PandoraPartyProject

シナリオ詳細

愛を待つ日

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●天使が舞う
 ひらり、はらり。ひらり、はらり。
 祈る傍から零れ落ちていく花びらが痛い。
 ぽたり、ぴちょん。ぽたり、ぴちょん。
 願う傍から垂れて落ちていく血が痛い。

 愛しい君よ、どうか僕が生きて帰ってくるまで。
愛しいあなたよ、どうか私が事切れる前に。

 ──逢いに来て、抱き締めて。壊れるくらい、力いっぱいに。

 髪から幾つもの花を咲かせた少女がいました。
 彼女はメルサ、生まれつき身体中に花が咲いては散っていきます。
 彼女みたいな特殊体質の人はキセキビトと呼ばれて、短命でした。
 ですので教会で保護されて神の子として過ごします。
 メルサもそうするつもりでした、彼に出逢うまでは。
 彼とは教会を護る兵隊のひとりで、シュナン。
 二人は出逢ってすぐ恋に落ちました。
 二人の恋を他の信者は反対しましたが、ただ一人だけ賛成してくれました。
 神父様でした。神父様はこれも神の導きとして、シュナンが遠征から帰ってきたら結婚式をすると約束してくださいました。
 
──そして、遠征隊が帰ってくる日。シュナンは……──

●未来を繋ぎ止めよ
「ねえ、命を掛けられるほど好きな人っている?」
 図書館に足を踏み入れたあなたたちを見上げて、先月はじめて混沌で誕生日を迎えたラプンツェルが質問する。
 困惑していると、あのねと依頼の話を始める。
「今回のお話はちょっと時間を掛けられないの」
 ラプンツェルによると、今回の仕事はシュナンという青年を治療しながら教会に連れてくることだという。
 彼は教会のある町近くに出た魔物を倒すため、仲間と共に遠征に出たのだ。
 魔物のボスは倒したが、仲間を庇って酷い怪我で生きて帰るかどうか。
 しかしシュナンは早く帰る理由があった。結婚式が控えているのだ。
 短命の花嫁と今にも倒れそうなシュナン。確かに時間がなかった。
「シュナンの仲間たちもね、一緒に残った魔物を倒してくれるみたい」
 魔物の残党は弱く、しかし数が多い。
 一発か二発で倒れるので弾くなどで良いだろう。
 ラプンツェルはいつものように本を掲げて、ちょっと心配そうな顔をした。
「早くしないと二人は結ばれないままになっちゃうんだ」

NMコメント

お久しぶりです。
境界ドロップアイテムが増えたそうなので、慌てて出しました。

●世界説明
とある国の、とある煉瓦の町です。
軽トラくらいなら通れる道幅は維持できます

●目標
魔物からシュナンを護る
シュナンを回復させながら教会に連れていく

●魔物
なんか猪っぽいやつ。弱い。

●シュナンの仲間たち
シュナン含めて5~6人の小隊
そこそこ強い

●サンプルプレイング
シュナン搬送組をタンクとして守る
魔物の攻撃はブロッキンバッシュ、シールドバッシュで弾く
等々

  • 愛を待つ日完了
  • NM名桜蝶 京嵐
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年12月27日 22時00分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

サイズ(p3p000319)
カースド妖精鎌
天之空・ミーナ(p3p005003)
紅矢の守護者
回言 世界(p3p007315)
隠者
紅楼夢・紫月(p3p007611)
呪刀持ちの唄歌い

