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シナリオ詳細

再現性東京2000:漆黒企業譚

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●とある企業の一日の始まり
 再現性東京の企業、その朝は早い。しっかりと定時退社し適切な休眠を採った上司は、すっきりした顔で晴れやかに部下達に問いかけた。
「いやあ、今日もいい朝だ! お前達、準備はいいか?」
「「「ハイ、ヨロコンデ」」」
 部下達の声は一様に平板で感情のゆらぎが感じられない。なんというか、考えることをやめたかのような……そんな雰囲気を漂わせている。
 目の下に隈ができているわけではないが顔は暗く意識はどこかそぞろで、ココを見ていないかのような。そんなところだ。
「何だ、声が小さいぞッ! もっと元気な声で! 準備は! いいか!!」
「「「ハイヨロコンデー!!」」」
「なんだ、やれば出来るじゃないか。いいか、お前達。出来ないというのは嘘つきの言葉だ。実際にお前達は出来ない出来ないと泣き言をいいながらこの勤務を続けている。結果もまあ、満足じゃないが出している。なら『出来ない』は嘘だろう。嘘つきの言葉なんだよ、そういうのは。わかるな?」
 烈火のごとく怒りだした上司をそれ以上放置できない。部下達は腹の底から声を張り上げた。
 満足気に頷いた上司を恨めしげにみやった部下達の顔を、当の本人は気づいていない。彼が大好きな精神論の大演説だ。なお、部下達は社長が延々同じようなことを垂れ流したDVDを買わされている。自費で。その御蔭もあって社長のDVDは今週のAdepton(あでぷとん)のセールスランク1位を獲得したそうだ。なお、ロイヤリティが払われるわけでもない。そもそも自爆営業してんだけどな。
「分かったら電話営業だ! アポ5件取るまで休憩無し! まあお前達は睡眠も食事も要らんのだから休憩も定時も要らないだろう! いやあお前達の労働の幸せにコミット出来ていると思うと俺も鼻が高いよ!」
 そう言って笑っている上司は知らない。
 この一連のあれやこれや問題在る発言や記録が、今以て隠しペンカメラに記録されているという事実に……!

●とある企業の「終わり」
「……という感じで、秘宝種を集めてその特性を悪用して、昼も夜もなく働かせているブラック企業があるらしいんですぞ!」
「……私の世界の企業だってもうちょっと温情ありましたよ?」
 ジョーイ・ガ・ジョイ (p3p008783)から情報が持ち込まれたその日、『ナーバス・フィルムズ』日高 三弦(p3n000097)はこの世の終わりのような表情で依頼文とにらめっこしていた。すべての証拠は再現性東京で記録され、裏取りはジョーイが事前に終わらせているのでマジらしい。それにしても……。
「というか、貴方含めて秘宝種は基本、ここ最近ローレットで雇うようになったぐらい希少なので、クソみたいな生産性のお供にみたいな扱いをされますと非常に面倒なんですよね。企業まるごとこれで、管理職だけが普通の旅人……確かに不公平ですね」
「ですぞ!」
「『ですぞ』では話は通じませんよ。でもまあ、要旨はわかりました。この企業を襲撃して秘宝種を救出……というか会社自体立ち行かなくしたい、と。そういうことでいいですか?
 ジョーイの返答が雑だったのはさておき、彼等秘宝種は『果ての迷宮』10層の攻略で境界図書館の出現に合わせて行動している場面が増えた……という経緯がある。そのため存在がまず希少で、どこぞの泡沫企業で使い潰されていい存在ではないのである。食事と睡眠は必要ないが、だからといって働き続ければ心が死ぬだろう。そうでなくても正当な対価なしに働かせ続ける行為が赦されるわけがない。
「間違いないですぞ。それで、やるとしたら退勤時間直前、夕方頃の電撃作戦になるのですが……入門を管理している警備員、内部の出入りに頑丈な入館管理システム、社長室には厳重なセキュリティと警備システムの防備が整っているそうなんですぞ。それなり厄介な手合だと思って頂いて構いませんぞ」
「……お金の使い所違うと思うんですけどねえ」
 三弦の言葉に、ジョーイのフェイスディスプレイが『( 'ᾥ' )』という感じになった。

GMコメント

 いや本当に秘宝種の使い方おかしくない?

