PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ローション・ナイトプール

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ヴァカンス
 エディス・バルツは恋人のフィーネ・ルカーノとデッキチェアに横たわっている。二人は水着を着用しナイトプールを楽しんでいる。紫色の照明がプールをライトアップする。そして、プールの中には水ではなく冷感ローションが何故か入っている。ふと、二人の視線が絡み合う。
「フィーネ――」
 エディスは目を細め、フィーネに唇を寄せる。
「……待って」
 フィーネはエディスを制する。
「ああ、可愛い顔」
 目を丸くするエディスを見ながらフィーネはくすりと笑う。
「ねぇ、こんな良い場所なんだから……皆で楽しんだらどうかしら?」
「皆って……?」
 怪訝な表情を浮かべるエディス。その顔には嫉妬が浮かんでいる。
(ふふ、とても良い顔をしている。あたくしの心を満たすような――)
 フィーネはくすりと笑い、エディスを置き去りにし、水着のまま何処かに歩き出した。

●ローレット
 ギルド『ローレット』で情報屋――ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は依頼人のフィーネを見つめた。
「え、え、ええと……ローションですか?」
 ユリーカは困り顔をしている。
「ええ、ローション・ナイトプール。夜のプールで泳いだり、プールサイドで夜を楽しむの。どう、素敵でしょう?」
 フィーネはくすくすと笑い、ユリーカを抱き締める。
「あわわわ……肌が、肌が密着して……」
 ユリーカは赤面しながらフィーネの腕の中で暴れ回っている。
「ふふ、貴女の反応、素敵ね……」
 フィーネは楽しげに目を細めた。
「でもね、メインはそう、あたくしのエディスを嫉妬させること」
 フィーネは言い、にっこりと微笑んだ。

 そして、イレギュラーズ達はすぐさま、ローション・ナイトプールに呼び寄せられたのだ。
 そう、エディスを嫉妬させるために――

GMコメント

 ご閲覧いただきましてありがとうございます。
 今回の依頼はローション・ナイトプールでエディスを嫉妬させることですっ!
 え、ど、どういうことなんでしょうか……?

 ちなみにギャグ寄りの依頼ですのでエディスを嫉妬させつつ、ローション・ナイトプールを楽しんでください!
 ただし、ローション・ナイトプールに入らなくてもOKです。
 お好みのシチュエーションでお楽しみください。

●依頼人
 フィーネ・ルカーノ 女性であり、エディス・バルツの恋人です。財産家であり、日々、刺激を求めています。エディスより凶悪で壊れています。ただ、偽るのが上手い人です。あちこちに恋人(性別問わず)がいます。現在のマイブームはエディスを嫉妬させることです。ちなみに泳げます。

●恋人
 エディス・バルツ 女性であり、フィーネ・ルカーノの恋人の一人です。嫉妬深く美しい女性です。善悪などどうでもよく、フィーネの為なら何でもする人です。フィーネ以外、興味がありません。ちなみに泳げません。

●場所
 ローション・ナイトプール
 文字通り、夜のプール(中身が冷感ローション)を指します。紫色の照明がプールをうっすらとライトアップしており、幻想的な雰囲気です。正方形の巨大なプールでプールサイドにはデッキチェアやパラソル、ソファがあります。
 プールサイドでアルコールやジュースを楽しむことが出来ます。バスタオル、水着、浮き輪のレンタルをしております。プールを楽しんだ後は併設されている大浴場を利用することが出来ます。

●補足

 https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/354に上記のNPCが登場しております。ただ、全く繋がっておりません。

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 アドリブを入れると思いますがNGの際や注意事項がございましたら明記ください。そして、ナイトプールですので必ず、水着を着用してください。

  • ローション・ナイトプール完了
  • GM名青砥文佳
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年05月15日 21時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)
穢翼の死神
江野 樹里(p3p000692)
ジュリエット
クィニー・ザルファー(p3p001779)
QZ
ニエル・ラピュリゼル(p3p002443)
性的倒錯快楽主義者
アニエル=トレボール=ザインノーン(p3p004377)
解き明かす者
アテネ(p3p004434)
無宿渡世の用心棒
タツミ・サイトウ・フォルトナー(p3p004688)
TS [the Seeker]
ルア=フォス=ニア(p3p004868)
Hi-ord Wavered

