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シナリオ詳細

<瘴気世界>光輝の眷属

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●闇の精霊と光の使い魔
「それで、アンタはそこの火焔の精霊サマの力を取り戻すためにイレギュラーズを使って冒険者たちを殺させた。アンタ等に何か事情があったにせよ、俺は見損なったよ」
 常闇の塔の頂点、【闇の精霊】オプスキュティオが住んでいる精霊の間で、【元冒険者】ラナードはイグニスヴールを含めて睨み付けると、そう言い捨てた。
ラナードは『光輝の国リュミエール』出身の冒険者であり、【光輝の精霊】リュミエールの加護を受けているだけに複雑な気持ちだった。
 それは自分たちが崇めていた存在が世界を滅ぼそうとするような真似をしていること、そしてそれに対抗するために手段を選ばないオプスキュティオも。
「ああ、確かに私たちはもう精霊の力を使うわけにはいかない。だからイレギュラーズの力も使わせてもらった。彼らの気持ちを考えなかったのは申し訳ないと思っているよ」
 感情の欠落と言うべきだろうか。口ではそう言うものの、オプスキュティオから申し訳なさという感情が伝わってこない。ラナードは「話にならないな」と一言漏らすと、それに付け加えるように話を続ける。
「言い分はわかった、納得はしねぇけどよ」
「物分かりが良くてよろしい。じゃあ次の話に移ろうか?
 前回のイレギュラーズの殲滅戦でイグニスヴールはこの通り力を取り戻した。これでもせいぜいフルパワーの四割程度にしか及ばないけれどね」
 イグニスヴールはオプスキュティオの皮肉とも取れる言葉に「フンッ」と鼻息を鳴らすが、そうする辺り彼女の言うことは本当なのだろう。
「あ? また冒険者を狩れって言うのか?」
「まあまあ、そう早まらないでくれ。作戦を次に移すだけ、今回はリュミエールが生み出した魔獣の討伐さ」

●謝罪
「ああ、集まってくれてありがとよ。俺がいない間にあったことは全部聞いたさ。
 すまねぇ、俺がいればそんなこと絶対に……」
 精霊がイレギュラーズを使って冒険者を殲滅したこと、元冒険者であったラナードにはショックが大きかったのか、どこか消沈しているかに見えた。
「わりぃな、闇の精霊サマはまだあんたらを使いたいらしい。
 全部が片付いたら、今度は俺があんたらを使ってあいつらに責任を取らせるさ」
 ラナードは静かな怒りを秘めながら、あなたたちに依頼の内容を説明するのだった。

NMコメント

 牡丹雪と申します。
 この物語は<瘴気世界>の続編となります。物語は個々で完結する&前回のあらすじを書きますが、過去作を見て頂けると見ると更に楽しめる世界観となっております。
 また、世界観の詳細は自己紹介欄にも記載されています。ご覧いただけたら幸いです。


●目的【光輝竜を討伐し、光の核を回収する】
 オプスキュティオの話によるとリュミエールに打ち勝つには彼女が生み出した光属性の魔獣を撃退し、核を回収してしまうことだと言っています。
 今回はその中でも強力な力で冒険者も手が付けられない光輝竜を討伐してほしいとのことでした。

●敵対相手の情報
・光輝竜×4
 全長10mくらいある大きな竜です。
 混沌世界の竜とは関係ありません。
 一匹でこの世界のS級冒険者二十人ほどの強さを誇ります。
 ですが、イレギュラーズの力なら一対一で相手しても苦戦しない程度の強さです。
 倒すと大きな光の核を落とします。回収してオプスキュティオに届けましょう。

●ロケーション
 瘴気に荒れた広い荒野です。
 瘴気はイレギュラーズに害はありませんが、視界を悪くしています。
 光輝竜は基本的にイレギュラーズに一人一体出現し、イレギュラーズは倒しに行く形になります。
 (例えば二人で行動すると光輝竜は同時に二対出現します)

