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シナリオ詳細

真っ白世界の真っ赤な実り

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●一面の銀世界
 しんしんと降りつもり雪。
 黒い大地も、緑の葉っぱも、大きな茶色い木だって今は真っ白。
 そんな真っ白な世界の中で、ミミは大きな目をキラキラと輝かせた。
「おばーちゃーん! ユキリンゴ採りにいこー!!」
「あら。今日は絶好のユキリンゴ日和だね」
 朝食作りのためにお湯を沸かしていたおばあちゃんが窓の外を見て微笑む。
「早くしないとユキリンゴ溶けちゃう! 早く早く!」
 ぴょんぴょんと跳ねるミミ――二足歩行する服を着た巨大ウサギにしか見えない女の子――に、おばあちゃんはマフラーを巻いてやる。
「今日はお日様もお寝坊さんみたいだから、慌てなくても大丈夫よ。でも、私とミミだけじゃあんまり採れないわねぇ」
 おばあちゃんはあんまり力がない。ミミはまだ小さいので同じく力がない。
「おじいちゃんは?」
「寒い日は膝が痛いって言ってるから、連れ出すのはねぇ……」
「むー……。あ、じゃぁ一緒にユキリンゴ採りに行ってくれる人探してくるー!」
 耳をぴこぴこ、マフラーをぽんぽん揺らしながらミミは一緒にユキリンゴ採りに行ってくれる人を探しに行くのだった。

●あまぁいあまぁいリンゴのお菓子
「リンゴのお菓子って美味しいよね」
 ふんわり香る甘い香り。
 アップルパイに焼きリンゴ、タルトタタンにカスタードと合わせたパイも良い。
 良く冷まして味がなじんだ物も美味しいけど、焼き立て熱々に冷たいバニラアイスを添えたらひんやり熱々、略してひやあつ最高!
「ウサギのミミちゃんがね、この時期しか取れないユキリンゴを一緒に採りに行ってくれる人を探してるの。このユキリンゴがね、雪が降る寒い日に真っ赤になるリンゴで、そのまま食べても美味しいけど、お菓子にすると最高なんだって」
 ただ、採るのが少し大変で、木に成っている間は手袋越しの体温でも溶けてしまうので、一人が枝を切って、一人が触れないように、傷つけないように布などで受け取らなくてはいけない。
「ミミちゃんとおばあちゃんだけだとちょっとしか集められないから、一緒に集めてくれないかな? 集めたユキリンゴは、おばあちゃんが美味しいお菓子にしてくれるよ!」
 寒い中、頑張ってリンゴを収穫した後はあったかくて美味しいお菓子。
 カラメルリンゴのパンケーキもお勧めだ。

NMコメント

 リンゴのお菓子って美味しいですよね……!
 そんなわけで雪の降る日にだけ採れるユキリンゴの収穫&美味しいお菓子を食べませんか?

●目標
・いっぱいユキリンゴを採って、美味しいお菓子を食べる。
 お菓子はおばあちゃんが作ってくれます。作りたい人は一緒に作っても良し。
 お菓子の希望があればお気軽に。

●ユキリンゴの採り方
・二人一組で、一人が枝を切って、一人が触れないように受け止めて下さい。
 手袋してても、触れるとユキリンゴ溶けちゃうんで……。
 収穫直後は薄い氷に覆われていますが、時間が立つと氷だけ溶けます。氷が溶けたら触っても大丈夫。

●今日のもふもふ
・ミミ
 ウサギの獣人の女の子。元気と好奇心の塊。
 もうすぐお姉ちゃんになる。お母さんにユキリンゴを食べて欲しい。
・おばあちゃん
 ミミのおばあちゃん。孫に甘い。年の功で色々出来る。

●その他
・前に餅つきしたけど知らなくても全然平気。
・お土産はユキリンゴのリンゴジャム。
・飲み物はコーヒー紅茶、ココアにユキリンゴのジュースもあるよ!
 お勧めはユキリンゴのアップルティー。
・フェリーチェはお呼びがあればお手伝いに行きます。ひやあつウマー。

それでは、皆さんのほのぼのわいわいお待ちしております。

  • 真っ白世界の真っ赤な実り完了
  • NM名ゆーき
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年12月23日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
時任 零時(p3p007579)
老兵は死せず
マギー・クレスト(p3p008373)
マジカルプリンス☆マギー

リプレイ

●雪の中でこんにちは
「おばーちゃーん! 今日一緒にユキリンゴ採ってくれる人連れてきたよー!」
 雪の中をぴょこぴょこと跳ねる孫娘。その後ろには大小5人の人影。
「あらあら。随分沢山誘ってきたのね。孫が急にお誘いしてごめんなさいね」
「いや、こちらこそ急に大勢で押しかけて申し訳ない」
 『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)が頭を下げると、おばあちゃんはついその頭を撫でようと手を伸ばす。手を伸ばすけど、がっしり大きな体を持つゲオルグと、ぴんと伸びた耳を含めて1mほどのおばあちゃんでは当然届くはずもなく。
「あの……抱き上げましょうか?」
 その様子を見て、『小さな決意』マギー・クレスト(p3p008373)がそう声をかけるのだった。