リプレイ

●スパイシー
 エディス・バルツは爪を噛む。心は揺れ、視線は安定しない。
「ふふ、エディス。待たせたわね」
「──フィーネ」
 エディスは華やかに笑い、顔を強張らせた。イレギュラーズ達を見つめるその瞳には殺気。『無宿渡世の用心棒』アテネ(p3p004434)は眉を寄せる。
(嘘だろ。もう、嫉妬か? まだ、何もしていないんだが)
 目が合う。
(あ、ヤバ)
 アテネは身構えたがエディスは不自然に微笑む。
「……スキンヘッドがとても良く似合っている。不思議な魅力ね」
「え? あ、どうも」
(なんだ? 褒められた)
 アテネは拍子抜けするがエディスは爪を噛み始める。そして、スタッフがイレギュラーズ達を更衣室に案内するまでフィーネはくすくすと笑い、勿論、エディスは無言。イレギュラーズ達は考える。エディスは嫉妬しているのでは。
「……」
 イレギュラーズ達は首を振り、結論をそっと水に流した。そんなことを考えてはいけない。

 十五分後、イレギュラーズ達はプールサイドに立つ。紫色の照明は幻想的でまさに美しい光景。
(あれ? 今日の依頼は? 泳ぐんだっけ、何だっけ?)
 ぼんやりと顔を見合わせたが、イレギュラーズ達はプロ。大切なことを瞬時に思い出し円陣を組む。
(嫉妬大作戦の始まりだ!)
「──!?」
 だが、息を呑む。しまった、いちゃついている。エディスはソファに座るフィーネにクリームソーダを手渡し笑い合う。イレギュラーズ達はプールサイドを駆けた。
「フ、フィーネ! どうじゃ、儂の水着姿は?」
 息を切らしたルア=フォス=ニア(p3p004868)がフィーネからクリームソーダを奪った。ルアは露出度の高い黒のビキニ姿。低身長ながらグラマラス。
「そうねぇ」
 フィーネはルアの胸元を見つめた。
「完璧」
「ふふ、そうじゃろぅ♪ この水着は汝の為に着ておる」
 ルアは片目を瞑りフィーネの右隣に座る。さり気なく腕を絡ませた。ルアは身体を密着させ、クリームソーダのストローをゆっくりと咥えた。目線を上げ、エディスに微笑んだ。エディスの顔がひきつる。
(ふっふー、ちゃんと嫉妬しておるのぅ。よしよし♪)
 ルアはクリームソーダを飲み、「ああ、美味いのぅ。フィーネが飲んだ後だからじゃ」と笑う。
「ああ、そうじゃ!」
 ルアはフィーネからぱっと離れた。プールに手を伸ばし、ローションをすくう。
「ひんやりじゃのぅ。ふふー。ローションプールとは、中々に良い趣味をしておるのぅ」
 ルアはフィーネの上半身にローションを滴らせる。
「とても楽しいでしょう?」とフィーネ。微動だにしない。
「勿論じゃ♪」
 ルアは目を細め、ローション滴る手をフィーネの顎、鎖骨、胸に伸ばした。フィーネは楽しそうに笑う。エディスは青ざめていく。
「あら、貴女……とっても綺麗ね」
 『穢れた翼』ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)に気が付く。フィーネは物珍しそうに背中の翼をじっと見つめた。二対四枚の翼は美しく、ティアは露出度の低いビキニとパレオを着こなしている。フィーネは息を漏らした。
「オッドアイの可愛いお嬢さん。ねぇ、あたくしの隣にどうかしら?」
 フィーネは左隣を見つめ、ティアに手を伸ばした。ルアは両腕でフィーネに絡み付く。
「貴女っ!」
 エディスは怒鳴り、はっとする。フィーネは嬉しそうに笑った。
「行かなきゃ駄目?」とティア。
『ああ、行った方が良いだろう』
 ティアを操る神が答えた。
「そっか。スキンシップは苦手だけど」
 ティアはおずおずとフィーネの手に触れ、ソファに座る。
「嬉しい。あたくしとお喋りしましょう?」
「うん。でも、何を?」
 ティアは首を傾げた。
「面白い子」
 フィーネは興味深げにティアを見つめ、ティアはエディスを眺めた。
(エディス、怒ってる。フィーネはこれが楽しいんだ……うーん、良く分からないや)
