PandoraPartyProject

シナリオ詳細

そうだ、OctoberfFestへ行こう

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●十月といえば

「十月じゃのう!」
「ええそうですね、会長」
 嬉しそうにカレンダーを捲っているmぽよんとしたお腹がチャーミングな老紳士。
 名前を尾佐家田 伊耒(オサケダ・イスキ)という。
 お酒をこよなく愛する彼はこの十月という月を何よりも楽しみにしていた。その理由とは――。

「オクトーバーフェストの季節じゃからのう!」
「はい、前回の方々のご協力により我が社の新商品の売れ行きも上々。今回のオクトーバーフェストにおいてもかなりの集客率と宣伝効果が期待できます」

 十月の祭り、オクトーバーフェスト。
 その名の通り、十月ごろに行われるこの祭りは『酒をたくさん飲んで楽しむ』というシンピルイズザベストな祭りである。
 いやもちろん起源はあるのだが、長くなるので今回は割愛。

「宣伝も、もちろんじゃが……みんな楽しんでくれるとよいのう」
「きっと楽しんでくださるかと」
 生真面目そうな秘書が予定をサラサラと品の良い手用へと書きこんでいく。
 かくいう秘書も内心とてもわくわくしていた。
 美味しいお酒に美味しいツマミ、そして美しい街並み。
 かれこれ尾佐家田に仕えて十年余りだが、これほどまでに楽しみな日はないのだ。

「すまんが、また手配を頼めるかのう?」
「もうすでに手配済みです」
「さすがじゃのう!」

 カレンダーの赤い丸には大きく
『OctoberfFest』の文字が躍っていた。

●そうだOctoberfFestへ行こう
「いやあ、季節の流れってのは早いもんだねぇ……」
 胡坐を掻きながらジョッキを片手にパンフレットを眺めながら朧はあなた方を振り返る。
「今回の依頼はOctoberfFestにいって祭りを楽しんできてもらおうと思ってる」
 この黒衣、めちゃくちゃ発音がいい――。
 と思いつつ、渡されたパンフレットには場所の記載と概要が記されていた。

「難しいこと考えず、酒飲んで、食って、遊んでくりゃあいいのさ」
 ちょうどいい息抜きになんだろ?
「ああ、だけどハメ外しすぎんなよ? 怒られても知らねえぜ」
 それじゃあ程々に楽しみなと、朧はあなた方を送り出した。
 
 

NMコメント

 初めましての方は初めまして。
 そうでない方は今回もよろしくお願いします、白です。
 あっというまに十月ですね。月日の流れがバグっているとしか思えない白です。
 ところで世界にはビールやお酒を浴びるように飲む祭りがあるんだとか。
 というわけで、今回はとある町のオクトーバーフェストに参加していただきます!
 どなたでもお気軽にどうぞ!

 このラリーは三章構成を想定しております。二週間ほどで完結予定です。
 ご縁があればよろしくお願いいたします。

●全体目標
 オクトーバーフェストを楽しむ。

●章目標 
 パレードへ参加する。
 パレードを眺める。
 観光してみる。
 お酒を飲んでみる。

●章構成
・一章
 一日目です。時間帯は朝です、人はそれなりに入っていてざわざわと活気づいています。
 

●行ける場所
・屋台
 美味しいビール、ワイン、日本湯、カクテル。様々なお酒とウインナーやシュラスコ。
 お酒はもちろん、お酒のあてにぴったりなツマミもふんだんに用意されています。
 大半の物はありますからプレイングでこれが飲みたい、食べたいなどご自由に!
(※未成年PCさんにはジュースが振舞われます)

・街並
 ドイツの街並を模した美しい外観です。
 この景色目当てに来るお客さんもいるそうです。お土産用のお酒やおつまみが売られています。
 記念品のTシャツなんかもあるそうです。

・パレード
 パレードが盛大に行われます。
 お馬さんや憲兵さんのコスチュームに身を包んだダンサーさんなんかが華やかに踊り練り歩きます。飛び入り参加も良し、お酒を片手に眺めるのも良しです。
 
●舞台
 尾佐家田グループが所有する広大な土地になります。
 町全体がドイツと呼ばれる場所の街並みを模しているそうで、ちょっとした観光地となってます。
 眺めるだけでもとても楽しそうですね!

