シナリオ詳細
再現性東京2010:青春の果て
オープニング
●
ピロリピロリ。
ゲームの筐体から電子音が鳴り響く。
入り口には派手な看板が掲げられ、自動ドアの前には太鼓のリズムゲームが並んでいた。
中に入れば仮面を被ったライダーのカードゲームと丸いドーム型の筐体に入ったお菓子がある。
少し奥まった所にはフィギュアやぬいぐるみを吊したキャッチャーが見えた。
「わぁ! 凄いねぇ! 希望ヶ浜にはこんな場所があるんだ」
フラン・ヴィラネル (p3p006816)は宝石箱みたいなゲームセンターに目を輝かせる。
「だろ? マジやばのやばばだろ! フランちゃんは深緑産まれだっけ? そしたらゲーセンはメチャクチャ新鮮だろうなぁ」
うんうんと頷いた伊達 千尋 (p3p007569)は歯をキラリとさせて得意げに言った。
「これは、何?」
銃の形をしたコントローラーを持ち上げたジェック・アーロン (p3p004755)はカラカラと振ってみせる。
「それはな、この画面にゾンビが出てくっから、それを撃ってやっつけるんだ」
「画面の中から? 出てくるの? なるほど、それをこの銃で打ってやっつける」
千尋の説明にゾンビが画面の中から出てくるのを今か今かと待ち構えるジェック。
上段に構えられた銃は良い位置で振り下ろすサインだ。
「ちょ、待てよ!? ちょいアガりめのグーパン下ろしてもらって!?」
そういうんじゃ無いと千尋はノンノンと首を振る。
その様子を微笑ましげに見つめるベネディクト=レベンディス=マナガルム (p3p008160)はゲームセンターの中を見回した。
ジャラジャラとメダルを落とす筐体に、プリントシール撮影機。
勝手にジュースが転げ落ちてくる販売機に、ガチャガチャと回してカプセルを取り出す機械。
「こんな狭い場所に、これだけの装置が敷き詰められているのは感動的だな」
「いやまあ。狭いけど。大陸と比べれば狭いけど! 嫌みとかじゃなく、普通に感動してるの凄い複雑なんだけどぉ!?」
千尋にとっては慣れ親しんだ空間。子供の頃から入り浸っていた青春のページがゲームセンターという場所には詰まっていた。
「そんで、ハルちゃん。夜妖はこのフロアに居んだろ?」
千尋は格闘ゲームにお金を入れようとしている『真心の花』ハルジオン(p3n000173)に問いかける。
「そうだよ。まあ、見てて」
一人で格闘ゲームを始めたハルジオン。
画面を覗き込むとビシバシとキャラクターがパンチやキックを繰り出しているのが見えた。
そこへ、『挑戦者が現れた』と表示が映し出される。
「え? 何でだ!? 向かいの席には誰も居ねえぜ!?」
千尋の大声にハルジオンの肩がびくりと震えた。
「……あ。負けた」
コンテニューするかと問いかける数字がどんどん減っていく。
数字が『0』を指し示した時、ゲームオーバーの音声と共に向かいの席から「よっしゃぁ!」と喜ぶ声が聞こえた。心なしか薄らぼんやり黒い影が見える気がする。
「もしかして、これが?」
「そう。これが夜妖『青春』。ゲームセンターの楽しいとか悔しいとかそういう思い」
例えばプリントシール撮影機なら、顔の隣に一緒に映ってしまったり。リズムゲームや格闘ゲームは挑戦者や乱入者として割って入ってくるらしい。
「確かに、誰も居ないのに挑戦者が現れたらそりゃビビるよな」
「だから。一緒に遊んで成仏させてあげる」
なるほど。至ってシンプルな解決方法だ。
「よっしゃ! ドコ中にも負けなしゲーステ北の覇者と呼ばれたこの伊達 千尋がいっちょやってやりますか!」
ただ、一人だけでは成仏しない夜妖も居る。
「皆でワイワイと楽しむのが肝心ってことだね?」
フランの問いかけにうんうんとハルジオンが頷いた。
「じゃあ、皆で一緒に遊ぼう!」
ジェックがフランの手を取る。手始めにどれがいいだろうか。
沢山の筐体が並ぶゲームセンターを見渡して、考え込むベネディクト。
時間はたっぷりあるのだ。全機種制覇も夢では無い。
