シナリオ詳細
<マジ卍文化祭2020>一足早い暴走南瓜馬車!
オープニング
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今日は希望ヶ浜学園の楽しい楽しい文化祭。
幼稚舎から大学まで、無数の建物が乱立するこの巨大な学園で盛大に行われるお祭り。
学生達はあの手この手で自分達の行いたい出店や劇、催し物をクラスメイトや部活動の仲間と企画し、成功の為に全力を尽くす。
まだ、年端もいかない幼児、学童らは先生主導でのお遊戯などで見る者を楽しませる。小さい彼らも年上の学生達の企画を見て回り、自分もああいう催しがやりたいと次なる世代として文化祭を盛り上げていくのだろう。
さて、高等部の2年生のクラスでは劇を行うことになっていて。
元居た世界ではメジャーなシンデレラを開催し、外からくる混沌の民に紹介しようと大張り切り。
衣装や大小の道具等、自分達で作れるものはできる限り自分達で用立てするこだわりっぷりだ。
とはいえ、学園内では用立てが難しいものだってちらほら。例えば、出店の食べ物の食材などは外から仕入れるしかない。
劇の準備を行うそのクラスでも、大道具担当が南瓜の馬車をどうするかで困ったらしい。
衣装等もかなりリアルに作られており、なかなかの仕上がり。ならば、馬車だってそれなりの物を用意せねばならない。
結局、外から大きな南瓜を仕入れて車輪を付けることとしたのだが。
「よし、これならそれっぽいでしょ!」
一体どこから仕入れたのか、全長2mもある巨大南瓜。
その女学生は嬉しそうに出来上がった南瓜馬車にドヤ顔をしてみせる。
だが、その南瓜が後に騒ぎを起こすとは誰も準備段階では想像だにしてはいなかった。
当日となり、用具置き場に纏めていたその南瓜馬車を劇のクラスの学生達が直接劇が行われる体育館まで運ぶ。
その時だ。その南瓜馬車に異変が起こったのは。
「グオオオオオオオォォォッ!」
突然南瓜の側面に顔のようなものが浮かび上がり、南瓜馬車は勝手に動き始める。
「「キャアアアアッ!!」」
これには、南瓜を取り寄せた女子生徒も叫んでしまい、卒倒してしまう。
周囲が大騒ぎとなる中、爛々と目を輝かせる南瓜馬車は周囲に炎を浮かび上がらせ、暴走して走り始めるのだった。
●
賑わう希望ヶ浜学園の文化祭に参加するイレギュラーズ達。
ある者は外部からの客として。ある者は教員や学生として。それぞれこの祭りを楽しんでいた。
そんな参加するイレギュラーズの姿を認め、子をかけてきたのは、『穏やかな心』アクアベル・カルローネ(p3n000045)だった。
「すみません、少し手を貸していただけますか?」
どうやら、劇に使用する大きな南瓜馬車が夜妖となって暴走し、校舎と体育館の間で暴れているのだという。
そこでは多数の学生達もおり、できるだけ彼らを巻き込まぬように討伐したい。
現地まではさほど遠くはない。速やかに撃破して皆が再び祭りを楽しめるようにしたい。
「事後はそのまま、皆さんもそれぞれ文化祭を楽しんで下さいね」
急場とあり、アクアベルは簡潔に事情を話し、助けを求めたイレギュラーズへと現場に急行するよう願うのだった。
- <マジ卍文化祭2020>一足早い暴走南瓜馬車!完了
- GM名なちゅい
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2020年10月13日 22時10分
- 参加人数8/8人
- 相談5日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
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練達、再現性東京にある希望ヶ浜学園。