●成功条件
 ダークネス企業の社長室に突入する。社長捕縛「そのもの」は一行で終わる難易度。
 (オプション)社内重役各位を全員しょっ引く

●ダークネス企業
 秘宝種を大量雇用して無理がありすぎるノルマ、あり得ない勤務時間設定、やりがい搾取、一切整っていない福利厚生、そして2000街でも度外れた節税(と言う名の超絶脱税)など各種疑惑の総合商社。なおこいつらも業種が総合商社なんだ。ふざけてんのか。
 社長室に向かう為にはハードルがあり、
1.入り口(超精鋭警備員5人による強力な抵抗+強力な耐解錠セキュリティ)
2.社長室への超複雑なエレベーター乗り換えルートor警備ロボットをしばき倒しながらの最上階への非常階段爆走
3.社長室前のサイボーグSPs+超硬質扉の破壊
 という感じになっている。
 これらを当該企業の定時20分前に突入開始して社長退社(緊急時は屋上からのジェットパックホバリング離脱)までに完遂せねばならない。新春特別企画じゃねえんだぞ。

 なお、各所のエネミーはなんかそれっぽく相当強いので、舐めプしたらパンドラごっそり行くしタイムロスで失敗もあり得るのでホントマジ気を付けてね。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 情報はジョーイ君の主観であり、管理職連中が無力だとは言っていないのである。

  • 再現性東京2000:漆黒企業譚完了
  • GM名ふみの
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年01月20日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)
虹色
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
フランドール=ジェーン=ドゥ(p3p006597)
パッチワーカー
ルチア・アフラニア・水月(p3p006865)
鏡花の癒し
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者
ライ・リューゲ・マンソンジュ(p3p008702)
あいの為に
ジョーイ・ガ・ジョイ(p3p008783)
無銘クズ
※参加確定済み※
黒水・奈々美(p3p009198)
パープルハート

