PandoraPartyProject

シナリオ詳細

餅つけもちもち・りたーんず!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「もう餅つきの季節なんですねえ」
 1枚の羊皮紙を手にとって『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)がしみじみと呟く。それをひょいと上から覗き込む影があった。
「餅つき?」
「あ、フレイムタンさん! そうです、餅つきですよ」
 『焔の因子』フレイムタン(p3n000068)は小さく首を傾げ、餅つき、と再び呟く。暫ししてああ、と彼は頷いた。
「餅つきか。もう少し後だった気もするが」
「鏡餅用の餅つきですって。またボコボコにするのです」
 2人の会話にそっかもうすぐそんな時期か〜なんて思っていた面々が小さく首を傾げる。餅をボコボコに。いや、餅つきだから間違ってはいないのだろうが、ちょいと物騒では。
「あ、皆さんはご存知ないですか? 大丈夫なのです、そういう反応は慣れっこなのです。これでもちゃーんと辞書に載ってるんですよ」
 ユリーカが辞書を引っ張り出し――モンスター用語辞典と書かれていた気がする――パラパラとページをめくってイレギュラーズへ見せる。

 餅つき:モチと呼ばれるモンスターをボコボコにすること。

「というわけで、モンスター退治なのです」
 辞書を見せたユリーカはにっこり。無害なモンスターをフルボッコにするだけの簡単な依頼である。
 以前は複数箇所に分かれてモチを集めたが、今回は1箇所のみに絞ってより多くのモチを集める必要があるそうだ。
「モチ自体は子供でも倒せちゃうモンスターなのです。でもでも、よりオーバーキルすると美味しくなるモチなのです! 皆さんはこれでもかってくらい攻撃を叩き込んで美味しいモチを持って帰ってくるのです。
 なんなら納品数より多く持って帰ってきて世間より一足先にモチパーティなのです!!!」
 最後が一番な望みなのでは、と思わんばかりにユリーカの圧が強い。余分に持って帰ってこなくとも問題はないが、折角なら彼女のいう通りモチパーティをしても良いだろう。
 ちなみにモチの出現は突発的なものであり、何かから生まれてくるとかそういう話ではないらしい。例えここで全て狩り尽くしても、いつのまにやらその辺りを飛び跳ねていることだろう。
「地図はこちらにあるのです。モチの姿も多数確認されてるのです。今回は1箇所でとてもたくさん集めるので、回収袋もバッチリ準備済みなのです!」
「準備が良いな」
「ボクは敏腕情報屋なのです! これくらい朝飯前なのですよ!」
 フレイムタンの言葉にドヤ顔のユリーカ。彼女が用意した地図を手に取ったフレイムタンは、さっと視線を通して「見るか?」とイレギュラーズへ渡した。場所は幻想南部の草原地帯らしい。寒くはあるだろうが、ちゃんと防寒していけば問題ないはずだ。
「美味しいモチをたっくさん持ち帰ってほしいのです! よろしくお願いしますね!」

GMコメント

●すること
 餅つき
 (モチパーティ)

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。不明点はありません。

●詳細
 モチというモンスターがいます。とてもとても弱いです。子供でも倒せます。
 今回は倒すことが目的ですが、より正確に言うなら『オーバーキルするくらい攻撃をぶちかます』です。
 およそ10秒(1ターン)に加えたダメージによって餅のモチモチ加減が変わります。
 納品数は50個。皆で頑張ればあっという間です!

 本依頼では余分にモチを集めることが可能ですが、アイテムにはなりません。モチパーティで全部食べることになります。

 前作は読まずともお楽しみ頂けます。
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/2534

●モチ
 みょーんみょーんと飛び跳ねる白い物体です。前後左右の区別はつきません。
 一応体当たりしてきますが、子供が受け止められるくらいにソフトです。柔らかく優しい。
 餅へ変わると同時に、くっつきにくい殻へ閉じこもります。そのまま運べます。殻はトンカチなどで割ることが可能です。味は普通の餅です。

●フィールド
 幻想南部に広がる草原地帯です。寒いですが天気は良く、雪の積もっている様子はありません。
 モチが元気いっぱいに飛び跳ねています。

●ご挨拶
 愁と申します。リターンズです。
 前作出してからそろそろ1年だったので続編です。楽しくボコろう!
 それでは、ご縁がございましたらよろしくお願い致します。