「マジ卍文化祭!ㅤ会長楽しみ!」
宗教団体の長、『羽衣教会会長』楊枝 茄子子(p3p008356)は嬉々としてその催しを全力で楽しむ構えだ。
だが、依頼を受けたイレギュラーズ達はすぐ、異変が起こった現場へと出くわす。
「グオオオオオオオォォォッ!」
「「キャアアアアッ!!」」
そこでは、全長2mある南瓜馬車に顔が浮かび、ひとりでに動き回り始めていたのだ。
突然の出来事で、叫び声を上げた女学生の1人が卒倒してしまう。
「……いや、なんでカボチャが動く? というかこんなでかいカボチャ取り寄せたの?? どこから?? デカすぎんだろ???」
銀髪ポニーテールの『策士』リアナル・マギサ・メーヴィン(p3p002906)はこの状況にツッコミが追い付かない様子。
「まぁ、練達だから、とりあえず巨大化させた学者がいるんだろうな……」
ただ、リアナルが言うように、ここは練達だからという理由でだいたい納得できるのが練達の恐ろしいところである。
それはそれとして。
「お、夜妖ってこんな感じになるんだな。まずは生徒の避難をした方が良いか」
黒い瞳に黒い翼を持つ『Unbreakable』フレイ・イング・ラーセン(p3p007598)の言葉を受け、茄子子がすぐさま動き出す。
「現在ゲリラパフォーマンス開催中でーす!ㅤ偶然居合わせたキミ達はラッキーだぜ! 是非見ていってくれよな!ㅤあ、危ないから離れて見てね!」
統率を使う茄子子は学生や一般客らを呼び寄せながらも、さりげなく南瓜馬車から離れるように避難誘導していく。
(下手に散らせても野次馬は勝手に集まるからね!ㅤなら、もう目の届く範囲にいてくれた方がいい!)
茄子子の思惑通り、周囲の野次馬は彼女の方へと集まっていく。
一方で、他のイレギュラーズ達は暴走する南瓜馬車の方へと向かって。
「おうおう、派手にやってるなァ?」
アウトローな出で立ちの『Go To HeLL!』伊達 千尋(p3p007569)はなんと学内でバイクに乗っての参戦。
だが、文化祭に加えて暴走南瓜馬車の存在もあり、彼を咎める者はいない。
「おいおイ、出番はこれからだってのニ、随分張り切っちまってるようだなァ」
二重人格者である『遺言代行』赤羽・大地(p3p004151)は赤羽の人格を前に出し、やや皮肉っぽい口調で馬車に語りかける
「自制が効かねぇんじゃア、役者としては失格だゾ?」
だが、馬車は構うことなくイレギュラーズの方へと突撃してくる。
「まずは格好から入るのですよ!」
金髪ツインテールの遊牧民の少女、『シティガール』メイ=ルゥ(p3p007582)はその馬車に対抗すべく演劇衣装用の特攻服を借り、サングラスをかけて舐められないようにとガンを飛ばす。
すると、馬車は一度大きくそれるようにして別方向に走っていく。
「南瓜の馬車とはまるで灰被りだな。あの話は嫌いではない」
さらに、右目の泣きボクロがセクシーな女騎士、『ミス・トワイライト』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)は呟く。灰被りもシンデレラを指す言葉だ。
「だが壊していいというのなら加減はしない! 全力で叩き切ってやろう! なにせ今は時間がないからな!!!」
黒のパンツスーツ姿のブレンダは現状教師に扮しており、この後もメインステージ、屋台の店番、校内の見回り、その他もろもろとマジ卍ハードスケジュールなのだ。
「グオオオオオオオォォォッ!」
先程は牽制。今度は本気で引き潰すと、南瓜馬車は車輪を激しく軋らせて疾走してくる。
「見た目は可愛らしいけれど、こんな大きなものが暴れたら危険よね。早く何とかしないとね?」
「折角の文化祭の出し物が台無しにされかねないからな」