「なぁ、アタシも会話に参加してもいいか?」
 アテネはクリスタルグラスを二つ握り締めている。
「コニャックね」
 フィーネは笑う。ルアはやり取りを黙って見つめながらスキンシップを行う。エディスは悔しげにルアを見つめ、ティアはクリームソーダのバニラをスプーンで口に運んでいる。
「溶けてて丁度良いね」
『ああ、美味い』
「……嘘。どうして貴女が食べるの! それは私がフィーネの為に」
 エディスはティアを睨んだ。
(お、キレ始めた。良い感じだな)
 アテネはエディスを一瞥し、フィーネにグラスを手渡した。
「どうぞ。聞いたよ、いつも飲んでるんだってね。コニャックの水割り」
「そうね、コニャックには硬水が合うの」
「へぇ。では、一口。ん、美味い」
 アテネが笑う。
「でしょう? それにしても――」
 フィーネはアテネを見つめた。
「何だ?」
「その水着、とても良いわ」
「どうも。まぁ、競泳水着だけどね」
 アテネは頭を掻く。
(それでも、酒場の酔っぱらい共には見せられないね、絶対……)
「うふふ。ねぇ、上着を羽織ってるけど恥ずかしい?」
「え? ああ……落ち着かないというか、なんていうかな……」
「素敵」
「は?」
「恥じらいもまた、良いわ」
「そうか?」
(そういうものなのか?)
 アテネは首を傾げ、エディスを意識する。
(凄い顔。じゃあ、アタシも嫉妬させるかな)
「フィーネ」
「なあに?」
「フィーネと話してるとお姉ちゃんを思い出す」
「お姉ちゃん?」
「そう、とても大切な人なんだよ」
 アテネは目を細めた。口にしながら記憶が呼び戻されていく。
(まぁ、ガラでもないけどね。仕事の為だよ)
 見れば、エディスは苛立っている。
「そう」
 フィーネは頷き、アテネの胸に触れた。
「いつか――」
「え?」
「いつか、貴女の痛みが消えますように。なんてね?」
 フィーネは立ち上がる。

「ねぇ、あたくし、貴女ともお話したいのだけど?」
 フィーネは『特異運命座標』アニエル=トレボール=ザインノーン(p3p004377)に近づく。
「そんな遠くにいて寂しくない? 貴女、プールが苦手なのかしら?」
 フィーネは笑う。アニエルはワンピースタイプの水着を着ている。
「ええ、プールはちょっとね」
 アニエルはプールサイドの端に車椅子型移動デバイスを停め、座っている。
(移動距離は限られているし……もし、プールに落ちてしまったら沈んでしまう。でも、ローションプールとは? 元の世界には無かったけど)
 実際、良く分かっていない。
(それでも、この程度の要望に応えられないつもりはない)
「可愛い。お人形さんみたい」
「正解。ねぇ、触ってみない?」
 アニエルは車椅子型移動デバイスから立ち上がった。
(ただ、私の本体については教えない。彼女は犯罪者予備軍だからね)
「あら、面白い」
 フィーネは目を細め、片手を伸ばす。
「フィーネさん」
 アニエルはフィーネの手に触れ、誘惑を込めた口づけを贈る。気配を感じた。
(……エディスさん)
 後ろにエディスが立っていた。
(嫉妬は人をこんなに)
 アニエルはフィーネを見つめた。フィーネは笑う。
「エディス、残りは貴女にあげるわ。好きでしょう?」
 フィーネは飲みかけのグラスをエディスに預け、プールに飛び込んだ。プールサイドに冷感ローションが飛び散った。ルアが追う。飛び込んだ。
「おー、冷たいのぅ!」
「ふふ、すぐに慣れるわよ。あら、鳥肌」
「フィーネもじゃ」
「あら、本当だわ」
「ふふふ。ほーれ、フィーネ。こういうのはどうじゃ?」
 ルアが突然、フィーネの顔にローションをかける。
「あらあら」
 ルアとフィーネがプールではしゃぎ合う。ゆっくりとアテネがプールに入り、ぶるりと震えた。
「あら、楽しくない?」とフィーネ。
「楽しくないかも……ろーしょんプールって初めて入ったけど、フィーネはよく入るの?」
「たまにね」
 笑うフィーネにルアが四肢を絡ませる。

