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シナリオ詳細

勇者進水GC:海とキッズと遊びのじかん

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●これまでの勇者進水グッドクルーザーは!
『グッドクルーザーさん、見てください。あの紋章、間違いない……『メガロビア』ッス!』
 遙か古代海の底、深き眠りより目覚めた秘宝種集団『メガロビア』。彼らは突如として人里を襲い、虐殺のためだけに動く兵器と化していた。
 それを止めるべく調査に動き出したグッドクルーザーとローレット・イレギュラーズたち。
 >MEGAROBIA system v0.98
 >boot...   OK
 そんな彼らが発見したのは不思議な端末とMEGAROBIA systemという新たな言葉。そして海底基地の座標を示す地図。
 グッドクルーザーたちはさらなる調査を進めるためアクエリア島へと向かったのであった。

「ねえグッディ、なんで海底基地に突入しないの? 海怖いから?」
「いいえ、怖くはありませんが……海底基地にどれだけの戦力が保有されているか分からない以上、うかつに踏み込むのは危険ですね」
 アロハシャツを着てトロピカルジュース片手に頷く伊達 千尋(p3p007569)。
「なるほどぉ。慎重なのね」
「そう、慎重なのです」
 アロハシャツを装甲の上から来てトロピカルジュース片手に頷くグッドクルーザー (p3n000117)。
「で、なんで俺たちバカンススタイルなの」
「それはあなたが『南の島ならアロハでしょ』と言うからです、希望の戦士千尋!」
 クワッと振り返り目を光らせるグッドクルーザーに、千尋はメンゴメンゴといって手を振った。
 二人はテーブルにジュースグラスを置くと、アロハシャツに手をかけて立ち上がった。
 空に舞い上がる二枚のアロハシャツ。
「そんじゃあ、早速聞き込み調査といきますかァ!」

●フシギは子供たちに聞け
 海洋豊穣間を結ぶ航路は日に日に開発が進み、既に一定の開発が済んでいるコン=モスカ島から更に発展してアクエリア島への定住者が徐々に増えていた。
 長期滞在任務についた軍人が家族ごと連れてきたり、提携している商人たちが店を開くべく拠点を移したり、パターンは様々だが、子供たちが浜辺で遊ぶ今の光景にはかつての『絶望の青』らしさはない。
「マジでここが『静寂の青』になったんだなーって感じするよな」
 ベンチに座って子供たちをサングラス越しに眺める千尋。
 ここはアクエリア島を中心にした複数の小島軍のうちのひとつ。
 千尋の横でグッドクルーザーは立体メモを開いていた。
「この島の子供たちが近海に見慣れない秘宝種を見かけたという報告がありました。
 おそらくメガロビアの偵察員でしょう。こちらとしてはより詳しく目撃情報を集め、次に訪れた時には的確に撃退しておきたいのですが……」
「ま、オコサマってーのは一筋縄じゃいかねえもんな」
 『子供の相手は苦手です……』とがっくり肩を落とすグッドクルーザー。
 その辺の子供に『少年! 目撃証言を集めています!』といって顔を近づけた所泣いて逃げられたのがこたえたらしい。
 肩を叩いてやると、千尋はサングラスを外した。
「任せな! 子供ってのは、一緒に遊んでやるとなつくもんだ。知りたい情報のための適切な対価ってやつだな」
「一緒に遊ぶ……ですか……」
 グッドクルーザーは『遊ぶ』の感覚がよくわからないらしい。
 千尋は再び肩をぽんぽんとやって、ついてきなのジェスチャーをして歩き出す。
「そいつも任せな! 浜遊びのキングと呼ばれた俺が、遊びってもんを教えてやるぜ」

GMコメント

■オーダー
 こちらは南の島で子供たちと海遊び。そして夜は外敵退治という2パート仕立てのシナリオとなっております。

■お遊びパート
 島に暮らす子供たちと一緒に遊びましょう。
 この島は子供向け娯楽の開発がほぼ手つかずなので、子供たちはだいぶ退屈しています。
 あなたの提案する遊びもきっと気に入るでしょう。