  • 餅つけもちもち・りたーんず!完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2020年12月31日 22時01分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)
戦場のヴァイオリニスト
嶺渡・蘇芳(p3p000520)
お料理しましょ
江野 樹里(p3p000692)
ジュリエット
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
カイロ・コールド(p3p008306)
闇と土蛇
烏谷 トカ(p3p008868)
夜霧
トスト・クェント(p3p009132)
よく食べる
ノワール(p3p009373)
黒き魔法少女

リプレイ

●もっちもち!
 『黒き魔法少女』ノワール(p3p009373)はこれが初めての依頼である。決して難しい依頼ではないと情報屋も言っているし、実際そうなのだろう。けれども。
「生きて動く……餅……!?」
 ウォーカーの誰もが味わうであろう衝撃を彼女――中身は男なのだから彼と言うべきか――は受けていた。餅は動かない、というか動くか否かという選択肢すら存在しなかったのがこれまでの常識である。異世界に飛ばされたということも相まって、不安が胸中を渦巻いていた。
 そんな彼女の様子に気づいたのは「食べられる依頼だ」と気合いを入れた『よく食べる』トスト・クェント(p3p009132)であった。
(おれも1人じゃ自信ないし……なら、)
 トストはノワールへと声をかけ、依頼中組まないかと提案する。1人で不安でも、2人なら互いに少しは心強いはずだ。
「実はお……私、こういうの初めてで……」
 素で『俺』と言いかけたノワール、今は女性姿なのだと言い直す。トストに気づいた様子はない。
「おれもまだまだ来たばっかだからさ。ま、同期みたいなもんだし、一緒に頑張ろうね」
「ええ、ありがとう」
 友情を結ぶ2人であるが、ノワールの耳にはこの程度で驚くなかれとイレギュラーズたちの言葉が入ってくる。
「温泉まんじゅうを倒した事はあったが……今度は餅か……」
 もはや慣れっこのような口調で『戦場のヴァイオリニスト』ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)が呟き、『お料理しましょ』嶺渡・蘇芳(p3p000520)は原住民であるからこの『餅が動く』という事態になんら違和感を感じないようで、
「今年もおモチの時期が来たのねー」
 と、この言いようである。果てには同じウォーカーであるはずの『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)もうんうんと頷いた。
「前にお餅つきしたのって、これくらいの時期だっけ」
 彼女は依頼で1年ほど前に同じ依頼を受けている。故に他メンバーよりは勝手も分かっていることだろう。もちろんもちパーティも経験済だ。
「さぁ、頑張って餅つきしましょうねー。そして美味しいお餅を頂きましょー♪」
「ああ……終わったら餅パーティだ……」
 蘇芳に頷いたヨタカは餅料理を想像する。砂糖醤油も良いがぜんざいも捨てがたい。雑煮も良いだろう、などと考え始めれば必然も腹も減る。
「茹でてお砂糖だけ塗してもいいですしね」
 そこへ追い討ちをかける『ジュリエット』江野 樹里(p3p000692)。彼女はモチに対するオーバーキル以外に美味しくする方法がないかと調べ、1つの答えに行き着いたと言う。
「「「もえもえきゅん?」」」
「はい」
 口を揃えて聞き返す一同。真顔で頷く樹里。なんでもメイド族のごく一部に伝わる魔法の言葉だとか。この一言のみで、熟達した者であれば食材を辛くも美味くも自由自在に操るのだと言う。
 その信憑性は置いといて、一同は無事目的地へ到着。見晴らしの良い草原には無数の白い物体がみょんみょんと跳ね飛んでいた。
「ふむ、あれがモチですか」
 『ひねくれ神官』カイロ・コールド(p3p008306)はその光景を眺める。なかなかに数がいるから、納品数集める事は問題なさそうだ。問題は火力皆無のカイロ自身が如何様にモチを倒し、納品できる形にするか、である。
(仕事ついでに実験といきましょうか)
 オーバーキルダメージで美味しくなるのならまあそれなりにわかりやすい指標かもしれない。
