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シナリオ詳細

再現性東京2010:死へ昇りし歩み

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性東京2010:死へ昇りし歩み
 練達の一区画に存在する『再現性東京』、その一区画『希望ヶ浜』地域。
 そこでは学生達が、いつもの通り学生生活を送っており、極々普通の学園生活が送られている。
 でも、そんな平和な学園でなくならないモノと言えば……女子学生達の噂話。
「ねーねー、知ってるー?」
「えー? 何何ー?」
「あのさー、この学校の裏にある、ボッロボロな廃校舎ってあるじゃん?」
「あー、あるあるー。何だか不気味だよねー」
「でしょー。そんな不気味な廃校舎って二階建てなんだけど、その階段って14段なんだって。でも、ね……13段になってる時があるんだって」
「え、マジー? それっておかしくないー?」
「おっかしーよねー? ねーねー、今日の夜、確かめに行ってみなーい?」
「あ、おっもしろそー。うんうん、行く行くー♪」
 そして、深夜。
「ほら、ここここー。廃校舎だから鍵かけられてないみたいー」
「あはは、不用心ー! まぁ、楽に入れるからいいよねー」
 昼のテンションと同じ位のテンションで、廃校舎の中へと足を踏み入れる女子高生達。
 暫し、静寂の後。
「きゃーーーーーー!!」
「いや、た、助けて助けてーー!!」
 ……先程の女子高生達の悲鳴が、辺りに響きわたるのであった。


「ねえねぇ、怪談話に興味のある皆さーん、ちょっといいかなー?」
 と、綾敷・なじみは、カフェ・ローレットにて『希望ヶ浜学園』に潜入しているイレギュラーズ達を、敢えてそう呼んで、声を掛けていく。
 まぁ、オカルト研の部長だからこそ、その言葉には何の不自然さも無いけれど。
 そして、声を掛けて足を止めてくれた皆にニコッ、と笑いながら。
「あのね、この希望ヶ浜に、私達の通う所とは違う高校があるんだよねー」
「それで、その高校には古くなり使われなくなった廃校舎があるんだ。でも、ここにどうやら『悪性怪異:夜妖<ヨル>』が出ちゃったみたいなんだ」
「この夜妖は有名な階段話の一つで、十三階段に纏わる怪異を仕掛けてくるみたいなんだ。みんなも知ってるよね、十三階段。いつもは十四段の階段が、とある時だけ十三段になるって話!」
「どうもこの夜妖は、階段の最上段と同じ高さに偽装して、足を踏んだ人が怖がった所に足元から襲い掛かるっていう危険な夜妖なんだ。それにね……この怪談話を聞きつけた女子高生達が、今日の夜行こーって噂話をしてるのを聞いたんだよね」
「このままじゃ、あの娘達が帰らぬ人になっちゃうから、皆には女子高生達にちょっと怖い目に遭わせてもうこれ以上やだー、って思わせながら夜妖を退治してきて欲しいの!」
「夜妖達は、自分の体を最初固体に偽装していて、足を踏み入れた瞬間から段々と柔らかくさせて、足を取ってくるみたいなのね。逆に足を踏み入れない限りは擬態していて、姿を現わさないから、注意してね!」
 そして、最後に。
「夜妖達の怪異を噂するのは、私としても面白いなーって思うんだけど、でも実際に被害に逢っちゃうのはダメだと思うんだー。だから、みんな宜しく頼むねー!」
 と、もう一度ニッコリ微笑むのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回の依頼ですが、練達『再現性東京』の、希望ヶ浜にある、とある高校での依頼となります。
 
 ●再現性東京2010街『希望ヶ浜』
  練達には、再現性東京(アデプト・トーキョー)と呼ばれる地区がある。
  主に地球、日本地域出身の旅人や、彼らに興味を抱く者たちが作り上げた、練達内に存在する、日本の都市、『東京』を模した特殊地区。
  ここは『希望ヶ浜』。東京西部の小さな都市を模した地域だ。
  希望ヶ浜の人々は世界の在り方を受け入れていない。目を瞑り耳を塞ぎ、かつての世界を再現したつもりで生きている。
  練達はここに国内を脅かすモンスター(悪性怪異と呼ばれています)を討伐するための人材を育成する機関『希望ヶ浜学園』を設立した。
  そこでローレットのイレギュラーズが、モンスター退治の専門家として招かれたのである。
  それも『学園の生徒や職員』という形で……。

