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シナリオ詳細

<FarbeReise>綺麗なる輪舞

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●綺麗なる輪舞
 周囲に砂漠が広がる、ラサ。
 時候の頃は秋……夜ともなれば肌寒く、上着の一枚は欲しい所。
 そんなラサの一角にある『FarbeReise』遺跡群。
 バリエーションに富んだ遺跡が点在し、どこか不思議な光景が広がっている。
 そんな遺跡の一つ、砂を被った遺跡。
 一瞥しただけでは、朽ち果てた遺跡にも見えるのだが……実際には、その地下はまだ、誰にも探索されていない秘境の地。
 覆い被さっている砂を払い、隠された階段を降り、地下へと進むと……一つの部屋に辿り着く事となる。
 そして、そこには。
「クスクス……」
 悪戯好きな精霊達が、小さな指輪を手にして踊る。
 そう、精霊達が手にしている指輪は、秘宝と呼ばれるもの。
 これを集める事によって、願いを叶える力が大きくなるという話。
 とは言え精霊達は、その様な事を考えている訳ではない。
 指輪が美しいから、何かキラキラしているから……という、それだけの理由。
「綺麗なもの、楽しい。もっと、綺麗なもの、欲しい……♪」
 目をキラキラさせながら、部屋で舞踊る悪戯好きな精霊達であった。


「イレギュラーズの皆さん、ちょっといいです?」
 と、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が、イレギュラーズに声を掛ける。
 そして集まってくれたイレギュラーズ達へ。
「皆さん、ラサ傭兵商会連合さんから、遺跡探索の依頼が来たのです」
「『赤犬』ディルクさん曰く、ローレットが確保してくれた方が一番問題が起きないだろう、という事なのです!」
 確保してくれたほうが……と言われて、何を、と首を傾げる。
 それにユリーカは。
「えっと、ラサの『FarbeReise』と呼ばれる遺跡群にある秘宝なのです。色んな遺跡に色んな姿形の秘宝が転がっている様なのです!」
「そしてこの秘宝なのですが、「願いを叶える」という伝承があるのです。その伝承によると、秘宝一つ一つでは微笑な効果しか現れないのですが、多く集めれば集めるほどに効果が高まるという事なのです」
「そして今回、皆さんにはその内の一つの遺跡に、学者さんと一緒に向かって欲しい訳なのです! 遺跡の中に秘宝があるのは分かってるのですが、そこにはどんな危険がも知れないのです。だから、学者さんを守りつつ、遺跡の中の秘宝を探し出してきて欲しいのです!」
 そして、ユリーカは最後にもう一度。
「遺跡探索を手伝ってくれれば、相応の対価を払ってくれるというディルクさんの期待に、是非とも応えて欲しいのです。イレギュラーズの皆さん、宜しく頼むのですよ!」
 と、微笑むのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回の依頼は、ラサでの遺跡探索になります!

 ●成功条件
   学者さんを殺さない様に守りながら、精霊さん達の秘宝を手に入れる事です。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はBです。
   依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   遺跡の中には悪戯好きの精霊さん達が居ます。
   戦闘的にはこの精霊さん達の秘宝を貰う事となりますが、そこに行き着くまでの間に、どうやら悪戯を仕掛けてくる様です。
   
   悪戯については、大きな岩が転がってきたり、天井から鋭い棘が落ちてきたり……と言う具合です。
   ただ、これらについては基本的にクリア可能です!
   それに対する反応やセリフなどをプレイングに含めて頂けると嬉しいです!
   
   勿論、トラップを考えていただいても構いません!
   プレイングでトラップを予想し、対策をしてみる……それはもう、華麗に罠を回避出来る筈ですし……きっとその方がカッコイイと思いますから、是非とも……宜しくお願いします!

 ●討伐目標
  敵となるのは、精霊が10体です。
  羽を背中に生やした、体長20~30cm位の風の精霊で、常に飛行状態です。
  体力は少なめなものの、APはかなり多い様です。
  攻撃手段は当然、風の能力が軸で、
   ・かまいたち(神・中・範(識別有))
   ・つむじ風(神・遠・単体・飛)
   ・癒しの風(神・遠・範・HP回復)
  の三つとなります。
  
  尚、彼女達は綺麗なもの、キラキラしたものが好みな様です。
  それらを上手く利用出来れば、攻撃をさせない(投降扱い)も可能かもしれません。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <FarbeReise>綺麗なる輪舞完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年10月11日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