リプレイ

●ダークネス企業最寄り駅 14:20
 『どんまいレガシー』ジョーイ・ガ・ジョイ(p3p008783)は激怒した、必ずかの邪知暴虐な社長をとらえねばならないと決意した。
 ジョーイには経営はわからぬ、ジョーイは遊び人なレガシーである。けれども邪悪に関しては人一倍……敏感なんだろうか? 取り敢えずなんか許せなかった。
「吾輩怒り心頭でありますぞー! 皆さまー! 社長をとらえてレガシー解放のためにどうかお力ぞえをー!」
「か、会社に突撃するの……? ま、魔法少女ってカチコミみたいな事もやるのね……今更だけど……」
「経営監査ですから至って健全で正当な権利です。カチコミだなんて、そんな」
 ジョーイの気合の入った言葉に戸惑う『非リア系魔法少女』黒水・奈々美(p3p009198)に、『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)が補足を入れる。カチコミだなんて人聞きが悪い。これは秘宝種を不正に扱うダークネス企業への正当な監査行為だ。
「あらあら……スラムで働かされている孤児でも……まあ、ここまでではない事も多そうですねぇ……」
「どの世界でも、非道な仕事というのはあるものなのね……いえ、非道なのは仕事をしている側ではなくさせている側なのだけれど……」
『あいの為に』ライ・リューゲ・マンソンジュ(p3p008702)と『白き寓話』ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)は比較的一般人よりの感性なので、話を吟味した末でドン引きしていた。社会の底辺を知っている(?)ライですらこれなのだから一般人目線でどうかは推して知るべしである。
「うわ~、これが話しに聞くブラック企業なんだね~。働いてる人死体よりも真っ青な顔してるね~」
「ブラック企業? よくわからんが大変そうだな……」
 『パッチワーカー』フランドール=ジェーン=ドゥ(p3p006597)がしげしげと会社を外から眺めると、『艶武神楽』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)は大きく首を傾げてみせた。秘宝種に「顔色」という概念があるかどうかは別だが、ジョーイですら表情が豊富なのだ。落ち込んでいる、気分が優れない、そういったものは顔似出ている筈である。
「外回りに出ている平社員を捕まえられればと思ったんだけど……二人一組で出入りしてるからちょっと声をかけづらいね……」
「そ、それに邪魔したら悪いし……あ、あまり目立つと警戒されて難易度上がりそうだから……」
「入り口付近の警備員も、出入りする社員に近づこうとしてる相手に目を光らせていますねぇ。先程は托鉢の僧侶を追い払っていたようで……」
「OJTの名目で相互に見張らせて裏切りを密告する仕組みを作っているんでしょう。考えましたね」
 『「Concordia」船長』ルチア・アフラニア(p3p006865)は下位の社員を捕まえて説得することで自分達への協力を仰ぎ、潜入への足がかりに出来ないかと考えていた。のだが、相手も人心掌握術に長けているのだろう。単独で行動させないことで連帯感や責任感を生んで不用意な行為に出ぬよう対策済みというわけだ。奈々美はそもそも話しかけるハードルが高いようだが。
 ライはシスターとして説話という形で言いくるめようとしたが、二言三言言葉をかわすまもなく周囲の視線を気にして社員が逃げていってしまった。相互監視だけではない、心理的圧迫感ゆえの行動だろうか?
 それを指摘した寛治の表情には、何事か考えがあるかのような雰囲気が滲んでいた。
「ですが着眼点はお見事です。私もこちらの伝手で『説得相手』を選出しました。これから向かいますので、皆さんも立ち会って下さいませんか」
 その表情に悪どさを感じた一同と、唯一気付かず首をひねったジョーイとの態度が対照的だったのは言わずもがなである。

「これから本格的にあの会社に捜査が入ります。社長以下役員も全員捜査対象です……貴方以外は」
 それから程なくして、喫茶店内。
 寛治とイレギュラーズ達は、ある男と相対していた。誰あろう、彼のダークネス企業の役員職の男である。
「……証拠はあるのか? 我々は当事者同士で承諾のうえで経営を行っている。他ならぬ君の言葉だからこうして席を設けたがね、君だって偽証に基づく脅迫が罪になるくらいは――」
「これは司法取引です。今協力していただけるなら、放免どころかこの小切手が退職金の代わりになる。私のコネで転職先を紹介もできる」
 喉まで反論が出かかった役員に、寛治は小切手に数字を書き込んで提示した。中小企業の役員の退職金としては申し分ないものだ。少なくとも、これから襲撃を受けたらゼロになるもの。
「……ッ、下らん!」
 ガタン、と椅子を鳴らして立ち上がった男に、一同は警戒の色を強めた。だが、彼は奪い取るように小切手を握ると、叩きつけるようにIDカードを机に置く。物忘れが酷いのだろう、読み取りできるギリギリの量で貼り付けられた付箋の数々は、恐らく社長室へと向かうルートやセキュリティ関連情報だ。
「よい取引が出来て嬉しいですよ。では」
 肩を怒らせて去っていく役員に手をふると、寛治は一同に向き直り笑みを浮かべた。
「これでさしあたっての障害は入り口と社長室前だけか。では行こう。先程から視線が気になってな……」
「あの人も心が弱っていたのかしら……随分とあらっぽかったけれど……」
 ブレンダは事態が解決したのを確認すると、早々に目的を果たそうと進言する。本人のしるところではないが、何かと目線を引くのだろう。ヴァイスは去っていった役員の背を視線で追いつつ首を傾げ……なんとも言えない表情を浮かべた。
「でも嘘はなかったようですぞ! だいぶ疲れていたのですな!」
 ジョーイは相手の心を読んだ上で、役員のメモ書きに嘘がないと断言した。……腹芸もできぬほどに摩耗していたのだとすれば、彼もそれなりの善性が残っていたのかも知れない。ともあれ、決行の準備は整った。