 ●成功条件
   女子高生グループ(4人)を救出した上で、
   現れている『悪性怪異:夜妖<ヨル>』を全て退治する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   今回の敵である悪性怪異:夜妖<ヨル>は、最初怪談に偽装しています。
   でも誰かが足を踏み入れた瞬間、偽装を解き足に纏わり付いて飲み込もうとしてきます。
   足に纏わり付いている間は『泥沼』の効果と同様の状態となりますので、ご注意下さい。

 ●討伐目標
  敵は悪性怪異:夜妖<ヨル>が10体です。
  数は少ないですが、皆様の近くには恐怖に足が竦んでいる女子高生達が居ますし、夜妖は弱そうな彼女達を先に狙うことでしょう。
  敵の攻撃手段は基本二つです。
  その体は半粘液状ですので、実体は廃校舎という暗闇の中では見にくい状態になっていますので、ご注意下さい。
   ・足元に粘り着く粘液:至近・広域・泥沼BS付与
   ・飛びつく粘液:遠距離・単体・暗闇&窒息BS付与
 
 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 再現性東京2010:死へ昇りし歩み完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年10月23日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アリア・テリア(p3p007129)
いにしえと今の紡ぎ手
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
シルキィ(p3p008115)
繋ぐ者
ボディ・ダクレ(p3p008384)
アイのカタチ
秋野 雪見(p3p008507)
エンターテイナー
ウロ ウロ(p3p008610)
虚虚実実
白夜 希(p3p009099)
死生の魔女

リプレイ

●夜の帳
 練達の一区画、『再現性東京』の『希望ヶ浜』地域。
 イレギュラーズ達が通う『希望ヶ浜学園』の他にも、様々な学校が存在しており……今回の事件は、『希望ヶ浜学園』の近くに存在している、とある高校で発生。
 そんな極々一般的な学校の廃校舎に、突然姿を現わしたのは……十三階段の階段に偽装した、夜妖達。
「十三階段ですか? 確かにメイのお友達にも、そういった噂が広まっていた様なのですし、ネットにも流れている様なのです。これも夜妖の仕業なのでしょうか?」
 と、『シティガール』メイ=ルゥ(p3p007582)がaPhoneで調べた結果を仲間達に伝える。
 それに『痛みを背負って』ボディ・ダクレ(p3p008384)と、『la mano di Dio』シルキィ(p3p008115)、『虚虚実実』ウロ ウロ(p3p008610)の三人も。
「まぁ廃校舎に怪異とは、とてもそれらしいお話ですね。そこに学生が入り込むというのも、とてもそれらしいと思考します」
「そうだねぇ。深夜の出歩きは良く無いけど、好奇心は止められないものだよねぇ」
「うん。夜の学校ってや~~っぱり雰囲気あるよね。入りたくなるのもわかる。でもね~~、夜のお出かけは自分の身が守れるヒトじゃないとオススメしないな。良く無いモノに遭うからね」
「ええ。結末は怪談らしい終わり方で無くても良いと判断します。ですので、助けに行きましょう。全霊で依頼を遂行します」
 とのボディの言葉に、『ニャー!』秋野 雪見(p3p008507)も。
「そうにゃね、今回のターゲットはJK四人と学校の階段の怪談にゃ! どっちも全員懲らしめる! そう! 私たちはいわば正義の執行人……悪い子はメッにゃ!」
 と言うと、『狐です』長月・イナリ(p3p008096)とシルキィも。
「ええ、怖いもの見たさの気持ちは分からなくもないけど、その対価が自らの命、ってのは本当にダメね」
「そうね。まぁ、お灸は据えさせて貰うけど、絶対に助けてあげるからねぇ!」
 と拳を振り上げ、気合いを入れるのであった。

