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シナリオ詳細

再現性東京2010:その願い袋は開かれない

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●「あー働かなくてもガッポガッポ収入入んねえかなあ!」
 望月 凛太郎 (p3p009109)はそう願っていた。なんかエモ散らかした戦いとかも悪くはないしそういう時はギフトの力で勇気が湧くが、それはそれとして楽をしたい。具体的には不労所得がほしい。
「私に都合のいい少年少女どっかに転がってないかしらねーきらっきらふわっふわしたこう綺麗めの。非常にいい感じに疑いを知らない無垢な顔した少年! どっかに!」
 朔・ニーティア (p3p008867)もまた不浄極まりない願いを持っていた。働きたくないって言ってるの主にこの娘なのでこっちのほうが不労所得を欲している気がしないでもないがまあそういう感じだ。
「「………」」
 ローレットでそんなふうに管を巻いて周囲からゴミを見るような目で見られていた2人は互いに見つめ合うとどちらともなく手を差し伸べ、固い握手をかわした。誰だよこの2人を引き合わせたの。クソみたいな化学反応やめーや。
「で、どうすればいいと思う?」
「シャイネンナハトが近いわ。具体的に言うと練達辺りならサンタがいる筈。ここでひとつ襲撃と洒落込まないかしら」
「で、でも依頼かなにかにかこつけて襲撃しないとハイルールに抵触しやしないか……?」
 まあ混沌というのは世知辛いのである。基本よきにつけ悪しきにつけアレコレしてもイレギュラーズは大体パンドラが増えるが、依頼関係なく悪事を働くといい顔はされない。ハイ・ルールは依頼を受けている時の鉄則ではあれど、SS気分で悪名ゲット! サンタの袋ゲット! みたいなことはまああんまり宜しくない。
 なお、彼等2人の周囲には「俺も楽してーなあほんとなあ!」という非常にアレな性根(とそうでもないけど濁った願望持ちの)連中が集まっていたことは笑うしかない。そんな依頼があるわけ……。

●あるんだよんあ、あるところには
「……まあ正直、これは正当な評価というより悪名を受ける類の依頼です。人々の夢をブチ壊す類です。ですが、これが夜妖が関わっているとなれば多少の悪評も受けねばなりません」
 そんなわけで希望ヶ浜。教員として潜り込んでいた『ナーバス・フィルムズ』日高 三弦(p3n000097)は2人(とその仲間)に驚くべき話を告げた。
 それはシャイネンナハト――再現性東京曰くの「クリスマス」に現れるであろうサンタが夜妖として顕現の兆しがある事実。そして、その袋は多くの願いを叶える力を持つ反面、開かれた時に人々の精気を奪うという。
 つまりは精気を媒介に人の願いを叶える類の代物――だったら多分、彼等は気持ちよく奪うだろう。だが違う。
 この袋は、願いを叶えた「という事実」を相手の脳に刷り込むのだ。達成された願いを心に植え付けられた人々は喜んで精気を捧げるだろう。そして吸い上げられて衰弱して死んでいく。
「そんなの求めてるのと違うじゃん! 叶えられないの?!」
「……夜妖の手から奪えばその存在が変質して或いは」
「或いは、願望成就機……」
「やめてください怒られるの私なんですよ」

GMコメント

 ごめんな病み月さん。悪気はないのだ。リクエストが全部わるい。

●達成条件
・夜妖『歪望サンタ2020』の撃破
・(オプション)願い袋の非破損での奪取

●歪望サンタ2020
 希望ヶ浜においてサンタを信じる人達と汚い大人の願望がより合わさって生まれた夜妖です。
 願い袋はOPの通りの効果であり、歪んだ願望にふさわしい因果応報感があります。
 まがりなりにもサンタの格好なので、こんなの倒した日にゃ色んなとこからひんしゅくを買うでしょう。
 HPがクソ多く機動6、付与でBS無効を備え、BS数を参照した威力とBS付与数、【呪殺】込の音響攻撃を放ってきます。
 まあつまりは抵抗が低い。ブレイクが通ったら有利が絶不利になる。そういうやつ。
 なお一部攻撃には【必殺】があります。攻撃のバリエーションは多いけど遠距離に比較的隙あり。
 願い袋は攻撃手段としても用いられます。