赤髪に白い肌の『「Concordia」船長』ルチア・アフラニア(p3p006865)が仲間達へと問いかけると、頷くフレイが保護結界を周囲に展開する。
「とにかく、文化祭を痛ましい事故現場にしちゃいけない。さっさと、馬車の魔法を解くとしよう」
「折角だ、もっと派手にやって盛り上げようじゃねえか!! 行くぞテメーらァ!!!」
同意した大地を始め、メンバー達は我が物顔で布陣を組み、千尋の上げた叫びに応じて南瓜馬車を食い止めるべく立ち向かっていくのである。
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自我を持ち、夜妖となった南瓜馬車は我が物顔で周囲を走り始める。
イレギュラーズ達は学生達が轢かれてしまわぬよう誘導しつつ、その討伐に当たって。
ケタケタ、ケタケタ……。
不気味な笑い声を上げて向かいくる敵に対し、ブレンダが全力でその前へと向かって。
「逃がすと思うな! その程度の速度なら問題なく追いつける!」
ダッシュで敵の前へと飛び込むブレンダは、2本の長剣による連撃で馬車へと斬りかかっていく。
その姿は総てのモノを愛する女神が抱擁するかの如く、慈愛を感じさせた。
続くは黒き礼装を纏ったフレイだ。
同じ色の閃光を迸らせ、彼は南瓜馬車を撃ち抜くと、馬車はフレイに狙いを定めて特攻していく。フレイが身を張って馬車を受け止める間にも、周囲の避難は進んでいたようだ。
幸い、体育館に運ぶまでの間の事件とあって、外での交戦だったのはルチアにとって僥倖。
「この近辺で片をつけたいところね」
前線の仲間から少しだけ距離とって陣取った彼女は、戦況の把握に努めつつ、号令をかけて仲間の強化に当たる。
「速く馬車倒してお祭りに行こう!」
素早く卒倒した女学生を保護していた茄子子も戦線に加わり、ヒーラーとしてすでに交戦して傷付く仲間達の為にと号令を発しつつ、調和の力で癒しへと当たる。
「さ、私のやることは……」
交戦の中、自らを最適化させたリアナルはAKAで強化を図りつつ、熱砂の嵐を巻き起こす。
リアナルの嵐は仲間を避け、暴走南瓜馬車のみ巻き込んで動きを止めようとしていく。
独自の術式を組み立てていた大地もまた相手の脚を止めるべく魔光を発する。
「グオオオッ……!!」
大地の高い神秘の力もあり、南瓜馬車は全身を駆け巡る光にかなりのダメージを受けていたのは間違いない。
だが、それでも疾走を止めない馬車を、千尋のバイクが勢いよく追いかける。
「ブンブーン♪ メイも見とけよなのですよ!」
後方に乗っていたメイが「ブースターシールド」を使い、さらにバイクは加速していく。
「メイエンジンなのですよ! ブルンブルーン! パラリラパラリラー♪」
その間にも、ゾーンに入っていた千尋は馬車に横付けして思いっきり蹴りつける。メイも合わせて、速力を威力に変えて攻撃を仕掛け、馬車を側面から痛めつけていく。
「それだけじゃないぜ! 何せマジ卍祭りだからな」
千尋はさらにウィリーやジャックナイフなど、ライディングテクニックをこれでもかと披露し、観戦する学生達の目を引き付け、テンションを高める。
「わーい、ジェットコースターみたいで楽しいのですよ♪」
タイヤが浮く度に、メイはキャッキャと嬉しそうにはしゃぐ。
「見とけよお前ら! 俺が『悠久ーUQー』の伊達千尋だァ!!」
浮かした車輪で回し蹴りの様に馬車へと叩きつけ、千尋は『映える』バトルを周囲に見せつける。
「いいぞ!!」
「化け物南瓜なんてけちらせー!!」
劇を行う当事者以外の学生達は皆、このバトルもまた文化祭の催しの一つと思ったらしく、大盛り上がりである。
「折角の文化祭、学生も客も楽しんで欲しいからな」