- 再現性東京2010:青春の果て完了
- GM名桜田ポーチュラカ
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2020年11月28日 22時10分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
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ピロリピロリと忙しなく音が響くフロア。煌びやかなライトがチカチカと点滅する。
「ゲームセンター……名前からして、もう楽しそうな感じするじゃん」
『鎮魂銃歌』ジェック・アーロン(p3p004755)はソワソワしながら沢山の筐体に目移りしていた。
タバコの匂い、飛び交う灰皿。野郎共の猿みたいな叫び声……。
「あの『灼熱の時代』を生き抜いた俺がゲーセンのイロハを教えてやるぜ!」
バァン! と背景に集中線を浮かべた千尋がニヤリと笑った。
「皆ちゃんとついてきやがれ!」
千尋の号令に「おー!」とジェックが拳を上げる。
「まずはこの……くれん、クレーンゲームから遊ぼう。チヒロ、コツ教えて」
「おっ、クレーン行っちゃう? よしよし。まずはアームの強弱の見極めだな。掴み取る以外の攻略法もあるンだよ」
千尋がジェックにコツをレクチャーしている後ろで『黒狼領主』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)と『黒狼の従者』リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)がじっと眺めていた。
「此処が以前千尋が話していた場所か、練達に訪れて日が経って多少慣れていたが……こういう場所もあるのだな、物珍しい物がたくさんある」
「何やら色々な音が混ざり合っていて不思議な空間ですね。これが娯楽の施設ということですし、練達の技術には脅かされるばかりです」
幻想国とは全然違う風体にリュティスは目を白黒させる。
ここに来たのはベネディクトの付き添いの役目なのだ。勿論、主人が興味を示す物にも柔軟に対応するのが従者の役目である。だからこそ。
「千尋様には技術の伝授をお願いせねばなりませんね、やるからには全力ですよ」
「頼もしい。千尋に色々と教えて貰いながら、楽しませて貰うか」
「いいぜべーやんにリュティス嬢。まるで王子が姫を抱きかかえるみたいに優しく掴むんだ……」
「ふむ……やはりある程度の攻略法は確りとあるのだな」
千尋がカバー越しに角度を見極め指示を飛ばしていく。
ベネディクトがボタンを操作するのを後ろから眺めながら、リュティスは千尋の言葉をメモしていた。
「簡単にすぐコツを掴める物では無さそうだが、先ずは実践を経て経験を積まねば」
真剣な眼差しでベネディクトはクレーンゲームに立ち向かう。
「練達ってすごいなー」
バッチリ可愛い制服姿の『緑の治癒士』フラン・ヴィラネル(p3p006816)はゲームセンター内を見渡して感動した声を上げた。
「あたし地元で遊んでたのなんて、鬼ごっことか本読んだりくらいだったし。
今日はスーパーゲーセンマスター、千尋さんに色々教えてもらいながら楽しむよ!」
フランの元気さに誘われるように夜妖が楽しそうにワクワクしている。
「……青春さん、ちょっとおばけみたいで怖いけど。でも遊びたいって気持ちは、一緒だもんね」
攻撃してくるわけではない。だから、大丈夫と自分に言い聞かせたフランはレースゲームの筐体へと駆け出していく。
「まずはレースゲーム! 千尋さんのバイクの後ろ乗ったことあるけど、あれ自分で運転できたら楽しいだろうなーって思ってたんだぁ」
「よっしゃフランちゃん! ゲームとはいえバイクだ! 『悠久ーUQー』魂見せてくぜオラァ!」
バイクのボディに跨がり、準備は万端。
「まずは俺の後ろに乗って感覚を掴む所からだ! 曲がる時はこう! 重心をちゃんとずらす!