●願い袋
 サンタから奪ったら効果が変わるかも的な匂わせ方をされてますが、真偽は怪しいところ。
 無条件で不労所得を得たらローレットも上がったりだよ。私だって不労所得がほしい。

●戦場
 夜の希望ヶ浜、路上。
 周囲はなぜか工業地帯風なのでそこまでひと目を気にすることはない。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●注意事項
 この依頼は『悪属性依頼』です。
 成功した場合、『練達』における名声がマイナスされます。
 又、失敗した場合の名声値の減少は0となります。

  • 再現性東京2010:その願い袋は開かれない完了
  • GM名ふみの
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年12月24日 22時06分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

極楽院 ことほぎ(p3p002087)
悪しき魔女
マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)
記憶に刻め
メアリー=バーン=ブライド(p3p008170)
燃やすのは任せて
眞田(p3p008414)
輝く赤き星
秋野 雪見(p3p008507)
エンターテイナー
朔・ニーティア(p3p008867)
言の葉に乗せて
※参加確定済み※
えくれあ(p3p009062)
ふわふわ
望月 凛太郎(p3p009109)
誰がための光
※参加確定済み※

リプレイ

●もうちょっと欲求を隠す努力をしろ
「買ってない宝くじが当たったり、聞いたこともない大富豪から遺産が相続されたり、突然税金支払わなくていい5,000兆Gが振り込まれたりしねェモンか……」
「うおっしゃー!!! 不労所得目指して頑張るぞ!!!」
 『悪しき魔女』極楽院 ことほぎ(p3p002087)と『誰がための光』望月 凛太郎(p3p009109)は『サンタ』が出ると噂される公園に辿り着くなり、濃ゆい妄言を垂れ流し始めた。先ず仕事をきちんと最後まで戦い抜いてからそういうコト言おうな。そしてことほぎは絶対「悪いことができる」の方が本懐だろ。絶対そうだわ。
「サンタさん、わるいサンタさんだ……! じっさいに叶えてないのに、叶えたよーって言うのは、わるいサンタさん……!」
「子供の頃から俺はそれはもうサンタさんの存在を信じて疑わなくて、なんなら今でも世界のどこかでいると思ってるし……でも夜妖のサンタはだめだ、それはだめだ」
 『ふわふわ』えくれあ(p3p009062)は夜妖がどれだけ「いけない」ことをしているのかを理解した。かしこい。えらい。『レッド・ドラマー』眞田(p3p008414)は割と夢見がちというか理想主義なところがあるのだろう、「いるかもしれない」サンタの実像と大きく乖離する夜妖の在り方は夢をブチ壊すに十分すぎた。そりゃ怒るわ。
「人に夢を与えるお仕事、それはとっても大事なお仕事にゃ……しかし! それを対価に精気を貰うならともかく誤解させたまま奪うとは詐欺にも程があるにゃ!」
 『ニャー!』秋野 雪見(p3p008507)はサンタの役割を理解したうえで、しかし『それが偽り』で且つ『重すぎる対価を要求する』相手であるということが許せない。幻を見せるのもいい。精力を奪うのも、見合った見返りならいいのかもしれない。だが、両立することはないのだ。
「Ho-Ho-Ho、君達も欲しい物が沢山みたいだねえ! いいとも――」
 なんやかんやでイレギュラーズが待ち構えているなか、それでもその夜妖は、『歪望サンタ』はあらわれた。どこか歪んだフォルムをしていることからも、なるほど人の願いを拡大解釈して肥大化したそれだと言うのがよく分かる。怪異を認めたがらない希望ヶ浜に非常にマッチするのも頷ける。だが、だが、だ。
 >>>メリークリスマス&袋をよこせこのやろう<<<
「やぁやぁサンタさんよ。私が幼い頃に一度も来なかったの根に持ってるんだからな、それ含めても貴様には死んでもらう。その袋寄越せぇ!」
「えぇ……?」
 『言の葉に乗せて』朔・ニーティア(p3p008867)や『策士』マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)あたりの、欲望と長々積もり積もったサンタという幻想への妄執籠もりきった面々にとってこの相手は『許せない敵』とか『悪意ある者』とか以前に『掠奪相手』にしか見えていなかった。
「いいか? 私は無垢な子供を守りにきたわけでもなく願い袋は欲しいけどそれメインでもない。ただの八つ当たりの化身だと思ってくれて構わない。クリスマスプレゼントに勉強道具とか渡してきて『もっと勉強できるね!』とか言ったあのクソ親父ぶん殴る」
「私関係なくない……?」
「八つ当たりだからな!」
「私みたいな悪いオトナの真っ黒な欲望もサンタなら叶えてくれるっつーコトだろサンキュー夜妖!」
「いやサンキューじゃなくて。噂きいてる?」
 マニエラは『サンタがきてくれなかった恨み』を、ことほぎは『隠しもしないクソ願望を』サンタに投影して勝手に完結している。こいつら欲望にブレーキがない。アクセルしかない。
「伝承から生まれたこの身だからこそ、噂から生まれた存在であり悪しき者である貴方の様な存在は捨て置けません。それに私、子ども好きですので。子どもの夢を奪う様な真似をするのならば尚更です」
「子供に危害が出る汚い存在は普通に天誅だよ! そしてあわよくば、その袋の中身を確かめたい!」
 『焦心』メアリー=バーン=ブライド(p3p008170)の誠心誠意の怒りとは別に、眞田はいい感じに欲求が漏れていた。漏れ具合がまだ生温いほうなんでセーフ。
「その袋があれば願いを叶えられるかもしれないなんて! それは活用するしかないにゃ! そう! つまり! 今年は私がサンタさん! 私! サンタ!」
「……どうだろう……」
 雪見の宣言は、こう……多分これそこそこ純粋な宣言なのでは……? でも歪望サンタは論理の飛躍に非常に困り顔だ。謝れよ。
「たしかあのふくろ、みんなほしいんだよね? じゃあ、こわさないようにがんばってみるー!」
「えくれあさんマジ天使……!」
 えくれあは即座に保護結界を展開し、サンタの袋を破らぬよう宣言する。仲間達も、心は1つ。凛太郎は仲間達の統一意志に感激の涙を流した。ああ欲望が見える。
「サンタさんを襲うなんて悪い子達だねえ……遠慮はいらない? そうだね!」
 歪望サンタはそう告げると、紅白の衣装から黒白の……いわゆるブラックサンタ姿へと変貌する。その変化だけでも尋常の存在ではないのが容易に理解できるというもの。
 欲望と敵意相半ばする視線で彼をみつめたイレギュラーズは、各々の得物を構え臨戦態勢に入った。
 シャイネンナハト間近の今、両者の戦意と欲望が交錯する。