 そしてイレギュラーズ達は、なじみより指示された夜妖の出現場所……高校の裏手にある廃校舎へとと到着。
 当然廃校舎には人の気配は暫し無いので、埃も積もっていていて、寂れている状態。
「ひぇぇ……こういう雰囲気怖くて苦手……! 肝試しでも、こんな所に来たがる人の気が知れないよぅ!」
 漂う雰囲気に、『希望の紡ぎ手』アリア・テリア(p3p007129)が悲鳴の様に声を上げる。
 とは言え外にいるだけでは、問題解決にすらなっていない。
 ちゃんと中へと侵入し、彼女達を救出しなければ……と、その時。
『ねえねえ。ここだってー』
『うっわ、マジやばそー。でも、面白そー!』
『ほら、それじゃ行こいこー!』
 イレギュラーズの所に聞こえてきたのは、女子高生達の声。
 どうやら校舎の反対側辺りに、女子高生達がやってきた模様。
 ただ、イレギュラーズには気付いておらず、早々に廃校舎の中へと入って行ってしまう。
 そんな彼女達の声に、『白い死神』白夜 希(p3p009099)が。
「初めて入る高校……不慣れな場所だし、少し急ごう……」
 と言うと、テリアも。
「うんうん! さっさと終わらせて、帰る帰るぅ……!!」
 と怯えながらも気合い一杯。
 そしてイレギュラーズ達も、鍵の掛けられていなかったドアを力尽くで開き、廃校舎の中へと足を踏み入れるのであった。

