PandoraPartyProject

シナリオ詳細

【蒼月の誘惑】

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●蠱惑の蒼
 凪の海、一隻の船が進退窮まっていた。風が無くては何処にも行けない。しかし、この船は一刻も早く着岸する必要があった。この船は海賊船――乗組員は全員、沢山の呪われし財宝を盗み出した咎人ども。
 早く陸にあがり、財宝を売り飛ばさなければ、財宝に掛けられた呪いがそのまま海賊たちに襲い掛かるだろう。何も知らない質屋で儲け、ついでにその呪いまで押し付けようというのだから、全く以て厚顔無恥。こんな奴らにはそれなりの罰を受けてもしょうがないだろう。
 ――というわけで、海賊たちは絶賛、海から這い上がってきたスケルトンや海生人類と戦っていた。財宝を返せと言わんばかりに、宝箱に詰め込んだ金銀宝石を狙うが、海賊たちも命がけでそれを盗んできたのだ。そう簡単に渡せるものかと必死に応戦する。
「船長! 埒があきゃぁせん! こいつら無尽蔵に沸いて出てきまさァ!」
「てめーらもこのウイニング・コースト号の乗組員なら自力で何とかしろぃ! 俺は風をよむので忙しい!」
『キシャアアアアッ!!』
 飛び交う怒号と悲鳴。一度倒されたスケルトンたちも、カラカラと音を鳴らして再び海賊にカットラスを向ける。相手は既に死人、死ぬ心配がないから恐れるものはない。故にどんな無茶な戦法もかましてくる。厄介な相手だ。

 嗚呼やはり、呪われた財宝など狙わなければ良かったんだ……誰かがそう思った。あるいは何人かが。
 その財宝の在り処は、近隣の海賊の中では有名な場所だった。行こうと思えばすぐに行けるし、実際ウイニング・コースト号も波に乗り簡単にたどり着くことが出来た。
 しかし、どうしてこんな簡単なところにある財宝を誰も狙わないかって? そんなのは簡単な話、呪われているからだ。『金は命を奪い、銀は病に侵され、宝石は大切なものを失う』と専らの噂だった。そして何より、財宝を守る古の海賊王の霊が財宝を守っているとも。
 だから、いくら縄張りの中にあっても、他の海賊はその財宝を狙おうとはしなかった。誰しも命は惜しい。人は殺せるが、霊の殺し方など海賊が知る由もなく。この世界にははっきりと、霊や怪物が存在している故に軽率な行動で乗組員を危険に晒すわけにはいかなかった。
 そんな他の海賊たちを「臆病者」と鼻で嗤ったウイニング・コースト号の船長は、財宝の眠る洞窟に着岸し、ありったけの価値あるものを船に積み込ませる。金貨は山のようにあり、とても1回で運びきれる量ではない。一旦引き返してまた来ようと、船を出航させたが……しばらくして、急に風が止んだ。
「おいおい、こんな時に限って凪かァ? ついてないぜ」
 帆はだらりと下がり、全く動く気配がない。空は曇り星も見えない――と思った矢先、雲が晴れ、不吉の予兆『蒼い満月《ブルームーン》』が姿を現す。途端に大きく揺れ動く船体。船に捕まることが出来ず極寒の海に放り出された船員もいた。何事かと思ってみれば、船によじ登ってくるスケルトンと海生人類!
「な、なんだこいつらは!?」
「怪物だ……やっぱりあの呪いは本当だったんだ……」
 困惑する船員たちに、船長は喝を入れるように叫ぶ!
「てめぇらはこんな奴らに負ける程ヤワじゃねぇだろ!? さっさと片付けて儲けようぜ!!」
 ガチィンと船員とスケルトンの剣同士がぶつかり合い、タコのような海生人類の触腕が船員の体に絡みつく。珊瑚の死骸人が自らの欠片を投擲し、鮫の頭を持った海生人類が船員の首から上を食いちぎる! まさに阿鼻叫喚。まだ船員の方が人数が多いとはいえ、このままでは時間の問題だろう。
『カエセ……カエセ……ワレラノタカラ、カエセ……!』
 怪物どもは口々にそう言う。確かに噂通り、彼らは宝を守っているのだろう。此処で「はい、今から返します」とでも言えば許してもらえたかもしれないが、それは海賊の矜持が認めない。
 その時、明るかった月明かりが雲に隠れた。するとどうだろう、スケルトンたちはがしゃんと頽れ、海生人類も力無く項垂れた。船長は確信する。あの『蒼い満月《ブルームーン》』こそがこいつらを動かしていたのだと!
 そうなれば今のうちに片付けるしかない。スケルトンの骨を海に捨て、海生人類の首を刎ねる。これで漸く安心――……そう思っていたのも束の間、雲は再び流れ『蒼い満月《ブルームーン》』が姿を現す! 首を刎ねたはずの海生人類は転がった首を自分の頭にのせて、スケルトンも再びカチカチ音を鳴らしながら船の上へ登ってきた!
「あの月……!」
 船長は憤怒しながらも、自ら剣を抜き怪物たちと応戦する。月が見え隠れするということは、上空には風がある。それがどうして海上にはない? それもこの呪いのせいなのか。どちらでも良い、とにかく今は、船よ動いてくれ……そして月よ、もう一度隠れてくれ!
 そんな言葉を聞いてか聞かずか、『蒼い満月《ブルームーン》』は顔を見せたり消えたりと海賊船を翻弄する。段々と倒れていく船員たち。嗚呼やぱり、呪われた財宝など狙わなければ良かったのか――?
 船長が下した決断とは――。

