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シナリオ詳細

スノーポメラニアン族から交流会のご招待

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●迎撃戦は凌げたが……
『鉄帝』ヴィーザル地方のとある集落では本日も激戦が火花を散らしていた。
 丁度今、一夜が明けた早朝、スノーポメラニアン族が猿族の撃退に成功した所だ。

「皆、無事な様で何よりだ。此度も集落を護ってくれてありがとう。昨今は戦況が厳しいが今後ともよろしく頼むぞ」
 最前線で指揮を執っていたスノーポメラニアン族の長が兵士達に労いの言葉を述べる。
 戦死者や重傷者は少数だが出たものの防衛自体には成功した。

「いえ、族長も無事で良かったです。それよりも最近、迎撃戦ばかりですね? ノーザン・キングスの奴らに睨まれたままですと今後が心配です」
 族の副官の一人が族長を心配する一方で素直な感想で応える。
 実は今回の迎撃戦はノーザン・キングスの獣人族対独立勢力の小競り合いであった。

「まあ、皆が皆、ノーザン・キングス側につかないといけない訳じゃねえですし。ですが、そろそろ我々も限界でしょうか?」
 族の優秀な戦士の一人が族長と副官の会話に入ると切実に問を投げた。
 一体、いつまでノーザン・キングス相手に戦を続けるのだろうか、と。

 ノーザン・キングスに降参するのか。それとも全滅覚悟で戦を続行するのか。
 あるいは『鉄帝』国側に保護を求めるという心許ない案もあるが……。

「ふむ。ローレットを頼れないだろうか? 彼らはノーザン・キングスによる暴動を鎮圧する活動もしているらしい。私達は彼らに保護を求める。その見返りとしてノーザン・キングスの一件で彼らに加勢する。悪い取引ではないと思うのだが……」
 ローレットに保護を求めるというまさかの発案。
 だが現状の最善策でもある為、一先ず族長と副官がローレットへ接触を試みる。

●交流会のお誘い
「近年、『鉄帝』のヴィーザル地方の各所で小競り合いが勃発している事はご存知かと思われます。その件なのですが、とある部族から皆さんに交流会のお誘いがあります」
 情報屋のロゼッタ・ライヘンバッハ(p3n000165)が交流会の件を相談してくれたが……。しかし、何故、ノーザン・キングス関係者とその様な話に繋がったのであろうか。

「エルの方からもお話しましょう。実は先日、ロゼッタさんとエルの二人でスノーポメラニアン族という獣人族からヒアリングを行いました。彼らはヴィーザル地方の獣人さんですが、ノーザン・キングスには入りたくないそうです。
 でもノーザン・キングスが仲間になれと煩いのでローレットに保護を求めて来ました。そしてその友好の第一歩としてエルたちを交流会にご招待したいとのことです」
 エル・エ・ルーエ (p3p008216)から問題の何故が詳解された。
 彼女は不憫な獣人族を憂う特異運命座標の一人として情報屋と行動を共にした。

「そうか? 俺も何度かノーザン・キングスの奴らとはドンパチやり合ったが、ヴィーザル地方同士でも小競り合いしてんのかよ? で、交流会とやらで俺は何すればいい? AG(アームドギア)で訓練でもしてやればいいのか!?」
 エルからの重要な話という件で親切な晋 飛 (p3p008588)も依頼の場に同席していた。
 彼もヴィーザル地方の一件は気になるが、それ以前に交流会の内容が気に掛かる。

「今回、戦闘は一切ありませんよ。ですが、交流会では体を動かす機会もあります。例えば、広々とした大草原でドッグランをスノーポメラニアン族と一緒に楽しむ事が出来ます。他にも二種類のプログラムが用意されていますよ」
 ロゼッタが交流会の詳細を解説してくれる。
 他二種類は、BBQ大会と露天風呂であるそうだ。