●NPC
 尾佐家田 伊耒(オサケダ・イスキ)
 お酒と人の話を聞くことが大好きなおっとりとしたおじいちゃまです。
 今回のオクトーバーフェストの主催者でもあります。
 拙作『そうだお酒の話をしよう』にて登場しておりますが、特に指名がなければ出てきません。

●境界案内人
 朧
 ご指定がなければ登場しません。ご指名があればホイホイついていきます。
 お酒は結構好きだそうです。

 

  • そうだ、OctoberfFestへ行こう完了
  • NM名
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年11月04日 22時00分
  • 章数3章
  • 総採用数17人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

如月 追儺(p3p008982)
はんなり山師

「『おくとーばーふぇすと』て何どすえ?」
 豊穣では聞きなれぬ祭りの名前。
 ここに来る前に預かったパンフレットに如月追儺は目を通していた。
 横文字ばかりのパンフレットは目が凝りそうになるが『酒を飲んで騒ぐ宴』ということは直感的に理解できた。 

「ふむ、要は神無月にハメを外した酒で鬼でも八岐大蛇でも誘き寄せて纏めて退治しようっちゅう祭りでええんどす?」

 それでは皆様ご唱和ください。違う、そうじゃない――。
 神無月と酒しかあっていないです追儺さん――。

「ほんなら話は早いで、私も参加させてもらいますわぁ」
 悲しいかな、ここにはツッコミ不在であった。
 いやツッコミ役がいたら胃痛を起こしていたかもしれない。
 いなくて良かったのかもしれない。

 そんなことは露知らず追儺が歩いていると醤油を焦がした香ばしい香りが漂ってくるではないか。

「よう、そこの兄ちゃん! よかったら食べていかないかい!」
「え、何々、この屋台のは自分も食べてええんどす?」
「もちろんさ!」
「なるほどなぁ、戦の前の腹ごしらえやねんなぁ。よう気が利いとるわ」
 戦……? とキョトンとする店主からイカ焼きを受け取り追儺は辺りをきょろきょろと見渡す。
 ところが人ばかりで鬼も八岐大蛇も見つからない。
「ん~……まぁ、夜までその辺見ながら偵察しときますか。あ〜焼きイカが美味しいどすわぁ〜〜」
 イカ焼きを齧りながら、追儺はまた見回りに戻ったのであった。

成否

成功


第1章 第2節

シュテルン(p3p006791)
ブルースターは枯れ果てて
ブラッド・バートレット(p3p008661)
0℃の博愛

 とても賑やかですね。
 ――完。
「……俺はそれしか浮かばないので同行者がいて良かったです」
 目の前の光景を単語で終わらせようとしたブラッド・バートレットは隣で燥ぐ少女に目を遣った。
「きゃー! 人、たくさん! いーっぱい、賑やか!わいわい、楽しー、思う!」
 季節は秋だがまるで花を唄うような花の乙女、シュテルンはくるりとスカートを翻して跳ねている。
「(手に負えない酔っ払いに出会わなければ良いのですが……)」
 大規模な酒の宴、当然そういう輩もある程度いるわけで。
 ブラッドの予感は的中し、ひっくひっくと千鳥足の男が寄ってきた。

「おう、二人ともぉ、飲んでるかい! おっちゃんが酒奢ってやろうなぁ!」
「シュテ、おさけ、飲む、した事ない……おいしー、する?」
「そりゃあもう、天国にも行けそうなくらい美味ぇよぉ!」
 愛想の良いシュテルンが気にいったか、男はとくとくと片手にしたジョッキにエールを注ぎシュテルンに勧めている。
「ありがとうございます」
 そのジョッキをさっと取り上げ、ブラッドは一気に煽った。
 シュテルンはローレットへの届け出上は二十歳を超えているが、実年齢はまだ未成年なのだと事前に聞いていたからだ。未成年飲酒、ダメ、絶対。
 ブラッドの気持ちの良い飲みっぷりが気に入ったのか、男は機嫌を損ねることも無かった。

「(ブラッド、シュテ、心配? 代わり、飲む、して、くれる、した?)」
 シュテルンの目に映る鮮やかな竜胆の青と秋桜の暖かいオレンジ。
 ブラッドの表情は全くと言っていいほど変わっていなかったが、心の仲は存外暖かい人のかもしれない。それを零度の博愛本人が自覚しているかは別だが。
「シュテね、シュテね、困る、してた! ブラッド、優しー!」
「はぁ……俺が優しい、ですか」
「うん! ありがと、ブラッド!」
「どちらかといえばお前は冷たいと言われることが多いのですが……」
 やれ冗談を覚えろだとか、頭が固すぎるだとか。
 かつての同僚の苦笑いが頭に過る。

