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シナリオ詳細

リュミエ・フル・フォーレの年収は?バストサイズは?

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 <調べてみました。>

 今、混沌世界でも人気のリュミエ・フル・フォーレさん。
 その隠されたプライベートが気になる方は多いのではないでしょうか?

 年収は? バストサイズは? 彼氏や結婚はしているのか?

 早速調べてみました!

 ====合わせて見る!====

 > ディルク・レイス・エッフェンベルグの彼女は? 年収は?

 > レオン・ドナーツ・バルトロメイの年収は? 結婚している?

 ===============

●その日、『男子高校生』月原・亮(p3n000006)はヘルプした。
 陽田・遥(はるた・はるかな)。
 思春期には「遥で『ハルカナ』と呼ぶ名前が嫌いだから今日から私は『紅宵・満月(くれない・みちる)』よ」と名乗っていた淑女である。
「と、言うのが練達のA-net.の中にあって。
 調べてみた! って言うんだけど嘘ばっかりというか……驚いたんだよなあ」
 寧ろ、深緑の巫女たるリュミエの何を以て年収と定義するかからが大きな問題だった。
 悩ましげに呟いた月原・亮 (p3n000006)に満月は「まあ、そうやってアクセス数を稼いでるわけだからね」と知った様子で返す。
「詳しいね?」
「まあ~~そうね~~? で、最近イレギュラーズが食い入るように調べてたのは知ってるからね~~?」
 そう言う満月はディルクやレオンの年収や恋人について好き勝手適当にあること無いこと書かれているのだと指し示す。
「まあ、リュミエ様のは気になるよな。うん、分かる。リリファみたいに一目瞭然なら兎も角――あ、やべ、寒気」
「……で、まあ、これが実は夜妖でございまして」
「夜妖!?」
「そう。これ、希望ヶ浜のインターネットだからねえ。佐伯塔主に協力してこの紅宵・満月も管理してますけど。
 これは『願望を其の儘インターネットの海に放逐するやべー夜妖』。実体がないから尻尾が掴みづらかったけど、多数のアクセスがあったお陰で漸く尻尾を掴めたのです」
 ふふん、と胸を張った満月は「そもそも、アクセス数とかキリリク欲しがってんのかよ」と呻く。
「ほら、見てくださいな。月原氏。
 ディルク様は既婚者だとか、レオン様はバツ1でユリーカちゃんが実の娘とか、適当なこと書いてるでしょ?」
「あー、それはやばい奴だ!」
「しかも、それが適当に流されてるわけ。相手は一般人のため写真は公開されてません、なんつって!
 やばいでしょう?(やばい)――って訳で、倒しに行きましょう、練達技術! 大丈夫、満月さんに任せて」
 其処まで続けてから満月はにんまりと微笑んだ。

 もう、黒歴史に怯えてるだけの紅宵満月じゃない――!

 #次のキリバンは1111 でもないし、ソシャゲのイベントに走り疲れた訳でもない。
 練達の研究者の顔をして「行きましょう!」と胸を張った。

GMコメント

夏あかねです!

●成功条件
 夜妖『いんたーねっと管理人』の撃破。
(メカリリファは放置でも月原が瀕死で何とかします。心優しい方は倒してあげて下さい。俺を助けて。)

●フィールド『練達技術』
 満月謹製『いんたーねっとバグ』を殺すための特殊空間です。
 いんたーねっとの中に存在するバグを具現化させる事ができます。『いんたーねっと管理人』はサラリーマンっぽいスーツの男性を模しているようです。
 よく、画像で差し込まれてるアレですね……。

●夜妖『いんたーねっと管理人』
 無秩序に色んな情報を作り上げて勝手にインターネットの海に放逐しようとします。
 攻撃方法は『エゴサしてきた奴に不必要な情報アタック』『スマホでちょうど良い位置に広告を出すアタック』が主です。

例えばこんな情報を流してます。:
『レオン・ドナーツ・バルトロメイはバツ1だ』とか『ユリーカが実の娘だ』とか。
『リリファ・ローレンツは巨乳だ(←リリファ喜んでたけど嘘で叩かれてます)』とか『アルテナ・フォルテと月原・亮は付き合ってる』とか。
『リュミエ・フル・フォーレは結婚してる』とか『ディルク・レイス・エッフェンベルグの年収はXXXXG』とか!
 参加者の皆さんの色んな情報(ご指定頂けます!)なんかも流れてます。恥ずかしいし、
 でたらめだし、それが本当だと思われたらウワアアア!

