PandoraPartyProject

シナリオ詳細

恋愛をするのにFB値が高くてもなんとかなると思います!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●やっぱりFBが馬鹿みたいに高い恋愛
「うん、じゃあその時間に——」
 その青年はやっぱり『運の悪い』青年だった。
 前回のデートは幸運にも成功に終わったが、後に情報誌を見てみれば想い人と一緒に船に乗った湖には巨大なクラーケンが住み着いており運が悪かったら転覆。その後に入った水族館のイルカのショーでは自分が盾になったからいいもののイルカが跳ねた時の水しぶきで全身びしょ濡れに。最後に乗った観覧車では幸せなひと時を過ごしたつもりだったのだが、情報誌によれば乗っていた観覧車に爆弾設置、おまけに隕石が降ってくるという訳がわからなくなる程の運の悪さ。
 そして今も、想い人と連絡を取っていたガラケーとやらは何故かいきなり高温になり軽い爆発を起こすという運の悪さである。
「はあ……僕ってなんでこんなに運が悪いんだろう」
 突然破裂したガラケーを片手に憂鬱な表情を浮かべながら、青年は次のデートの心配をするのだった。

●恋愛成就にFBは関係ないけど運が悪い事もあるよね
「おうおう、前回はおつかれさん。まさかデート中に隕石が降ってくるなんて相当運が悪いよな……。あの調子だと今回もひと騒動ありそうだぜ?」
 混沌世界においてFBとは殺せるなら殺した方が良いとされるステータス(※諸説あり)である。その理由は様々な行動が失敗してしまうからであるが、それが日常生活に関わってくることなど(※多分)そうそう無いだろう。
 【元冒険者】ラナードも例の青年の運の悪さには苦笑いを浮かべる他なかった。
「で、今回も運が悪すぎて困ってる恋する青年から依頼が届いている。やっぱり何をやっても上手く行かねえ依頼主はまたデートで何か起きるんじゃないかって心配してるらしいぜ?」
 その青年は恋愛において容姿端麗、性格も優しく落としどころの無い男なのだが、例のごとく『運の悪さ』に悩まされているという話である。
 にわかに信じがたい話ではあるが、混沌世界でいうFB値が80を超えていて何をしても大体失敗しちゃうのだから、きっと今回のデートも放っておけば失敗する。
「今回も何が起きるかわかんねぇが、お前たちなら何とかなるだろ! 適当にフォローしてきてやってくれ!」

NMコメント

 どうも、牡丹雪です。
 FB80なんて数値、何か装備してるんでしょうかね?
 今回も運が悪すぎて困っているらしいので助けてあげてください!


●目標【青年のデートを成功させる】
 彼の今日のデートプランは以下の様です。
 起こりそうな不幸をこっそり阻止してあげてください。

 ①とあるテーマパークの開園前に現地で意中の娘と合流する
 (※約束をしている途中でガラケーがぶっ壊れた! このままでは逢えないかも!)
 ↓
 ②とあるテーマパークのジェットコースターに乗る
 (※まさか脱線事故なんて起こりませんよね???)
 ↓
 ③テーマパークのお化け屋敷に2人きりで入る
 (※お化け屋敷で起きるハプニングといえば……)
 ↓
 ④テーマパークのイルミネーションを眺めながら愛を誓う
 (※致命的な予期せぬ出来事が起きるかもしれません)

※PL情報
 プレイングに起きる不幸が書かれていた場合はそれが起きます。
 時々プレイングに書かれているよりも不幸なことが起きることもあります。
 不幸が思いつかない場合は目的に書かれている不幸をそのまま記載して構いません。

●NPC
 ・恋する青年
  今回の依頼主なのでイレギュラーズの存在は知っています。
  FB80が足を引っ張り恋愛がうまくいかない青年です。
  根は優しく真面目で落としどころの無い青年なのですが……。

 ・青年とデートをする娘
  可愛い子ですが、青年の不運にいつも振り回されているらしい。
  青年の不運さえなければ彼女はまんざらでもなさそうなのですが……。

●サンプルプレイング
 以下はプレイングの参考程度にしていただけたらと思います。

 例)全く、そこまで不幸だと逆にすごいよね!
   バレないように飛行で空から監視!
   〇〇が起きるかもしれないから〇〇しておこう!

●関連シナリオ
 当シナリオは以下シナリオの続きに当たります。
 気になる方はご確認頂けたら幸いです。

『恋愛をするのにFB値が高いのはいけないのだろうか?』
 https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/4697

●アドリブについて
 このシナリオは予期せぬFB、アドリブが多めに含まれる場合があります。
 NGの場合は通信欄等にご記載いただければ幸いです。

 それでは、FB80の挙動をお楽しみください!!