●欲は身を亡ぼす
 カルトルが手にしたのは、一冊の冒険譚だった。舞台は大海原、世界中の金銀財宝を集め、時には軍や海賊同士との熱い戦いを繰り広げる熱血ストーリー……のはずなのだが。どうにも内容が以前読んだ時と違うらしい。
「呪われた財宝の存在は知ってたけど、彼らはそんなものに誘われたりしなかったはずなんだけどね。それに、こんな怪物たちと戦うっていうのも話が違う」
 この本の世界では怪物《モンスター》こそ普通に存在するが、こんなに軍勢で押し寄せるなんて滅多にない事だ。そこでキーワードになるのが『蒼い満月《ブルームーン》』である。不吉の予兆としてこの世界の人々には広く知られている存在だ。
「皆にはまず乗組員として海賊に紛れて、彼らと共にスケルトンや海生人類と戦って貰うよ。幸い大型なヤツはいなくて、全員人間サイズだから戦闘に支障はないと思う。あとは……」
 本をテーブルの上に置き、海賊と怪物の戦闘挿絵が載っている頁を開く。そこには光る月も描写されていた。モノクロ印刷だからわからないけど、これが『蒼い満月《ブルームーン》』なのだろう。
「この月を味方につける方法があれば、戦いやすくなるかもしれないね。月明かりを見えなくするとか、無理矢理船を動かして雲に隠れるとか」
 勿論、他に方法があるなら何でも試してみて構わない。吉と出るか凶と出るかは、その時次第だ。カルトルはムスっとした表情で話を続ける。
「海賊行為は立派な犯罪だよ。事が済んだら役人に突き出すかは君達に任せる。あと……財宝をどうするかも。元の場所に戻すのが一番いいかもね。まぁ、出来ることは限られている。好きにしなよ、イレギュラーズ」
 そう言ってカストルはイレギュラーズを本の世界――大海賊ウイニング・コースト号物語――へと送り出した。

NMコメント

 オープニングをご覧いただきありがとうございます。まなづる牡丹です。
 今回は戦闘主体の海賊物語です。海賊と言えばやっぱり金銀財宝に略奪ですよね!