こう! OK!?」
「分かったよ! 今度は千尋さんにも青春さんにも負けないよ! ごー!」
カウントダウンがゼロになると共に千尋とフランは走り出す。
「アクセル全開、曲がる時は身体を倒して……んぎゃー倒しすぎて転んだ!」
痛くないはずなのに、何故か痛そうに感じるのは何故なのだろうか。
「どどどどうしようビリ!? 負けないよ、あれ何で今他のバイクとすれ違ったんだろ?」
「フランちゃん! 逆走してる!」
「ええええ!?」
気を取り直して。フランはクレーンゲームに挑戦する事にした。先客はジェックとベネディクト、リュティスだ。三人とも結構真剣な表情でボタンを操作している。
「ジェック! どこをつつけばあの山が崩れて景品が落ちてくるかわかるな! スナイパーだし!」
「崩れる場所は……ソコ、なんだろうけど。アームの力が弱すぎて崩せない……。
もうちょっと強く押せれば一気に取れそうなのに……!」
むぅとふくれっ面になるジェック。次のコインを入れようとして両替した小銭が空っぽになっていることに気付く。すごく不思議そうに首を傾げるジェック。
「結構な額使っててビックリした……!」
「分かるぜぇ。それだけ夢中になったってことなンだよ」
おそろしい。ゲームセンターおそろしい。
「ジェック先輩は手先器用そうだなぁ、あたしの器用さ(命中)は……うん!」
良い笑顔でフランは頷いた。
「なるほど、大体理解しました。ご主人様、このリュティスにお任せ下さい」
千尋から教えて貰ったコツを書いたメモをパタリと閉めて、リュティスは胸を張る。
「おお、頼もしいな」
「ていうかベネディクトさんはメイドさんがいるの!? 婚約者も!?」
ご主人様という言葉を聞き、フランがベネディクトを質問攻めにする。
「いいなあ、おっきなお屋敷」
「実際の所、そうなった俺が一番どうしてそうなったのか解らなかったが。その内機会があったら遊びにおいで、うちの使い魔(ポメラニアン)も遊び相手が欲しいだろうしね」
「やったー! 行くよお! 行く行く!」
気を取り直してフランはクレーンゲームに向き合う。
「狙いはあのたまねぎ! なんでたまねぎなんだろ……もしかして動くのかな。
え!? なんかすんごいつるつる滑る! わーん青春さん助けて!」
フランの助けを呼ぶ声に集まってきた青春達があーでもないこーでもないと指示を出していく。
「わー! 取れたぁ! 青春さん、ありがとー!」
無事に取れたフランの満面の笑みに集まった青春達が幸せそうに天に召されていった。
「必ずあの獲物を仕留めてみせましょう」
自信満々のリュティスが狙うは大きなぬいぐるみ。
「まずはここまで移動させ、次はここまで移動。後はアームを降ろせば完了です。
それでは仕留めにかかりましょうか」
クレーンを下ろすボタンをポチッ! と押したリュティス。
「えっ!? 持ち上がらないっ!?」
何故なのだ。理論上は完璧な計算だったはずなのに。
「な、なるほど。一筋縄ではいかないということなのですね……申し訳ございません、ご主人様」
敵を侮り過ぎたと気落ちしながらぺこりと頭を下げたリュティス
「あともう少しだったな……次はいけるんじゃないか?」
「おのれ、次は倒してみせますよ!」
闘志を燃やすリュティスに微笑み、ベネディクトは最後にもう一度クレーンゲームにコインを入れた。
「こうやって、こうだったか」
千尋に教えて貰った通りにアームを動かす。その隣ではジェックも真剣な表情でボタンを押していた。
「よし、ここ!」
アームがマスコットを押しつぶして掴む。
バランス良く引っかかったマスコットが出口へと近づいていくのを固唾を飲んで見守った。
ジェックやベネディクトだけではなく、そこに集まった夜妖もクレーンの行く末に注目する。