リプレイ

●繋ぐ人々
 煉瓦の道に降り立った四人を出迎えたのは、鼻息荒く襲い掛かってくる獣だった。
 それは大きく鋭い牙と障気を振り撒く悪魔の翼を持った猪だった。
 視線を魔物の奥にやれば、シュナンの仲間たちと思われる数人がかすかに見えた。
 ――急がないとシュナンの命はない。
 そんな中、道を塞ぐ魔物の真ん中へ真紅の羽根が舞い落ちる。
 鮮血よりも鮮やかな赤を引き連れて突っ込んで行ったのは、『蒼穹の戦神』天之空・ミーナ(p3p005003)その人である。
「よう、クソ魔物共。この道はてめーらが汚していいもんじゃねぇ」
 名乗り口上に一斉に殺到する魔物たち。それに恐れず、またシュナンの仲間たちと充分に距離を測ってからミーナは攻撃を放つ。
 それは台風。それは嵐。清き青を湛えた剣の旋回が生む暴風である。
 ミーナの戦鬼暴風陣で何頭の魔物が吹き飛んだのか、開いた道に四人が駆け出す。
「私は女の子の夢を叶える為なら……全力出し切る奴なんだよ!」
 それでも数の多さ圧倒する魔物たちが再び、陣形を整えて押し寄せてくる。
 それに夢幻のような一筋、きらきらとした光が走る。
 『呪刀持ちの唄歌い』紅楼夢・紫月(p3p007611)の攻撃であった。
 しかし魔物は分からなかっただろう、自分が斬られただなんて。
 それほどまでに紫月の太刀筋は精緻で美しく、痛みすら甘美なものに変えてしまう。
「このまま結ばれんのは悲しいからねぇ。袖振り合うも多生の縁、手伝おうかねぇ」
 のんびりとした口振りとは裏腹に呪わしくも美しい妖刀は冴え冴えと。
 宵闇から生じたと思わす黄昏時の古銃より弾丸は斬擊に変えて。
「魔物が寄ってきたら斬り捨てるだけやわぁ。なぁ?」
 その隙間を白い影が走り抜ける。魔物はもちろん、通り過ぎた仲間も振り返らずに一心不乱にシュナンへ向かう。
「話は聞いた! フラグと骨と冷凍したチューブ詰清涼飲料は折るもんだぜ!」
 『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)が叫びあげながらシュナンの傷口という傷口を塞ぎ、暁を迎え、黄昏をも受け入れる栄光を刹那に詠う。
 全員にイオニアスデイブレイクが行き渡ったことを確認して世界は再びシュナンの治療にあたる。
 傷口を塞ぐことでこれ以上の失血を防いだが、内側はまだ治りきってない。
「ふん、帰ったら結婚するだなんて分かりやすい死亡フラグを建てやがって。しかも実際に死にかけてるんだから全然笑えねぇ」
 ぐちぐちと言いながらミリアドハーモニクスで以てシュナンを癒していく。
 その間にも魔物は迫ってシュナンたちとイレギュラーズに黒々とした禍口を開く。
 しかしくすんだ青が魔物の行く手を阻む。じゃらじゃらと金属が擦れる不快な音。
 シュナンを治療する世界と魔物の間に割り込んだ『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)だ。
 大鎌に寄り添う鎖が陣を描き、その身と本体に赤き血潮が浮かんで地獄の炎が咲き誇る。
 激しい業火を宿したまま、大鎌の一凪ぎが敵陣を切り裂いて苦しめる。
「とりあえず護衛をして魔物を撃破すればいいんだろう?」
 お安いご用だと静かに告げて魔物たちを撃ち払って行く。
 いきなり現れた四人に警戒していたシュナンの仲間たちも雄叫びをあげながら魔物と対峙する。

●待つ人々
 一方、教会では純白のドレスに身を包んだ花咲く少女、メルサが祈りを捧げていた。
 二人の仲を取り持った神父と友人、それに町の人たちもシュナンの到着を待っていた。
 恋を知ったキセキビトの愛は実るのか、みんな祈りながら待っていた。
 その時、道の先がにわかに騒がしくなり、みんなが一斉に視線を向ける。
 そこには傷つき、脚をもつれさせながらも遠征隊が魔物を排除する姿だった
 出発時よりも四人ばかり増えているが、メルサと町の人々には気にする余裕はない。
 それにいち早く気付いたミーナがシュナンを抱える世界に檄を飛ばす。
「私の事はほっといていい! シュナンを早く花嫁のところへ行かせてやれ!」
 同時に二段構えを取ると、迸る赤の一撃が魔物の腹を。二撃目の黒き衝撃が魔物を木っ端微塵にしていく。
 続いて走って教会を目指す世界とシュナンを追わせない為、サイズがルーンシールドを展開させる。
 そのまま、今も呪業の炎に染まったサイズ本体が魔物を片っ端から燃やして進むことを妨害する。
「俺は悲恋の呪い持ちだ、だからこそ守りたい!」
見た目はクールに、胸の内に熱いものを燃やすサイズが叫ぶように宣言を果たせば、仲間たちから呼応する声があがる。
 その背中に合わす影が生まれる。紫月である。
「うちも、そう思うわぁ。あん子が笑うとこ、見たいもんねぇ」
 見つめる先には泣きそうな顔をしたメルサ。美しい花嫁の顔を悲しみで歪ますことは出来ないと古い狙撃銃を構える。
 斬撃が飛び、魔物の列隊を血飛沫で染めて精神ごと奪い去る。
 その道を堂々と走り抜ける世界とシュナンの仲間、そしてシュナン。
 世界の懸命な治療が功を成して、シュナンは肩を借りながらであれば歩けるほどになっていた。
 それを確認した世界は一旦、治療を中断して簡易式召喚陣、その上の虚空に別の陣を重ねて描くと白と蒼の光が生まれる。
 光は徐々に一本の束となり、それは白蛇へと変じた。
 世界はその白蛇を操って魔物の一体へ絡ませると、その牙で密やかな口づけをさせる。
 それは感覚を伝えぬ術で、生命力を奪っていく。

