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シナリオ詳細

<アアルの野>死塊を穿つ命

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<アアルの野>死塊を穿つ命
 大陸中央部に広がる砂漠地帯、そこに点在する遺跡群『FarbeReise』。
 そこに、大鴉盗賊団による『ネフェルスト』への襲撃の発生と、フェルベライズ中核へ至る為にレーヴェン・ルメスを人質にしての進撃という事件が発生したのだが、イレギュラーズ達の力により、それを食い止める事が出来た。
 ……しかし、そんなファルベライズ中核へ浮かんだ扉に姿を現わしたのは『イヴ』と名乗る少女……いや、人の形をした人形。
 突然の事にイレギュラーズ達は驚くが、彼女の口から語られし事実。
 彼女はこの地の守護者であり、人ではない。そして、己の様に土塊で固めた人形に、仮初めの命を宿らせた存在を『ホルスの子供達』と呼ぶ事。
 彼女達はファルベラいずを居所とした大精霊『ファルベリヒト』の力の欠片である色宝で、『死者蘇生の研究』』に利用され、た存在である。
 そして彼女達は、土塊の人形に『名を呼ばれた事を発動条件にし、願った相手の外見を転写する事』によって、色宝を利用し、可能にしたのである。
 その話から推測するに、今迄よりも強力な『色宝』があるのは間違いないだろう。
 しかし、イレギュラーズ達に対抗するが如く、大鴉盗賊団・コルボとその部下達も、既に中核に向けて針路を取り始めている。そして。
「この先に進むのを、止める事は出来ません……しかし『ホルスの子供達』を倒さない事には、先に進めないでしょう……」
 そんなイヴの言葉に対し、イレギュラーズ達もまた、遺跡の中へと進む他に無かった。


「あ、イレギュラーズのセンパイ!! ちょっといいっすかね!? ちょっと大変なんっす!!」
 と、『パサジールルメスの少女』リヴィエール・ルメス(p3n000038)は、ネフェストの一角を通りがかった君達に少しばかり騒がしく、声を掛けていく。
 そして足を止めてくれた人達に、笑みを浮かべながら。
「センパイ達が多くの『色宝』を集めてくれたお陰で、とうとうファルベライズ遺跡の中核への道が切開かれたっす! この遺跡の中にはかなりの力がある色宝がある様なんっす。とは言えまだ何処にあるかは分からないんっすけどね……」
「でも、センパイ達が見つけてくれたっすけど、その話を嗅ぎ付けたあの『大鴉盗賊団』達も、この遺跡中核へと向かい始めている様なんっす。このままだと、大鴉盗賊団達が色宝を手に入れてしまうかもしれないっす!」
「しかし今回は、それだけの話しではないんっすよ。このファルベライズの中核にはは『ホルスの子供達』という者達が居る模様なんっす。この『ホルスの子供達』は体の内部にコアの如く、色宝が埋められた土塊の生き物達なんっす」
「つまりいま、このファルベライズ遺跡中核には大鴉盗賊団と、『ホルスの子供達』が居るという状況なんっす。このまま大鴉盗賊団達を放置しておくと『色宝』を奪われてしまう可能性もあるっすし、『ホルスの子供達』を抑えないことには『色宝』を手に入れる事も出来ないっすよ!」
「という訳で、センパイにはファルベライズの中核に潜入して、大鴉盗賊団と『ホルスの子供達』を退治してきて欲しいッス。三つ巴の戦いになるッスけど、宜しくお願いしますっす!!」
 と、深く頭を下げるのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 皆様のお陰で『FarbeReise』も更なる進展を遂げている様で、今回の依頼はファルベライズ・中核に乗り込む依頼となります。

 ●成功条件
   ファルベライズ・中核に居る『ホルスの子供達』と、『大鴉盗賊団』を退治する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はAです。
  想定外の事態は絶対に起こりません。

 ●周りの状況
  遺跡の中、でありますが、『ホルスの子供達』の色宝の効果で遺跡内部とは思えない光景が広がっています。
  今回の舞台となるのは、空は一面に輝く星空に包まれている場所です。
  星空なのは、どうやら『ホルスの子供達』が『星空に憧れていた少年』達を元としているからの様です。