(よし、エディスさんが一人になった)
 チャンスとばかりに『QZ』クィニー・ザルファー(p3p001779)がエディスに歩み寄る。
「ねえ、フィーネさんってエディスさんの恋人なの?」
 クィニーはエディスの顔を覗き込んだ。クィニーはウェットスーツに似た水着を着ている。露出度は低いがその分、身体のラインがはっきりと分かる。スタイル抜群だ。
「そうね」
 エディスは言いながらルアとフィーネを見ている。
(おっ! かなり、嫉妬してるねぇ。なら、私も)
「そっかぁ……うんうん。彼女、凄くイイよねぇ……私も欲しくなっちゃうなぁ」
 クィニーはエディスを見つめ、にやりとする。エディスははっとする。
「貴女も……」
「えー? 多分だけど此処にいる全員がフィーネさんのこと、気になってると思うなぁ」
「気になって?」
「そうそう。見てるだけでどきどきするもん」
 クィニーは言った。エディスは黙り込んでいる。
(まぁ、私もカノジョいるけど……これは仕事だからしょうがないな〜。仕事はベストを尽くさないとね)
 クィニーはプールに飛び込んだ。飛沫が散る。
「あわっ、つめたっ!」
 クィニーは叫び、フィーネに近づく。アテネはプールサイドでバスタオルを被っている。
「楽しんでるぅ?」
 クィニーはフィーネの肩に手を添える。ルアがフィーネから離れた。フィーネは振り返り、クィニーの首に両手を絡ませ、額に唇を落とす。
「えへへ。あ、エディスさんも泳ごう? 最初は冷たいけど楽しいよ!」
 クィニーはエディスを誘う。その瞬間、エディスの顔が怒りで真っ赤に染まる。
「あれれぇ、もしかして泳げない? そっかぁ、プールに入ってる間はフィーネさん独り占めできるね♪」
 クィニーは嬉しそうに笑う。