 これについて特別な技術が必要ってわけじゃありません。
 あなたが子供の頃にした遊び、子供だったらしてほしい遊び、してあげたい遊びを提案すればよいでしょう。
 相談期間中にみんなで相談してばらけさせたりまとめたりするのもグッドです。

■外敵退治パート
 島にやってきたメガロビアの偵察兵を撃退します。
 戦場は主に浜辺、時々海中です。
 波打ち際でばしゃばしゃ戦うことになるでしょう。
 時間は夕方。子供たちは事前に逃がしてあります。

 前半のお遊びパートで子供たちと仲良くなればなるほど、有利な状態で戦いを始められます。
 具体的には戦闘中常に各種ステータスにプラス補正がかかります。

■グッドクルーザー
 このシナリオにはNPCグッドクルーザーが同行します
 専用のクルーザーを相棒とする正義のスーパー秘宝種ロボットです
 今回合体はありませんが、搭載した武装で一緒に戦ってくれます。
 ロボとのコンビアタックや連携プレイをお楽しみください。
 https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3n000117

・これまでの勇者進水グッドクルーザー
 https://rev1.reversion.jp/scenario/replaylist?title=%E5%8B%87%E8%80%85%E9%80%B2%E6%B0%B4

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 勇者進水GC:海とキッズと遊びのじかん完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年11月30日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
オリヴィア・ローゼンタール(p3p001467)
鋼の拳
伊達 千尋(p3p007569)
Go To HeLL!
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
リサ・ディーラング(p3p008016)
蒸気迫撃
クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)
海淵の祭司
カルウェット コーラス(p3p008549)
旅の果てに、銀の盾

サポートNPC一覧(1人)

グッドクルーザー(p3n000117)
勇者進水

リプレイ


「オ~~~~~~ッシャ集まれお前ら~~~~~~!!
 空前絶後の超絶孤高のFB芸人!
 悠久-UQ-を愛し悠久-UQ-に愛された男ォ!
 そう、我こそは!
 たとえこの身が朽ち果てようとGo To HeLLを求めて命を燃やし燃えた炎は☆となり見るものすべてを笑顔に変える!
 みんなご存知! そうこの俺こそはあまりのポテンシャルの高さにモリブデンギャング、アルバニア、リヴァイアサンから祈りを狙われている男!
 そう俺こそは身長17Xcm、体重XXkg! 長所、明るいところ! 短所、戦闘中のムラ!
 PPP界に舞い降りたキングオブまけん使い!
 そう、この俺はァ伊達ェ――眼鏡を二個持っています!
 貯金残高85円! キャッシュカードの暗証番号8160!
 もう一回言います! 8160! ハイローと覚えてくださァい!
 グッディさーーーん! 今がチャンスでーーーす!
 そう全てをさらけ出したこの俺は!
 浜遊びのキング! 無敵のイージスと呼ばれた俺こそがァ!
 伊! 達! (ボゴォ) 千! 尋!
 イェェェェェェェェェェェェェェェェェェェイ!!!
 ジャアアアアアアアアアアアスティス!!!」
 『Go To HeLL!』伊達 千尋(p3p007569)がシャツとズボンを脱ぎ捨てビキニパンツ一丁になって砂浜へと飛び出した。
「アクエリア島か……。オパール=ネラのさらに先に人界が及び、あまつさえ娯楽まで必要になるのにたった半年。感慨深いのう……」
 さざ波の音に目を瞑り、この世界に溶けた『僕』を想う『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)。
「絶望――いや静寂の青に誰より詳しいのは我じゃろう。ここは祭司長様直々に海の遊びというものを教えてやろうぞ!」
「今の流れでよくぞそこまで普通にシーン導入できましたね」
 眼鏡をとってクロスできゅっきゅしながら『鋼の拳』オリヴィア・ローゼンタール(p3p001467)が横から顔を出した。
「奴に付き合うと時間が無限に吸われるからな」
「なんとなくわかります」
 千尋がハジケ祭りをはじめようとするのを豪快にスルーして、『な?』と『新たな可能性』カルウェット コーラス(p3p008549)へ話を振ってみる。
「みんなと遊ぶ、そんなの一緒に行く、決まってるよね。ひっひー」
 歯を見せてにっこりと笑い返すカルウェット。
「たくさん遊ぶ、するぞ!」
「ふ、遊びと聞いては!」
「黙っていられんな!」
 声に振り返ると、空から二人の影が飛び降りてきた。
 スーパー鷹着地をみせる『風読禽』カイト・シャルラハ(p3p000684)。
 スーパーアンドロイド着地を見せる『ステラビアンカ店長』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)。
「今日はモカ・ビアンキーニ(Unknown歳児)として童心に帰ろう」
「男の子はいつでも少年ハートを持ってるもんだ」
「あんなこといってるっすけど……」
 ハッハーと笑うカイトたちを指さして振り返る『ザ・ハンマーの弟子』リサ・ディーラング(p3p008016)。
 『幻蒼海龍』十夜 縁(p3p000099)がキセルくわえてフウと煙を吐いていた。
「完全につかれたおじさんモードじゃないっすか! 少年ハートはどうしたっすか!」
「いやあ……簡単に言ってくれるが、俺からすりゃぁメガロビア連中とやり合うよりよっぽど骨が折れそうな仕事なもんでね。なんせ子どもの体力ってのは底なし、おまけに手加減も知らねぇときてる」
 おっさんには荷が重いぜといって小さく首を振る十夜に、リサがぽいっと拳銃サイズのものを投げてパスした。
 キャッチしてみると、それはプラスチック製の水鉄砲であるらしい。
「そんなこと言ってないで、ほら、一緒に遊ぶっすよ! 子供たちに聞き込みするにはこれが一番っす!」