「ほお、BBQ大会に温泉も? 交流会らしくていいじゃないか? BBQ大会では、俺達からも何か持参するのだろうか? 天然温泉も楽しみだな、あちらは情景に趣があるだろうから……」
 もう一人の同席者にエルベネディクト=レベンディス=マナガルム (p3p008160)がいた。
 騎士の彼は保護対象の人となりも気になる為、親睦を深める案には賛成だそうだ。

「BBQの焼肉等はあちらで用意されるそうです。仰る通り、何か持参してあげると喜ばれるでしょう。また、大自然の山脈を背景とする巨大な炭酸泉に浸かって交流を温めるのも良いかもしれません。ぜひ交流会を思い切り楽しんで下さいね」
 ロゼッタがにこやかに返答すると、八枚の招待状を特異運命座標に手渡した。
 戦続きのヴィーザル地方だが、たまには穏健な獣人族と共に息抜きもお勧めしたい。

GMコメント

●目標
 スノーポメラニアン族と交流会を楽しむ。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●ロケーション
『鉄帝』ヴィーザル地方に位置するスノーポメラニアン族の集落が舞台です。
 この度、彼らの集落でイレギュラーズ歓迎の交流会が開かれます。
 交流会に参加してスノーポメラニアン族と親睦を深めましょう。

●スノーポメラニアン族
・ヴィーザル地方に居ますがノーザン・キングスに加入しない独立勢力です。
・大人しいですが戦闘力は高く、ノーザン・キングスが相手でも善戦しています。
・雪のように真っ白な外見をしているポメラニアン系の犬獣人です。
・犬獣人の姿ですが、変身してポメラニアンの犬姿になる事も出来ます。
・毛皮がもこもこですが、触るとひんやりして気持ち良いです。
・手の平に乗る小さい個体から馬程度に大きい個体までサイズに幅があります。
・忠犬の様な所もあり、認めた相手に対しては情に厚く懐きます。

●交流会
 交流会では三種類の内容が準備されています。
 以下、どれかに絞り込んで参加あるいは全部に少しずつの参加も出来ます。

・ドッグラン
 集落には広々とした大きな草原があります。
 スノーポメラニアン族は普段、ここでドッグランのトレーニングに励みます。
 皆さんも彼らと共に走って汗を流すのも良いでしょう。
 あるいは彼らとフリスビーやボール投げの遊びも出来ます。
 もしくは単純に彼らをもふもふしてのびのびとするだけでも構いません。

・BBQ大会
 集落には大きな青空食堂があります。
 今回の交流会では彼らが狩った魔牛、魔豚、魔鶏の肉が振る舞われます。
 カルビ、ロース、ハラミ、タン、ホルモン等の焼肉が食べ放題です。
 また、集落で採取出来る天然のレタスも食べ放題です。
 そして、飲み物は雪の山脈から流れる天然水が飲み放題です。
(成人には天然水と天然酵母で出来るビールもあります)
 皆さんの方から食料や飲料を持ち込むのも歓迎です。

・露天風呂の温泉
 集落には天然の温泉が湧く巨大な露天風呂があります。
 温泉の湯は心地良い炭酸泉であり日々の疲れや凝りを癒してくれます。
 スノーポメラニアン族と温泉に入り交流を温めるのも良いでしょう。
 ちなみに温泉は男湯、女湯、混浴があります。
 いずれも水着着用となります。
(水着は水着イラストの物でもシナリオ限定貸し出し申請でも構いません)

●GMより
 EXリクシナでのご指名ありがとうございます、GMのヤガ・ガラスです。
 部分リクシナでもありますので、新規参加の方達もよろしくお願いします。
 では、ワンコ獣人達と交流会でもふもふと楽しんで頂けると幸いです。

  • スノーポメラニアン族から交流会のご招待完了
  • GM名ヤガ・ガラス
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年11月05日 22時01分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