こうなれば、実害は出したくはないと、フレイは閉じた聖域内に自身を置きつつ聖骸闘衣で強化する。
「これなら、問題はないはずだ」
フレイ自身は確かに万全の防御態勢で、南瓜馬車の抑えに当たることができていた。
だが、南瓜馬車の暴走は止まらず。
フレイの抑えをかいくぐり、後方のルチア目がけて突撃してきた敵はさらに鬼火を彼女へと浴びせかけてきた。
天使の歌を響かせようとしていたルチアだったが、連続して叩き込まれた衝撃に耐えられず、その場に倒れてしまった。
ルチアが異常回復にも動いていたのだが、そのカバーをとリアナルや大地が動く。
「学生達にみられるのはまずそうだが……。まぁ、3Dホログラムショーのリハーサルとでも言っておこう」
これもショーの一環と後で言いくるめる理由を用意しつつ、リアナルは執拗に熱砂の嵐を浴びせ開けてその暴走を食い止めようとする。
実際、再現性じゃない方の練達なら、それだけで納得してしまうそうである。
思った以上にタフそうな相手だが、大地は魔力の続く限り集中してから敵に向けて魔光を発して。
「ありったけの魔力ヲ、全部叩き込んでやるヨ」
例え、魔力が尽きたとしても、大地は羽ペンを叩き込む構えだ。とにかく手を休めてはいられない。
茄子子もこれ以上仲間が倒れないように、そして、学生に危害が及ばないように確認しながら立ち回り、天使の歌を響かせて回復を続ける。
「南瓜程度に手こずっている時間はないのだ!!!」
この後も予定がたんまりと詰まったブレンダは速攻で片を付けるべく、二刀で灼熱の剣戟を浴びせかけてからさらに全身全霊を込めて。
「ここは速攻で片を付ける! 私の時間のために倒されろ!」
全てを破壊する渾身の一撃。
南瓜馬車の全身に亀裂が入っていくが、なおも走り続ける敵に千尋がバイクごとぶつかるほどの勢いで追いすがる。
「俺の疾走りから逃げられると思うんじゃねえぞ!!」
チキンレースを思わせる千尋の走りから南瓜馬車も逃げようとするが、かなり車体にガタが来ていたようだ。
「見やがれ、カボチャ! 俺達の『絆』の合体技!」
「合体技ですか!」
すると、メイが千尋に応えて準備を整える。
「名付けて、メイロケットなのですよ!!」
「行くぜ! メイちゃーーーーーーん!!」
限界速度で突撃するバイクから、メイが飛び出して。
「3・2・1で発射なのですよ!!」
カウントをした彼女は限界にまで達した速力を持って、連続でシールドを叩き込む。
「グオオオォォォォ……」
叫びもすぐに絶え、すぐに全身を崩した南瓜が周囲へと散らばっていった。
「む、時間がない。劇は必ず見に行こう。ではまた」
敵が倒れると同時に、ブレンダはこの場から去っていく。
教師としての仕事がたんまりある彼女はすぐさま見回りへと戻っていったのだった。
●
暴走南瓜馬車の1件も無事解決して。
「まずはお片付けをしなきゃですよ」
メイがお掃除を行っていると、実行委員がやってきて何が起こったのか分からぬ劇のクラスの人々から事情聴取をしていたが、ホログラムを合わせた演出とリアナルが丸め込んでしまっていた。
「説明はいいが、この南瓜の大きさはさすがにな。多少は綺麗にしておきたいかなぁ……」
リアナルとしては、事情説明よりも、砕けた2mの南瓜の処理の方が大変だったようだ。
ハロウィンも間近であって使える部分が残っていればよかったのだが、さすがにこれほど見事に粉砕してしまえばそれも難しいだろう。
「派手に戦ったので散かっちゃったのですよ。お掃除、お掃除なのですよ!」
さすがに砂まみれの状態では食べることもできないと判断したリアナルは、メイと共に学園内の農園の肥料とすることにしたようだった。
また、劇を行う上で、南瓜馬車の代替品も必要となる。
「用意の手伝いくらいはしようか」