 そんな嘘へと対抗すべく、『更なる謎情報』を流しましょう。
 いんたーねっと管理人は『更なる情報』が流れてくるとその真偽を確認する為に動きを止めます!
 その間にボコすのです!

●メカリリファ
 どう見てもリリファ・ローレンツ。紅宵・満月作成ロボット。
 ずっと聞いてたよ……。
 乳の話題に反応して乱入してきます。そして、縦横無尽に暴れ回ります。
 貧乳って言った奴を殺すために動き回るから気をつけてー! 褒めると喜びくねくねします。

●月原・亮
 リファの喧嘩友達。打たれ強いです。デコイにでもしてあげてください。

●紅宵 満月(くれない みちる)
 本名を陽田・遥(はるた・はるかな)。気軽にハルタとかハルカナって呼ぶと憤死します。本名が嫌いで満を持して紅宵 満月になったのに持ってた財布の免許証とか自分自身の設定を徹底できなくて本名バレした憐れな21歳。
 夢女子&腐女子。練達の技術者。仲良くしてね。希望ヶ浜では大学講師してます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●でんじゃー
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない『心』の死亡判定が有り得ます。
 おむねないないのひとはりりふぁとくるしもうね……。

 それでは!!! いってらっしゃい!!!!

  • リュミエ・フル・フォーレの年収は?バストサイズは?完了
  • GM名夏あかね
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2020年12月13日 22時50分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

志屍 志(p3p000416)
密偵頭兼誓願伝達業
グドルフ・ボイデル(p3p000694)
マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)
黒鎖の傭兵
マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)
記憶に刻め
赤羽・大地(p3p004151)
彼岸と此岸の魔術師
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)
金枝 繁茂(p3p008917)
善悪の彼岸

リプレイ


 #D1 がログインしました#

 そう表示された瞬間に紅宵・満月は「ウッ」と呻いた。『D1』赤羽・大地(p3p004151)が彼女の黒歴史を踏み抜いたからである。仕方が無い、人間には恥ずかしくなる年頃(しゅんかん)というものが存在して居るのだ。
「あは、は」
 先程から怪しい笑みを浮かべていたのは『砂食む想い』エルス・ティーネ(p3p007325)であった。此度の敵はウソ情報を流布してあれやこれやと風評被害をもたらしている。エルスは自分の情報に何て興味は無かった。此処は練達だ。ラサではない。そう、此処は練達であったエルスが重点を置く国ラサではない! ――もしも、練達とラサの間で経済の流れがあって情報が行き交うとしても!(屹度そのことは想像の外である)
「あの方の……ディルク様の嘘偽りを広めるなんて……素敵ね? 年収や恋人……どこからの情報かしら……ふ、ふふ……」
 ゆぅらゆぅらと足下が不安げである。その様子を見詰めながらエルスが悲しんでいることに腹を立てたのは心優しき『神ではない誰か』金枝 繁茂(p3p008917)であった。
「人のある事ない事言いふらすのは普通に良い事じゃないと思うよ!
 その言葉で傷つく人もいるだろうし、悪い夜妖はメッ! だよ!」
 ぷん、と頬を膨らませた繁茂。ふにふに可愛いキュートな繁茂にも様々な噂の尾鰭が発生しているようなのだ。
「んー……ミームを作りかけるタイプは厄介だな……」
 其れを対抗ミームで動きを止めるというのは頭脳戦だと『策士』マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)はある意味で感心していた。流石は練達の技術者か。例え、内容がちょっぴり可笑しくってもその辺りは捨てたもんではない。
「てっきり夜妖という存在は都市伝説や階段からしか生まれないと思っていたが……こんな訳わからんもんまでいんのか」
 そう呟いた『黒鎖の傭兵』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)に『遺言代筆業』志屍 瑠璃(p3p000416)は「此れもある意味で都市伝説のようなものですね」と周囲を見回した。満月特製の練達フィールドの内部というのも珍しい。
「偽装情報を流して存在を隠したりすることも確かにありますが、それと単に他者の関心を引くために、事実無根の――或いは少しだけ――根や葉があるかもしれませんが)虚言を並べるのはいささか違うかと」
 むう、と呟いたのは瑠璃。ましてや本人が聞いたら不快に思うような虚言や、エルスのように苛立って様子を見れば瑠璃は肩を竦めるしかなかった。
「けっ。どうせならこのおれさまをビッグにさせるくれえのナイスな噂を流しとけってんだ。
 この世界の長い長い歴史に残るような、ビッグなやつをな! てか流させてやる。覚悟しやがれよ! ゲハハハハ!」
 こちらもどんな情報が流れようとも関係がない方の山賊さんである『山賊』グドルフ・ボイデル(p3p000694)。折角ならグドルフ・ボイデルは実は冠位魔種の親玉レベルの強さ!? 位の誇張を添えて欲しいレベルである。
「キュレーションサイトでは成し得ないBuzzを、ご覧に入れましょう」
 眼鏡の位置をくい、と弄った『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)はaPhoneを握りしめていた。この空間ではA-netで『ドハッター』に繋ぐくらい朝飯前である。
「さあ、本名アカウントを作成しました。意識高そうな記事やプロフも完成。本名でノート的記事を制作し、これで『炎上』準備は完成です――!」