メイメイ・ルー(p3p004460)
約束の力
ソア(p3p007025)
無尽虎爪
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
戦輝刃
※参加確定済み※
エル・エ・ルーエ(p3p008216)
小さな願い
※参加確定済み※
マギー・クレスト(p3p008373)
マジカルプリンス☆マギー
しにゃこ(p3p008456)
可愛いもの好き
晋 飛(p3p008588)
倫理コード違反
※参加確定済み※
ジュリエット・フォーサイス(p3p008823)
翠迅の守護

リプレイ

●交流会
 銀世界の情景が鮮やかで高原の冷気が穏やかな集落地にて交流会が開催される。
 招待に預かった特異運命座標の面々はスノーポメラニアン族達と友好の挨拶を交わす。

 まずは族長が握手を求めると『ドゥネーヴ領主代行』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)が笑顔で力強く応じる。
「鉄帝とは余り関りが無かったのだが、成程……。今はその様な事になって居るのか。しかし、歴戦の勇士が我々の味方についてくれるというならこれ以上心強い事は無い。この交流会、いい結果で終わらせられる様に努力するとしよう」

 ベネディクトの隣では『可愛いもの好き』しにゃこ(p3p008456)が、ポメ太郎を抱えながら兵士達に愛嬌を振り撒く。ちなみにポメ太郎とはベネディクトの使い魔であり本日はしにゃこが世話係である。
「うおー! 白いポメ! しにゃこも可愛いですけどこの子達も可愛いです! しかもふかふかしてさわり心地良さそうです! ポメ太郎が俺も負けてないぜ! って顔してる気がします」

 族の副官達とは『淑女の心得』ジュリエット・フォン・イーリス(p3p008823)が和やかに握手を交わす。彼女が手に提げる鞄の中はBBQ大会用の野菜が顔を出していた。
「スノーポメラニアン族さん達のご招待、とても嬉しいです。フワフワで、なおかつ犬の姿が可愛いなんてとても素敵。私は元々、第一王女という立場上、あまり動物と触れ合う機会がありませんでしたのでとても心が弾んでおります」

 族の戦士達に挨拶回りするのは『ふゆのこころ』エル・エ・ルーエ(p3p008216)である。
 彼女は塩気のない干し肉をお土産として手渡している。
「初めまして。スノポメ族さん。エルです。今日は、楽しい日になればいいなって、エルは思います」
 ちなみに「スノポメ族」とはエル流のスノーポメラニアン族の愛称である。

 エルの隣では『朱の願い』晋 飛(p3p008588)が大量の九頭龍社製スパム缶を配り歩いていた。
「ほら、土産用のスパム缶だ。がっつり持って来たんでよろしくな!」
 嬉々と挨拶を交わす飛だが、本日の交流会について内心では警戒している所もある。
(なんか牧歌的な連中だな……。こないだ獣人の拠点で戦ったせいかこっちの獣人の連中にはちっと身構えちまうな。ただ、ま、エルのお誘いだしマナガルムの奴もいるしちったぁ楽しみますか!)

 スノーポメラニアン族を前にして『小さな決意』マギー・クレスト(p3p008373)が胸を高鳴らせて質問する。
「真っ白な外見をしているポメラニアン系の犬獣人さんとのことですが……。もふもふな姿にもなれるのでしょうか……?」
 無論、変身はお手の物と族民達がもふもふの犬姿に化けた。
 マギーは交流用に準備した最高級ブラシを手にしてそっと歩み寄る。
「では、ボクは失礼にならない程度に、もふも……こほん、ブラッシング等で親愛度を上げていこうかと!」

『雷虎』ソア(p3p007025)も犬姿の族民達に小首を傾げて笑顔で問い掛ける。
「いーい?」
 ソアが早速もふろうかと手を伸ばすと犬姿の民達がごろごろと懐く。
「すごーい、まっしろのフカフカ! ボクにも自慢の毛並みがあるけれど寒い国はまた違うね! だって銀の森の雪はこんなに冷たくないもの!」