●ダークネス企業正門 16:40
「邪魔だぁ! そこは我々が通る!!!」
「な、何だ貴様等ッ……!?」
 それは突如として襲いかかり、警備員達へ暴威を振るった。
 真っ先に踏み込んだブレンダが閃光娘の追走曲にて数人の警備員を巻き込むと、ライは祈るようにロザリオ(銃)を構えると9mmに成形した平和への祈りを相手の胸元目掛け打ち込んでいく。防弾対策は十分しているようだが、イレギュラーズの実力を前に上手く行くかといえば別問題。
「人を道具としてしか見ていない悪い会社は、魔法少女ナナミが見過ごしません……!」
「同じ秘宝種として、同胞を雑に扱う企業は見過ごせませんぞー!」
 奈々美とジョーイもそれぞれの間合いから警備員へと猛攻を仕掛ける。狙うはブレンダが先制を仕掛けた相手。ジョーイの背後に現れた疑似生命のラッシュが一方を押しのけると、もう片方へ奈々美の放った精霊が噛み付く。
「これだけ攻撃を受けて反撃してくるのね……警備員皆、それなり護りは心得ているということかしら」
「だからって、こんなに激しい抵抗だなんて……!」
 ヴァイスは警備員を殺さぬため、敢えて無事な1人へとエネルギー弾を叩き込む。既に猛攻を受けて衰弱しているはずの相手を観測した彼女は、それでも戦える活力があることに驚きを隠せない。……そうなると反撃もあるわけで、ルチアは流れ弾を受け小さく呻いた。入り口でここまで苦戦するとは想定の外で、治癒術式が十全に回せない……自分でも精一杯だ。
「ブレンダさん、解錠をお願いします! 警備員はほどほどに、先に進みましょう!」
 寛治は手近な、そして手負いの警備員から銃弾をばら撒いて動きを止め、ブレンダへと指示を飛ばす。切り込み役である彼女は、予めカードキーを受け取っていたのである。
「これだけの人員を揃える余裕を~、なんで一般社員に割かないんだろうね~」
「身寄りのない従業員は勤め先しか拠り所がないのです。ですから、生かさず殺さず飼い馴らせば労働力として最適なのですよ」
「へえ~。シスターさんなのに詳しいね~」
「……スラムに赴いたこともありますから」
 フランドールは隙の生まれた警備員を蹴散らすと、開かれた正門目掛け歩みをすすめる。彼女の疑問に応じたライの滑らかな理屈の吐露に疑問はあれど、本人がそう言うならそういう理屈なのだろう、と深追いしないのが彼女らしい。
 それにしても、ここまで騒ぎを起こして社内で何も無いのは不自然だ。もしかしたら、正門のセキュリティを強引に突破しなかったから……なのだろうか?
「20分しかないから……ここからは最短距離を走って移動よね……」
 走るのだけは嫌だなあ、と奈々美は表情を曇らせる。非常階段を昇ることになったら地獄だと。ゆえに、続く寛治らの言葉に表情を明るくするわけで。
「中々厄介なセキュリティですね。セキュリティカード有りでも最低3箇所で乗り換えて認証、そうでなければ倍の乗り換えじゃないと辿り着かないとは」
「時間との戦いでありますから、最短距離で行くであります! ……吾輩が乗り合わせても重量オーバーにならないでありますか?」
「秘宝種だけ雇ってるならエレベーターの強度も高いはずよ。大丈夫じゃないかしら……?」
 ジョーイが制限重量に心配そうな顔をしたが、ヴァイスの言葉も尤もだ。雇う相手が相手なのだから、設備に手を入れていないほうがおかしい。
「な~に~? このわけわかんないエレベーターの乗り換え~。迷路なんていうレベルじゃないよ~」
「目眩がしそうね……」
 数階昇って、フロアを横断して別のエレベーターへ。当然ながら見咎められれば戦闘を回避できない。
 軽微な戦闘なれど、社内に残っているだけあって中間管理職もそれなりの実力を備えており、社内ドンパチは不可避であった。……マジでどうなってんだこの会社。フランドールとルチアが愚痴るのも無理はない。
「安心して下さい、次のエレベーターで最後です。ここを出れば、あとは社長室へ突入するのみ。時間は――」
 終業までのカウントダウンが始まろうとしていた。
 イレギュラーズ監査団、最後の壁(物理)が立ち塞がる!