●やれること
 敵(スケルトン、海生人類(タコでもウニでも海にいそうなものなら何でもOK))と戦う。
 『蒼い満月《ブルームーン》』を味方につけると戦いやすくなる(船員の犠牲が減る)かもしれませんが、イレギュラーズの強さがあれば敵そのものは圧倒出来るでしょう。
 その後の海賊の行く末はカストルの言う通り皆様にお任せします。財宝は元の洞窟に戻しても良いですし、賊行為で役人にしょっぴいてもらうでも。残念ながらPCが財宝のお持ち帰りをすることは出来ません。

●その他、注意点
 誹謗中傷喧嘩腰は互いに了承を得ている場合のみOKです。不特定のPCへの誹謗ととれるものに関してはマスタリングが入る可能性が御座いますのでご注意を。

 以上、皆様のご参加をお待ちしております!

  • 【蒼月の誘惑】完了
  • NM名まなづる牡丹
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年01月01日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
祝呪反魂
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
カイン・レジスト(p3p008357)
数多異世界の冒険者
天目 錬(p3p008364)
陰陽鍛冶師

リプレイ

●Fight with brave!
 風のひとつもない夜の海。瞬く星に上空だけに流れる風が、蒼い月をチラチラ見せたり隠したり。通常ならばやれ凪の海なら丁度良い休み時だなんて言えるのだが、今回ばかりはそうはいかなかった。というのもこの海賊船ウイニング・コースト号は、陽の高い内に海賊の間では専らの噂である呪われた財宝を手にしているのだ。
 最初はなんてことのない、金銀財宝だった。黄金のコイン、銀の錫杖、宝石のついた冠、禁断の術が書かれた魔導書、他にも色々。金になりそうなものはありったけ船に詰め込んだ。そうして出航してしばらくは快調に進んでいたウイニング・コースト号だったが、風が止み進退窮まってしまう。
 またいつか風が吹くだろう、そう思って待つこと数時間。時刻はすっかり夜。珍しく今日は蒼い月だった。不吉の予兆『ブルームーン』は、この世界の住人なら誰でも知っている伝承だ。まさかな……と船長が想った矢先、船の下から湧き出てくるように骨の怪物スケルトンと、タコのような顔を持つ海生人類が姿を現す!
『なっ、なんでぃテメェら!』
『カエセ……カエ……セ……!』
『お、お頭! こいつぁひょっとして』
『うるせぇ! さっさと蹴散らしてこい!』
 そうして始まった海上戦。海賊に身を扮したイレギュラーズは其々自分の持ち場に散る。『魔剣鍛冶師』天目 錬(p3p008364)はいつぞの絶海の決戦を思い出しながらも、流石に規模が違うと比べる程でもなく。しかし「海賊……職人として略奪を生業とする輩を肯定することは出来ないなぁ」と小さく呟いて、しかし死なれては元も子もない。出来る限りは尽くそうと心に決める。
「与えられた仕事はこなすとも。敵は倒すさ、敵はな」
 その敵が何を示しているのかは……この海上戦が終われば分かること!
「さて、と。何で物語の内容が変わったンだか分からねぇが。取り敢えず、ウイニング・コースト号の危機は何とかしねぇとなァ。今の俺はこの船の『乗組員』なンだからな」
 嬉々として『蒼の楔』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)は船橋に向かい波や風、雲の流れを魔術師たる航海士として占って、最善のルートを導き出す。
『お、おい。お前航海士じゃねぇだろう!?』
 羅針盤に目を掛けていると船員からツッコミが入る。それをレイチェルは怒鳴る様に責め立てた。