鶫 四音(p3p000375)
カーマインの抱擁
夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師
ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
新道 風牙(p3p005012)
よをつむぐもの
ルリ・メイフィールド(p3p007928)
特異運命座標
ピエース=ピエース(p3p008007)
追い続ける者
アルトゥライネル(p3p008166)
バロメット・砂漠の妖精
カイロ・コールド(p3p008306)
闇と土蛇

リプレイ

●宝求めし
 混沌大陸中央部、砂漠地帯。
 ラサ傭兵商会の『赤犬』ディルクより話が出て来たのは、この近くの【FarbeReise】遺跡群に眠る『色宝』を、悪事が働かれる前い集めてきて欲しい、という話。
「赤犬殿とからの依頼とは、これは随分と大掛かりだな。願いを叶える秘宝か……悪用する者が出る所まで御伽噺そのものだな」
 と、『砂山鼬鼠』アルトゥライネル(p3p008166)は、顎に手を当てながら一言。
 それに目をキラキラさせる、『追い続ける者』ピエース=ピエース(p3p008007)と『翡翠に輝く』新道 風牙(p3p005012)。
「夢を叶える秘宝デスか! それは大変に興味深いデスね!!」
「そうだな。願いを叶えるお宝……何だか聞いた事あるような、無い様な。まぁこんなファンタジーな世界なんだし、そういうのがあってもおかしくないよなー、ロマンロマン」
「そうデスよ! こんな素晴らしきモノ、放っておいては争いの火種になることでショウ!」
「確かに。実際に存在するとなると厄介だなぁ。悪いヤツに利用されたら、世界がどうなっちまうかわかったもんじゃねぇし、回収しようって気持ちも分かるけど」
「そうデス! この美しき世界」をより幸福へと導くため、ゼヒとも手に入れねばなりまセン!」
「ああ。余計なこと考えすぎた。とにかく今は、見つかったその秘宝を回収するのが先決だよな。持って居るのは妖精、いや、精霊? あー……これまた人間の理屈、通じるかなぁ?」
 今回の色宝を守っているのは、悪戯好きな妖精達との事。
 綺麗なもの、キラキラしたものが大好きだから、今回の指輪の形を為た『色宝』をコレクションしているとの事。
「綺麗なものは僕も好きで御座います。そういった意味では、こちらの精霊様とは気が合いそうですね」
 と、『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)がくすりと笑い、更に。
「それにFarbeReiseの秘宝は実に魅力的で御座います。夢を叶えてくれるなんて、それ自体夢がある事です。秘宝を集めて、夫との幸せな結婚生活を願いたいものでございますね」
 と、幻は言いつつも、最後には顔を曇らせて。
「ですが、秘宝は僕のものになるわけではありません。ラサのお偉方には、これを悪用されないように集めるのは構いませんが、実際に集まったらどうさせるおつもりなのでしょう。悪用される方が偉い方の中に居ないといいのですが」
 と言うが、『(((´・ω・`)))』ヨハン=レーム(p3p001117)が。
「んー……危ない力を持った秘宝ですけど、ディルクさんなら上手く処理してくれるでしょう!」
 根拠は無いけど、自信たっぷりに告げる。
 そしてアルトゥライネルは。
「ああ、そこは信じる他にないだろう。まぁその心配よりも、罠の心配をしとかないとな。遺跡については御伽噺に効く以上の心得は無い。学者になら、護衛中にでも助言を聞けると良いのだが」
 それに、『カーマインの抱擁』鶫 四音(p3p000375)も。
「そうですね、秘宝の眠る遺跡の探索。数々の罠や試練をのりこえて目的地に辿り着き、秘宝を手に入れる……とても物語的です。いいですね」
 微笑む四音。
 とは言え、ファンタジーな妖精達の大事な物を奪取してきなければならない、という訳なのだが、その悪戯というのも、大きな岩を転がしたり、鋭い棘を天井から落としてきたり、と。
「せいれーさんとボク達じゃ価値観が違うとはいえ、悪戯というにはちょっと殺意が高すぎねーですかね……イレギュラーズじゃなければ即死だったってやつですよ、これ……」
 笑顔が引きつる『特異運命座標』ルリ・メイフィールド(p3p007928)だが。
「最近の遺跡はこういった罠付きが多いですね。偶には平和な遺跡がいいのですが……まぁ、今回も頑張りましょうか~」
 と、『果てのなき欲望』カイロ・コールド(p3p008306)がノンビリした口調ながら気を引き締める。
 そして風牙とヨハンも。
「そうだな。ま、色々やってみっか!」
「ええ、頑張りましょう!!」
 そしてイレギュラーズ達は、指示された集合場所へ。
 そこで待って居た学者の青年。
「イレギュラーズさん達ですか? 今日は宜しく御願いします」
 と頭を下げる彼に、ピエースは。
「エエ、宜しくお願いしマス、学者サン。ミスタ、お名前は? ワタシ、ピエース=ピエースと申しマス」
 と手を差し出す。
「え? あ、ありがとうございます。僕はアレス、と言います。宜しくお願い致しますね」
 礼儀正しく頭を下げ、手を差し出すアレス。
 その手をニッコリ握り返し。
「では、道案内はお願いイタシます。ワタクシはアナタをお守りいたしマスね」
 と、ピエースは微笑むのであった。

