実際出現当初誰一人としてマジじゃなかったし。
「秘密結社ネオフォボスかー、詳しくは知らないんだけど、活劇っぽく格好良く倒せばいいんだね? おっけー! ちょっとわくわくしてきた!」
『よく食べる』トスト・クェント(p3p009132)に至ってはワクワクして糸目を若干ふにゃっとさせるほどである。
一方『狼殺し』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)はといえば、『特撮といえばレッドだな』とつぶやいて赤いコートをゆびでくいくいしていた。
(今日も敵の熱き返り血でトレードマークのコートを紅く染め上げながら世界の平和を守るのだ! よい子のみんなは見ちゃダメだぞ!)
ポケットナイフをくるくるやって機嫌良さそうにするリコリス。
横で見ていたキドーが『それって悪役のムーブなんじゃ』という目でみていたが、誰よりも悪役みたいな格好してる『ザ・ゴブリン』キドー(p3p000244)である。何も言わずにリコリスをスルーした。
でもって――。
「オッス俺、ナイフゴブリンシーフ!
まさかまたネオフォボスと戦うことになるとは思わなかったぜ……これで最後なんですよね? ホント??
つーか、よくもまああんなスラッスラ名前出てくるねえ!? なあバイク! なんで俺に協力者の感情が付いてるんだい、なあバイク!!」
「それでは皆さん、準備はよろしいですね!?」
「バイク!」
「混沌戦隊パンドラエイト、令和バージョン! レディー・ゴー!」
●首都圏外郭放水路は埼玉にあったらしい
「ククク、我が名は油圧ワニファラオ。油圧カッターの破壊力とワニの破壊力を兼ね備える破壊の王」
ガキンガキンと腕のカッター部分を鳴らす油圧ワニファラオ。
懐かしの怪人大集合回があったら最初に出てくるような基本幹部怪人である。
そんな彼とぶつかるのはトスト。
「よっし、それならおれも『真の姿』を解放しよう。……変身!」
「何ッ、変身だとッ!?」
突如光に包まれたトストはオサンショウオの下半身(?)と人間の上半身をもつオオサンタウロスとなった。
「貴様……怪人魔術オオサンショウオ!」
「まってそんな名前じゃない」
言い訳無用! 組織の裏切り者には死を!
ヌオーと言いながら必殺のクリティカルクルセイドを繰り出す油圧ワニファラオ。
対するトストは水でできたサンショウオみたいなものを次々に飛ばして対抗した。
ぶつかり合う衝撃と衝撃。
弾ける水と光の中を、リコリスはフードを深く被った超低姿勢で駆け抜けた。
キュッと鳴るスニーカーの靴底。解放した本能は目を怪しく光らせ、爪をむき出しにした。ポケットから取り出した赤い球状の飛行ドローンたちがまき散らされ、花火ドッグへと殺到する。
頭上から打ち込まれた一斉射撃――はしかし、煙から飛び出て花火をくわえる花火ドッグによって防がれた。
「さすがは同じ犬系怪人。オマエもやるようだなァ!」
「犬じゃないし怪人じゃないっていうか花火! 花火投げないで花火!」
ネズミ花火を次々に投擲してくる花火ドッグの猛攻を、リコリスはぴょんぴょん飛び回ることでギリギリ回避していった。
そんな激戦が交差し続ける中で、ノワールとトレードシャークはじっとにらみ合っていた。
「連中も始めたみたいだ。こっちもやるかい? ええ?」
テキ屋めいた帽子を被り直し、トレードシャークはどこからともなく骨とか棒とかとにかく残念なノービスハズレアイテムを取り出し始めた。
「はい今回お客様にお買い求め頂くのはコレ、おっさんのぱんつ!」
「ぐうっ……!?」
胸と頭を抑えてよろめくノワール。
「アレですか、最近闇市で見事に爆死した私への当てつけでございますか!?」
「気づいたところでもう遅い。くらえ、闇市を10連したときハズレしかひけなかったときの悲しみスプラッシュ!」
ゴミアイテムを大量に詰め込んだ福袋をぶん投げてくるトレードシャーク。