●スイート
 とてとて、ぱたぱた――
「フィーネ様」
 『ジュリエット』江野 樹里(p3p000692)がフィーネを見下ろした。イレギュラーズ達に緊張が走る。いや、どうだろう。
「あら、あたくしが選んだ水着が良く似合っていて」
 フィーネが息を漏らす。樹里は真っ白なビキニを着ている。
「フィーネ様が選んでくれたのでより似合っている気がします」
(着替えるのに疲れてさっきまでデッキチェアで休んでいましたが、ようやくっ!)
「本日はお招きいただきまして誠にありがとうございます」
 樹里はお辞儀をする。
「いいえ、ありがとう」
 フィーネは微笑むが、ルアとクィニーとともにローションにまみれている。
「わわっ、凄いことに! という事は……もしや、このプールサイドも既にぬるぬるしているの、っわ!?」
 樹里は唐突に滑る。ローションの滴に足を滑らした。
「あ」
「あ」
 声が二つ。樹里が近くにいたアテネの腕を掴んだのだ。そのまま、樹里はアテネとともに落ちていく。
「おぶっ!?」
 鈍い音、樹里は全身を強かに打ち、沈んでいく。
(このまま、ローションを沢山飲むのです! あへ、鼻にも入っ……あ、あ……)
「大変! 急いで助けなきゃー!」
 クィニーがわざとらしく叫び、首を傾げた。
(あれ、なんか、本当に……あれ?)
 フィーネ、ルアが樹里の方に泳いていく。アテネは浮上し、顔を左右に振っている。
「べとべと……」
 アテネは顔をしかめた。
「あ、光ってる! そこ、そこだよ!」
 クィニーが指を指す。うつ伏せのまま浮上した樹里は光を放っている。樹里の両脇にフィーネが両腕を通し、抱き抱える。
「ちょっと、貴女」とフィーネ。
「溺死の……」
「え?」
「溺死の、いえ、窒息の実験として大量にローションを飲み……」
「は?」
 フィーネは目を丸くする。樹里は白目で倒れ、パンドラで強制復活を遂げる。
「ぐえぇー!」
 その瞬間、樹里は咳き込み、両鼻からローションを大量に吹き出した。フィーネの顔にローションが飛ぶ。
「……」
「ねぇ、水を飲んでいる可能性があるわぁ。早く、プールサイドに」
 『性的倒錯者で快楽主義者』ニエル・ラピュリゼル(p3p002443)が明確な指示を出す。ニエルは適当な水着を着ている。フィーネとルア、空からティアが樹里をプールサイドに引き上げる。樹里はわざとらしく息を止めた。
(ローション水……スライムよりも美味しくないですね……しょんぼり)
 目を閉じながら樹里はそんなことを考えていた。
「おいおい、息をしてないんじゃないか……? 大丈夫なのか」
『TS [the Seeker]』タツミ・サイトウ・フォルトナー(p3p004688)が呟く。ギフトによって女性姿となったタツミはセクシーな水着を着こなしている。フィーネがタツミを意識するような視線を向ける。
「素敵な胸」
 フィーネは呟き、エディスがむっとする。
「誰かぁ、人工呼吸を」
 医師であるニエルが樹里を見つめた。
「人工呼吸? 私には人工呼吸の知識が無いし……」
 ティアが呟く。
『誰か、いないのか? また、死んじまうぞ』
 ティアを操る神が言った。
「人工呼吸? エディス、医療スタッフを」
 フィーネは言った。エディスはびくりと震え、スタッフを呼ぶ。だが、来ない。来ないのだ。
「エディス~?」
 フィーネは微笑み、エディスは青ざめた。走り出す。エディスはアテネが医療スタッフを足止めしているのを見つけ、叫んだ。アテネは笑う。
「ん? 何をそんなに苛々してるんだ。てか、こっちにいていいのか?」
 アテネは指差した。エディスははっとする。ニエルがフィーネに人工呼吸の指示を出している。煽る様にクィニーがキスコールをし、ルアはにやにやしながらこの騒動を眺めている。エディスは駆け出そうとする。
「プールサイドを走るのは危ないよ」
 エディスの行動を注視していたアニエルが立ちはだかる。
「邪魔よ」
「エディスさん、妬いてるの?」
「なっ……だって、フィーネが人工呼吸をする必要がないでしょう!?」
「そう? 適役じゃない?」
「はぁッ!?」
 エディスは拳を握り締めたが、アニエルに暴力を振るうことはなかった。クィニーが振り返る。
(アニエルちゃんがエディスさんを止めているから大丈夫かな?)
 クィニーは正面を向き、声を上げた。エディスが崩れ落ちる。双眸には人工呼吸を施すフィーネ、ニエルが胸骨圧迫を適切に行っている。