「そこのちっこいサカナは余り美味しくないぜ。
 そっちのカニは汁物の具材になるな。
 そのエビは……もうちょっと育つと美味しく食べられるぜ。今なら釣りの餌としても使えるな。
 っと、イソギンチャクが居るからそのへんを踏むなよー? 痛いからな!」
 海の浅瀬、岩場のあたりを歩くカイト。
「なるほど……勉強になる」
 モカ(UNKNOWN歳児)は透明なビニール袋に包んだ図鑑片手に子供と一緒にこくこくと頷いた。
「教わる立場なのか」
「私が元いた世界とはだいぶ生体が違うからな。で、これは毒があるのか?」
 ものすごい毒々しい色をしたフジツボを引っこ抜いてかざしてみるモカ。
 あとからやってきたクレマァダが指を指す。
「あるな。触ったそばから紫色に腫れる」
「しまった」
 指先が紫色になったモカへ、クレマァダが『見せてみろ』とモカの指へ手をかざし、懐かしい歌を口ずさんで温かな水を生み出し、モカの手を包み込む小さな渦とした。
 それをのぞき込む子供たちの目が、ぱあっと光る。
「どれ、海の泳ぎ方を教えてやろう。カイト、お主はどうする」
「俺はこの子達に海食洞窟を見せてやろうと思う。本来は危険だが、基地の中だけじゃ遊び足りないだろうしな」
 綺麗な貝殻がとれるぞ、と言っておとなしめの子供たちを誘って洞窟へ向かうカイト。
 一方で泳いで遊びたい子供たちを誘って、クレマァダは海のやや深い所へと誘った。
「泳ぎ方を知れば他人に教えることもできる。来年、夏になればヒーローじゃぞ、お主ら」
 浜へ競争しようと言い出す子供に、クレマァダは一瞬きょとんとしてから不敵に笑う。
「ふふん。お主ら、我を誰じゃと思うておる?」
 泳いで競争する子供たちを、十夜は岩の上に腰掛けて眺めていた。
 そんな彼の背中をつついて気を引く少女。振り替えてみると、綺麗な貝殻を『はい』といって差し出してきた。
 片眉をあげ、黙ってそれを受け取る十夜。
「ほう、そんな歳から顔のいい男にプレゼントとは」
「ませてますねえ」
 モカとオリヴィアがそれぞれやってきて、十夜は苦笑した。
 遠くで泳いでいた子供たちがこちらに手を振っている。オリヴィアは手を振り替えしながら、視線を下げずに言った。
「十夜さんはこういうのしない人だと思ってました」
「そんなイメージあったかい?」
「記録を見たり、伝え聞いた限りでは」
「だったら……俺が昔なにをやっちまったのかも知ってるだろう」
 オリヴィアは何も返さずに口を引き結ぶ。
「子供と遊ぶことが、罪滅ぼしに?」
「さあね。少なくとも子供は喜ぶ」
「ならこっちに来い、やんちゃ盛りの子供ばかりで人手が足りないんだ」