対するノワールはよろめきながらも耐え凌ぎ、どこからともなく銀のダーツを取り出した。
「全てを染めあげる無彩の魔術師……人呼んで、イレギュラーズグレー! 闇市のショックをえぐるその所業許せません!」
すべての指の間にダーツをはさみ、一斉に投擲するノワール。
怪人とイレギュラーズの攻防は一進一退。
どっちが買ってるのか絵的にはよくわかんないぶん投げ祭りが開催されていた。
その一方、もっとよくわかんない戦いがここでも繰り広げられている。
「あ~いいよいいよ~バエってるよ~」
カメラをパシャパシャやってもんのすごい低い確度からのぞき込んでくるカメコトド。
戦っているのはリュコスである。
「写真とらないで! ぼくが相手だよ!」
てやーっていいながら凄い速度で飛びかかり、リュコスキックやリュコスパンチやリュコスローリングサンダーを繰り出していく……が、カメコトドはそれをすべてぬるぬる回避しいい感じの角度から写真を撮り続けた。
「いいよいいよ~。そろそろ脱いでみようか~」
「ま、まもりがかたすぎる……ハッ、そうだ!」
その時リュコスに電流走る。
たまたま持ってたサンタクロースのコスチュームに早き替えすると、両手をぐーにして首をかしげて見せた。
「わんわん」
「グワーーーーーーーーーーー!?」
尊さでカメコトドは爆発四散した。
その一方で、カルマVS太陽マッスル。
真正面からににらみ合い、太陽マッスルはダブルバイセップスのポーズで大胸筋を交互にヒクつかせていた。
「くっ、なんて眩しさだ。言われたとおり日焼け止めを持ってきたが……空だ!」
取り出した高級日焼け止め(ネオフォボスで生産販売していたやつ)を逆さにしてぶんぶんふるカルマの姿がここにはあった。あとめっちゃ照らされていた。
「ドォーシタンダァーイ? ナツバテカァーイ?」
太陽スマイルを更に強める太陽マッスル。
『諦めるなでち! あちらが光り輝くならこちらも光り輝くまで! 変身でち!』
「く、しょうがない……宿業装着! マジカル★クローバーパワー――メイクアーップ!」
きらきらきらーんという効果音と一回服が脱げてシルエットになるまでの一連のあれを挟んだ後、魔法少女マジカル★カルマは七色に発行した。
「ゲーミングシャイニングモード!」
「グワーーー目ガーーーーー!?」
『目には目を、歯には歯を。光る太陽筋肉にはゲーミングに光り輝く魔法少女(筋肉)でち!』
七色に光ながらサイドチェストのポーズをとるカルマによって、太陽マッスルは爆発四散した。
ここまでご覧頂いたバトルは決着がよくわかんなかったと思うので、そろそろがちめに戦うパターンをご覧頂こう。
「ナイフゴブリンシーフよ、我がバズーカをその身で味わうがいい! フゥハハハハハー!」
バズーカっていいながら激しい光線をぶっ放しながらなぎ払ってくるバズーカライオン大佐。
キドーはぬおーって言いながらブリッジ体勢で薙ぎ払いを回避。
「こいつトンチキキャラのくせに強え! いや、そんなもん今更か!」
ローレットで上位争いをしてるトンチキマンたちのことを考えて一瞬だけ宇宙ゴブリンになるキドー。
首を振って気を取り直し、キドーはブラッグドッグを呼び出した。
「よっしゃ行け、あのたてがみを噛みちぎってこい!」
「ふん、小賢しい!」
バズーカライオン大佐は小刻みな光線発射でブラッグドッグたちを迎撃。
至近距離までなんとか迫った邪精を腕でつかみとり、頭を握りつぶしてしまった。
「この程度の攻撃でこの私を倒そうなどと――」
「ライオン、手元手元」
キドーが指さすと、いましがた握りつぶしたやつの首輪がぴこぴこと赤く点滅していた。
「しまっ――!?」
巻き起こる大爆発。
爆風を横から受けながら、百合子と大怪獣ベリィハアドは真正面からばちばちに殴り合っていた。
「貴殿も地獄の底から帰ってきたというわけか。大怪獣ベリィ……あれ、貴殿居った? 最終決戦のときいた?」