 最後尾では『さまようこひつじ』メイメイ・ルー(p3p004460)と族民達が挨拶を交わそうとしていた。身振り手振りで一生懸命コミュニケーションを取ろうと努力している。
「は、はじめまして。メイメイです。……えと、今日はお世話に、なります……」
 メイメイが歩み寄ると犬姿のポメラニアン族が心地良さそうに近寄って来た。
 どうやら彼女の才能(Fluffy Fluffy)が発動してほんのりと安らぎに包まれた様だ。
(さて、本日はもふもふの予感……です。スノーポメラニアン族……善き隣人となれたら、嬉しいです、ね)

●ドッグラン
 冬の雪原が広がる運動場でドッグラン交流が開催された。
 ジャージ姿のベネディクトも彼らの訓練内容に興味津々でやる気満々な様だ。
「ベネディクトだ、宜しく頼む。足を引っ張らない様に努力するよ」
 彼の申し出に族の戦士達も「こちらこそよろしく頼む」と握手で返す。
 ベネディクトの趣味は鍛錬を積む事。槍を得物に構えるエースアタッカーだ。
 そんな彼でも冬の雪原を猛速度で走り回る訓練には苦戦するが流石に遅れは取らない。
(はぁ、はぁ……。雪原を全力で走るのも……中々、厳しいな。彼らは……これで足腰を鍛えて居るのか)

「皆さまは此処でトレーニングをするのですね。わたしも、体験してみたい、です」
 ジャージ姿で張り切るメイメイも雪原での走行訓練に参加して最後尾を走る。
 もっとも、雪原を一周した所で彼女は訓練の厳しさを悟る。
 もう一周進むか判断に迷うと訓練外の族民達が駆け寄って来た。
「よかったら、フリスビーしない?」
「はい。わたしも、フリスビーが……いいです」
 メイメイは訓練から離脱すると広場でフリスビーを頑張って投げる。
「え、えいっ」
 犬姿の族民達がメイメイの投げたフリスビーを目指して全力で広場を駆け抜ける。
 フリスビーを口元で確実にキャッチするとメイメイの所へ駆け戻った。
「お、お上手、ですね……。やりがい、おおあり、です」
 そして彼女は、ぜひとも質問したい事柄を思い切って聞いてみた。
「も、もし宜しければ、ポメラニアンの……お姿で、も、もふもふを……?」
 族民の犬達が笑顔で毛並みを差し出してくれたのでメイメイは存分にもふもふする。
「では、ご厚意に、甘えて……。ふふー。……ひんやりとしたもふもふ、堪能です」

 ソアが興味に溢れた表情でフリスビー遊びを見学していた。
「なるほど……フリスビーを咥えてキャッチしたり……?」
「君もやるか?」
 とある族民から誘われるとソアも早速参加してみる。
 ソアが思い切りフリスビーを放り投げると犬姿の族民達が全力で雪原を疾走する。
 やがてフリスビーを口元で捕まえるとソアの元へ一瞬で舞い戻って来た。
「へぇ、面白いね。ボクも虎の姿になってやってみていい?」
 今度は選手を交代してソアがフリスビー拾いに挑む。
 獣人の姿に戻った族民がフリスビーを遠方へ投げると虎姿のソアが駆け抜ける。
 猛速度で雪原広場を疾走したソアは跳躍してフリスビーを咥え取った。
「ナイスキャッチだ、ソアちゃん!」
 今回はソアの方が逆に獣人からもふられて褒められた様だ。

 ジュリエットは頬を朱に染めながらもフリスビーを投げる前に一言だけ断っておく。
「その、なにぶん初めてなので、上手くなくても笑わないで下さいね? 行きますよ~?」
 慣れない投擲遊戯であるものの、フリスビーは軽やかにふわふわと飛翔する。
 落下したフリスビーを咥えてポメラニアンが駆け戻って来た。
 ジュリエットは彼らのもふい犬頭を撫でながら礼を述べる。
「ご協力ありがとうございます。では、もう一度お願いします」
 数回も数をこなすとジュリエットがスマートにフリスビーを投げられる様になった。
「やりましたよ!」
「上手に飛びましたね!」
 次第に上達した彼女は族民達と喜びを分かち合うのであった。