 手招きしたモカになかば引っ張られるかたちで砂浜へやってくると、そこには円形のラインが描かれそのそばにグッドクルーザーが体育座りで待っていた。
 ヤンチャが行きすぎたような少年少女たちが集まってグッドクルーザーを蹴手繰り回す遊びに夢中になっている。
「待っていました、希望の戦士。心の底から」
「みたいだな」
 腕組みをして苦笑するモカ。オリヴィアは円形の土俵へあがると、子供たちのうち数人を手招きして同じ土俵へとあげた。
「ご紹介しましょう。我が鉄帝の誇る最大娯楽――闘技場です!」
 ルールは簡単。膝か手が地面につくかラインから出たら負け。
 子供たちははじめ遠慮がちにしていたものの、オリヴィアが機敏かつ重心のしっかり通った動きで子供たちの突進やつかみかかりを回避し続けるうち、夢中になってころげまわるようになっていった。
「そんな動きでは私を倒せませんよ。ほら、足を掴ませてあげます」
 片足を上げて見せるオリヴィアに、持ち上げて倒そうとした少年が『重い!』を唸った。黙ったまま少年を片足だけで逆に持ち上げてしまうオリヴィア。
「一度目は赦しますが、女性に体重の話をする時は死を覚悟するように、いいですね?」
 そのまま回し蹴りの動きで少年を放り投げると、モカがハイタッチを待つように手をかざしてリングインしてきた。
「次は私のばんだ。グッドクルーザーくん、中へ」
 オリヴィアとタッチチェンジすると、少年達に『見てろ』とジェスチャーしてからグッドクルーザーと向き合ってみせる。
「スキルなし、内臓武装なし。格闘だけでかかってこい。さっき教えたようにな」
「はい、希望の戦士モカ!」
 グッドクルーザーは空手の構えをとると、モカめがけて豪快な正拳突きを繰り出した。
 身体をひねって芯をはずし、手刀ではらいのけるモカ。
 さらに身体に回転をかけて角度の高い後ろ回し蹴りを繰り出すと、グッドクルーザーは素早くスピンしてモカの踵を腕で防御。
「動きは大きく!」
「はい!」
 グッドクルーザーの拳がギュンと回転をはじめ、無限に拘束回転する拳がモカへと思い切り打ち込まれた。
 吹き飛ばされフィールド外へと転がるモカ。
 少年達が驚いて様子をうかがうも、モカはネックスプリングで立ち上がってから親指を立てた。
「いいパンチだ。今度打つときは格好良い台詞を叫べ」
「な、なるほど……」
 勉強になります、とつぶやくグッドクルーザーを指さし、オリヴィアが『レイドボスだ!』と子供たちをリングインさせた。
「皆で力を合わせてグッドクルーザーさんを倒そう!」
「え、な――うわっ!?」
 押し寄せる子供たちになすすべもなく、グッドクルーザーは派手にぶっ倒されたという。