●繰り返す影
 そして、イレギュラーズ達は【FarbeReise】遺跡群の一つへと到着。
 砂を被り、朽ち果てた遺跡に見えるものの、学者はその遺跡に立ち止り。
「ここ、ですね」
 と、イレギュラーズ達を呼び止める。
 まずは足元の砂を払うが、そこは外れで。
「あ……すいません。でも、この近くだと思います」
 少し申し訳なさそうにしつつ、イレギュラーズ達について、周りの遺跡を一つ一つ、しっかりと一つ一つ調べていく。
 そして、数カ所外れが続いた後、やっとの事で、地下への階段を見つける。
「あ、ここです! 後、もう少し御世話になります」
 更に申し訳なさそうに頭を下げる。
 そう、この先には悪戯好きな精霊達が居る筈なので、今迄以上に警戒していかなければならない。
「まぁいたずら好き、ね。うんうん、よくあるよくある。ま、精霊の可愛いいたずらだ。オトナとしてかるーく受け止めてやればいいさ。遊びに付き合うのもオトナの余裕ってやつよ!」
 と、自信満々な風牙。
 彼が先頭に立ち、鼻歌を歌う様に進んで行く。
 と、そこに。
「うおおおおッ!?」
 突如、前方から風邪と共に飛んできたのは、刀や槍、剣等の大量の刃物。
 少し不意撃ち気味のその一撃、ギリギリの所で躱す風牙。
「大丈夫でございますか?」
 と、心配そうに幻が言うと、冷や汗を垂らしながら、こくこくと頷く風牙。
「余裕こいてたから、きっとせいれーさん達、試したのです」
「だ……大丈夫大丈夫。これくらいへっちゃらだって!」
 ルリの言葉に対し、風牙は笑い飛ばす。
 そして刀剣類を踏み越えながら、更に進む。
 そして少し歩いた所で。
「……? あ、ちょっと待って下さい」
 後ろからカイロが呼び止める。
 立ち止った所の左右の壁が、何か不自然。
「うーん」
 その壁を、聖杖でコツ、コツ、と軽く叩いてみる。
 少し時間をおいてから。

--ヒュンッ!!

 と、両方向から矢が飛び出してくる。
「やはり、時間差で飛び出てくる矢射りの罠でしたか」
 そのまま歩いていれば、不意に射出される矢に貫かれていた事だろう。
 そんな矢の罠を目の当たりにして。
「全くどうして、精霊妖精の類いはこうも悪戯が過ぎるのか。こちらの感覚で測るのが間違いではあるが、巻き込まれる身にもなってくれ……」
 と、呆れてしまうアルトゥライネル。
「まぁ、こういう罠があるのならば、恐らく床が抜けて何やかんや、という罠も充分あり得るな。取りあえず、少しだけ飛行出来る石を持ってきたから、それを使っておくか」
 と飛行石を使用し、簡易飛行を得るアルトゥライネル。
「あ、それはいいですね。ボクもそうするのです」
 と、ルリも少し浮かび、落下の罠に対処。
 ただ、そういったものを持たないので、風牙やヨハンは一歩、二歩先を確かめるように仲間達の先を歩いて行く。
 ……すると、やっぱりと言うべくか。

--ガタッ!!