「あ! パレード! すごいすごーい!」
 セピアの思い出に沈んだブラッドの意識が軽快な音楽とシュテルンの明るい声に引き戻される。
「え、ああ……そうですね、どこに行くのでしょうか?」
「気になる! ブラッド、いこいこ!」
 絢爛豪華な衣装に身を包んだ憲兵に、ぱかりぱかりと蹄を鳴らす賢そうな馬。
 そして熱狂的なステップを踏み鳴らすダンサー。
 懸命に後を追いかけるが、少し出遅れたかパレードは路地の奥へと引っ込んでしまった。

「パレード、ないない、しちゃった……しょぼぼん……」
 見るからに落ち込んだシュテルンに少し迷ってからブラッドは声を掛ける。
「この祭りの名物の一つでもあるそうですから、また巡回してくるのではないでしょうか?」
「ほんと!? また、また、楽しー、パレード、見る、したい、ね!」
 ぱあっと明るさを戻したシュテルンの顔にブラッドも思わず目元が緩んだ。


成否

成功


第1章 第3節

ミディーセラ・ドナム・ゾーンブルク(p3p003593)
キールで乾杯

「日も高い内からお酒を好きなだけ飲めるお祭り……すばらしいものを生み出したと言わざるを得ません」
 プラスチックのコップはチープだけれど、こういった賑やかな祭りにはワイングラスよりも合っているのかもしれないと。
 酒好きな彼女に内緒で来たミディーセラ・ドナム・ゾーンブルクは尻尾を揺らす。
 右を見てもお酒、左を見てもお酒。なかなかの種類の多さだが、酒好きとしては一通り味わってみないといけないだろう。

「以前のように何かしら思いついた……創作のお酒を飲むのもよかったのですけれど、こちらはこちらで」
 あの時は空調の効いた涼しい部屋で氷酒を提案したが、今回のラインナップは秋の寒さに合わせたか温めて飲む酒もある様子であった。近くにあったテントのホットワインの香りを楽しんで飲み干せば、身体の中心からじわじわと温まりほう、と溜息が出た。しかしせっかく酒の祭典に来たのであれば定番以外……そう、『秘蔵の酒』なんかないだろうか。

「尾佐家田さんならいいもの知っていそうなものだけれど」
 にこにことした笑顔を思い出しながらミディーセラは酒が大好きな今回の主催者を捜し歩く。
 彼の酒の知識と愛情は一級品、きっといい酒を紹介してくれるだろう。
「……見つけたらお誘いしてみようかしら?」
 
 なにもぜんぶちょうだいと言っている訳ではないのです。
 ちょっとだけ…ちょっとです。
 悪戯っぽく片目を閉じて、ミディーセラは微笑んだ。

成否

成功


第1章 第4節

三國・誠司(p3p008563)
一般人
アイシャ(p3p008698)
スノウ・ホワイト

「誠司さん! よろしかったら私達もパレードに参加しませんか?」
 目の前のパレードを指さして、アイシャは三國・誠司を誘った。
 対して誘われた誠司は背景に宇宙を浮かべ、目を見開いた猫の顔をしていた。
 何故か? ダンスなんてわからないからである。
 だが、あのアイシャが。何でも自分を後回しにしてしまう彼女が自分から誘ってきたのだ。
 ここで応えてやらねば男が廃る。

 三國はダンスが解らない。
 しかしやった気になることには人一倍敏感だった。

 腹を括った誠司は憲兵の衣装を着たスタッフに声を掛ける。
「すいません、妹と一緒に混ぜてもらっていいですか?」
「もちろん!」

 誠司が誘いに乗ってくれたこともだが、その何倍も『妹』と呼んでもらえたことが嬉しかった。
 彼を兄のように慕っても許されるのだと思えたから。

「そうだ! せっかくだから妹さん、ディアンドルを着てみませんか」
「ディアンドル?」
「南ドイツの衣装ですよ、お嬢さんって意味なんです。きっと似合いますよ!」
 ちらりとアイシャが誠司を見遣れば、誠司が満足そうに頷いたのでアイシャはスタッフへ着いていった。


「ままー! あのお姉ちゃんキレー!」
「そうね、お姫様みたいね」
 聞こえてきた声にアイシャが振り向くと、母親の腕に抱かれた子供がアイシャに目を奪われている。
 美しい銀髪に蒼玉のような青い瞳。そして彼女にぴったりなディアンドル。
 幼い瞳にはアイシャがお姫様に見えたのかもしれない。
 故郷の妹のことを思い出し小さく手を振ると子供の目がさらにキラキラと輝いた。

「そらっ」
 アイシャの隣では誠司が得意の大筒から煙幕弾を打ち上げていた。
 赤、青、緑、黄色、紫。カラフルな煙が蒼穹の空を飾る。
「すごいです!誠司さん!」
「アイシャちゃんもやってみる?」
「いいんですか? よ、よし……!」