 調査は地道に丹念にというのが基本にして再誕だと瑠璃は心に刻んでいた。平常心を活かして炎上しやすそうな――いや、アクセス数がとっても稼げそうな有名人をピックアップする。
 例えばポン刀ガールに大人気な両目をかっぴらいてキェェーっと叫ぶ梅泉。例えば豊穣でようやく眠りから覚めた霞帝に天香家を継ぐこととなる遮那……よく知られてはいない分だけ検索を行う人間はいるだろうというのが瑠璃の見立てだ。
「夜妖が真実を調べてくるのも難しいでしょうから、剣豪小説や地方の説話などを参考に換骨奪胎したものをそれだと称してみましょう。元のお話を知る方には嘘だと思われるでしょうが、違うという明確な証拠にはまずたどり着けないでしょうし?」
 ソースを発見することが出来ない夜妖ならばきっと「どうして!?」と大慌てする事だろう。眼前に存在したのは管理人。良く居るサラリーマン(新田 寛治ではない)を思わせる雰囲気の夜妖が困っている様子をにこりと見つめている。
「……いや、管理人って。……いや分かるぞ?
 どっから沸いた情報乗せてんだだの、そんなんどうやって聞いたんだって思うこと良くあったし……。
 一時期流行ったゲームの攻略法を探していた時もいろいろ流れてたっけなぁ……大体がガセだったりしたけど」
 マカライトは想い出す様にそう呟いた。ガセネタに四苦八苦して、手持ちのキャラクターの順番を入れ替えたりだとか――ほら、ステータスシートの感情の左から三番目にフィッツバルディ公を設定すればEXAがUPするとか!
「ありえる訳ないだろ。……そうも思うと害悪だな、消えてもらうに越した事ねぇや」
 マカライトは静かに闘志を揺らしていた。管理人っが大慌てで瑠璃の情報を見つめている様子を眺めながら、後方でメカリリファに追いかけまわされてる亮をちらりと盗み見る。
(……この夜妖よりも危険であるのはメカリリファではないだろうか)
 マニエラはメカリリファに見つからない様に身を屈めた。主に体の前部についている二つのふくらみを隠す様に若干の前かがみになる。
「えーっと、『レオン・ドナーツ・バルトロメイは幼女(の様な見た目の娘)をナンパしたことがある?』
 ……あとは……『セーラー服美少女(種族)を犬の様に扱う?』……っと、よし、どちらも嘘は言ってないから本人の風評被害もゼロだろ」
 事実である方が危険である情報がさも悪意なくマニエラから流された。本当の事ならば簡単に確認できてしまうなら管理人が情報の確認に追われる事はないのだろうかとそこまで考えた後――彼女はにんまりと微笑んだ。それはそれ澄んだ瞳をきらりと輝かして、である。
「まぁいいか!」
 レオンの「良くないだろ」という声が聞こえた気がする。きっと、気のせいだ。
「ところで私の情報も流れてるのかね? いや、パンツが流出してるし、もうどうでもいいんだけd……実年齢を書いたやつは誰だ」
 誰だマニエラさんのこと31歳って書いたの。Unknownって書いているだろう!