●祝う人々
 魔物たちとの戦いは片付き、教会へ到着したシュナンは花嫁との再会もそこそこに、医務室へ押し込まれた。
 手当てを終えたら着替えさせて、予定通りに結婚式を行うことになったのだ。
 残された四人と町の人たちでそれぞれ声を掛け合って魔物の血やら死体やらを処理して道を掃除していた。
「そっち終わったやろかなぁ? 装飾、ええかねぇ?」
 装飾用のリボンを持った紫月が聞けば、先ほど共に戦ったシュナンの同僚たちが応と応えた。
 紫月の手によって道の脇がリボンで彩ろられていく。
 そのすぐ傍を椅子を抱えた世界が通り過ぎる。お人好し過ぎてあちこちに呼ばれてしまっていたのだ。
「まったく、シャイネンナハトも間近だって言うのにリア充の手伝いをすることになるとは……」
 文句を言う癖にちゃんと仕事をこなす世界は、町の人たちにもすっかり溶け込んで机や椅子を運搬していった。
 少し奥まった場所ではサイズが共に戦った仲間たちの武器や獣を解体する道具の整備と修理を請け負っていた。
「これはさっきの攻撃でか。大丈夫だよ、任せて。……急ぎじゃない日用品は待って、後で!」
 中には調理用の道具も持ち込む人もいたが、サイズは出来る限り丁寧に、それでいて早く直していった。
 それらを見渡しながら、教会周辺の掃除を手伝っていたミーナが額の汗を拭う。
 掃除を言い出した一人はミーナで、自然とみんなが手伝ってくれたのだ。
「せめてこんくらいはしてやらないとな。せっかく、大切な一日に血で汚れた道なんて見たくないだろう」
 町のマダムたちがそれに微笑んで同意して、味見と称して仕上げ前の料理を四人に一口分ける。
 遠くからメルサとは別のキセキビトや町人々がそろそろ始めようと合図をくれ、四人も参列した。

●祝福の祈る日
 みんなで綺麗に掃除をして飾り付けた煉瓦の道を、町の伝統的な婚礼衣装を身にまとったシュナンが歩く。
 やがて祭壇の前に着くと、待っていたメルサのヴェールをゆっくり取り払う。
 二人は照れたような、はにかんだ笑みで見つめあってから神父と向き合った。
 神父が二人に問う。近くに死の足音が聞こえても、その後も変わらずメルサを愛せるか。
 どうしても愛しき人を置いて逝くとしても、シュナンだけを愛せるか。
 二人はまた見つめあい、そして力強く頷いた。
「はい、もちろん。誓います」
「ええ、誓います」
 二人が誓いあい、神父が神の名の下に認めれば町の人々からわあっと、歓声があがった。
 それから式が終わって町中を巻き込んだ大宴会となり、四人も二人にお祝いを告げる。

「結婚おめでとうねぇ、素敵やわぁ」
「俺がわざわざ手を尽くしてやったんだから精々幸せになってくれよ?」
「幸せな結末を迎えてほしかったからな、おめでとう」
 紫月と世界とミーナが告げて握手を交わし、後ろで待っていたサイズの元へ戻る。
 サイズは少し悲しそうに目を伏せて二人に会釈した。
「さっきも言ったが俺は悲恋の呪い持ちで無差別に呪いを振り撒かないように制御しているとはいえ、長時間いるのはよろしくないんだ」
 だからおめでとうとは、言えない。小さく幸せを祈るだけだと告げた。
 それでも良いとシュナンが笑った。
「君たちのおかげで、俺たちのことはもちろん。町もめでたし、平穏になったよ」
 そしてイレギュラーズの四人は、幸せなカップルと町の人々に見守られて元の世界に帰って行ったのだった。

成否

成功

状態異常

なし

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