ガコンとマスコットが出口に吸い込まれた。取り出し口から掴み上げたジェックの顔は誇らしげだった。
「これ、あげるね。え、いいの? ありがとう」
誇らしげにマスコットを抱えたジェックの表情が何よりの手向けだったのだ。
●
郷の外の学校に通っていたのも一般人に紛れる訓練として、友達と遊ぶように見えても一瞬とて気を抜けなかった日々を『遺言代筆業』志屍 瑠璃(p3p000416)は思い出していた。
あの幼かった自分が郷と無縁だったら、騙す対象でしかなかったクラスの人と友人になれただろうか。
「世界をもう少し楽しめていたでしょうか……なんて」
栓の無い事を考えてしまうのが再現性東京のあまり好ましくないところだと瑠璃は遠くを見つめる。
「さて、久々に腕試しと参りましょう。あれ? ここ脱衣麻雀置いてないんですか?」
メダルを買った瑠璃はスロットに挑戦する。
「世界が違ってもルール一緒なのは有難いですね」
最初の数回はリールの配列を覚えるために回して、止めるときもどのくらい滑るかしっかりチェック。
「あとはニンジャ反射速度に任せて777を狙って頑張ってみましょうか」
トゥルトゥルと回るスロットを眺めて手を動かす。何かに夢中になれるのは割と楽しいものだ。
「じゃらじゃら音が鳴るやつも楽しそう」
「やあ。千尋さんとジェックさんもスロット?」
瑠璃の問いかけに千尋とジェックが肯定する。
「メダルを沢山落せばいいんでしょ。この乗ってる山を崩す感じ……さっきの轍は踏まないぞ」
「スロットは目押しが大事……そこだ! あっ、ズレた……。い、今のは悪い見本だからな!」
狙った所に行かなくて慌てる千尋。
崩す力の弱さを加味して考え、タイミングが重要。
「まだ…まだ……今!」
「おお、やるじゃんジェック!」
ハイタッチで勝利を分かち合う二人。
「ふふん、目押しってやつ、得意かも。チヒロが悪い例見せてくれたお陰だね」
「トホホ。そりゃ無いぜ」
瑠璃はスロットから格闘ゲームの筐体の前に歩いてくる。
「格闘ゲームは元の世界でもならしたものです」
「瑠璃さんもやる?」
筐体の影からぴょこりと顔を覗かせたのは『真心の花』ハルジオン(p3n000173)だ。
「ええ。たまに意図しない技が出てしまうのが難点ですが、こうレバーをぐるっと回す系のコマンド使わなくとも何とかなるものです」
ハルジオンと瑠璃は格闘ゲームのチーム戦で進んでいく。
「ハルちゃん! そこ! 全段ブロッキングからJ中K→屈中P→超必殺で逆転できっから! ハルちゃんならできる! 頑張れ!」
「お、おお! 頑張る!」
千尋の応援と共に順調にステージを進んでいく瑠璃とハルジオン。
「順調ならそろそろボスが、って誰ですか乱入してきたのはー!」
画面の中央に挑戦者の文字が躍る。
「まあ技コマンドのパターンって多くないですし、もとの世界で練習してたのと同じコマンドは無理なく出せるのですが……やってやろうじゃないですか!」
「おおー!」
ガコガコと筐体を鳴らす瑠璃。
「瑠璃がやってるのは……格闘ゲーム? おお、combo? ってやつがどんどん溜まってる……て、手の動きがすごい……見えない」
瑠璃の手さばきを後ろで眺めていたジェックが感動の声を上げる。
死闘の果て。満足した夜妖は好敵手にサムズアップして光の中へ消えて行った。
「ゲームセンターで遊べばいいアルな?」
「練達って不思議な所だね、へぇ此処がゲームセンター」
『復讐の焔緋』ルツ=ローゼンフェルド(p3p008707)と咲野 蓮華(p3p009144)は並べられた筐体に感心する。
「銃で魔種のような物を撃ったりするゲームをみて再現性東京流の戦闘訓練も兼ねているのかと思ったけど違うみたい」