「は?」
 エルスは憤っていた。今まさに周囲の吸血種をすべて砂に変えてしまいそうな表情をしている。その冷たい表情に寛治が「これは新しいファンがつきそうですね」と冷静な判断をしている事さえ耳には入らない。
「ディルク様の恋人が誰だって……? え? イルナス様とはそういう関係じゃないでしょう……それに、何を言ってるの。イレギュラーズの少女にも手を出したって? は? ……そう、どれもこれも下らないわ。殺す」
 管理人は殺意の波動に目覚めるエルスの側で懸命に書き換えた。『恋人はイレギュラーズの少女か!?』と書き換え、彼女の乙女心を揺さぶろうとしたのであろう。何とも下衆のやりそうな行いだとエルスは感じていた。
「は? 今なんて?」
 さらにヒートアップした。『エルスフィルター』のかかったディルク様情報の中では自身は恋人でもないし、イルナスも恋人ではないし、ましてはハウザーと禁断のわんわんなんてしてない。してないったらしてないのだ。
「聞きなさい。ディルク様は誰にでも気さくで……それでいて容赦がない獰猛な方。数々の伝説を残したラサの誇るべき傭兵長その人で……甘い毒のような方だ……。
 そしてあの方は……あら、これ以上は悪用されるもの、秘密よ? 本人から直接聞きもしない情報で踊らされるなんてその方が滑稽ね?」
 嘘は言わない。言わないけれど、それを一生懸命書き加えていく管理人なのである。ソースはエルス・ティーネですと書き加える管理人の側で「ええ!? それ書いちゃっていいの! すごい! たくさんの情報を持ってるんだね!」と繁茂は気を引く様に言った。
「大丈夫だよ! 年齢だって嘘っぱちだよ!」
 心が死なない様に繁茂はマニエラも応援している。――一方で、炎上準備中のファンドマネージャーの様子を覗き込んだ大地は思わず笑い、グドルフは「おっかねぇな」とげらげらと笑った。
「メカリリファちゃんが来たよ! 月原ちゃんはあとでお説教ね!」
「ええ!?」
 どうしてーと声が聞こえるが、彼女の身体的特徴を揶揄った事は繁茂は許せないのだ。それがたとえ小学生的な女の子を揶揄う悪戯であろうとも! ダメなものはダメとしっかり叱れる子・繁茂である。
「揺れてる! 揺れてる! おっきい二つのチョモランマ!」
 ぴく、とメカリリファが止まった。亮は戸惑うように振り返る。むずむずとしたリリファの表情は次第ににやけだした。
「メカファ……?」
 そんな呼び方してたのかとマニエラは亮を見遣った。鬼ごっこは一先ず中断されたようだ。
「胸に二頭のふわふわポメラニアン!
 可愛くて強くて胸がでかくてかっこよくて頭がよくて胸がでかいリリファちゃん、一緒に夜妖退治してください! お願いします!!」
「―――いっや~~~そこまでいうなら!? 協力しない事も!? ないですけど~~?」
 ――チョロくて良かった!