●社長室前大廊下 16:55
「社長室前だけあって~、超厳重だね~。これだけの警備を揃えてたって事は~ある程度こういう事態を想定してたってことだよね~」
 フランドールは緩やかな動きでSP達の前に姿を晒すと、名乗り口上で全員の視線を釘付ける。既にボロボロのルチアを除いては概ね万全(負傷あり)で辿り着けた一同は、勢いそのままに襲撃を開始した。
「なんだかよくわからんがとにかく死ねぇい!」
「経営監査の時間です。社長にお目通り願いましょうか」
「社長は間もなく退社なされる。要件を告げに来るには遅すぎではないか」
 明らかに暴漢めいた動きで突っ込んできたブレンダをいなしながら、SPの1人は寛治の言葉に首を傾げた。ふてぶてしい、というのが第一印象。彼らは会社の現状を知りながら、それに乗っかる形で私益を貪ったであろうに。
「吾輩の同胞達を解放するため、犠牲になってもらいますぞー!」
「あなた達にも生活や家族があるのでしょう。そのために生きることを否定はしません。……ですが、その影で犠牲になる社員達を思えば肯定もできないのです」
 ジョーイのはつらつとした宣言とは異なり、ライは静かに教えるように、SP達に語りかける。だがその言葉は鉛玉、語る口調は暴威によって、だ。サイボーグとて、生体部分を狙われればただで済むはずがない。
「え、SPはこの人達で全部、よね……?」
「そ~なるね~。ここまで厳重なんだからもう真っ黒だよね~」
 奈々美がおっかなびっくりSPの最後の1人に精霊を向けると、フランドールはタイミングを合わせ、煉気破戒掌を叩き込む。重々しい音を立てて沈んだ相手をそこそこに、一同は社長室の扉へ全力で攻撃を仕掛けていった。
「まずは施錠機構を破壊しましょう。それから扉本体ですね」
「しかしなぜこんなにセキュリティが甘いのだ? 吊り天井や罠をもう少し設置した方がいいような気がするが……」
 寛治が認証機構を撃ち抜く傍ら、ブレンダの猛攻によって見る間に扉が拉げていく。彼女以外の一斉攻撃の効果が十分出ているんだが、彼女の猛攻が一番ヤバい。あと、普通の私企業は罠どころかサイボーグや武装警備員を配置しないのである。近頃遺跡突入が立て込んだせいで常識がバグっているのかもしれない。
「査察だ~監査だ~労総だ~、御用だ御用だ~。はいは~い、ダークネス企業終了のお知らせで~す」
「残すは社長のみでありますな!」
「さ、オシオキの時間よ? 悪い子にはメッしなきゃね」
 扉を叩き壊し、真っ先に社長の背後に回り込んだフランドールが軽い口調で宣言すると、ジョーイとヴァイスが左右を囲む。仲間達が包囲し、武器をつきつけたことで身動き取れなくなった社長が見たのは、ただただ絶望的な光景だったことは間違いない。

 とまあ、なんやかんやの成果あってダークネス企業はこの日滅びた。
 だが、これは世間の氷山の一角かもしれない……嗚呼、世は世知辛い。

成否

成功

MVP

新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ

状態異常

ルチア・アフラニア・水月(p3p006865)[重傷]
鏡花の癒し

あとがき

 セキュリティとして想定した敵が2/3ぐらいしか登場しなかった件。

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