  • 恋愛をするのにFB値が高くてもなんとかなると思います!完了
  • NM名牡丹雪
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年12月22日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

セララ(p3p000273)
魔法騎士
ロスヴァイセ(p3p004262)
麗金のエンフォーサー
華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)
ココロの大好きな人
回言 世界(p3p007315)
狂言回し

リプレイ

●ダイスが振られたら六割失敗だなんて!
「恋愛をするのにFB値が高くても何とかなる。そう思っていた時期が俺にもありました」
 とあるテーマパークの入り口近くの少し大きめな木の陰にて、『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)は目に見えて面倒くさそうな表情を浮かべながら呟いた。
「これ、二回目だよな? もしかして何かある度に俺たちは呼び出されるのかよ」
 そう、彼がFB80の青年を助けるのは初めてではなく、今回で二回目だ。
 その対象がリア充であるから尚更とかいう話はさておき、世界は続けてため息を吐く。
「なあ、今からでも遅くないから諦めさせて——」
「できれば……じゃないのだわ!!」
 そんなことを世界が言い終わる前に『嫉妬の後遺症』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)が大きな声で遮った。その後で「無事に終わったらお菓子でも作ってあげるのだわ」とか言って世界を宥めると、彼女はFBについて感慨深げに語り始める。
「FBは許さない、FBは許さない、FBは0以下にしなくてはなのだわ……!!」
 でも案ずることなかれ、今日の華蓮はFBが-18だ。そうそう失敗することなんて——
「大変! レストランの予約が全部埋まっちゃってるみたいだよ!」
 訂正、さっきからこの世界の携帯を使ってテーマパークのレストランの予約を取ろうとしていた『魔法騎士』セララ(p3p000273)がFB17だ。合わせて華蓮のFB-は相殺され——FBの相殺ってなんだよ。
 ちなみに全員のFB値を足したら-19になるが、青年の80を足されたら61、大体十回に六回は失敗する計算である。
「つか、そもそも約束前に携帯壊れたんだろ。本当に来るのか?」
 実は約束の時点で破綻してないかと心配になる世界だが、『麗金のエンフォーサー』ロスヴァイセ(p3p004262)はそんな彼に「心配ないわ」と答えた。

 ——それは彼の携帯が爆発した時まで遡る。
「だ、誰……?!」
 携帯電話が壊れて約束をする途中で通話が切れてしまった青年の前に突然現れたのがロスヴァイセである。どこからともなく現れたのは境界人がゲートを繋いでくれたからだが、ちゃんと彼の家に繋がるまでに何故か何回も失敗したとか。
「初めまして、貴方をサポートするわ。まずは……」
「これは……?」
 ロスヴァイセは青年に小銭を少し渡す。
「全力で走りなさい。まずは公衆電話で話の続き、待ち合わせの時間と場所を極端に。GO!」
「——あの、一番近い公衆電話でも数キロはあるんですけど」

「——という感じにちゃんと約束させたからちゃんと来るはずよ」
「お、おう……」
 たった数十秒の電話で片道数キロのマラソンをさせられた青年はどんな気持ちだっただろうか。きっと愛している彼女のために真面目に走ったのだろうが、世界はそんな青年を少し気の毒に思ったり思わなかったり。
 そんな話をしているうちに約束の場所へふたりは無事に来た。
 ——あれ? もしかして今回案外簡単に行けるんじゃね?

●まさか衝突するかもだなんて!
「FBが高い、それは仕方ない。大事なことはね、『神様にダイスを振らせない』ってことだよ」
 テーマパークに入っていくふたりを見届けながらセララがビシッと言い張った。
 そのために彼女は事前に青年へ複数の携帯を所持させておき、起きる時間になったら全ての携帯のアラームが鳴るようにセット。目的地までの交通機関をくまなくチェックし、スムーズに青年が会えるように誘導していた。レストランの予約は取れなかったけど。
「いや、何もしなくても隕石が落ちるくらいだからあんまり関係ねぇと思うぞ」
 それでも世界は知っていた。このデートが事前準備程度で成功する代物ではないことを。
「隕石はさておき、予定通りだとジェットコースターに乗るのだわね」
 華蓮はまっすぐにジェットコースターへ向かうふたりを見ると、「見守ってるのだわ」と言いながら翼を広げて高く舞い上がる。空から見ていれば万が一のことがあっても対応しやすいはずだがはてさて。
「ジェットコースターって、恐怖のドキドキと恋のドキドキを勘違いさせる作戦か?
 んじゃ、俺は乗るかね」
 世界は自分も乗ればFB-分が加算されて少しはマシになるだろうという算段。
 ——実は乗算ではなく加算なので雀の涙だということを彼は知らないが。
「じゃあボクは空いてるお店探しとお化け屋敷の下見に行ってくるね!」
 セララは次に行くであろうお化け屋敷と、青年達がお昼ご飯を食べるためのお店を探すためにジェットコースターは後にする。
「乗り物のトラブルは彼が操縦してるわけじゃないから流石にFBは……」
 その場に残されたロスヴァイセは心配そうな表情を浮かべながら青年達の乗るジェットコースターを地上から見守ることにした。