 悪評なんてどうでもいい。清濁併せのんでこそだとグドルフは管理人を突いていた。
「オラオラそんなんじゃ足りねえぞ! このグドルフさまに恥ずかしい過去なんてありゃしねえのよ!
 で? 広告っつーのも慣れりゃ別にどーってことねえな。風で飛んでくるチラシみてえなもんだ」
「結構ウザ……いや、腹立たない?」
 亮の問いかけにグドルフは腹を抱えて笑った。「これっぽちで怒るかよ! じゃあ、おれさまはあいつの手伝いをするからよ」と管理人の側にどかりと腰を下ろす。怒り続けてディルクトークを続けるエルスに「おれさまの情報が甘い」と駄目だしするグドルフに囲まれた管理人は実に悲哀に満ちている。

 ――グドルフ・ボイデルの年収は1億G!? 真相を調べてみた!
 ――山賊グドルフの壮絶な過去! 亜竜や魔種を千切っては投げの孤独な戦い! 亡国の姫との逃避行!?
 ――山賊グドルフの優雅なる一日〜賭博大勝ち編〜
 ――グドルフ・ボイデル 一週間着回しコーデ(全部同じ服)

 一週間着回しコーデが若干気になる。そんなグドルフの作成した『隠され士、とっておき情報』の数々は10万文字位相談した。10万文字も書いた山賊ガッツが素晴らしい。
「これ、全部で10万文字くれえあるんだけどよ。まあでもマジ情報だから」
 首を振る管理人はいやいやと何度も断っている。或る意味不憫なものを見ている気にさえなるとマカライトは彼の情報を見つめてみるかと改めて『調べてみた!?』なサイトをチェックし始める。
「ホラ流しとけ 遠慮すんなって。ンな調べてる暇なんかねえよ早くしやがれ!!」
「それがお厭ならこれではどうでしょうか?
 寛治は自身が下準備しておいた記事をアピールする。寛治の戦法は非情に管理人に突き刺さる。『バズ』らせるのだ。
「題材は『私は見た! 暗殺令嬢のひみつ』。リーゼロッテ・アーベントロートに関する、私自身が確かめた一次情報を、ファンドイラストと共に掲載。
 そして、私は彼女と会話した事もある。抱きしめられた事もある(アーベントロート・ドライバー的な意味で)!
 これらの体験から得た情報を、読み物として面白おかしく編集。地元のダチコーを使って拡散、散財でサクラも雇うのです」
 念には念を入れた情報の数々。それらが突如として『管理人』のサイトを蹴落とし始めたならば――!?
「こうすると何が起こると思います? そう、炎上です」
 指示する声は拡散を。異論反論にはレスを返して煽りは煽り返して誹謗中傷はスルーし続ける。
 燃え上がれば燃え上がる程にアクセスが増加し、管理人のアフィリエイト収入が低くなってゆく。
 慌て立ち上がった管理人による広告アタックを受け止めたマカライトは「――これ」と低い声で言った。
「なんだ『森の中で光りながらチューチュー(ピー)するギルオス教師』っ!! ちょっと気になるだろう!!!」
 ――それは気になる。
「気になっても調べる訳にもいかんから集中sああポップアッ!! そんな意味わからんゲームなんて興味ねえんだよ死ね(迫真)!! あるのは「お前を消す方法」だ!!」
 ちょっとエッチなポップアップが「お兄さん触ってください♪」なんて言ってきてもスルーなのだ。マカライトは非常に腹を立てていた。
「頭来た‼︎今思いついたデマでも調べてろ!!!
『「縺九▽縺ヲ豬キ豢九?繧ォ繝ゥ繧ェ繧ア螟ァ莨壹↓縺ヲ縲梧キキ豐梧オキ蜴滓ご蜩?遽?縲阪〒蜆ェ蜍昴@縺溯ャ弱?繧ェ繧ォ繝槭?豁」菴薙?繧「繝ォ繝舌ル繧「』……ってアレ? これutf-8で出力できねえの!?」
 大騒ぎに乗じる様に大地は「可能性の獣! メカリリファ、今ダ」とびしりと指さした。
「『実はないすばでー、せくしー、ちゃーみんぐ、の三拍子揃った超絶美女な情報屋。
 彼女の人気は、口ーレットの公式看板娘ユリイカ=サンと二分されており、日々『どちらが真の美少女情報屋か』と鎬を削り合っているとか……いないとか……ライバルはお互い……かと思いきや、二人して死んだ目で『某リュミエ・フル・フォーレ』と言い切った。妹の方は同志だとか言ってた』
 この情報どう思うんダ!? 言わせておいていいのか!?」
 大地は自身の情報は9割ガセであると気にする事はなかった。特徴的な赤に変わる髪の毛は魔物や罪人の血を絞ったなんて嘘だ。
 首の傷は、虫さされが痒すぎて痒すぎて掻きむしった結果残っただとか、本名はM船大地とか――だからどうしたと大地は笑い飛ばして見せる。
『実は腹黒』
「地黒だよ!」と繁茂は首を傾いだ。
『花冠が本体』
「えっ! そうなの?!」と繁茂は微笑んでメカリリファの手を引いて「ほらあっちでよんでるよ」と指をさす。
『何も考えていない』
「それは否めないかな~」と微笑んだ後、ぱ、と手を離せばムキャアと叫びながらリリファが突進していく。
「来たぞ!」とマニエラは亮を突然掴み管理人の元へと押しやった。
(うーん……ユリーカがギルドの金庫から金をばら撒いてるのはアレは恩恵を受けてる身としては此処で欠けらも出してはいけない……)
 マニエラは亮にそっと紙を差し出し非常に申し訳なさそうな表情をした。その内容を見た大地はそっと距離を取り、瑠璃は恐ろしい事が起こるかのように目を伏せる。
「と、なると……すまん月原。
 月原、これを読み上げてくれ。
『ユリーカとリリファとアーベントロートのお胸は誰が一番大きいの?』だ。……私はまだ死にたくないのでね!!!」
 ――読んだ亮と、彼が掴んだ管理人に向けてメカリリファが飛びついていく。
 瑠璃は今だと言わんばかりに虹のようにきらめく雲の『ちかちか』で目を晦ました。アフィリエイト収入も失い、恐ろしい程の情報量に襲われていた管理人は何も言葉にすることはできない。
「死ね!!」
 迫真の一言と攻撃でマカライトは気になる『森の中で光りながらチューチュー(ピー)するギルオス教師』の事を思い浮かべながら追撃を放った。
「亮……」
 回復をすれば苦しめることになるだろうかと大地は首を振った。御免とも何も言えないが、とりあえずやさしさでヒール位ならしてやろう。
 喧騒の中で一筋の光が奔る。それを見遣った満月は「皆、出るよ!」と鋭く声を掛けた。
「ええ――結末は、404 Not Found.」
 寛治の冷えた声音は『管理人』の終わりを告げていた。