 両手で大筒を抱きかかえ真上に発射。
 ぽんっと思ったよりも大きな音に目を瞑ってしまったのはご愛敬。
「ふふっ、大きい音でびっくりしました。とっても綺麗な煙ですね!」
 楽しそうな満面の笑みに誠司はアイシャの頭を優しく撫でる。

(自分から何かを求める、これは大きな変化だ)

 いつだって自分を後回しに、いや最初から自分を数に入れていないことが多かったアイシャ。
 まるで自分が楽しむことを恐れているような、幸せな想いをしてはいけないのだと自分を縛り付けていた節さえある彼女が自分から『やりたい』と求めるようになったのだ。
 これまでの彼女との日々に思いを馳せていた誠司の前にアイシャの白魚の様な手が差し出される。

「誠司さん」
「うん」
 その手を取ってくるくる回ればスカートが風を孕んで広がった。
 見様見真似のラサ舞踊は少し不格好。
 けれど二人にとっては最高のステージ。

 大筒をジェットパックのように利用し、空を舞えば歓声がわっとあがる。
 空の青とベルベットの青が溶け合って、乙女は無邪気に微笑んでいた。

成否

成功


第1章 第5節

トスト・クェント(p3p009132)
星灯る水面へ

「せっかく洞窟から出てこれたんだし、美味しいものいっぱい食べたいな~! どれもこれも美味しそうで目移りしちゃうぞ」
 平和で素朴。だが閉塞感(物理)が凄かった地底湖。
 腐りかけていたところに突然やってきた奇跡。
 その奇跡に感謝しながらトスト・クェントは屋台を見渡していた。

「………でもとりあえず肉だよな!」
 右手にはシュラスコ。左手にはヴルスト。
 ハニーマスタードがたっぷりとかかった肉に齧り付けば、ぱりっとした皮と、ぴりっとした辛さが絶妙に絡み合い肉汁が口の中へと溢れ出していく。
 堪らずもう一口と大きく口を開けてふと思い立った。

「……そういや、おれ丁度こないだ成人したばっかだし……お酒……いってみるか!」
 せっかくの酒の祭典なのだ。飲んでおかねば損だろう。
 会場の至る所にはビールの写真のポスターが貼られている。
 やはり一押しはビールらしい。トストはカップを受け取り恐る恐る口をつける。

「にが……でも脂が気持ちよく流れて気持ちいいな!」
 独特の苦みはあるが、胃の奥へ脂が流れていくのは気持ちがいい
 口の中がさっぱりとしたら肉を頬張って、肉を頬張ったらビールで流す。
「止まれないなこれ!」
 アルコールにまだ慣れていない体はなんだか気持ちよく、いつにも増してトストはご機嫌だった。
「へへー、どんどん飲んで食べるぞ! 次はあっちの羊串にしよ!」
 故郷では決してできなかった経験にトストは胸を躍らせた。

成否

成功


第1章 第6節

マギー・クレスト(p3p008373)
マジカルプリンス☆マギー

「屋台とかあまりいったことがないので、屋台デビューに、ちょうど良さそうかなって!」
 小さな決意を胸に秘め、周囲を見渡しているマギー・クレスト。
 屋台自体は実家にいた時も何度か見たことはあるのだが。

『食べ歩きだなんて! はしたないですよお嬢様!』
 
 と顔面蒼白になったメイドに怒られてしまったものだから、チャレンジできずにいたが、今は違う。 家を飛び出したマギーを止める者はいない。
「今のボクなら怒られずに堪能できるので、今日は色々なお店にチャレンジしますね!」
 鼻を鳴らし、マギーは屋台へと繰り出した。

 マギーが選んだのは甘さ控えめの葡萄の生絞りジュース。
 少し大人な味わいにふふんと気分を良くしつつ、ツマミにはカリーヴルストを選んだ。
 カレー粉のスパイシーな香りとケチャップ香ばしい香りにお腹の奥がぎゅるると鳴った。
 火傷しないように息を吹きかけ、ぱくりと口の中へ。
 熱さを感じながら少しずつ噛んで嚥下する。

「出来立てはこんなに熱々なんですね……!」
 美味しさと熱さに驚きつつ、跳ねた喉の奥を冷ますように葡萄ジュースを流し込んだ。
 ふぅ、と一息ついて改めて屋台をチェックしてみる。
 プレッツェル、ガーリックシュリンプ、シュニッツェル……。
「食べたい物がたくさんで、ボクのお腹がたりません……」

 悩んでる時間が惜しいが胃袋の容量は有限だ。慎重に見定めなくては。
 じっくりと吟味するマギーであった。

成否

成功

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