「絶対に逃がさないぞサンタさァん……ぐへへへへ」
 朔を庇うべく前に出た凛太郎は、怪しげに舌なめずりなどしてサンタに迫る。割とホラー要素全開の彼の行動に若干ヒきつつも、サンタは彼(というか朔)目掛けて苛烈な一撃を放ち、後退する。
「引き撃ち? いや追いかけてやるよこのサンタ!! その袋をよこせ!! 私たちの願望を叶えさせろ!!!!!」
 朔は小賢しくも射程外に逃れたサンタを追って駆け出し、御言術にて相手の身を焦がさんとする。が、サンタの身を覆う不可知の力が炎を払い、威力を抑える。話に聞いていた以上に、能力の厄介さが際立っている。
「殻ン中に引き籠ってねーで、出てきてオレらと遊ぼーぜぇ?」
「みんな大好きサンタさんを叩くから見栄えが悪いって言われてもしゃーない! しゃーないにゃ!」
 ことほぎは遠くから、そして雪見は間合いに踏み込んで、それぞれ相手の付与術式を剥がすべく一撃を仕掛ける。タイミングを重ねられた攻撃は避けるに難。身を捻ったサンタはしかし、敢え無く両者の攻勢の前に守りを砕かれ、苛立たしげに舌打ちした。サンタらしからぬ行為だ。
「どうせ性質変化せず、願いは叶わないんだろ、知っとるぞ」
 マニエラは毒の魔石による一撃で、守りを失ったサンタに追撃の姿勢を見せた。どうせロクな顛末にゃならねえんだろう、という諦めの境地を感じさせる言動に哀愁すら感じるが、結局の所、どう転ぶかはイレギュラーズの活躍次第と言っても過言ではない。叶わないと諦めて締まったらその時点で戦闘終了なのである。
「相手はフィジカルお化けだから、防御されたら長期戦になるもんな……確実に削っていかないと」
 眞田はするするとサンタに近づくと、意表をついた一撃でその身へ斬りかかる。防御を貫いて、その刃が確実に相手に届いた感触はたしかにあった。だが、雪庇からひとかけらの雪を削ったような錯覚が脳裏に浮かび、纏わり付く。相手の堅牢さは並のそれではないという直感。どう足掻いても、長期戦は免れまい。
「あら、逃がしませんよ?」
 メアリーはチェーンソーに強力な炎を灯し、大上段から振り下ろす。どう見ても射程外からの無謀な振り下ろしはしかしブラフで、舐めるようにのたくった炎がサンタに食いつき動きを鈍らせる。自己強化が途切れた瞬間に用いられたそれは、サンタの足を明確に鈍らせ、ちりちりと炎で焦がす。
「メアリーちゃんのほのおはつよいね、すごーい! 凛太郎君は朔ちゃんをまもってえらい! 朔ちゃんも、ことほぎちゃんも雪見ちゃんもかっこいいー! マニエラちゃんのませきはきらきらしてるね、きれいー! 眞田君もかっこいいー!」
 えくれあは仲間達に絶えず声援を贈りつつ、味方全体を術式によって賦活する。立っているだけでその式能力で仲間に活力を与え、さらに魔術的助力、そして褒めそやすことによる気分の高揚……すくなくとも、彼女がいるといないとでは戦闘力は大きく異なっていたのは間違いない。
「皆悪い子だねぇ……!」
 黒化したサンタは全身に不調を抱えながらも、黒い覇気を纏って袋を掲げた。右手に持った袋へと集積する黒いオーラは、そのまま袋の口から一気に漏れ広がる。
「おかしい、こんなハズでは……必殺持ってるんだよね、サンタさん??? オレとは相性絶望的に悪いはずなんだけどな???」
(音響攻撃…!? リズムが狂うなこれ…俺の音楽の守備範囲外だ!)
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛――ッッ!!」
「範囲攻撃とか卑怯にゃぁぁぁ!?」
 凛太郎は文句たらたらながらも朔を決死の覚悟で守ろうとしたその意志力は買う。眞田は只でさえ食らったときのリスクがデカイというのに果敢に前に出たのは評価したい。絶叫で被害を抑えようとしたアイデアは認めよう。雪見も、あと一歩早ければ袋を持つ手に一撃が届いたかも知れない。
 だが、だが、だが。全ては『もしも』と『だった』の評価でしかない。
 3名は大音響に至近距離で巻き込まれ、精神的不調――極端な怒りと防御的無防備を晒し、更には呼吸困難に襲われる。自身が食らった不調のオウム返しならまだいい。より悪い形で敵対者に返すのだからとんでもない。