 ●討伐目標
   敵となるのは大きく2種類おり、同じタイミングでの乱戦になります。
   1)大鴉盗賊団 10人
      色宝を狙いに中核に潜入してきた盗賊達です。
      色宝を手にし、己が希望を叶えるための最後のチャンスとして、全力でイレギュラーズ及びホルスの子供達へと対抗します。
      武器としては短剣を軸に、素早くヒットアンドアウェイの攻撃を仕掛けます。
      攻撃ターゲットは基本イレギュラーズが軸ですが、自分の身が危ない……となればホルスの子供達に対しても反撃を行います。
      
   2)ホルスの子供達 5体
      土塊の姿に、身体の内部にコアとなる色宝を埋められた者達です。
      姿、大きさは人間種の子供位の大きさではありますが、攻撃力と体力が高い様です。
      又、言葉は喋りますが、皆様にとっては意味不明な言葉として聞こえる事と思いますので、意思疎通する事はかなり難しいでしょう。
      ただ、ホルスの子供達はこの星空を作り出しているそのものなので、星空に対し、何らかの思い・願いがあります。
      攻撃ターゲットは無差別で、大鴉盗賊団・イレギュラーズも取りあえず目に付いた相手を攻撃します。

  それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <アアルの野>死塊を穿つ命完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年01月11日 22時30分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
鏡花の矛
ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼
ミルヴィ=カーソン(p3p005047)
剣閃飛鳥
岩倉・鈴音(p3p006119)
バアルぺオルの魔人
エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)
リンディス=クァドラータ(p3p007979)
ただの人のように
アイシャ(p3p008698)
スノウ・ホワイト
ユリウス=フォン=モルゲンレーテ(p3p009228)
貴族の儀礼

リプレイ

●煌めきの扉
 大陸中央部に広がる砂漠地帯『ラサ』。
 点在する遺跡群『FarbeReise』と、そこに眠る『色宝』をめぐる事件は、とうとうその遺跡の中核である、『ファルベライズ』へと行きつく。
 そしてイレギュラーズが足を踏み入れたのは、屋内というのに星空が広がるという、遺跡中核部。
「うわぁ……素敵な光景。星空も素敵だけどサ、こんな体験こそロマンって奴じゃない?」
「そうね。でもここ、本当に遺跡……なのよね? こんなにも綺麗な星空が広がるものだから……錯覚してしまいそうになるわ」
 と、目を煌めかせる『暁の剣姫』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)と、『砂食む想い』エルス・ティーネ(p3p007325)。
 それに『スノウ・ホワイト』アイシャ(p3p008698)も。
「ええ……満点の星空は、自分も星になってしまったような錯覚を覚えるくらい、綺麗で……切ない……」
「切ない、かぁ……確かにそうかも。でも、素敵なすごい体験をしてこそ、心の中の星空は、色あせない物になると思うんだ!」
 ミルヴィとアイシャの会話。
 ただ、この星空が何故に広がるか……それは、あの『イヴ』が告げた、此処に生息するという『ホルスの子供達』が映し出す心の中が反映されているとの事。
「『星空に憧れていた少年』達を元にした子供達……ファルベライズにある方方々は、不思議で神秘的なものね……」
 とエルスは、ルメスから聞い事を思い浮かべる。
 今回の『ホルスの子供達』は、『星空に憧れていた少年達』を元にしており、その心が強く反映されているからだろう……との事。
「星空--遥か彼方の光たち。貴方達は、この輝く光に何を思ったのでしょう……貴方達を起こした人は、何を願って起こしたのでしょうか……」
「そうね。星空へのあこがれ、ね……何を望んでるのか、出来たら叶えてあげたい気もするけど……人間の考えそうなことなら、流れ星に願いとか、宝石のような星が欲しいとか、自由になりたい、とかかしら……?」
 『夜咲紡ぎ』リンディス=クァドラータ(p3p007979)と『木漏れ日妖精』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)が交わす会話。
 ただ、そんなホルスの子供達の心境にかかわらずに、更にもう一つの脅威。
 『ホルスの子供達』のコアである『色宝』、それを奪おうと牙を剥くは、『大鴉盗賊団』。
「色宝の力に魅入られた大鴉盗賊団と、色宝の力で蘇らされたホルスの子供達。色宝はまるで甘い毒のよう……心だけ、命すら弄ぶ」
 とアイシャの呟いた言葉。
 それに『月夜の蒼』ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)と『貴族の儀礼』ユリウス=フォン=モルゲンレーテ(p3p009228)、『劫掠のバアル・ペオル』岩倉・鈴音(p3p006119)も。
「ふむ……大鴉に子供達ねぇ。片や色宝強奪狙いの盗賊達。片や色宝を使って作られた中途半端な黄泉がえり、と……」
「ホルスの子供達とやらには悪いが、色宝を大鴉盗賊だに奪われないためにも、我々は出来る限り先んじて前に進まなければならない。襲ってくる相手を無視出来る余裕もない、押し通らせて貰う!」
「うん。『色宝』は集めたらオトクなモンらしいし。盗賊なんかに渡すわけにゃいかないなっ」
 と、気合い充分。
 それに触発される様、オデット、エルス、リンディスも。
「まぁ、詳しい所はわかんないけど、悪い盗賊は追い出して、片付けるのはそれからね」
「ええ。『色宝』を狙う盗賊団は見過ごせないわ。奮って対応しましょ!」
「盗賊団も、これ以上進めるわけには行きません。ここで、止めさせていただきますね」
 各々の覚悟……と、その時。
『ゥォォォオ……ゥゥ……』
 遠くから、人ともつかない咆吼が鳴り響く。
 そしてその咆吼とほぼ同時に。
『おい、あっちから声が聞こえたぞ!』
『何だ……!? わからねえが……ああいう声がする所にはお宝が眠ってるってな! ほら、急ごうぜ!』
 別の方向からは、明かな人の声も響きわたり……それを追いかけるよう、イレギュラーズ達も急ぐのであった。