「おい、なんかこれおかしくないか?」
 同じジェットコースターに乗り込んでいた世界が目尻を細めながら呟いた。
 かなり長いレールの筈だが、心なしか前のジェットコースターが近い気がする。
 異変に気付いたのは見守っていた華蓮もロスヴァイセも同じである。ロスヴァイセに関しては係員の聞いちゃいけない言葉を聞いてしまった。
『発車感覚を間違えてしまった……衝突するかも』
「らしいわね、対応できるかしら?」
「衝突するかも……じゃないのだわ! そんなこと起きたら大惨事なのだわ!!!」
 華蓮は大慌てでまだ高速に走っているジェットコースターめがけて飛翔すると、バレないように後ろについて減速させようと力いっぱいに引っ張る。
 結果、イレギュラーズパワーでジェットコースターは減速どころか途中で止まった。
 一番後ろに呑気に座っていた世界は冷や汗をかいた華蓮を気付くと、目を細めて首を傾げるのである。
「お前、何やってんだ?」
「何やってるんだ?……じゃないのだわ!!!」

●まさか本物のお化けだったなんて!
「うん、見た感じ普通のお化け屋敷っぽいね!」
 アナウンスでジェットコースターの一時停止をお知らせしていた頃、セララはお化け屋敷の下見を終えていた。
 彼女は一度中に入って仕掛けや危険な場所がないか確認したが、びっくりするほど『普通』のお化け屋敷で、特に心配するようなところは見当たらなかった。
「まさか急停止しちゃうなんてね、怪我人が出なかったのは良かったけれど——」
 そんなところに丁度良くやってくる例のふたり。
 ジェットコースターでは何かトラブルがあったらしいが、上手く乗り切ったらしい。
「お化け屋敷ね。アイツ絶対吊り橋効果狙ってるだろまったく」
 ふたりと距離を取りながら歩いて来た世界と華蓮がセララと合流しながら呟く。
「私はちょっと休憩するのだわ……」
 華蓮が近くのベンチに腰掛けたのを見ると、世界はセララの方を向いた。
「んじゃ、俺達で後を追いかけるか」
「お化け屋敷二週目、レッツゴーだよ!」
 特にこのふたりは特別な関係ではないが……。
 ——係員が身長差で世界のことを怪訝な表情で見たのは気のせいだろうか。

 お化け屋敷の内容はテーマパークによくあるタイプのものだった。
 雰囲気は不気味だが特筆してビックリする要素もなく、一般人には程よい怖さだ。
「別に足元が見えねぇほど暗いって訳でもねぇし、大丈夫じゃね?」
「うん、ボクが下見をしたときは何も——」
 世界の言葉にセララは言葉を返そうとするが、ふと足を止めて世界の服をグイっと引っ張る。
「っと、どうした?」
「あのふたり、なんか変な所で止まってない? ボクが通った時は何もなかったけど……」
 そう言われてふと正面を見れば、先に入った青年たちが足を止めている。
 たしかに仕掛けという仕掛けもなさそうな通路だし、止まる理由もなさそうだが。
「——どうしたの?」
 耳をすませば足を止めたふたりの会話が耳に入ってくる。
「——迷子? お父さんとお母さんは?」
「——困ったわね、はぐれちゃったのかしら?」
「——とりあえず外まで送っていこう、きっと係員の人が……」
 そのふたりは何もない、壁の隅に不思議と話しかけていた。
「……俺たちは何も見ていない、いいな?」
 目尻をピクピクさせながらその光景を見届けた世界の言葉に、セララは瞬き多めに頷くのだった。
 ——彼らが見えていたのは幻覚か、あるいは。

●FBは高いけれど!
「すっかり夜だわね」
 この時期はもう夕方になると真っ暗になってしまうもので、アトラクションや木々のイルミネーションが点灯し幻想的なテーマパークになっていた。カップルも多く歩いている中でイレギュラーズ達は尾行を続ける。
「あとはアイツが告白をして任務完了な筈だが……」
 前回はこのタイミングで隕石が降ってきたのだから油断ならないと警戒する世界。
「もし隕石が降ってきてもボクが破壊するから安心だよっ!」
 だがセララの言うとおりである。
 見た目は小躯で可愛い魔法騎士の少女だが実際、物理的なFBならどうにか出来そうな力を持っているし、他のイレギュラーズも隕石程度ならどうにかしちゃいそうである。
「んじゃ、他に挙げられる心配といえば……」
 世界が起きそうな懸念を考えていた刹那、突然テーマパーク全体が停電した。

 ——混乱が起きたのはただその一瞬だけだった。
 まるで狙ったかのように打ち上げられた花火が、停電したテーマパークを彩る。
 奇跡的に停電でアトラクションによる怪我人も出ず、誰もがその花火に見入る。
「後は頑張ってね?」
 大きな音と共に花火を打ち上げたロスヴァイセは密かに青年の恋を応援した。
「最高のタイミングなのだわよ!」
 華蓮もまるで青年の背中を押すように呟いた。
 そして……。
「あっ……!」
 セララは何かを見た。その反応は決して悪いものではなく、むしろ反対なもの。
 世界もその光景を見て、ニヤリと頬を吊り上げた。
「……へっ、アイツCTだって持ってるじゃねえか」

成否

成功

状態異常

なし

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