 凛太郎はここで選択を迫られた。庇うか、治癒に回るか、だ。どちらも行えるほど、凛太郎は(そして大多数のイレギュラーズは)器用ではない。そして、彼を除くと純粋な治癒に長けた術士はここにはいない。
「朔姉はあとで自分で自分を守ってね! 仲間の体力が大事だからねうおおおおお!!」
 結果として彼は、仲間の治療に尽力するべく治癒術を放つ。雪見の体力が安全へと和らいでいく。
「願いが叶うなら今すぐわたしのぱんつの値段を変えてみせろ! 5000Gに変えてみろよ畜生。いややっぱり6000。いやそう言う問題じゃねぇ。これパンツ依頼じゃねぇんだよどんだけパンツに未練があるんだよ」
「みんな、すごいこうげきをたえきってもっとすごーい! ぼくからはなまるー!」
 マニエラの口からは絶えず願望と呪詛が撒き散らされているが、仲間に降り注ぐのは加護と福音。えくれあは他人を幸せにすべく、そのふわふわした体内を廻る魔力と知力を総動員して不調の回復に尽力する。
「呪いは魔女の専門だってーの。サンタが出張ってくんじゃねーよ」
「本当に。こんなに悪いサンタはクリスマスキャンドルがふさわしいですね」
 ことほぎの監獄魔術、続けてメアリーの炎がサンタの身を苛んでいく。が、それでもさして問題ないように笑ってみせたのは、付与魔術の再使用か。いたちごっこになれば、不利になるのは恐らくサンタの側だ。
「袋、よこせにゃー!」
「――そうだ、音にびっくりしてたけど……俺達は袋がほしいんだよ! よこせ!!」
 なんとかギリ耐えきった雪見と眞田は攻撃を叩き込む。手首狙って放たれた連撃は敢え無く逸れたが、しかしえくれあの保護結界の影響でなんとか袋は破けずに済む。
「ほらクリスマスの怨念がね~霊魂疎通してるとわかるんだよ? わからない? え? わかりますよね?わかれ!! ほら! 願いを叶えろってさ!!! 怨念がおんねん!!」
「おらんねん……」
「ア゜」
「朔ーッ!?」
 勢いでどうにかなると思ったろ。大きな勘違いやぞ朔。
 サンタに多大な不利を被らせた朔により大きな手傷を負わせることに成功はしたものの、しっぺ返しはなお大きく彼女を襲った。吹っ飛んだ。そりゃ至近距離だったからな。
「おいコレやべーんじゃねーか? サンタ強すぎねえ?」
「落ち着け落ち着け。付与術式をバリンバリン割っていけばいずれあっちも息切れする。そうしなくても不調に追い込んで呪殺ってこういい感じにどうにかなるんだよ」
「サンタに当てるだけならいくらでも出来ます。要は体力が尽きるまで燃やし続ければいいんです(さくさくもぐもぐ)」
「あっテメ1人でクッキー食いやがってオレにも寄越せ!」
「おかしー? ぼくもおかしたべたいなあ!」
 ことほぎ、マニエラ、メアリー、えくれあの間で混沌たる会話が繰り広げられているが、しかしまあ彼女らは比較的調子がいい方だ。幸運なのは、付与術式ブッ壊せることほぎがほぼ無傷で戦場に立っているという一点。彼女がいなければ瓦解も已む無しだったかもしれない。距離をとって戦えること、状況判断ができることがここまで戦局に影響するとは思うまい。
「悪い子は持ち帰らないとねえぇ……!!」
「何が悪い子だよ望みを叶えたふりする詐欺師が」
 サンタの煽り文句に寿ぎが反論しつつ付与術式をひっぺがす。
「噂から生まれて人の心を蝕むことは許せません。クリスマスの佳き日にいてはいけない相手なのです」
「ぱんつ盗まれどおしだし遺跡からも回収できなかったし、なのに安値で取引されるのが納得いかねえんだよ私は。高く売れろ」
「みんなげんきいっぱい! はなまるー!」
 えくれあの声援(?)に後押しされながら使命感と敵意(八つ当たり)を全開にイレギュラーズは戦う。こんなくっだらねぇ戦いで潰走なんてまっぴらごめんだと言わんばかりに。
 ……やがて、サンタは消滅した。
 だが、何の因果か。彼の手にしていた袋もろとも、消滅したのである。
 なんでかって? まあ、流れ弾とか。不幸とか。色々あるんすよ。