他の仲間がクレーンゲームやビデオゲームをやっているのを後ろから眺める蓮華とルツ。
「クレーンゲームはなんも取れなさそうだし、メダル落としは動作でイライラしそうだ、やめよう……」
「そうだな……ちまちまボタンを押さないといけないのが、ちょっと性に合わないアル……!!」
一つ一つしらみつぶしに眺めて挑戦して。
「体を動かすのは得意アルからダンスゲームがあれば良いアルが……あとプリントーシールもちょっと気になるアルな、時間があったら言ってみるアルか」
二人が辿り着いたのは音楽ゲームコーナーだった。
「あ、ダンスゲーム発見アル! これで勝負アルよ!」
「そうだね。これがいいかも」
簡単な説明を蓮華とルツにした千尋は後ろに下がり、後方で腕を組んで訳知り顔で頷いた。
蓮華は自身で身体を動かすダンスゲームを選ぶ。
ルツは筐体に多くのボタンが着いたリズムゲームの前に立った。
曲を選び、イントロが流れ出す。
画面の中にリズムを表すバーが降りて来て、それに対応するボタンをルツが叩けば音が鳴った。
「動体視力と反射神経。そして落下物がバーに到達するまでに最適な処理順を短い時間に把握しなおかつ正確なボタンさばきが必要か……反射神経と動体視力にはそこそこ自信はあるよ。楽器なんか弾いたことはないけど、これは弾いたこともない人も遊ぶ為のゲームでしょ?」
「なるほど、あの動き……初心者にしては中々やるな」
ルツのリズム裁きに千尋は納得しちょうに頷く。
スコアを競うモードに切り替えれば、直ぐさま挑戦者が現れた。隣には黒い影のようなものが見える。
「遊びとはいえ勝負事、いざ尋常に!」
「勝負だ!」
白熱するリズム。熱が籠もっていくルツは珍しく感情的になっていく。
「ルツは音楽ゲーム? こ、こっちも目まぐるしい……。
もうどう手を動かせば良いか分かんなくなってくるね……」
千尋の隣にジェックがやってきて眩しそうに感嘆する。
その向こう側では蓮華がリズミカルにダンスを踊っていた。
「ふう。このぐらいで良いアルか」
勝負する前のウォーミングアップは十分だろう。
「相手がどれくらいうまいかわからないアルが全力で挑むアル!!!」
蓮華の頬に汗が流れる。これは遊びだ。しかし、真剣勝負なのだ。
負けても。負けても。繰り返し挑戦して。最後には――
●
「今日の思い出に写真撮ろー!」
フランが手を上げて皆を集める。
「目がおっきくなって足がにょーんって伸びるんでしょ? 今日は楽しかったなぁって思ったら自然と笑顔になっちゃうし……」
「『青春』くん! 記念に一枚撮るぞ! はい! ティティーッス!」
「せっかくの申し出ですし、お言葉に甘えると致しましょう」
「最後に写真と取るのか? 良い提案だな、良い思い出になるだろう」
千尋に続くリュティスとベネディクト。
「写真撮る時は可愛いいポーズをしたり二人以上で手でハートを作ったりして可愛く写るアル!」
わいわいと。全員で入れる様にぎゅうぎゅうに詰め込んで。
「ほら、夜妖も遠慮するなこっちへ」
「ここ開けてるよ!」
「いくよー!」
数枚に分けて取られた写真。デコレーションモードで取れた写真を見てみれば、美白に大きな目。
「って、随分顔が違うような……」
ジェックがぽつりと呟いて。ルツが少しだけ噴き出せば、一斉に皆で笑い出す。
「でも、楽しかったね」
「楽しかった。ありがとう。思い出になったよ」
蓮華が他の皆や夜妖にもシールを渡す。
それを受け取った夜妖『青春』は笑いながら光の中に消えて行った。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
イレギュラーズの皆さん、お疲れ様でした。
楽しんで頂けたら幸いです。