ほわんほわーんと回想してみる百合子。当時いまほど美少女してなかった頃、ナンイドナイトメアとバチバチに殴り合っていたその背景に『よっ、やってる?』みたいなポーズでベリィハアドがいた。なんかすげー豪勢写真っぽい解像度の荒れ方してたけど。山よりでかかったけど。
「あー居った居った。確かコラボした戦隊ヒーローが合体ロボで倒したはず」
「そうそうそれそれー」
ベリィハアドがビッて指さしてくる。全長2m弱くらいのベリィハアドが。
「あれ、貴殿ちっちゃくね?」
「遠近法遠近法」
「そっかー。というわけで特に恨みはないが愛と正義と平和の為! 吾の晩御飯の具になるがよい!」
ベリィハアドのなんか白いドライアイスみたいな煙をブファーってしてきたので、その中を駆け抜けて跳躍。真っ向から『白百合百裂拳』をたたき込んでやった。
「クックック……こうして再び相まみえることになろうとはな、アルプスローダー。
レッドジャスティスなしの貴様が、いつまでヒーローを気取っている?」
「ナンイドナイトメア……?」
発言に違和感を覚えて小首をかしげるアルプスローダー。
が、今は真剣勝負の時。アルプスローダーはアバター少女をまたがらせ、エンジン音で吼え始めた。
対してナンイドナイトメアはどこからともなく走ってきたバイクフォボスローダーへと騎乗。
「さあ、勝負だアルプスローダー!」
「はい――!」
て言ったときには既にナンイドナイトメアを轢いていた。
ついでにターンして横からも撥ねていた。
「グワーーーー!?」
飛び上がって空中で回転するナンイドナイトメア。
『説明しよう、ローダーは自身に流れる時間そのものへ干渉するとされる、遺失魔術のアミュレットを用いる事で結果を捻じ曲げ1Tに確実に2回行動できるフォームへ変形するのだ』
アルプスローダーは車体両側面から飛び出たニトロのなんかをがこんがこんとしまって、アバター少女を振り向かせた。
「総合威力いちまんくらい……相手は死ぬ」
●ご唱和ください!
次々と起こる爆発。それはネオフォボス怪人……いや怪人の姿を模した『ホルスの子供達』が砕け散ってのものだった。
なびく長髪に蝶をとまらせる百合子。わんわんポーズとマッスルポーズでシンメトリーにキメるリュコスとカルマ。
肩でぜーぜー息しつつも『勝った』とつぶやくノワール。
リコリスとキドーは一仕事終えたアサシンみたいにフィーって息をつき、トストはいい顔で額の汗を拭った。
「私たちの勝利、のようですね」
アルプスローダーが車体をとめ、次なるエリアを目指そうと仲間達に呼びかけ――ようとした瞬間、突如として地面がひどく揺れ、天井から岩が次々と落下しはじめた。
「えっ崩落? 今!?」
「あっちに出口のような光が!」
トストの言葉どおり、イレギュラーズたちは急いで出口へと走った。
すると……なにかのダムの淵みてーな場所へと出た。
具体的に言うと秩父山中みたいなとこである。
オシャレなタイルで舗装された橋の上を走り抜け、バッと振り返るキドーたち。
「お、おいあれ……」
言葉にならないのは当然のこと。
まだ全然地中の筈なのに上を見れば青空が広がり、目の前には巨大な山。
そんな山を突き破って、巨大なナンイドナイトメアが立ち上がったのだ。
「まだ負けてはおらん! ローレット・イレギュラーズ!」
巨大ナンイドナイトメアが額の髑髏マークから膨大な破壊光線を照射し地面事なぎはらっていく。
ここまでされては流石のイレギュラーズとてなすすべなく吹き飛ぶほかなかった。
すると栃木の採石場みてーな場所へといつのまにか飛ばされていた。
草のはえた地面を転がるリコリス。
素早く立ち上がって身構えると、こちらを見下ろす巨大ナンイドナイトメアの姿が目に入った。
「ローレット・イレギュラーズ……お前達の混沌って、醜くないか?」
「なんだって……」
思わず聞き返してしまったリコリスたちに、ナンイドナイトメアはいらだったように語った。