●一歩先の闇
 そして、廃校舎の中を進むイレギュラーズ。
 二班に分かれ、女子高生達を手分けして探すことにしたのだが……。
「うー……どーこーでーすーかー?」
 首元の鍵を発光させるテリアと、希から借りたカンテラの灯りを確保するボディ。
 更にはイナリ、シルキィの二人は暗視(弱)を活用し、暗闇の中での視界を広げて探索。
 更に、彼女達が感じているであろう恐怖を、ボディが感情探知を利用しサーチ。
 ただ……恐怖心は、正直近くの仲間達の他からは感じない。
 そうやら怪談話、ほんの僅かな恐怖心はあるものの、ここが楽しそうという気分の方が遥かに勝っている様である。
「……駄目ですね。恐怖心は強く感じません」
 首を振るボディに対し。
「仕方ない……なら……」
 シルキィ、そして希がハイセンスの超聴力を活用し、足音、叫び声などを捜索。
 と、流石に足音はすぐに聞き分けることが出来る。
 と、聞き分けていたその瞬間。
『っ、きゃああああ!!』
 廃校舎の中に響きわたる、悲鳴。
 その悲鳴の聞こえた方向は一箇所。
 イナリが事前に用意しておいた建築図と、聞こえた方向からして、2階に上がる階段の辺り。
「あっちね。急ぐわよ」
 と狐の姿のイナリが先陣を切って駆ける。
 そして、階段の下に辿り着くと……漆黒の液体の様なモノに飲み込まれつつある、女子高生達の姿。
「うひゃぁっ!?」
 流石にその光景にもう一度驚くテリアだが、すぐに気を取り直して。
「と、取りあえず……っ!」
 階段下から魔光閃熱波を打つ。
 夜妖と思しき階段に撃ち込む事で、女子高生達に取り憑いている夜妖の注意をこちらに引付ける。
 そしてすぐに階段を上り、イナリ、シルキィ、ウロ、テリアの四人が女子高生達を夜妖から引き剥がす。
『へ? な、何何っ!?』
 と慌てている彼女達に、ウロと雪見が。
「見~~ぃつけたぁ!」
「先ずはお話しましょーにゃ♪」
 と声を掛ける。
 だが、その声を聞いた彼女達は。
『ヒ……キャアアア!!』
 と、更に叫び声を上げて暴れてしまう。
「おおっと、待って逃げないで冗談だよぉ、夜の学校って怖いんだよ?」
 と、彼女達を落ち着かせるように喋り駆ける。
 そして、入れ替わるようにメイ、ボディ、雪見、希の四人が、女子高生と夜妖の間に割り込み、立ち塞がっていく。
 ただ、そんなイレギュラーズ達の登場に対して彼女達は。
『な、何なのこれ!? こんなの、聞いてないわよっ!!』
『こんな所に来たいって行ったのあなたじゃないのよ!! だから私、本当は来たく無かったのにっ!!』
『何よ、さっきまで面白そうって言ってたじゃん!! ウソツキ!!」
『うるさいわね、この怪談女!!』
 と、イレギュラーズの後ろでわーわー、ぎゃーぎゃー言い争いを始めてしまう。
 そんな女子高生達に、流石にウロが。
「まぁまぁ~、こんな所で喧嘩しちゃ駄目だよぉ~?」
 と、出来る限り優しい口調で喋り駆ける。
 とは言え、こんな怖い怪談場所で喧嘩できる彼女達が素直に凄い、とも思ってみたり。
 ともあれ……女子高生達をウロが宥めつつ、夜妖の真っ正面で。
「取りあえず、貴方達の相手はこっちがするよ!」
 ウェンカムヒを放ち、敵に怒りを植え付ける。
 更にウロは女子高生を宥めつつも、その至近距離で。
「ほらぁ、こっちを見ててねぇ~!」
 と注目を集める様に、スナイパーアイで集中しつつ、精密射撃。
 その一撃に、えっ、と喧嘩が止まる。
 目の当たりにしているのは、自分達が死にそうになった怪異を相手している人が居る……という、彼女達に撮っては信じがたい事実。
 更に闇の中、シルキィ、ボディ、雪見の三人が夜妖へと接近。
「さぁ、吹き荒れろ、熱砂の嵐!」
 とシルキィのシムーンケイジを端緒に、ボディのブルーコメット・TS、雪見の奇襲攻撃によるヒットアンドアウェイで、夜妖に確実にダメージを与えていく。
『な……何これぇ……』
 周囲の状況が整理出来ず、涙目な女子高生達のぼやきに、軽快な身のこなしで戻って来た雪見から。
「はい、こちらを御覧ください、これが貴女たちが怪談と探していたものの正体です! 私たち普通のJKなら死んじゃうにゃ♪」
 務めて明るいが、彼女達を怖がらせるのも忘れない。
 そして、女子高生達に対し希が。
「ほら……危険だよ? だから……離れて。ここは危ないから……」
 と、ここからもう少し下がるように指示する。
 そしてウロが彼女達の手を引いて。
「ほらほら~~、こっちこっち~~」
 と、半ば力尽くで、更にその場から引き離す。
 女子高生達は、いやー、と更なる悲鳴を揚げた様な気がするが、それはさておき。
 残ったメイとイナリは夜妖をきりっ、と睨み付けて。
「まったく、戦えない先輩達を狙うとは卑怯なのですよ! もしかして、小さいメイに負けるのが怖いのですか? 悔しかったらメイと勝負なのですよ!」
「そうね……ほら、私達が相手してあげるわよ」
 と、名乗り口上且つ、戦線布告。
 次の刻、夜妖達は攻撃してきたイレギュラーズに対し大量の粘液を吹き飛ばす。
 更には足元から忍び寄る夜妖は足に絡みつき、その動きを封じようと蠢く。
 そんな二種類の粘液攻撃だが、ボディとシルキィの二人が進んで夜妖の所に足を踏み入れる事で、敢えてその攻撃をその身で受け止める。
 その好機を活かしながら、テリアは再度ウェンカムヒ。
 10匹と思われる夜妖の群れに、更に怒りを付与。
 二回連続で怒りを付与する事で、見た目でははっきりと認識出来ないものの、恐らく……10匹の夜妖達全ての怒りを刻みつける。
 そして、シルキィがショウ・ザ・インパクトを放ち、ボディがスーパーノヴァ、そして雪見の奇襲攻撃が夜妖を集中攻撃。
 一匹ずつ確実に攻撃していく事で、見辛い姿の夜妖の数を削り行く。
 そして、前衛陣が一通り攻撃した後、メイが後衛より。
「メイを止めるのは足だけじゃダメなのですよ! スラスターを点火させて、ドーンなのですよ!」
 と夜妖に向けて斬神空波の一撃。
 それに併せて希も、識別付きのプラチナムインベルタを放ち、攻撃。
 対し、イナリは天孫降臨・雷電建御雷神にて攻撃。
 次の刻、流石に怒り効果に乗り、攻撃はテリアに集中。
 テリアが傷つくのを遠目に見ている女子高生達に、雪見が。
「ほら、肝試しとか怪談とか、楽しいのはわかるけど、死んだらそれも楽しめなくなっちゃうにゃ。だから、ここはお話だけで我慢するにゃよ」
 と、少し強い口調で言う。
 強い口調で言うことで、イレギュラーズ達に今護られている事、更にはここを今離れたら死ぬかもしれない……という事を、その心に刻みつける算段。
 それにウロも。
「そうだよ~。逃げたらどうなるか、わかるよね~?」
 ニッコリ、威圧。
 ひぃっ、と恐怖の声を上げる女子高生に。
「や~~だな脅してないよ~~仲良くしよ~と思ってるよほんとほんと」
 と笑顔で手を振る。
 何にせよ、雪見とウロ二人の言葉が、しっかりと彼女達をその場に刻みこみ、精神的に動きを封じる。
 とは言えウロは、彼女達の近くから決して離れないので、物理的にも動きは封じられている状態。
 更にイレギュラーズ達が戦う姿を目の当たりにして……自分達が足を踏み入れた所は、本当に命の危険があったのだ、と心底まで刻み込まれていく。
 そして、夜妖達の粘液攻撃を一通りこなし、反撃。
 黒い粘液状の体がどんどんと飛び散り、ただの黒い水へと変化していく。
 見た目では後何匹なのかは分からないが……段々と攻撃してくる回数が減ってくる。
「うん、確実に減っている様なのです。あともう一息なのですよ!」
「そうだね……」
「うん。絶対に倒れないよ!」
 メイに頷く希、そしてテリアもPCATを自己付与し、防御力を大幅に強化し、壁として立ち塞がる。
 粘液をテリアが怒りと共に一身に引き受け、周りの仲間達が粘液を攻撃。
 ……すっかり大人しくなった女子高生達は邪魔する様な事も無く、十数刻の内に、粘液は全て動かぬ液体へと変わり果てていく。
 そして、それと共に隠れていた十四段目の階段が露わになり……全ての夜妖は崩れ墜ちたのを、認識するのであった。