「うるせェ! 死にたくねぇなら俺の指示に従って貰おうか。船長、アンタも含めてだ」
『ひ、ひぃ……!』
 ただの乗組員じゃなかったのか!? そもそもこんな奴等うちの船にいたか? なんて考えている余裕はない。ウイニング・コースト号の船上では今も剣戟が鳴り響く!
「月が出ているうちは何度でも奴等をぶっ飛ばせるなんてなんともありがたい話じゃないか」
 気怠そうにそう揶揄する『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)は、まず戦闘である程度敵の数を減らすことから始める。こう敵が多くてはあの蒼い月を雲で覆い隠す暇もない。
 そこで世界は『数多異世界の冒険者』カイン・レジスト(p3p008357)と錬の耐久力を底上げし、戦いの火蓋が本格的に落とされた。
 ――不吉の象徴たる満月、ね。夜闇のシンボル、不穏の体現ともなれば、まぁそういう事もあるんだろうね。なぁんてカインはあっけらかんと考えつつ、それはそれ。海賊に財宝とくればカイン好みの浪漫展開。立場上財宝を貰っていく事はできなくても、それを収め冒険譚のひとつとしようじゃないか。
 ――ついでに海賊たちも助けなきゃね。不要に死ぬ事もないからね。
 少しばかりの優しさを見せつつ、いざ敵を前にしたカインは主にスケルトンが多く居る所へ行き、暗き運命《ダークムーン》で相手を照らす!
「【不吉】よりもなお強い【不運】の輝き放つ闇の月の力、とくと御覧じろってね!」
『アアアアッ! カエセ、カエセカエセカエセッ!!』
「しつこいな」
 マイトポーションをごくりと飲み干し、瓶をその辺に投げ捨て、自己強化の終わった錬は『式符・陽鏡』で蒼い満月に照らされている敵を優先して邪悪を照らす眩い光線を放つ!!
「月光には陽光で対抗ってな。如何な魔力現象かは分からないが、少しでも上書きしてやろうじゃないか」
 カインの《ダークムーン》と錬の陽光が重なり、奇しくも光と闇の不思議な術式が出来上がる。その灼たかな光はそのままに、蒼い月がまだ出ている以上何度でも蘇るスケルトンや海生人類に、錬ソウルストライクで粉砕! その後も近づいてくる敵は片っ端から吹き飛ばしたり海に叩き落としたりと忙しい!
 カインはと言えば、光を継続して放ち戦闘を優位に進める。光に照らされたスケルトンはガラガラガラっと一旦崩れ落ちるので、それを拾って海へポーイ。蒼い月はアンデッド達を操るが、こちらの《ダークムーン》はそれよりも敵に近い。だから……負けてなんかいられない!
「こう数が多いと集中も出来ねェ、少しは仕事しな!」
 レイチェルの声に本来の乗組員も奮起し気合は抜群。そしてレイチェルの標的は味方と同じ敵。囲まれないように立ち回り、或る程度の距離を保ちながら一気に攻勢に出る! 死角を突き憤怒ノ焔を放てば、骨は紅蓮の炎で煌々と燃え盛る。
「おー、流石によく燃えるね」
 カインはかんらかんらと笑いながら不運の輝きを掲げて、アンデッド達の動きを鈍らせる。そこに錬の強烈な一撃が喰いこみ、レイチェルも一気に攻勢に出る!
『キシャアアッ!』
『うわぁああ!』
 一般船員がスケルトンの凶刃に晒されるのを瞬時に捉え、レイチェルは自己耐久を底上げし痛みを覚悟で庇う!
「ってェなァ……!」
 予想より軽かった一撃に対し即座に立ち上がり、右半身の術式で魔力を得ながら煉獄百華で燃やし尽くす。めらめらと燃えるスケルトンは灰になり、もう立ち上がることはなかった。
 敵の数も漸く減ってきた頃、蒼い月対策に世界は乗り出した。作戦は至ってシンプル。月を雲で覆ってしまうこと。簡易式召喚陣で風の精霊を召喚し、周りの雲をかき集め、えっさほいさと雲をかき集める。まだまだ時間は掛かりそうだ。