●世界観のおさらい
 かつて世界の均衡を保っていた6人の精霊たちはあまりの退屈さに人類を生み出し、それを繁栄させた。だが、人類を生み出す過程の中で邪悪な力を持つ魔獣も生み出してしまい、やがて史に残る大戦争が起きてしまう。瘴気により荒廃してしまった跡地から逃れるべく人類は地底へと生活圏を移動した。
 そう願った精霊が導いてくれた際に偉人が受け取ったとされる高純度の精霊石を用いた5つの疑似太陽により、まるで地上にいるような生活を送っている。のちにその疑似太陽に惹かれるように人々は巨大なコロニーを築き、5つの国が出来上がった。
 人類は精霊に最初に生み出された種族であるため、精霊石の魔力を浴びつつ魔獣の灰を食べながら生きている。

●前回までのあらすじ
 大型魔獣を討伐したことによりイレギュラーズはA級の冒険者として扱われております。
 この世界を統べている精霊の一人、【闇の精霊】オプスキュティオと交流を行ったり様々な調査を行った上で、イレギュラーズは『火焔の国 イグニスヴール』を襲った【火焔の精霊】イグニスヴールを取り押さえました。
 しかし、イグニスヴールの証言により三精霊が【光輝の精霊】リュミエールに取り込まれてしまった事実を知ったオプスキュティオは火焔の国所属の冒険者抹殺をイレギュラーズに命じています。
 今回はその直後のお話に当たります。

●関連シナリオについて
 当シナリオは以下の連続シナリオと関連しています。
 よろしければ参考程度にしていただけたらと思います。

・『<瘴気世界>冒険者殺し』
 https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/4692

●アドリブについて
 本シナリオではアドリブが多めに含まれることがあります。
 アドリブがNGの場合、通信欄かプレイングに一言ご記載いただければ幸いです。

  • <瘴気世界>光輝の眷属完了
  • NM名牡丹雪
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年12月16日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

回言 世界(p3p007315)
狂言回し
天目 錬(p3p008364)
陰陽鍛冶師
白夜 希(p3p009099)
死生の魔女
星影 昼顔(p3p009259)
陽の宝物