本番を前にして茫然としている学生達にフレイが助力を申し出る。
劇を行う高校生達とて被害者だ。折角準備した渾身の南瓜馬車が夜妖となってしまったのだから。
「夜妖になるくらい精巧だったんだろう、それが劇で出るのを観てみたかったが……」
何をしてほしいかと尋ねるフレイも残念がっていたが、それ以上に担当した学生達の落胆ぶりは激しい。
「お困りのようだな」
そこで、千尋が学生達へと手を差し伸べる。
うまくいきそうだと判断した茄子子は、解放した女学生に癒しを与えて。
「よっしゃ、会長はお祭りに行くぜ!ㅤひとりじゃない、みんなでね!!」
周囲で野次馬となっていた学生達へと、茄子子は劇の告知をしてみせる。
「よかったらみんな見ていってね!!ㅤ見たい人は会長に着いてこーい!」
茄子子は学園の地図もしっかり頭に叩き込んでおり、劇の会場である体育館までの最短距離を導き出す。
「会長これでも風紀委員だからね!」
そうして、彼女はこの場のそのまま劇に誘導し、劇の観客を増やす。
これには、学生達も劇を前にして、演じる学生達も気合を入れていたようだ。
会場には多くの人々が入っており、その1人として茄子子も笑顔で舞台を見つめる。
「初めて見るなぁ!ㅤ楽しみ!」
また、女生徒に声をかける不埒者をとっちめていたブレンダも、劇を見るべく休憩がてら姿を現す。
先程の南瓜馬車の1件もあり、予定の開催時刻よりも少し遅れるも、急いで準備を進める学生達。
その手伝いにはメイの他、大地の姿もあって。
彼は女子高生に扮した同行の羽切 響と一緒に劇を見るつもりだったのだが。
「……えっ? お前も劇に出たいの? しかもシンデレラにイジワルする姉の役で?」
劇は人数が多ければ多い程負担が楽になるということで、大地もナレーションとして手伝いをすることに。
「……そういやあ、一応希望が浜では大学1年の俺が、高校生の劇に混じっても問題は……無いのだろうか……?」
そう考えていた大地だったが、急場のハプニングの影響は小さくなく、対処できない部分もあって学生達も大助かりと受け入れてくれる。
近場には南瓜馬車を用意する千尋が御者役で登場するということで、それも見所とのこと。
「馬車と馬がどんな風になることやら……?」
そちらは劇が始まってのお楽しみとして。
ギリギリまで手伝っていたメイは観客席へと向かい、観覧する。
「フッフッフッ……メイは知っているのですよ!」
メイが荷物から取り出したのは、2本のペンライト。
それらを彼女は両手に持ち、キリリッとした表情でブンブンと振って応援に当たる。
「……あれ?」
しかし、それを行っていたのは、メイ1人。他の観客はペンライトすら持っていない。
「んんんん??? ……きっと、皆さん持ってくるの忘れたですね!」
ちょっと間違った東京に対する情報を持っていたメイはしばらく躍っていたのだが、ブレンダによって押さえつけられてしまったようだった。
劇が始まると、重傷を負っていたルチアは手当てをしてもらってから観覧する。
旅人でありながらグリムもペローも知らない彼女は原作を含めて初めての視聴とあって、興味津々の様子だ。
冒頭、シンデレラがいじめられる展開には、ルチアは意地悪な継母や響の扮する義姉達に怒りを、可哀想なシンデレラには涙する。
その後、魔女が現れて馬車が登場する問題のシーン。
南瓜馬車として現れたのは、なんと千尋のバイクである。
馬の頭など即席のハリボテをつけ、後ろはこれまた学生達が即席で用意した書き割りの南瓜馬車。
「……馬? どう見てもバイクじゃないか」
明らかな見た目にブレンダ、そして軽く周囲をパトロールして顔を出していたリアナルはその南瓜馬車を目にし、呆気に取られていた。
「俺は空気の読める男なんだぜ?」