 マギーは頑張った。頑張っておばあちゃんを抱き上げた。だけど非力なマギーでは持ち上げられる高さに限界があり、ゲオルグとの身長差もあっておばあちゃんの手がゲオルグの頭に届くことはなかった。その代わり――。
「たかーい!」
 ゲオルグの肩に乗ったミミがはしゃいでいる。もふもふした動物が好きなゲオルグとしても巨大子ウサギを堪能出来て満足そうだ。
「私までごめんなさいね」
 その横ではおばあちゃんが『特異運命座標』時任 零時(p3p007579)に抱き上げられていた。
「気にしなくて良いよ。こっちもあったかいしね」
 ミミもおばあちゃんも冬毛使用。ふわふわもこもだ。
「あの……後でボクもぎゅってしていいですか……?」
「あらあら。私みたいなおばあちゃんより、ミミのほうがふかふかよ?」
 キラキラと目を輝かせるマギーにぴくぴくと髭を動かすおばあちゃん。どうやら若いほうが毛並みが良いらしい。
「……二人とも、良いでしょうか?」
 悩んだ結果、二人とも抱きしめたいというマギーに、おばあちゃんだけでなくゲオルグと零時も笑うのだった。
 そんな五人の後ろでは、『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)とフェリーチェがゲオルグの連れてきていたにゃんたまたちを抱えて歩いていた。
「ぬくぬく可愛いね!」
「可愛いかどうかはともかく、まぁ、確かにぬくいな」
 にゃーにゃ―と鳴くにゃんたまたちにぬくもりながら歩いて行くと、不意にミミが大きな声を出す。
「あれがユキリンゴだよ!」
 多分指差すその先には、真っ白な木があった。
 幹も枝も葉も白く、その中にリンゴの形をした白い実が成っている。
「あれがユキリンゴか……。人の手で触れると溶けてしまうなんて、一体どんな味なんだろうね、今から楽しみだなぁ」
 ウキウキとした様子でおばあちゃんを降ろすと、零時は預かっていた荷物から布と鋏を取り出した。
「さ、早く採って美味しいリンゴのお菓子満喫しないとね」
 穏やかに笑いながら零時が差し出したハサミを受け取り、世界も笑う。
「同感だ。期間限定の美味い物のために寒い中ここまで来たんだから、大量に採って沢山お菓子を作ってもらわないとな」

●触れると溶ける、ユキリンゴ
「いくぞー!」
「はい!」
 枝に上った世界が下で布を構えるマギーに声をかけ、ユキリンゴに触れないように枝を切る。
 ぱちん。
 枝から離れたユキリンゴが重力のままに落ち、真っ白だった実から雪化粧が薄く剥がれて淡いピンクになる。
「わぁ……」
 触れないように用意していたエプロンで受け止めたマギーは、色の変化に目を輝かせる。
「真っ白の実なんだと思いましたけど、本当は薄ピンクなんですね。可愛いです」
 リンゴにしては小さめの実を籠に入れると、次を受け取るためにエプロンを広げる。
「ここら辺ちょっと多めに成ってるから、一気に落とすぞー」
 にやりと笑う世界に、マギーの頬がひきつる。
「え……!?」
 ぱちん、ぱちん。
「ま、待って下さい―!」
 世界の枝を切るペースに翻弄されて、マギーが泣きそうになる。必死になって落ちてくるユキリンゴを追いかけるが、間に合わずに落ちてしまう。思わずショックを受けるマギーに世界が苦笑する。
「大丈夫だ」
 広げたエプロンの死角で、世界が召喚した精霊たちが布を広げてユキリンゴを受け取っていた。
「妖精さん、ですか……?」
「いや、精霊」
 四体で協力して布を持ち上げるはしゃぐ精霊たちに、マギーは目を輝かせ、世界は苦笑するのだった。

 騒ぎながら収穫する世界たちから離れた所で、さくさくと収穫しているのはゲオルグと零時。
 しっかりとした枝を選んでのぼると、零時はゲオルグの準備が出来たのを見てユキリンゴを切り落としていく。
「おっと」
 次々と落ちてくるユキリンゴを危なげなく回収していくゲオルグ。その足元でふわふわ羊のジークや、にゃんたまたちが遊んでいても踏むことなくしっかり回収しているのだからさすがとしか言いようがない。
「大分取れたね」
 来年の収穫に影響が出ない程度に実を残して収穫した二人の籠は、ユキリンゴが山盛りだ。
 その横でジークやにゃんたまたちが集まっているのが微笑ましい。
 とは言え、ジークたちは好奇心に負けてユキリンゴを突いてしまい、溶かしてしまったクロを慰めているのだが。
「どうにかして、クロ君を元気づけてあげたいね」
「そうだな……」
 しょんぼりとしたクロは溶けてしまったユキリンゴを見て小さくなっている。
 ゲオルグがみんなと食べるのを楽しみにしているのをわかっているから。
「クロ、ミミたちはまだ収穫を終えていない。手伝ってあげられるか?」
 だから、そんなクロに挽回の機会をあげよう。
「ジークたちも一緒に手伝ってくれるか?」
 クロ一人では行きにくくても、みんなが一緒なら大丈夫。
 低い位置になっているユキリンゴを収穫しているミミたちの元に走り出すと、手分けして籠にいれるお手伝いをするのだった。