 フリスビー投げも良いが、一方でエルはボール投げで遊ぶ事を選ぶ。
「このボールをぽいっと投げて、取ってこられるのですね? それ、えいっ!」
 エルが勢いを付けてボールを空へ投げると放物線を描いて彼方まで飛ぶ。
 族民の犬達は競ってボールを奪い取って拾うとエルの元へ瞬時に戻った。
「わわわわわっ!? こんなに沢山集まってこられて……」
 仰天するエルが犬達にもふもふ集られながらボールを受け取る。
 エルは、もふり撫でながらも千切り干し肉を分け与えた。
「では、エルがまたボールを投げますから、皆さんで取りに行って下さいね?」

 木陰で座り込んでいる飛が、ボール投げに励むエルを微笑ましく眺めていた。
「ドッグランか、あー、撫でたりもふもふすんのは柄じゃあ……。そっか、エル達は楽しんでるか……ふっ、良かったな」
 大樹に腰を掛けて昼寝でも始めそうな飛の元へ族民の犬達が現れて尾を振る。
 飛も邪険にするつもりはなくスパム缶を鞄から取り出して肉を差し出してあげた。
「よし、俺ももふもふチャレンジすっから。ちょいとお前さん、噛むなよー……」
 齧られながらもふるというのも珍妙かもしれないが、苦笑いする飛はどこか嬉しそう。

 投擲系の遊戯で疲れた族民達は大樹の木陰で休息していた。
 笑みを浮かべているマギーが豪華なブラシを抱えて現れる。
「皆さん、お疲れですか? もし、よろしければ、ブラッシングをさせてくれないかと……」
 彼女は木陰の犬達にブラッシングには興味がないかと勧誘してみた。
「うん、まずは小さい子からですか。では、丁寧に優しくブラッシングしますね」
 マギーが一匹目の子犬の毛並みをブラッシングで軽やかに整えてあげる。
(おおっ? もふもふな毛並みにうっとりしそうなのを我慢我慢です!)
 恍惚で意識が逸れそうになるが、マギーは自制してブラッシングに励む。
「痛かったり痒いところはありませんか?」
 マギーの行き届いたブラッシング交流は好評となって列まで出来てしまった様だ。

 しにゃこはポメ太郎を連れて犬姿の族民達と雪原で鬼ごっこをしていた。
「こんな短足わんこ勢に負ける訳にはいきません! ハイエナとしての格の違いを見せつけてやります! 行きますよ、ポメ太郎! しにゃが鍛えてやります!」
 最初の頃は、しにゃこ優勢で逃げ切っていたが、次第に追い抜かれて追い込まれ……。
「よっしゃー! しにゃの脅威の反応速度!! 永遠に追いつけるわけが……わけが……。ちょっといつまで追ってくるんですか!? もうしにゃ走れないです! スタミナが……違いすぎる……!」
 一方でポメ太郎も楽しそうに駆けずり回ってはしにゃこを振り回す。
「あ、やめて! ポメ太郎! リード引っ張らないでください!! ぐえええ!」
 鬼ごっこ交流が決着すると、皆で大樹の木陰に集まり休憩を取る事にした。
「しにゃのどんな凶悪な動物も一瞬で大人しくなるブラッシング技術をお見せします! 並んで、並んでください! ……そんないっぺんにできないです!」
 しにゃこは一匹ずつ丹精を込めて毛並みを解かしてあげるが……。
「よしよし、白い毛が綺麗ですねー、なんかこれで作れそうです……枕とか……。ハイ次の方ー。いやデカ!? 馬サイズなんですけど、この子! 誰か手伝ってください! 一人じゃあ日が暮れそうです!」
 しにゃこはマギーに協力を仰ぎ、馬サイズの子とのブラッシング交流をやり遂げた。