 エディスは座り込んでいる。救われた樹里は懲りずにプールの中にいる。仰向けのまま、楽しそうに揺れている。
「良かったわ」
 フィーネは呟く。その瞬間、バスタオルを広げたタツミが後ろからフィーネを抱き締め、耳元でささやく。
「フィーネさん、そのままだとお風邪を召されてしまいます」
「あら、素敵なタイミング」
「ええ。貴女のことをずっと見ていましたから。よろしければ私に全てお任せを……」
「お願いするわ」
「では、お拭きします」
 タツミは微笑み、エディスはタツミをねめつけた。
「ああ、均整のとれた身体は美しくいつまでも触れていたい。細くて長い指先……爪さえも美しい」
 タツミはうっとりと目を細め、自らの胸を押し付けながら丁寧に、撫でるようにフィーネの身体を拭く。
「くすぐったいわ」
 フィーネはくすくすと笑う。
「足先も」
 タツミはフィーネの前で屈み、丁寧に足を拭く。フィーネは恍惚とした表情を浮かべる。ティアはプールサイドでオレンジジュースを飲み、翼に触れる。
「ぬるぬるして気持ち悪い……ちゃんと落ちるかな」
『よく洗えば大丈夫だろう』
 ティアを操る神が言った。
「それなら良いけど」

 一方、タツミ達は──
「私が拭く」
 エディスだ。その目は血走っている。
(怖いな)
 タツミはエディスを一瞥したが、無言でフィーネを拭き続ける。
「代わって」
 タツミの手首をエディスが掴んだ。その声は震えている。タツミは頷き、笑う。エディスが呻いた。ルアがフィーネにしなだれかかり、「儂にも、人工呼吸をしてくれぬか? フィーネに溺れてしもうて、苦しいのじゃ……♪」と懇願する。フィーネは笑い、挨拶のようにルアと何度も唇を重ね合う。
「お似合い、ですね」
 タツミはエディスに声を掛けた。エディスは茫然とする。何度もキスを見せつけられていた。
「今回限りでお別れというのは、ちと寂しいのぅ」
「そうね、あたくしもよ」
「儂で良ければ、何時でも呼んでくれ。汝と、もっと楽しんでみたいしな?」
「そうね、今度は二人だけで」
「約束じゃ」
「ええ」
 二人は笑う。放心するエディスにクィニーがローションを飛ばす。
「泳がないのー?」
「……行くわ」
「え、本当に?」
 クィニーは目を丸くする。エディスはタツミの腕を掴み、勢いよく、プールに飛び込んだ。
「嘘だろ!?」
 タツミは叫んだ。盛大な水飛沫。案の定、エディスは溺れる。樹里がひっくり返り、クィニーが樹里を捕まえる。エディスはタツミにしがみ付く。
「溺れ、溺れッ!」
「暴れんな、大丈夫だから。ほら、大丈夫だろう」
 タツミの言葉に涙目のエディスが頷いた。その瞬間、クィニーとルアだけが気が付く。フィーネの眼差しの鋭さに。

●ダーク
 お湯に浸かり、イレギュラーズ達は息を吐いた。ふと、ニエルがフィーネに近づく。
「できれば二人きりが良かったわぁ。ねぇ、きもちよくなる薬があるの。欲しくなぁい?」
 ニエルは誘惑する。フィーネはニエルに刻まれた傷跡をなぞる様に指先を滑らせ、「良いわね」と笑う。エディスは震えている。
「あはっ、興奮するわぁ」
「そうね」
 四肢を絡ませ、唇を重ねるニエルとフィーネ。イレギュラーズ達は顔を真っ赤にしながら慌てて二人を引き剥がし、ぎょっとする。エディスが発狂し、ニエルに襲いかかったのだ。イレギュラーズ達は暴れるエディスを全力で押さえ付けた。

「はぁ、普通にモンスターを相手にしてた方がよほど楽だったぜ……疲れた」
 フィーネとエディスから離れたタツミは全力で脱力し帰宅後、すぐに眠ってしまった。
 それは他のイレギュラーズ達も同様だろうか。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 皆様、ご参加いただきましてありがとうございました。青砥です。
 皆様のプレイングがとても濃厚で本当にご馳走様でした。チッス描写も出来てわたくしはもう、満足です……(恍惚とした表情を浮かべながら)

 では、少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。 また、皆様とお会いできますことを。

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