千尋はアピールしないようにと空気を読んでオーラを消し、控えめに演技をしていた。
ただ、先程の騒ぎ、もといパフォーマンスの立役者なのは明らかで、観客も大盛り上がりだったようだ。
劇はそこからさらに盛り上がりを見せ、舞踏会から、ガラスの靴を落とすシーン。
変装が解けそうなシンデレラに、目をそらさずじっと見つめていたルチアはハラハラしていたようだ。
そして、舞台は後日、王子が靴の所有者を探しに来て、シンデレラを探し当てるシーンへ。
王子と結ばれるヒロインというハッピーエンドの展開に、ルチアは胸をなでおろすと、最後まで純粋な反応を示していた。
その劇に、観客は拍手で応える。
「また来年、今日以上の見世物を期待しておこうか」
一方、フレイは馬車の下りなどもあり、全力を尽くせなかった学生達に少し同情を示す。
「次は屋台の店番だったな。急がねば!」
カーテンコールを見届けたブレンダは忙しなく、ダッシュでこの場を後にする。彼女のマジ卍祭りはまだまだ続くようだ。
その後、仲間達が散開したこともあり、学生経験のないフレイも直接学内を歩き回って文化祭というものを楽しむ。
「まぁ、とにかくまずはメシだろうな」
文化祭の定番はとフレイはあちらこちらで尋ね、焼きそば、お好み焼き、トウモロコシ、じゃがバターといった食べ物を満喫していたようだった。
「皆、お疲れ様。色々ドタバタもあったけど、いい劇が出来上がったな」
大地は劇に携わった生徒や仲間達へと、屋台で買ってきた飲食物を差し入れる。
そして、義姉役を演じきった響に対しては、彼女が熱い視線を向けていた屋台へと立ち寄り、直接奢っていた。
「ところでお前、JK気取ってるけド、本当の年齢ハ……」
そこで、響は食べながら素早く愛用のちぇんそーを取り出そうとして。
「あっいヤ、頼むからこっちに武器を向けるなヨ」
大地は素直に、希望ヶ原学園の文化祭を楽しんでいたようだった。
まだまだ、文化祭はこれから。
劇を終えた学生達も、イレギュラーズ達も他の催しや屋台を見回るべく、学園内を巡っていくのである。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
リプレイ、公開です。
MVPは戦いで、劇でと自前のバイクをフル活用したあなたへ。
今回はご参加、ありがとうございました!
GMコメント
イレギュラーズの皆様こんにちは。GMのなちゅいです。
希望ヶ浜学園の文化祭に合わせ、モンスターが暴れるようですので、討伐を願います。
●概要
暴走南瓜馬車の討伐。
●敵……夜妖
○暴走南瓜馬車
全長2m程度、側面に顔が現れたバケモノ南瓜です。
どうやら、学生が取り寄せた大きな南瓜がモンスター化したようです。
自らにつけられた車輪を使って突撃してきたり、怪しい笑いを浮かべてきた璃、鬼火を操って攻撃を仕掛けてきたりします。
●状況
リプレイは戦闘開始から描写予定です。リプレイと事後を1対1くらいの分量を想定しております。
本番直前、演劇用に用意された南瓜が夜妖として暴れ出します。
用具置き場から劇を行う体育館へと運んでいる最中に暴れ始めますので、討伐を願います。
なお、代用品は急ごしらえで用意するようですので、遠慮なく倒しちゃってください。
事後は南瓜馬車を用意した学生達が行うシンデレラの劇を見ても良いですし、出店を歩いて美味しいもの巡りもできます。
それぞれの立場で催し物を行うのもいいですね。楽しい一時を過ごしていただけたら幸いです。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
それでは、よろしくお願いいたします。
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