 白い物体はそこまで大きくなさそうだ。『夜霧』烏谷 トカ(p3p008868)はウォーハンマーを担いで草原を跳ね飛ぶ物体を観察する。子供でも倒せるほどの弱さなのだから反撃も反撃といえないようなものらしいが、やはりネックなのはあの柔らかさか。鳥の姿ならば苦戦しただろうな、と考えつつも一同は納品数を確保すべく動き出した。
「巻き込まれないようにね」
 音なく跳躍したトカの一閃がモチを捉える。焔の火炎弾がすかさず周囲のモチまで巻き込んでこんがりと焼いた。
「まずは大量に確保しちゃいたいね!」
「ああ……集めるのは、任せてくれ」
 ヨタカの響かせる音楽が煌めきとともに広がり、モチたちが音色につられて寄ってくる。どこに聴覚があるのかは不明だが、寄ってくるのだから良しとしよう。
「うーん……味はひとつしかなさそうかな?」
 焔は集まってきたモチを眺めるが、去年のように色々な味のモチがあるわけではなさそうだ。ならば特に味のバラけ方などは気にせず、どんどん倒してしまったほうが良いだろう。
(できれば美味しくしてあげたいけど……あっ)
 そういえば樹里の言っていた方法があったではないか、と焔は思い出す。確か、両手をハートの形にして掛け声をかけるのだったか。
「こうかな? もえもえきゅんっ!」
 ぱっと見、変わったところは見受けられない。だから良くわからないけれど、なんだか美味しくなりそう……な、気がした。
 相変わらず『もえもえきゅん』の信憑性はともかくとして、ヨタカは曲を切り替えてモチを一掃する。迎撃されて殻に閉じこもるモチを可哀想にも感じるが、依頼なのだから仕方がない。
(これも納品数と俺達が食べる分を稼ぐためだ……)
 心の中で謝罪して、ヨタカは容赦なくモチを回収して行ったのだった。
 さて、イレギュラーズビギナー2人組であるトストとノワールはタイミングを合わせてモチを倒していく。
「せー、のっ!」
 ノワールが声に合わせて魔弾を放ち。
「もえもえきゅん!」
 トストがそれに合わせてモチを切り裂く。ほら、美味しくなる(かもしれない)ならやっておくに限るじゃん?
 ころんころんと転がったモチを回収して、2人はノルマ達成までどれくらいか数える。
「いいペースみたいね」
「うん。この調子でおれらが食べる分も集めよう」
 頷きあう2人。この後も協力してモチを回収していくが、時折ノワールの言葉が荒ぶったとかそうでないとか。
(お料理の同時進行とモンスターを同時に狙うのって、どうして違うのかしらねー)
 蘇芳は1匹ずつ確実に、全力を叩き込んで仕留めていく。足元にころんと転がったモチを回収したなら、次はそこから狙えるモチを狙っていく。その傍らでカイロはモチに向かって殴りつける。子供でも倒せるのだからこれでも殻には閉じこもるが、美味しいとは言えないのだろう。
「ふむ。では次」
 今度は前のめりに勢いをつけ、力任せに殴る。これでもやはり他の仲間と比べたら弱い。モチだからこそ良いものの、大振りな攻撃は躱しやすいだろう。
(色々と考え方を変えなければいけませんね)
 思い浮かぶのはラサの猛者たち。傭兵だけではなく、盗賊にだって強いものはたくさんいる。そんな存在に憧れるのは不相応な望みだが、仕方ないとも言えるのではないだろうか。
(今更ながら、ですが)
 先日の戦いを思い出すカイロ。強さを間近で叩き込まれた事は忘れようもない。けれどそればかりに囚われていてはどうしようもないのもまた事実だ。
 小さく頭を振ったカイロは過去に見た技を思い出す。形から入るのも大切だと。地面を蹴って両手の掌を広げたところでモチがぴょんこぴょんこと視界に入る。闇を肉体の一点へ収束させ、強烈な掌底を食らわせると面白いように吹き飛んでいく。
「……おお飛ぶ飛ぶ」
 繰り返してモチを飛ばしていくカイロ。環境や相手を力の一部として引き込むならば、非力な自身でもそれなりの近接戦闘ができそうだ。
(近い内に、技を教わりに行きましょうか)
 美しい動きだから覚えていたものの、その全てを写し取るには見よう見まねでは難しいだろうから。
 樹里は受理の祈りをモチたちへ込める。受理の満足感などモチに理解できるのか不明だが――いいや、この満足感は誰もが感じられるもののはずだ。それが美味しさに繋がるかもしれないのならとりあえず実行だ。美味しいものが食べたい。
「もえもえきゅんっ」
 受理させられたモチがもえもえきゅんこと樹里の魔法で一掃される。1人5個も確保できれば納品分はほぼ大丈夫だろうが、自分用にも確保しておきたい。
 彼女の考える通り、皆がそれなりの数を確保すれば納品分には事足りる。そうしてノルマがクリアできれば、あとは専ら皆の趣味に走るわけで。