 その間にレイチェルは付け焼刃ながら操船技術で船員をサポート、「下へ行け!」とのレイチェルの声に、船員も何をするか分かったのかオールで多少強引にでもウイニング・コースト号を動かし、世界の作り出したやっと月が隠れるくらいの雲の塊の下へ潜る。
 するとどうだろう! 今までひたすら『カエセ』と繰り返してきたスケルトンや海生人類どもが動きを止め、骨はその場に崩れ海生人類は打ち上げられた魚の様にピチピチと息苦しそうに蠢き始めた。
「チャンスだよっ、みんな!」
「噫、一気呵成に畳み掛けるぜ」
 カインの掛け声にレイチェルも頷き。世界と錬もそれに続く。スケルトンは灰になるまで焼き尽くし、海生人類は光と闇の光で干上がらせ、アンデッドは二度と組み上がらない程に粉々に粉砕切断!
『あんたら、ウチの船員じゃねぇな?』
 どこから出てきたのか、そもそも生きていたのか。今更になって出てきた態度だけは偉そうな海賊船長がイレギュラーズを睨む。先程まで一緒に戦ってきた船員も、今はカットラスを構えて臨戦態勢だ。
『お前達のお陰で窮地を脱出できたことは事実だ。それは礼を言わなきゃなんねぇ。だがよ、目的はなんだ』
 流石船長というだけあって話が早い。イレギュラーズが何の見返りもなく此処にいるわけないことを見抜いていた。レイチェルは頭を掻き、カインはんー、と口ごもる中、錬はきっぱりと言い放った。
「略奪の現行犯というわけでもないが……欲で振るいかかった呪いを他人に押し付けようとするのは見逃せんな」
『……知ってたのかい。呪いの話を』
「まァ、そう言う事だな。悪い事は言わねェ。財宝は返しな。……欲に目が眩んでもな、この宝は盗っちゃいけねぇやつだ。命あっての物種だろう?」
『ウウム……』
 まだ踏ん切りのつかない様子の船長に、カインは当たり前のようにこれからの事を話した。財宝を戻す事は勿論……。
「あと、大人しく役人にしょっぴかれる事! 今まで好き放題してたんだから、此処で命を拾ったツキは返すべき。そうじゃないかな?」
 ――それとも僕らなしで、もう1回あいつらと戦うかい? と追撃をかませば、船長は蒼褪めた顔で「分かった」と言った。刻限はいつの間にか、水平線から太陽の光が差し込んでいた――。
 船員の誰かは夜を乗り切れた事に感謝し、また誰かは傷ついた者を癒し、そして航海士は財宝のあった洞窟へと船を走らせた。そこにはまだまだ山の様に金銀宝石があったが、残念ながら今回は持ち帰ることは出来ない。
 イレギュラーズも海賊たちと一緒になって、コインひとつ残らず財宝を元の場所へ返した。これで呪いの方は大丈夫。全く、これを仕掛けたやつも相当性格が悪いもんだとは錬の弁。あとは……。
「じゃ、あとはあんたらを突き出して終わり、と」
 世界の残酷な一言に、ぶるりと震えあがる海賊たち。船長も「それだけは勘弁願えねぇか」とひたすら頼み込んでくる。しかし、相手は今まで他者の命を奪い、略奪を繰り返して来た悪党なのだ。ただで帰れると思ったら大間違い。
 錬をはじめとして次々と海賊たちを捕縛すると、戦闘によって損傷した船を突貫工事で修理し陸地を目指す。これから法によって裁かれる時を待つ海賊たちの心境といったら、絶望しかない。船長ともなれば処刑もありうる。
 そうならないよう、イレギュラーズが少しだけ口添えしてやろう。「彼らはもう十分に罰を受けた」と。これからは真っ当な人生を送れるように、精々塀の中でしばらく『安全に』過ごすと良い。
「生きているだけ儲けと思ってもらおうか、反省するんだぞ?」
『へぇ……』
 陸地に着いたウイニング・コースト号。この船が海賊船として出航することは二度と無い――。

成否

成功

状態異常

なし

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