●子供の影
 そして、イレギュラーズ達が急行した先には……土塊の姿をした、子供位の背丈の者達が5人。
 更にそれに対峙する、10人の大鴉盗賊団達の姿。
 大鴉盗賊団達は、目前のホルスの子供達に対し、どれくらいの実力なのか……と、ちょっと分かりかねている様で、攻撃体勢を取るがまま。
 ……そんな盗賊団の注意を惹きつけるように鈴音が。
「マテマテ~、お宝はイレギュラーズのモンじゃ~~」
 と、大きな声で叫ぶと、振り返る盗賊団。
『何っ!? やっぱり来やがったか、イレギュラーズ!!』
『くそっ。ふざけやがって!! 『色宝』は俺達のモンだ、絶対にお前等には渡さねぇ!! お前等、イレギュラーズを殺すんだ!!』
『『オオウッ!!』』
 と、気合いを入れ、イレギュラーズにターゲットを向ける。
 そんな盗賊達へ、ルーキスが。
「おーい、そこな盗賊達。あそこに居る『ホルスの子供達』って、稼働に色宝が使われているらしいぞー。まぁ、信じるか信じないかはキミ達次第だけどなー」
 と、あえてホルスの子供達に色宝がある、と伝える。
『何だと!? ……確かに、あの胸の辺りに、何か鈍い光があるが……」
『……分からねえ……でも、お前等もそれが狙いだろう!?』
「勿論。キミ達が倒さないのならば、アタシ達が倒すだけの事。ほらみんな、準備はいいか?」
 と、ルーキスの言葉に、アイシャが。
「ええ……待って居て下さいね。あなた達を星空へ送り出して差し上げます。憧れ描いた星空と共に、安らかな眠りにつけるように、コアの色宝が残るのなら、持ち帰り本物の星空を見せてあげたい」
 その言葉と共に、盗賊達とは少し離れた所に位置どるイレギュラーズ。
「さて、と……面倒な布陣だけど、どう誘導したものかな?」
 小声でルーキスが仲間達に呟く。
 ルーキスの言葉によって、確かに盗賊達の注目はイレギュラーズよりも、子供達の方に向いている。
 そんな盗賊達の動きに、子供達は。
『グゥォォゥ……』
 人語とは全く違う唸り声を上げて、五体全てが攻撃開始。
『ッ……来たぞ!!』
 と、その攻撃を真っ正面から対抗。
 子供5体に対し、盗賊達は10人……土塊の身体から繰り出される一撃はかなり重く、軽く後ろへ吹き飛ばされてしまったり。
 でもすぐに、2人で一体を相手にする隊列へとすぐに組み替え、対抗を開始。
 一方で、イレギュラーズ達は己の立ち位置を更に組み替える。
 そこに、ミルヴィも盗賊達と、ホルスの子供達の前線に同様に飛び込む。
『ん!?』
 攻撃を仕掛けられたか、と、一瞬驚く盗賊達……だが。
「さぁ、始めるよ!」
 ミルヴィは咄嗟に『黄昏のアーセファ』で、ホルスの子供へ攻撃。
 更に追加行動にて、子供と盗賊達全てを範囲に収めて、『メナス・ルーヤ』の範囲攻撃を喰らわせる。
 その一撃により、怒りの効果がどちらに対しても無差別に付与されていく……その攻撃と共に。
「皆は盗賊を挟み込むように動いて!」
 と叫ぶ。
 そう、ホルスの子供達が盗賊達を相手にしている間に、盗賊達を挟撃する体制を整えるイレギュラーズの作戦。
 そして子供達の攻撃が一通り吹き荒れる……盗賊達にも、そしてミルヴィにもダメージが及ぶ。
『なかなかヤルじゃねぇか……! でも、こいつらが金になるなら、全力でぶっ潰すだけだ!』
 と、盗賊達は一層のヤル気を燃やし、子供達を短剣でグサリ、と貫き、ヒットアンドアウェイで間合いを取り直す。
 その一方で、リンディスは。
「盗賊達はこう来たら……そう来るという事ですね。流石に集中砲火させる様に追い詰める事は難しそうですね……まぁ、挟撃の仲間達を信頼して任せましょう」
 と、回り込む仲間達に気体しつつ、彼女自体は『未来綴りの章・癒』で、ダメージを受けたミルヴィを回復。
 そして、挟撃位置に付いた鈴音とユリウスが。
「ええ。取りあえず子供達の狙いが余りこちらに来ない様にしようかナ? お互いに殴り合ってくれれば、それだけ疲弊するだろうしネ」
「そうだな、分かった」
 作戦に頷き、そしてアイシャは『我に続け』を早速発動。
 挟撃位置に居る仲間達へ、命中強化の能力でサポートする。
 更にオデットとルーキス二人は、敵陣から少し離れた位置へ。