リプレイ

●三匹の竜が集まるとどうなるか知ってるか?
 瘴気に侵され視界の悪い荒野を男三人は進む。
 例のごとく瘴気は霧のように広がり、数メートル先の視界まで遮る程に濃いものだった。
「強力な力を持つ精霊を相手にしても物怖じしないとはラナード君も成長したなぁ。
 まあ大口叩くのは元からだった気もするがそれはさておき」
 三人衆の一人、『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)は荒野を歩きながらそう呟く。
 そんな世界に『陽の宝物』星影 昼顔(p3p009259)は、ラナードに同情をしたような表情を浮かべると先の殲滅戦の事について触れた。
「そりゃ、ラナード氏も消沈するでしょ……。
 大量に同胞とでも呼ぶべき存在を神様に殺されたようなもんだし、拙者だってそんな依頼……」
 イレギュラーズが汚れ仕事をすることは珍しくないが、少なくとも昼顔はラナードの衝撃と悲しみを理解している様だった。殲滅戦に参加した世界も「少なくとも気が乗る依頼ではなかった」と告げる。
「けど、今回の相手は竜だ。聞いた限りでは混沌のものとは違うといえ大物と聞いている」
 同じく共に行動をしていた『魔剣鍛冶師』天目 錬(p3p008364)は「腕がなるな」と言いながら足を進める。そう、今回の依頼は人殺しなんかじゃない、光輝の精霊が生み出した光輝竜の討伐が目的だ。
 三人は目標の再確認をすると、光輝が出現するであろうと言われた座標へ足を進めるのである。
「それにしても、聞いてた通り本当に視界が悪いね」
 イレギュラーズに害はないとはいえ、霧のような瘴気は手で払おうとしても全く動かない。少しでも視界を良くしようと昼顔は暗視を試みるが、見える世界も同じである。
「ふむ……反響定位には反応なしだな。竜はまだまだ先だろうか?」
 練達上位式を蝙蝠に発動させ、超音波のようなものの反響定位で光輝竜の場所を探ろうとした錬も眉をひそめながら呟いた。そろそろ竜が出現するという座標に辿り着いてもおかしくないのだが。
 そんな中で世界が何かを思い出したかのように「あ……」と声を漏らす。
「そういや今まで魔獣は瘴気の中から突然現れてたな。
 もしかしたら出てくる直前まで実体とかねえんじゃねえの?」
 その情報が正しければ、この瘴気溢れる中で突然襲ってくることになる。
 そして、世界の言葉はまるでフラグを回収するかのように体現した。
「それが本当だとしたら、奇襲攻撃は免れ——」
 錬がそう言おうとした時、固まった三人をまるで取り囲むような三つの殺気を肌にピリピリと伝わった。――刹那、人間サイズのかぎ爪が瘴気の中から錬の首を狙うように襲い掛かる。
「あぶねぇっ!!」
 咄嗟に世界が錬の頭を手で押し下げて回避行動を取らなければ吹き飛ばされていたかもしれない。不意打ちとも思える一撃を回避された光輝竜は再び瘴気の中に姿を隠すと、絶えずこちらに殺意を発してくる。
「ったく、そういえば精鋭の冒険者が徒党を組まないと倒せない相手だったな」
 精鋭の冒険者といえイレギュラーズには遠く及ばない存在だが。
 世界はオプスキュティオの言う無茶振り感を感じながら身構える。
「だが、いくら濃くても竜を隠すにはちょっと不適切な場所だったな?」
「風よ、吹いて。皆に恵みを齎して……!」
 やられたらやり返す。その意気で前に出たのは錬だった。
 瘴気に隠れようとする光輝竜を追いかけ、秘薬による一時的な身体強化と昼顔の支援が乗った式符・陽鏡による強烈な光線が命中する。
「よし、この調子ならいけるな」
 また ”フラグ” ともとれる発言をした人物は言わずもがな。
 飛翔していた光輝竜は翼に大きな傷を負ったのか、地面へ墜落した。
「まずは一体、倒させてもらうぞ」
 墜落した光輝竜にトドメを刺そうと錬が動いたと同時にその咆哮は轟いた。
 耳が痛くなる程の轟音に三人は思わず耳を塞ぐ。
「うるせぇ! 一丁前に悪足掻きしやが——」
 咆哮が鳴り止み世界が怒ったように前へ出て声を失った。
 心なしか……いや、心なしかという表現は些か間違っている。相手していた敵の大きさが三倍ほどに膨れ上がっていれば、見間違えることなんて絶対にない。
 そしていつの間にか、三つの殺気は大きな一つの殺気に変わっていた。
「い、いやいや。ゲームなんかじゃあるまいし、そんなまさか」
 状況をいち早く理解した昼顔は震えた声で目の前の巨大な多頭竜を見上げる。
 この状況を簡単に説明するのであれば、光輝竜が融合したのである。
「おいおい、別に空気を読もうとして強くならなくていいから! さっきのは振りじゃ——」
 世界は額に汗を浮かべながら苦笑いでそんなツッコミを入れようとするが、さっきよりも大きな咆哮で声をかき消され、挙句の果てに三頭全ての口から吐き出された破壊光線のようなブレスがもろに直撃し、『チュドーン』とか定番の爆発音を上げながら吹っ飛んでいく。
「回言氏――っ!!」
 昼顔のそんな声も届かず、世界はボロボロになりながら地面に垂直に埋まった。
 多分そんなにダメージは受けていないと思うが、いろいろと痛かったと思う。
「大きくなって逆に位置を特定しやすくなったはいいが……流石にこれは無茶苦――」
「天目氏――っ!!」
 そんなの反則だろうと言おうとした錬も、そう言い終わるまえに光輝竜の破壊光線ブレスに被弾し『ボッ!!』と音を立てながら吹っ飛んで地面に垂直に突き刺さった。
 あまりにも想定外の出来事に昼顔は棒立ちになっていると、そんな彼にも光輝竜はのっしのっしと近づいていく。
「ま、まさか全員地面に垂直に埋まるオチなんて無いよね?
 拙者すごい真面目に竜退治の依頼を受けた筈なのに、そんなゲームとかアニメの——」