「依頼のたびに性格が変わったり、シリアスなのかトンチキなのかハッキリしない。価値観がバラバラでわかりにくい。ローレットひとつとってもキャラの統一性は皆無のバラバラだ。こんな滅茶苦茶な世界を一度綺麗に整えてやろうというのだ。それが何故わからん」
「いいえ……」
歩み出たアルプスローダーが、ヘルメットを脱いで投げ捨てた。
「僕たちイレギュラーズは一瞬一瞬を全力で生きているんです。バラバラで当たり前です! それを滅茶苦茶だなんて言うな!」
希望のパワーがアルプスローダーへと集中し、バラバラのパーツへと分解される。
跳躍したアルプス(アバター体)へと鎧のように装着され、バイクはひとつのパワードスーツとなった。
「皆さん、行きましょう――!」
場の空気なのかなんなのか。一斉に跳躍する百合子たち。
白百合流星脚の構えをとった百合子をはじめとしてゴブリンキック姿勢のキドー、サンショウオキックのトスト、クリムゾンウルフスマッシュのリコリス、マジカル★ドロップキックのカルマ、わんわんフライングキックのリュコス。
「待て待て待てなになになんなんだゴブリンキックって経験ねえよ!」
「言うなキドー殿、ここは空気を読んで皆で蹴るのみ。見よトスト殿だって参加している」
「えっこんな技名だったのボクの格闘」
「いまは考えるな。感じるしかない」
「Gyaoーー!!」
そこへノワールが加わり、同じキック姿勢をとりあえずとってみせた。
「さあ、ご唱和ください!」
「「驚天動地!パンドラフィニッシュ!」」
八人のキックが巨大ナンイドナイトメアを貫き、どういうわけかローレットのギルド紋章の形に穴をあけると巨大ナンイドナイトメアを爆発四散させた。
「こうして、復活した悪は再び滅ぼされた。しかし、また同じ様な事が起きるかもしれない。
だが、心配は無用だ。彼らがいる限り、悪が栄える事はないのだから。もしも脅かされた時は、その名を呼んでみよう……」
ノワールはパタンと本を閉じると、それを天高く放り投げた。
「我らがイレギュラーズを!」
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
――スタッフロールとエンディングテーマだ! さあ歌おう!
GMコメント
■オーダー?
クリスタル迷宮攻略中、ホルスの子供達によって復活(?)したネオフォボス怪人たちとの戦いが始まりました。
■フィールドデータ
めっちゃ天井が広くてめっちゃ横幅広くて石の柱が定期的にならんでるあの都内の放水路みたいなとこです。要するに広いです。たぶんこの風景ってあらゆる時空にあって最終決戦とか映画によく使われるんだと思います。
■エネミーデータ
総帥ナンイドナイトメア
→ちょうつよい総帥。今回はナイトメアビームと高い格闘能力があるくらいでそこまで強くない。一応はボスキャラ。
油圧ワニファラオ
→腕の油圧カッターからクリティカルクルセイドをくりだすぞ!
バズーカライオン大佐
→腕のバズーカから必殺ニュークリアバズーカをくりだすぞ!
花火ドッグ
→花火スプラッシュで真夏のパリピたちをおどろかすぞ!
カメコトド
→カメコフラッシュで水着コンテストをだいなしにしてやるぞ!
トレードシャーク
→闇市から出てくるゴミをいっぱいなげつけてくるいやなやつだ!
太陽マッスル
→太陽のかがやきと筋肉のかがやきはかのうせいがむげんだいだぞ!
大怪獣ベリィハアド
→でっかい怪獣だ! ベリィハアドブレスでヒーローたちがピンチに!?
全体の総合戦力的にはこっちと一緒くらいです。
折角だからヒーローっぽく戦ってみよう!
■かいせつ
・ホルスの子供達
錬金術によって作られた土人形。死んだ人の名前をよぶとその姿をとって動き出す。
奪ったのは姿だけで記憶も能力も継承していないので実質的には別物である。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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