MVPは果敢に挑戦していた方にお送りします。
それでは、またのご縁をお待ちしております。
GMコメント
桜田ポーチュラカです。ゲームセンターで遊びましょう。
よろしくお願いします。
■依頼達成条件
夜妖『青春』を成仏させる
■フィールド
希望ヶ浜にあるゲームセンターです。
沢山の筐体が所狭しと並んでいます。夜妖は探さなくてもあちこちに居ます。
■できること
ゲームセンターで夜妖とゲームをすれば成仏していきます。
皆でワイワイやるといいでしょう。
どの場面も「こんなのがあれば良いな」など現実的な範囲で可能です。
(1)クレーンゲーム
可愛いぬいぐるみやフィギュア、タマネギ(!?)などがあります。
取れなくて悔しい思いをした夜妖が居ますので、プレゼントしてあげると成仏します。
(2)音楽ゲーム
リズム合わせ、ダンス、ギター、和太鼓など。
ハイスコアを競います。真剣勝負。正々堂々と勝負すれば成仏します。
(3)ビデオゲーム
格闘ゲーム、ゾンビシューティング、レースゲームなど。
何方が勝つか勝負です。思う存分楽しんだら成仏していきます。
(4)メダル落とし、スロット
ジャラジャラとメダルが落ちる音で幸せになって成仏していきます。
ラッキー運試し。意外と技術が必要かも(!?)
(5)プリントシール撮影機
文字やエモかったり可愛かったりするエフェクトが乗せられます。
記念に撮ってみましょう。
(6)その他
ジュース自販機、アイス自販機
疲れたら一休みしましょう。ベンチとかもあります。
■NPC『真心の花』ハルジオン(p3n000173)
格闘ゲームなどをしています。
ゲームセンターでゲームが出来るのが嬉しくてはしゃいでいます。
●再現性東京2010街『希望ヶ浜』
練達には、再現性東京(アデプト・トーキョー)と呼ばれる地区がある。
主に地球、日本地域出身の旅人や、彼らに興味を抱く者たちが作り上げた、練達内に存在する、日本の都市、『東京』を模した特殊地区。
ここは『希望ヶ浜』。東京西部の小さな都市を模した地域だ。
希望ヶ浜の人々は世界の在り方を受け入れていない。目を瞑り耳を塞ぎ、かつての世界を再現したつもりで生きている。
練達はここに国内を脅かすモンスター(悪性怪異と呼ばれています)を討伐するための人材を育成する機関『希望ヶ浜学園』を設立した。
そこでローレットのイレギュラーズが、モンスター退治の専門家として招かれたのである。
それも『学園の生徒や職員』という形で……。
●希望ヶ浜学園
再現性東京2010街『希望ヶ浜』に設立された学校。
夜妖<ヨル>と呼ばれる存在と戦う学生を育成するマンモス校。
幼稚舎から大学まで一貫した教育を行っており、希望ヶ浜地区では『由緒正しき学園』という認識をされいる裏側では怪異と戦う者達の育成を行っている。
ローレットのイレギュラーズの皆さんは入学、編入、講師として参入することができます。
入学/編入学年や講師としての受け持ち科目はご自分で決定していただくことが出来ます。
ライトな学園伝奇をお楽しみいただけます。
●夜妖<ヨル>
都市伝説やモンスターの総称。
科学文明の中に生きる再現性東京の住民達にとって存在してはいけないファンタジー生物。
関わりたくないものです。
完全な人型で無い旅人や種族は再現性東京『希望ヶ浜地区』では恐れられる程度に、この地区では『非日常』は許容されません。(ただし、非日常を認めないため変わったファッションだなと思われる程度に済みます)
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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