●露天風呂
 閑話休題。希望者のみで雪山が麗しい露天風呂にて温泉交流をする。
 お団子頭で競泳水着の姿になったエルは犬姿のスノポメ族を洗浄してあげた。
「さて、わしゃわしゃ洗って、乾かしてふわふわになったらいいなって、エルは思います」
 一方でスノポメ族柄の海パン姿になった飛も犬達の洗浄を手伝っている。
「お、粉雪か? しんしんと降る雪も思い出すねえ……。ああ、いやこっちの話よ。んで温泉交流な訳だが、こういう時間こそ、ゆったりしたいぜ」
 情緒的になっている飛の背後から、エルが彼の無造作ヘアをわしゃわしゃと洗浄する。
「晋さんの頭もわんこさんみたいですね? よく洗っておきましょう」
 呑気に頭を洗ってくれるエルを思いながら飛は白い溜息をつく。
「……エルさぁ、お前なー……。一応俺ぁ男だからな? あんまり無防備すぎるのも考え物だぜ? お前はこれから大人になるって時期なんだから、よ」
 女と戦闘が好きで燃える様な刹那を好む飛も流石に調子が狂ってしまう。
 その後、皆で炭酸泉に浸かると、スノポメ族のふわふわがぺっしょりとなり笑いが零れた。

●BBQ大会
 ドッグランに残る者達や温泉に行く者達がいる一方でBBQ大会の準備が着々と進む。
 マギーとジュリエットは鞄に詰め込んだ甘めの野菜の数々を取り出して調理に取り掛かる。
「料理が苦手ですので、ジュリエットさんが切って頂けますか? ボクは火を見ますので」
「お任せ下さい。淑女の心得として包丁扱いは得意です」
 持ち寄った野菜は旬のとうもろこし、南瓜、人参、さつまいも。
 族民達も加わるとジュリエット班とマギー班に分かれての活動となる。
「焼くとほんのり甘いお野菜なんですがどうですか?」
 ジュリエットが鉄板の上で野菜炒めを調理すると族民達に取り分けてあげた。
 その代わりに彼女は特製魔鶏の丸焼きを切り分けて貰った。
「天然レタスも、天然水も本当に美味しい。特にレタスは食べ過ぎてしまいそうです。ふふ」
 美味しい肉を頂きながらも野菜の摂取と水分の補給も忘れないジュリエットであった。
「あ、林檎も持ってきたので、焼林檎作りましょう!」
 魔豚のトンテキをご馳走になったマギーが、今度は林檎の串焼きを勧めてあげた。
 甘党である彼女はスイーツの食べ時を見事に当ててしまう。
 皆で林檎の串焼きを齧りながらも今後の友好関係について思いを馳せた。
 撤収時には準備班が率先してBBQの後片付けも取り仕切った様だ。

 友好の走行訓練を終えたベネディクトは族長達と共にBBQ大会へ向かう。
「流石にあれだけ身体を動かすとお腹が空いたな。良かったらお勧めを教えてくれないか?」
「では、先日狩ったばかりの魔牛の骨付きカルビはどうですか?」
 族長お勧めの豪勢なカルビをベネディクトが元気溌剌に丸齧りする。
 厳しい訓練で共に汗を流した仲間達との晩餐も乙な味だ。
「うむ、美味い! ……ポメ太郎も食べるか? 余り食べ過ぎたらまた使用人に叱られるから、ほどほどにな」
 しにゃこと行動を共にしていたポメ太郎がいつの間にか主人の元へ帰還していた。
 ポメ太郎も骨付きカルビを骨ごと齧って満足そうに吠える。
「何時か肩を並べて共に戦う時が来るかも知れん。その時は宜しく頼む」
「はい、こちらこそ今後ともよろしくお願い致します」
 ベネディクトと族長が改めて固い握手を交わすと周囲から拍手喝采が起こった。