「ハッ! やだ……っ! 少し暴走し過ぎてしまったわ! あ、ディ、ディルク様には内緒だからね!?」
「でも、広まっているようで」
「キャアアアアアア!?」
 瑠璃がほら、と転載サイトを指せばエルスは叫んだ。エルスが宣言したなんて乗せてそのままラサに熱風の如く届いたならばどうした事か。頼むから見ないでくれと切に願う。
(でも成功の伝説は勿論、失敗の伝説だって……それ全てがあってこそディルク様なのだから……偽りになんて……意味が無いでしょ? けど、そ、それを当人に届かせるのは、ち、違うわ!?)
 慌てるエルスに寛治は「責任を取るのもまた、大事なのです」と静かに告げた。
「満月さん。薔薇十字機関に連絡を……――ええ、私です。ギルティリバー(いつものばしょ)でお待ちしてます」
 その後の彼が地にめり込む未来が見えた気がしてログアウトした大地は「ご冥福をお祈りいたします」と添えた。
「あっ。でもリュミエのネーチャンの胸のデカさだけはマジで気になってるんだが…あっもう消えてるわ残念だわ」
 グドルフの呟きに――背後で何かが……動いた気がした……。屹度、そう、それは――

成否

成功

MVP

なし

状態異常

新田 寛治(p3p005073)[重傷]
ファンドマネージャ

あとがき

 これは此処だけの噂なんだけどね。
 メカリリファ、冠位魔種七罪の『虚無』の座なんだって。

 ほんとだよ、ほんとほんと……え? 嘘? うーん、どうかなあ……?
 (※嘘です)

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