●命からがら
「ふぅ……終わったわね」
 息を吐くイナリ。
 無事に全ての敵を倒したことに安堵し……そして、背中に護っていた女子高生達も、全員無事を確認。
 そして、イレギュラーズ達は振り返り、彼女の下へ。
「いやぁ、無事で良かったよぉ……」
 にっこにこの笑顔で白衣を翻すシルキィ、そしてテリアが。
「本当無事で良かった。でも、君達が興味本位でここに来た結果が、今この現実だよ! ……その恐怖も絶望も、それと相対する存在についても、忘れちゃ駄目だからね!!」
 びしっ、と指を指して言う彼女。
 ただ、そんな彼女の言葉に対し女子高生達は。
『でも、でもさぁ……こわいところ、興味、あるじゃん?』
『誰だってこんな事になるなんて思わないっしょ! こんな目に遭うなんて信じられないもん!!』
 と、不満を口に為てつけあがっていく。
 そんな彼女達に目を細めたイナリ。
「でも、人が夜に出歩くって事は……私達に喰らわれても仕方ない、って事よね……? 邪魔者達は居なくなったし、ゆっくり、その美味しそうな手足から食い尽くしてあげようかしらね……?」
 目を鈍く光らせるイナリ、更にシルキィもふふっ、と笑い。
「そうねぇ……折角見つけた実験台、使う前に怪我させたくないからねぇ~」
 その手に鈍く光る、刃を潰し済のメスを掲げる。
 イナリとシルキィは、まるで女子高生達を餌食にする人外のモノが如く振る舞う。
 当然、女子高生達は。
『キャアアア!!』
 悲鳴を上げて、足をふらふらさせながら、その場から逃げようとする。
 でも、そんな彼女達の前にメイが、ドリームシアターで、先程の夜妖の様な動く幻影を作り出し、彼女達を転ばせる。
『や、で、出たぁあああ!!』
『もうやだ、もうやだぁ!!』
 泣き叫ぶ彼女達は……仲間に振り返る事も無く、一目散に廃校舎から逃げていく。
 そんな彼女達の後ろ姿を見ながらメイが。
「はぁ……まったく、メイよりお姉さんなのに困った人達なのですよ」
 と深く溜息を吐く。
 ともあれ、イレギュラーズ達のお陰で、彼女達には消えない恐怖がしっかりと心底に刻み込まれたことだろう。
「ねぇ、もういいよね? ……私だって、まだ怖いんだから!!」
 とテリアが言うと、ボディは。
「夜妖達はもう居ないと思いますが、一応一回りしてからにしましょうか。私が先頭に立ちますから、皆さんは後からついてきて下さいね」
「うぅ……分かったよぉ……」
 流石にまだ夜妖が居るかもしれない、と言われたら、否定する訳にも行かず。
 そしてイレギュラーズ達は、誰も居ない廃校舎を確認の為に一巡りするのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

十三階段の怪談シナリオへのご参加、ありがとうございました!!
皆様の怖がらせ方、素晴らしかったです。
皆様のお陰で、女子高生達はもう、絶対に怪談話の場所に行こう、だなんて言わなくなったと想います……!

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