「さて、と。ここはラサですから、砂嵐なんて珍しくもないでしょう? これは小手調べさ」
 とルーキスがシムーンケイジを発動する一方、オデットはインフィニティバーンの副行動強化の後、ベビーサーブルズを、を放つ。
 勿論、その攻撃はホルスの子供達にも命中し、攻撃を受けた子供達は、一部がぐるりと方向転換。
 しかし後衛の仲間達に近寄らせない様、ホルスの子供達の真っ正面へ鈴音、エルス、ユリウスの三人が対峙しユリウスが『ハイ・ウォール』にて、敵を決して後衛へと通さない様にブロックを行う。
 そして、鈴音とエルスは、同じ子供に対して攻撃していく。
 次の刻……とは言え盗賊達はホルスの子供達の対応にかなりの労力を割かざるを得ない状態。
 一方、子供達は一人はイレギュラーズがターゲット。
 残る四体は、盗賊達をターゲットにし、その土塊の身体を大きく振るい、攻撃。
 そんな三つ巴の乱戦状況を冷静に、上手く管理しなければ難しい戦況ではあるが。
「盗賊達は大丈夫、土塊達は宜しくね!」
 盗賊達のド真ん中で乱戦に身を翻すミルヴィ。
 怒りを付与した盗賊と子供達をぶつからせながら、己が衣装……星空をイメージするような羽衣を纏い、舞うように。
「魅せるよ! 星辰の舞って奴をね!」
 と、子供達の『星空への願い』を刺激。
 その動きに、子供達の動きが僅かに変化。
『ゥォォン……』
 声色は何処か悲しげ。
 又、その攻撃の勢いも、ほんの僅かではあるが、ゆっくりとしている様にも見える。
 ……そんな子供達の動きにユリウスが。
「やはり、何か星空に並々ならぬ思いがある様だな……理由は分からないが」
 と呟く、それに鈴音も。
「そうみたいだネ。なら、こういうのもいいのかナ?」
 と、その届かぬオモイを『風精の守護』の簡易飛行で星空を飛ぶことで、敵の反応がどうかわるか、を試す。
 すると、宙を見上げて、更に攻撃の勢いが減る。
「やっぱり……この星空に、並々ならぬ思いを抱いている子供達の様ですね……」
 呟くリンディス。
 とは言え、余り攻撃の勢いを減らし続けても、この三つ巴の戦いとなっては敵に塩を送るのとほぼ同様なので、それ以上……星宙を思わせる行動を止める。
 そして子供達と盗賊達が攻撃し合うのを見つつ、チクチクとどちらにダメージを与えていくイレギュラーズ。
 ただ……イレギュラーズ達からは、決して子供達を粉々に破壊するような行動は取らない。
 いや、むしろ……リンディスが。
『私も星は好きですよ』
 と、子供達に身振り手振りで伝え、自分達は、その意思を理解している……というのを、暗に示す。
 そんなイレギュラーズ達の動きに、子供達の動きは……盗賊達に偏重していく。
 そして、子供達が攻撃を開始してからら十数分経過。
 両方からの攻撃を受け続けていた子供達が、全て倒れる。
 とは言え盗賊達も、残り3人で……かなり傷だらけ。
 ……そして、足元にはコアとなっていた色宝達。
『よし、こいつらを倒せば、色宝は全部俺達のモンだ!!』
 最後の力を振り絞り、それを回収しようともう一度気合いを入れる盗賊達。
 しかし、そんな彼等に。
「『大切な色宝』だもの。これ以上利用されることなく眠りについて欲しいわ」
 と、オデットの宣告。
 それにエルスも
「そうよ、大鴉の皆さんの目論見はここまでよ!」
 と宣言。
『うるせえ!! とにかく、殺す!!』
 短剣をその手に握りしめ、最後の力を振り絞り、反攻。
「はいはい、そんな傷だらけの身体じゃムリだよ。というわけで、やっておしまいー」
 何処か他人事の鈴音の言葉。
 疲弊している盗賊達に対し、イレギュラーズ達は、そこまで疲弊している様な状態ではない。
「……子供達の意志は、私達が必ず守ります……貴方達の金儲けの為にあるのではありません」
 と、アイシャは宣言。
 勿論3対8という戦力差はそう簡単にひっくり返せるようなものではなく、確実に一人、また一人と仕留めてく。
 そして、最後の一人……既に逃げ道もなく。
「はいはい、おやすみ」
 とルーキスが放つチェインライトニングが、敵へグルグルと纏わり付き……その一撃の前に盗賊達は崩れ墜ちていった。