●お待ちかね! 熱々あまーいお菓子タイム!
「いっぱい採れたー!」
 雪まみれになりながらも喜ぶミミを筆頭に、みんなの持つ籠はユキリンゴでいっぱい!
「皆さん有難うございます。ユキリンゴが溶けたらすぐにお菓子にするから、まずはアップルティーであったまって下さいね」
 ふんわりと湯気の立つ紅茶と暖かなタオルを用意すると、おばあちゃんは早速台所へ。
「どんなお菓子になるか楽しみですね!」
 紅茶を手に笑うマギーに、まずはミミが一品目。
「前に作ったジャムならあるよ!」
 薄く切ったパンと金色のジャムが入った瓶を差し出され、早速世界の目が光る。
「待ってました。このために寒い中頑張ったんだ!」
「どんな味か楽しみだね」
 零時もにこにこと微笑みながらジャムに手を伸ばし、まずは控えめにパンに塗る。
 小さなパンだったので一口で頬張れば、しっかりとした小麦の風味の後に甘酸っぱいリンゴ特有の風味が口いっぱいに広がる。
「! 飲み込んだ後が凄いです!」
 きらきらと目を輝かせるマギーに、零時も二つ目を食べながら頷く。
「しっかり甘酸っぱいのに、飲み込んだ後はさらっと消えるね。甘さがしつこくなくて、これならいくらでも食べられそうだ」
 そう、ユキリンゴの一番の特徴はさらりと消える後口。
 振れると溶ける性質だけでなく、まるで手で触れた新雪のように消える後口もあってユキリンゴと名付けられたと言われている。
「生でも食えるよな?」
「うん! にゃんたまたちも食べる?」
 もふもふと戯れるもふもふ。(主にゲオルグの)癒しです。
「あぁ、お願い出来るかい?」
「すぐ持ってくるー!」
 そう言って丸のままのユキリンゴを持ってくるミミ。まだ剥くという考えには至らないようだ。
 とは言え溶けたユキリンゴは艶やかな淡いピンクで、持ち上げればリンゴの良い香りがする。
「そのままだと酸味が強いな」
 適当に切った物を食べて眉間にしわを寄せた世界の言葉に、マギーは予想外の酸味にみゅっ! と肩を竦め、ゲオルグと零時は苦笑している。どうやら生で食べるにはあまり向いていないようだ。
「あらあら、楽しそうね」
 ふんわりと甘い香りと共におばあちゃんが戻ってくる。その手には焼き立てのアップルパイ!
「良い匂いだね」
「焼き立てが一番香りが良いの。さ、好きなだけ食べて頂戴」
 食べやすい大きさにカットしてお皿に盛ると、そこにバニラアイスをたっぷり。
 何層にもなったパイ生地に、バニラアイスが溶けてしみ込む。白いアイスにフォークを入れれば、その奥から黄金色に輝くユキリンゴのパイが顔を覗かせる。
「……!!」
 さくりとしたパイ、絶妙な甘みと酸味のバランス。しっとりした部分としゃきしゃきした部分のあるリンゴの食感の対比と、熱々のパイとパイの熱で溶けるアイスの冷たさ。
 これが、ひやあつ……!!
 感動するマギーの隣で、皿を空にした世界がユキリンゴを練りこんだパンを食べている。
 ゲオルグはジークやにゃんたまたちに分けながら食べ、零時はしみじみと幸せを実感している。
「若い頃は戦場に出ることばかり考えてたけど、まさかおじいちゃんになってからこうして色んな国や世界の食べ物を食べられるなんて思ってもみなかったね。イレギュラーズになったのはビックリだけど、こうして色々おいしいものが食べられるようになったのは幸せだなぁ」
「おじちゃん、美味しいのもっといっぱいあるよ!」
「それは楽しみだなぁ」
 ミミの言葉に楽しそうに笑みを浮かべると、零時はパンケーキに手を伸ばした。
「マギー、これも美味いぞ」
 一緒にユキリンゴを収穫したことで親近感が沸いたのか、世界は先ほどからマギーの皿に次々とお菓子を乗せていく。
「こんなに食べきれませんよ!」
 世界の気持ちは嬉しいけどお腹はそこまで大きくない。困るマギーは、ゲオルグからお持ち帰り用の袋を差し出されるのだった。

 お腹いっぱいお菓子を食べたら、ジャムをお土産に貰って帰る時間。
「お母さん喜んでくれると良いね」
「良いお姉さんになって下さいね」
 零時とマギーに撫でられ、ミミは大きく頷いた。

成否

成功

状態異常

なし

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