 大きな音と共に、二人が立っていた所を含めて、地面が崩落。
 咄嗟に四音が学者を引き寄せ、ギリギリで回避。
 一方、アルトゥライネルとルリの二人が、風牙とヨハンの腕を握る。
 崩れた地面の下には、鋭く突き立てられた槍がしきつめられている。
 更に、風牙の足元には……汚いものも。
「こ、これだけは絶対にいやだぁぁあああ!!」
「暴れないでくれ……落ち着け」
 絶叫する風牙を冷静に窘めるアルトゥライネル。
 そして、何とか崩れ穴を乗り越えたところまで移動し、一息。
「はぁ、はぁ……くそっ、交渉の余地なし!! 出会い次第全員ぶちのめしてお宝ふんだくる!! ゆるさん、ゆるさんぞ精霊ども……!!」
 絶対に嫌な罠を目の当たりにし、火が付く風牙。
「でも、出来れば穏便に済ませたい所なのです。余り怒ると、冷静な判断が出来なくなるのですよ?」
 とルリの言葉に風牙は。
「ぐ……わぁってるよ!! 護衛対象もいるし、無茶はしねえよ! 不要な殺生は厳禁金だって、師匠にもきつく言われてるし」
 と、渋々頷く。
 そして、遺跡の中を更に進んでいくと……イレギュラーズの前に扉と、半身人間、半身獣の様な石像が、向かい合うように鎮座。
「アア、困りましたネ。石像に毒薬は効くデショウか?」
 とピエースが首を傾げる。
 ただ、石像に攻撃してみても、何も起こる事は無い。
「うーん……石のお人形ですから、踊らせてしまいましょうか? なにせ役者は揃っているのですカラ!」
 と、無数の見えない糸を石像に巻き付けて、その視線の方向をぐるり、と回転させる。
 そして、向かい合ってた視線がイレギュラーズ達の方向に変化。
 次の瞬間、石像の目がキラン、と光る。
「!!」
 咄嗟にヨハンがその視線の真っ正面に立ち塞がる。
 両方の石像の目から放たれるビーム光線。
 幸いヨハンが立ち塞がったお陰で、学者に被害は及ばないが、ヨハンが一端倒れる。
 ただ、石像のレーザー光線の後、ググググ、と扉が僅か人一人が潜り込める位にに開く。
「いたたた……でも、学者さんは無事ですよね?」
「は、はい!」
 ドキドキしながら頷くアレス。
「なら、良かった……ちょっと、回復しますね」
 と自分自身へ天使の歌で体力を回復。
 そして、扉の中へイレギュラーズ達が身を潜り込ませていくと……その空間を我が物顔で飛んでいる、風の精霊達。
「クスクス……誰か来た?」
「クスクス……そうね」
 囁くような声で会話する精霊達。
 そんな精霊達にピエースが。
「ははア、この数々の罠は妖精さんの悪戯だったノですネ。ならば話は簡単ですね。悪戯より楽しいコトを提示すればヨイ」
 それに風牙が。
「ああ。でも交渉決裂したなら、全力でお仕置きだ!」
 と拳を握りしめる。
「取りあえず、精霊さんに話を通したいですね……ヨハンさん、通訳、御願い出来ますか?」
「いいですよ」
 幻に頷くヨハン、彼女を通じて精霊達に、ギフトと蝶変幻で、蝶から綺麗な宝石で出来た精霊達のサイズの家を作り出し、それを掲げながら。
「妖精様、これはいずれ消えてしまう一時の夢の美しさで御座います。もし、妖精様がお持ちの宝石を頂ければ、更に美しいものを御覧に入れましょう」
 と、そんな幻の言葉にえー、どうしようかなー、等と会話。
 更に四音、カイロも。
「そうですね、ならばワタシからも、このキラキラのコインを差し上げましょう。戦って傷付け合うよりもステキだと思うんですけどねー」
「ワタシもこのコインを。キラキラしているのは勿論、魔力を籠めれば持ち主に力を与える優れものです。灰になりますがね」
 と、コイントスをして、くるくる回転させながらその煌めきを見せる。
「うわぁ、綺麗ー」
「でもなー。この輝きの方が綺麗だよー」
「あなたたちは、これ、取りに来たんだよね? それはやだなー」
 と、イレギュラーズ達への警戒を解くことはない。
「ええ、勿論交換なのです。でも、価値は明らかにこっちの方が高いのですよ?」
 とルリが言う一方で、アルトゥライネルは、無言で精霊達の前で、解いたバンダナを手に、手拍子、足踏みを刻みながら、まるで美しい羽根を閃かせて風と踊る精霊の如く、踊る。
 ……その舞踏に、精霊達の注意が引付けられる。
 その視線を受けながら、アルトゥライネルはハイテレパスを通じ。
「共に踊ろう、こちらに傷付ける意図はない」
 と、伝える。
 そんなイレギュラーズ達の仕草や、交渉の言葉に……精霊達は迷い始める。
「ねー……何だか、悪い人じゃなさそうだけどー?」
「でもでも、これ、わたしたちのだいじなものー。それを上げるのはイヤだなぁ」
「そうだねー……うーん、それじゃ、どっちも手に入れればいいかなー?」
 享楽的な性格もあり、どっちも手に入れられれば万事解決じゃん、という考えになった模様。
「それじゃー、いっくよー!!」
 と、精霊達は次々と、イレギュラーズ達に向けてかまいたちと、つむじ風を放つ。
 風が吹きすさび、傷付ける……ただ、一般人である学者だけは守らなければという意思でもって、彼をしっかりと守るのはヨハンとカイロ。
 二人が両面に立つ事で、風の刃を身を持ってカバーリング。
 その一方で、風牙が。
「そうか、戦う気だな……ふふふ……全力でおしおきだ!!」
 満面の笑みと共に、最初から全力の『封扇花』で攻撃。
 更にピエースが。
「皆様ヤル気十分のようですから、頼もしい限りデスね。色めき綺羅めき目眩く輪舞、開幕でございマス。ミスタ、どうぞ特等席にて御覧ください」
 と、マリオネットダンスで精霊達を呪縛。
「動けない……!」
 と、唇を噛みしめる精霊達。
「全く、仕方ないですね」
 と肩を竦めたヨハンがオールハンデッドで、仲間達の命中力を上昇させると、それに併せて四音も神気閃光で攻撃。
 更には幻の昼想夜夢、ルリの魔砲等が、しっかりと精霊達を削る。
 イレギュラーズが一巡した所で、多少不味いのでは、と言った雰囲気になる精霊達だが……攻撃の手は休めない。
 かまいたちを軸に、時折つむじ風と癒しの風を挟む事を、戦線を維持しつつ、継続。
 数刻は真剣に精霊達を倒すべく、イレギュラーズ達も攻撃。
 しかし、段々と自分達が劣勢になってくると……精霊達の間でも。
「ねぇ……まずいかも?」
「うん、まずいかもー」
 と、そんな言葉が交わされ始める。
 そんな精霊達の心変わりを鋭く察知したルリが。
「ボク達は百戦錬磨なのです。さっきの約束、覚えてます? 戦いを止めてくれれば、その指輪と交換なのです。ボク達も、せいれーさん達を傷付けたくないのです」
 と言い、カイロも。
「そうですよ。今攻撃を止めてくれれば、先程のコイン、差し上げましょう。これ以上戦うなら……灰にしますよ。繰り返しますが、今回だけの特別商品ですが、どうします?」
 と、再度の交渉を持ちかける。
 ……そんなイレギュラーズ達の交渉に、小声で会話した精霊達は……その手を振下ろした。