●地中の空
 そして、地面に子供達の色宝が煌めく中……全てを倒したイレギュラーズ。
 ……一つの色宝を手に取ると、その掌の中でうっすらと、淡い光を放つ。
「……」
 そんな色宝を、掌に大事に包み込むアイシャ。
 手の中で、まるで心臓の鼓動の様に、暖かさを帯びる。
 そんな手の中の色宝に語り掛かる様に。
「生まれ変わったあなた達が、また星空を見られますように。その日まで……おやすみなさい」
 呟いた言葉に、色宝は……暖かさと、淡い光を繰り返す。
 そして、ミルヴィとエルスも。
「アタシは貴方達を歌にする。星空に思いを馳せる無垢な子供達がここに居た事を……」
「そうね……貴方達は、星空が好きだったのね? 星空も好きだけど、私は月がうつろう夜空が好きでん。夜は神秘の世界だわ。前の世界でも、毎日違う顔を見せてくれていた。星空だってそうよね? 違う表情を見せてくれる夜野世界……きっと、それがひかれた理由なのかもね……」
 と、各々の手にした色宝に、そう語りかけていく。
 そうイレギュラーズが色宝に語りかけていると……次第に宙の星空が薄れ始め、元々の姿である、クリスタルが一面に張り巡らされた光景へ変化。
「色宝を確保したから、その思いを反映した空が元に戻った……という事かしら?」
 オデットがちょっと首を傾げるが、まだまだこのクリスタル遺跡…まだ良く分かって居ない遺跡ではある。
 とは言えゆっくり調査している暇も無い……色宝を奪いに、次なる盗賊達が来るとも限らない。
「取りあえず色宝を放置しておいて悪用されるのも嫌だし、一端持ち帰ろうか。緋狐もいるから、管理はきっちりしてるでしょう」
 と、ルーキスの言葉にユリウスとリンディスも。
「そうだね。まぁ帰り道にも大鴉盗賊団が居ないとは限らないから、油断は禁物だね」
「ええ……子供達の意思、決して悪事には使わせたくはありませんから……」
 そして、イレギュラーズはその場を後にする。
 遺跡外に出たときには、空に浮かぶ満月……それを見上げながら。
(「満月は大嫌いだったけれど……こうして、いろいろと乗り越えたら愛しく感じてしまうなんて……薄情かしら? なんて、ね……」)
 と、エルスは目を細めながら、仲間達の後を付いていくのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

アアルの野シナリオ、参加戴きましてありがとうございました!
子供達の『空に憧れる気持ち』を汲んだプレイングもあり、子供達も、きっと皆さんに感謝していると思います……ありがとうございました!

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