 砂まみれになったグッドクルーザーが、今度は風船まみれになっていた。
「動いちゃだめっすよー。はい、これでよし」
「グッディがボスキャラな」
 各部に風船をくくりつけているのはリサと千尋。
 今から始まるのは風船を割られたら負けの水鉄砲バトルである。
 砂で作った大きな塹壕や砦に隠れ、空に水鉄砲のライフルを撃ちまくる。
「さぁ来やがれお子様達! 俺のガトリング水鉄砲に勝てるかなオラオラオラオラァ!」
 水鉄砲の拳銃しか渡されてない子供たちが武装の違いにふくれるも、千尋は大人げない顔でゲラゲラ笑うのみである。
「はぁ~? 大人は汚えモンなんだよ!
 現実の厳しさを知りやがれ!
 リサちゃん!カルちゃん!やぁ~っておしまい!」
「んと、水はここ入れる、して、え? ここ? ここなの?」
「カルちゃんそれ今!?」
 水鉄砲アサルトライフルの吸水口がわからずくるくるまわしていたカルウェットへ振り返る千尋。
 リサが指を指して教えてやると、カルウェットはやっとタンクを満タンにしてライフルを掲げた。
「で、ここを押す、すると、わっ、出てきた。理解、した。こんなのあるんだね。教える、ありがとう。一撃必殺、お見舞いするぞ」
 塹壕から飛び出して水鉄砲をうちまくるカルウェット。
 ひっひーと笑って子供たちと撃ち合いまくる彼女の姿にちょっとほっこりしていると、リサめがけて子供たちの連射が浴びせられた。
「うわっと! やったっすね! ゲースゲスゲス!! わるいやつを怒らせるとこうなるっす!」
 大砲を担いで放水しまくるリサ。
「今っす、グッドクルーザーさん、千尋さん!」
「委細承知!」
「堂々登場!」
 二人は勇ましくたちあがると、肩にかついだ放水機から大量の水を噴射しまくった。
 かと想えば、いつのまにか勢いの強いアサルトライフルやホース直結型の放水マシンを備えていた子供たちの集中砲火ならぬ集中放水を浴び始める。
「ぷわっ!?」
「敵の武装がなぜこんな強力に……まさか!」
 ピキーンと額に謎の直感を得た千尋とグッドクルーザーが同時に振り返ると、両手を組むように構えたクレマァダが海水を吸い上げて巨大な玉に変えていた。
「ゲゲェーーー! コンモス!?」
 悲鳴をあげた千尋がグッドクルーザーと一緒にザザーンと洗い流されていく。
「ええい何かあればコンモスコンモスとふざけた略し方をしおって!! 死ねぃ伊達千尋!!」
「伊達さああああああん!!?? グッドクルーザーさああああん!!??」
「敵城が崩れるぞ! いっけぇぇぇ!」
 いつの間にかコンモス側へ転じていたカルウェットが子供たちを引き連れてリサの塹壕へ突撃。
「仕方ねえ、おっさんも手を貸してやるかn――」
 ウワーと叫ぶリサに巻き込まれる形で十夜までたちまち水浸しとなった。