●貴方達を信じる。
「分かった……これ、あげる」
 と、イレギュラーズ達の戦と説得に、やっと納得した模様の精霊達。
 まぁ、仲間達も結構ダメージを受けて、これは敵わない……と思ったからかもしれないけれど。
 そんな精霊達に。
「ありがとうございます。でも、皆さん……悪戯好きなのかもしれないですけど、人が死ぬ程のトラップは作るのはダメですよ? 大事な物を守りたかったのかもしれないですけど、ね?」
 とヨハンが優しい口調で語りかけると、それに精霊達は。
「うん。でも、楽しかった……!」
 と、目をキラキラさせて答える。
 どうも精霊達は、本心においてはまだ、悪戯し足りないのかもしれない。
 でも、もうこれ以上危険な罠はしない、という約束に頷いてくれたことを信じる事にして。
「それじゃ、約束ですからこちらを皆さんにあげましょう。約束は大事ですよねぇ」
 『約束』という言葉を何度も繰り返し、その言葉の重みを印象づけるカイロ。
 そして精霊達に対し、約束通りのアールコインを渡し、更には治癒光(試)を掛ける事で、その身をキラキラに包む。
「わぁ……キラキラ……♪」
 と、精霊達はイレギュラーズ達の頭上をくるくると舞踊るのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

精霊達は、皆様の交渉条件を一度は訝しんだ様ですが、粘り強い言葉のお陰で信じてくれた様です。
説得プレイングを見ていて、享楽的な彼女達もそうなるだろうなぁ、と思いましたので、
作戦として、精霊達は一人も退治する事無くの成功とさせて頂きました。

参加頂いた皆様、ありがとうございました!

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