 どれだけモチモチの餅が作れるか試してみたい。
「誰か協力するか?」
 トカの言葉にヨタカが気づく。自分達用もそれなりに硬すぎず柔らかすぎず、丁度良い硬さで作りたい。
「おや、ではやりましょうか」
 カイロが向かう様にトストも気付き、ノワールに行こうと声をかける。
「本当の先輩たちからきっちり学ばなくっちゃあ」
「えぇそうね、私も見て学べるところは学ばないと。行きましょう」
 ダメージ量が多いほど美味しくなるのなら、皆で力を合わせてどれだけ行けるのだろう。
「それじゃあチャレンジねー♪」
「うん! 皆、せーのでいくよ!」
 蘇芳に頷いた焔が掛け声を担当し、狙いすませて1匹の餅へ全力を叩き込む。樹里もまた『もえもえきゅん』とともに樹里の魔法を放つ。
「2つの伝統を組み合わせ、新しい風を生み出す……それこそがイレギュラーズに課せられた使命なのです……!」
 それが新たな風として流れていくのかは――さておいて。見事なオーバーキルによって殻に閉じこもったモチ。それは草原にころころと転がってやがて止まった。


●もちパーティ!
「さぁ、お餅を調理していただきましょー♪」
 指定数を納品したならあとはもちパーティである。蘇芳が木槌を探して視線を巡らせると、トカが武器で割ろうと申し出る。蘇芳もフライパンを木槌代わりに餅を開けていった。
「やっぱり焼くのが簡単かしらねー」
「七輪で焼こうか」
「いいね! それじゃあボクはお醤油用意しておくよ!」
 炭を持ってきたと用意し始めるトカに、味付けは任せてと焔が醤油準備。海苔も持ち込みがあったので巻いてしまおう。焼き上がった餅を手早く包んで、焔は樹里へ渡す。
「喉に詰まらせたりしないように気を付けてね!」
「はーい」
 熱々柔らかな磯部餅を樹里はぱくり。うにょーんと伸びていく餅をどうにか切ってもぐもぐと咀嚼する。美味しい。
 ぷくぷくと膨れる餅を眺め、ひっくり返したりしていたトカも餅を頂く。これは蘇芳味付けの醤油砂糖だ。
「おお、絶品だね」
「お砂糖で甘くするのも良いわよねー。あとは七味だピリッとさせたりー♪」
「し、七味?」
 トカは前髪で隠れた目を丸くする。七味をかけるというのは聞いたことがない。当然、未知の領域である。
 ノワールも砂糖醤油で美味しく餅を頂きつつ、その話に耳を傾ける。味付けに七味を使うというのは斬新だが、なんだか合いそうな気がする。ああでも、他にも食べたいものはたくさんあるのだ。
(醤油で磯部でしょ。それにきな粉や安倍川、あ、お汁粉あるかな)
 きな粉は蘇芳が煮た餅をあげてつけていたのを見た。お汁粉は――ヨタカだ。しっかりと餡子を持ち込んだ彼はいそいそお汁粉を作っていたのである。
「貰ってもいい?」
「ああ……どうぞ」
 ノワールが聞けばヨタカは頷き、椀によそって渡してくれる。受け取ったノワールは一口食べ、ほうと一息ついた。
 最初は不安もあったけれど、終わり良ければすべて良し。
(依頼受けて良かったぁ……)
 すっかり緊張もほぐれたノワールは、蘇芳から餅をもらって頬張るトストへ視線を向ける。どうやら彼はあまり餅の食べ方を知らないようで、先ほどから目を輝かせて食べている姿が目に入った。
(折角声をかけてくれたし)
 今日のお礼の意味も兼ねて――ノワールはトストへ小さく手を振る。
「えっと、トスト……さん? よかったらこれも食べてみる?」
「これは?」
 お汁粉をマジマジと見る彼に味見してもらうと、どうやらこれもお気に召したようで。トストもまた、ヨタカに1杯よそってもらったのだった。
(本当は、大切な番にも持って帰ってやりたかったが……)
 できないと言われてしまえば仕方がない、とヨタカは自分の分もよそう。ここで番の分まで美味しく頂くのだ。口の中に餡子の甘みが広がって、ヨタカは目元を和ませる。
「やはり……甘い物は美味い……」
 だからこそ思ってもしまうのだろう――やはり、番と一緒に食べたい、と。
「食べたい食べ方があれば言ってねー」
 蘇芳や焔たちが次々と餅を調理する中、カイロは上機嫌で酒をあおる。嬉しい時には酒だ。ここに餅を入れたら美味しくなるだろうか? なんて考える彼はすでに酔っているのかもしれない。
 ああ、けれども。疲れた時の酒こそ染み入るから最高なのだ。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 良いお年を!

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