 ベネディクトが交流する付近でしにゃこが行き倒れていた。
「体力使いすぎました……。誰かー、お肉持ってきてくださいー」
 彼女はポメ太郎の世話、鬼ごっこ交流、ブラッシング交流と盛り沢山の予定だったからだ。
 そこに先程のブラッシング時に居た馬サイズの族民が焼肉の盛り合わせを運んでくれた。
「おおっ!? 心優しい白ポメさんにはしにゃのピンクリボンを結んであげます。これで次回遊ぶ時は優先権を得ましたよ! また遊びましょうね!」
「おう、また頼む!」
 本日の交流会ではしにゃこなりにも友好関係が築き上げられた様だ。
 それにしても、ハイエナらしく素晴らしい食いっぷりで焼肉を瞬時に完食してしまった。

 風呂上りの飛はBBQ会場に現れるとAG(アームドギア)で調理に取り掛かる。
 AGに装着した小型バーナーで巨大な魔牛肉を烈火の如く豪快に焼き上げた。
「ポメ共もじゃんじゃん来い! ちゃんと小さく切ってやるからよ?」
 そして華麗なナイフ捌きで焼肉を切り分けて、AG前で列に並ぶ者達に取り分けた。
 飛は並んでいたエルへ焼肉皿を盛って渡す際にさり気なく質問をする。
「そうだ、エル? 俺も犬を飼おうとちっと考えてんだが、どんなのが子供に受けそうだい?」
 エルは焼肉を嬉しそうに頬張りながらも、もふい白犬達を指して一言。
「エルはポメラニアンさんがいいと思いますね」

 ソアは巨大な皿を両手で持ちながらもお腹の虫を鳴らせてAGの列に並んでいた。
 この地方の肌寒さだけでもお腹が空いて仕方ないソアは食べ放題が大歓迎だ。
「飛さん、AG直火ステーキはぜひ食べたい! 焼き加減はレア!」
「……ほらよ、ソア? レアのロースステーキ、たんと食いな?」
 飛から豪華焼肉を受け取ったソアが大口で肉厚を頬張ってはビールを煽る。
 魔物焼肉と部族特製ビールを胃に流し込むと彼女に幸福が訪れた。
「ああ、幸せ……人間最高……!」
 最後には獣人達とお酒を注ぎ合って乾杯した。
 彼女達はフカフカ同士で抱擁を交わす。
「今日は本当にありがとう。この集落はきっと守るって約束するからね!」

 精一杯運動してお腹を空かせたメイメイ達が最後にBBQ会場に訪れた。
 メイメイはきゅるる、と鳴くお腹を隠しながらもBBQを心待ちにしていたそうだ。
「わ、わ……いいにおいに溢れています。このお肉はスノーポメラニアン族の皆さまが……? すごい、です……!」
「はい、私達が狩った魔牛の肉です。どうぞ沢山お食べ下さい」
 メイメイは族民達に勧められて魔牛タンのレタス巻を取り分けて貰った。
「レタスもタンも美味しいです、ね……。ふふー」
 彼女はレタス巻に小さく噛り付いてシャキシャキもぐもぐと熱心に食べる。
 メイメイは食べる事が大好きなのでBBQ大会では特に感激していた。
「えと、あの、今日はとても、楽しかった、です。ありがとうございまし、た……!」
「いや、こちらこそ楽しい交流をありがとうございました」
 メイメイがぺこりとお礼のお辞儀をすると、族民達も笑顔で感謝の意を示してくれた。
 特異運命座標とスノーポメラニアン族の交流会は温かい雰囲気で夜が更けていく。

 了

成否

成功

MVP

晋 飛(p3p008588)
倫理コード違反

状態異常

なし

あとがき

シナリオ参加ありがとうございました。
盛り沢山の交流会をもふもふと楽しんで頂けたのであれば幸いです。

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