 子供たちとすっかり仲良くなった千尋たちは、夜の海からひっそりと上陸するメガロビアの偵察兵たちを投光器で照らし出した。
「ようこそ、俺たちのプライベートビーチへ」
 岩に腰掛けていた千尋が手の中で弄んでいた石を捨てて立ち上がる。
「行くぜグッディ」
「了解」
 スリープモードにはいっていたグッドクルーザーがブゥンという音を立てて背筋を伸ばし、両目にぎらりと光をたたえた。
「柄じゃねぇとは思うがね。浜で一緒に作らされた砂の城やら、避難させる直前、小さな嬢ちゃんが渡しにきたこの貝の“お守り”やら……」
 手の中で貝殻を握り、懐へとしまいこむ十夜。
「壊されたくねぇモンができちまったんでな。ぶちのめさせて貰うぜ」
 と同時に空から急降下しスーパー鷹着地をキメるカイト。
「さあ、ナイトパーティーを始めようか。皆!」
「今日が楽しく、終われるように。……ボクも、守る。がんばる!」
 カルウェットは角のコアをキュンと光らせ、スラスターによる自動飛行でやってきた大きな盾を腕に装着。パキンと開いたホルダーから飛び出した柄をつかみ、光る剣を抜刀する。
 そんな彼女を補助するかのように、モカとオリヴィア、そしてクレマァダがそれぞれの構えをとる。
 空手でいう跳び蹴り前のフォームをとるオリヴィアと、対照的に片腕組して二本指をビッとかざすモカ。
 クレマァダは両手を流水のように流し広く迎撃の型(千尋いわく『コンモス空手』)をとる。
 隠密潜入がバレたと知ったことでメガロビア偵察兵たちはフルフェイスヘルメットのような顔面を大顎を開くかのように解放。中からリパルサーリングを露出させると一斉にパルス射撃を放った。
「ファイヤっす!」
 バックパックから伸びた紐をリサが引くとガチャガチャと展開した歯車だらけのガトリング砲が火を吹き始める。
 と同時に彼女の後ろに立ったグッドクルーザーが両肩の速射砲と両腕から展開したミニガトリング砲を乱射。
 パルスの横雨をくぐり抜けるように走る十夜がバチバチと弾ける稲妻のごときオーラでパルスを弾き落とし、一回転してから掌底をたたき込む。
 更に流水を纏って走るクレマァダがカルウェットによるシールドダッシュの後ろについていく形で急接近。
 一定の距離までつめてからカルウェットはシールドをあててパージ。フリスビーのごとくぶん投げてメガロビア兵の顔面を破壊。
 ふと振り返ると、こっそり駆けつけていた子供たちがこちらの様子を観察していた。
 ついつい彼らは立ち上がり、『がんばれ』と声を張り上げる。そんな彼らの顔は――。
「怖い思い、誰もしてない。安心して、笑顔いられる。
 うん、これがよい。強いって、かっこよい。かっこよいって、すごい」
「いかにも」
 するりと接敵したクレマァダが流水を纏った掌底を打ち込みメガロビア兵を吹き飛ばす。
 クレマァダと十夜が吹き飛ばしたメガロビア兵へ、オリヴィアが腰に装備したスラスターで飛び上がりジェットキックをたたき込む。
 更にモカも背中のスラスターで大ジャンプをかけると必殺の流星双撃を繰り出していく。
 打ち抜く蹴りと粉砕する蹴り。
 不利を察した残存メガロビア兵がきびすを返して海へ飛び込むも、低空飛行から急速潜水モードへ移行したカイトが身体を細くして着水。
「海は俺の庭だぜ、逃がさんぞ!」
 とてつもないスピードでメガロビア兵へ追いつくと、自らをきりもみ回転させてメガロビア兵を貫通。爆発させる。
 吹き上がる水柱と爆発に、子供たちが花火を見たように笑った。
「おいグッディ! 恥ずかしい姿は見せらんねえよな!
 一気に片付けるぜ! 合体はできねえけどよ!」
「いいえ戦士千尋。合体はできています」
 ぐっと拳を握り突き出してくるグッドクルーザー。
「我々の心は一つです」
「格好いいこと言うようになったじゃん、グッディ」
 コツンと拳をぶつけ、もう一方の手でリサに合図を出す。
 すると千尋とグッドクルーザーは同時に、海へ逃げるメガロビア兵へと走り出した。
 ジャンプしハンドルのないジェットスキーへ変形するグッドクルーザー。
 その背へサーフボードのように飛び乗ると、千尋はメガロビアを追跡。
 焦って反転し両手のリパルサーから射撃をしかけ……ようとしたメガロビア兵へ跳び蹴りをたたき込んだ。
 と同時にリサの放ったレールガンの弾がメガロビア兵を貫通。
 派手に会場で爆発する。
 子供たちは、手を叩いて笑った。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――メガロビアの撃退に成功しました
 ――子供たちには『またくるね』と約束をしました

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