●そんな頃の白い死神
 男性三人衆が光輝竜に苦戦をしている頃、『白い死神』白夜 希(p3p009099)は光輝竜が目撃されたとされるもう一つの地点へ足を進めていた。
 単独での行動を率先した彼女は何か思うところがある様子だった。
「うーん……」
 オプスキュティオが発行した冒険者殺しの依頼で、イグニスヴールの力はほとんど戻らなかった。それこそ三精霊を吸収したリュミエールにとっては無駄な足掻きである。
 だが今回は違う。強力な魔獣は精霊にとって人を殺して力を回収するために道具、その中でも光輝竜は強力な冒険者達でも屠殺できるほどの戦力があると推測できる。つまりは本格的なリュミエールに対する妨害だ。
 希が言いたいのは、リュミエールがこんなことを黙って見逃がすかという疑問である。
 オプスキュティオは気軽に行って来いと言っていたが、彼女の言葉もあまり信用できるものではないだろう。
「動けない事情があるか、それとも計画に支障がない些細なこと……なのか」
 はたまた自分が何か大事なことを見逃しているのか。
 もしもそうだとしたら考えられること、例えば本当の黒幕はリュミエールではなく別の何かだとして、オプスキュティオとリュミエールに大きなすれ違いが起きていたりしたら……希がそんな思考を巡らせていたら光輝竜が姿を現す。
 考えるのはまた後にしよう。
「まあ……遠慮なく潰しちゃってもいっか、ドラゴン。
 にしても大きいね……距離取っておけばなんとかなるかなー」
 現れた光輝竜は一体。瘴気で視界が悪い中、希は冷静に光輝竜と距離を取る。
 その一方で光輝竜は確実に希を狙ってかぎ爪を振ってくることから魔獣にはこの瘴気の中でも多分はっきり見えているのだろう。
「最初の犬は首あたりに核あったっけ?」
 光輝竜のかぎ詰を希は影を伸ばしてしっかり防御すると、狙ったようにパリングする。
 体勢を崩した光輝竜に勢いよく間合いを詰めると、今度は影を刃に変えて首を斬り落とそうとした。
「……?」
 鈍い音と共に刃が止まる感覚。斬り落とすつもりで放った刃は光輝竜の硬い鱗に阻まれ途中で止まってしまった。ダメージがなかったわけではないが、犬よりも手強い相手らしい。
「ほんと……割りに合わない仕事……」
 反撃のブレスを、希は再び影を集中させて防御しながらため息交じりにそう呟くのだった。

●光輝の塔、頂点
「放ったホワイトルミナスドラゴン四匹の反応が消えてる……」
 イレギュラーズも知らないどこかにある光輝の塔頂点で、光の精霊と呼ばれる存在がぽつりと呟いた。リュミエールという名の少女が放った光輝竜はイレギュラーズによって無事に討伐されたらしい。
「イレギュラー……例外な存在がこの世界に干渉しちゃいけない筈なのに、ユルサナイ」
 彼女は困り果てたような、どこか恨めしそうな表情を浮かべながら身の一部を切り離す。
 切り離されたそれは独りでに動き始め、やがて禍々しい姿へ変貌を遂げた。
「この世界で好き勝手にする輩は、ケサナイトいけないよね……。
 ユルサナイ……ユルサナイ……」

成否

成功

状態異常

なし

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