「お、俺はただ不労所得がほしかっただけなのに……!」
「不労所得……ってか。なんにもない。平和な祝祭の日を迎えたいわ。無理だったわ……」
 ことの首謀者である2人、ぶっちゃけ気合とかの度合いの関係でブッ倒れていたが、事態の失敗に気づくと2人で反省会を始めた。空気が重い。とんでもなく、思い。
「サンタを殴っていたのがショー扱いになればもう少しマシだったのにニャ……」
「夢は破れたけど、子供達の夢は守られた。よかったんだ……よかったんだ」
 雪見と眞田も、ちょっとアレな結末にヘコみ気味だが願望だけではなく子供達の夢を想っての行為だったので傷口は浅かった。ギリでアウトなきがするが。
「「高値で売っ払うつもりだったのに……」」
 ことほぎとマニエラは奇しくも目的が一致していたらしく、互いに肩を叩きあう。2人は結構現実的観点でコトに及んでいた気がする。
「きょうはいいことできたし、コンビニでおいしいおかしかっちゃおうっと。うふふー」
「私も行きます。いいことすると気分がいいですね!」
 ……まあ結局、すっきり終わらせたえくれあとメアリーが一番の勝者なんだと思う。

成否

成功

MVP

極楽院 ことほぎ(p3p002087)
悪しき魔女

状態異常

眞田(p3p008414)[重傷]
輝く赤き星
秋野 雪見(p3p008507)[重傷]
エンターテイナー
朔・ニーティア(p3p008867)[重傷]
言の葉に乗せて
望月 凛太郎(p3p009109)[重傷]
誰がための光

あとがき

 ネタ依頼でも、まあ、NORMALだからね。
 っていうか「売り払う」で一致するなよ結婚しろ。

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