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シナリオ詳細

<FarbeReise>ゴリラのゴリラによるゴリラのためのゴリラダンジョン

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●↑心の綺麗なひとにはこの背景に無数のゴリラが見えるはずそう見えますか見えましたねマジかよ危ねーバナナでもキメてんのか?↑
「ウホホウッホ、ウホウッホウホゴリラ!」
「ウホホウッホ! ウホフランウホ! フランゴリラ!」
「ウホ……ウホ?」
「ウホ…………」
「ウッホ!」
「「ウッホホウッホ!!」」
 フラン・ヴィラネル (p3p006816)ちゃんがゴリラと対話していた。
 これはねゴリラ疎通っていってゴリラと会話できる非戦スキルだよ嘘だよ。
「ウホッホ?」
 話聞いてた? みたいなテンションでフランゴリラが振り返ってきたけど今の内容で理解できたらゴリラ検定一級がとれるはず。
 けど日本国民の98%はゴリラ検定一級取得者だからわかるよねごめんね。
 残り2%は日本国籍をもったゴリラね。
 まあそれは半分ジョーダンもう半分マイケルだし実際画面の前の令和ヤングマンたちは『え~マジ何言ってるか分からな杉田玄白~! 二宮尊徳みあふれて松尾芭蕉も辞さないんですけど~』って思ってるだろうから日本語訳もつけておくね。
 この先ずっとゴリフランちゃんはドラミングしながらウホウホいってるって想像しながら読んでね。

「砂漠地帯であるラサには沢山の遺跡があるよね。カノン・フル・フォーレの呼び覚ました砂の都もそうだし、他にも山ほど砂漠の古代遺跡が見つかってる。
 今回あたしたちがトライするFarbeReise(ファルベライズ)遺跡群もそのひとつだよ。
 この古代遺跡にはたっくさんの『願いを叶える宝』が眠ってて、ハゲ――じゃなかった鴉の盗賊団もそれを狙ってるっていうし放っておけないよね。
 まあこの色宝(ファルグメント)っていうのはひとつひとつの力は小さくてせいぜい『バナナが綺麗にむける』くらいの力しかもってないんだけど沢山集めれば歪んだ願いが叶っちゃうかもしれない。
 だからラサの偉い人たちは世界的にも中立なローレットに確保と収容を依頼したんだよね。
 そうこれがここまでの振り返り。
 今知るべきはあたしたちが今挑むダンジョンだよ。
 そうその名もゴリウホホウッホウホホホワァーホワーッキャホワホワーーーー(ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)」
 失礼途中で翻訳が切れました。

●ゴゴゴゴリランド
 その遺跡はファルベライズ地区に眠る遺跡の一つ『ゴゴリランド』。
 『ゴゴゴゴゴリランド』についての知識は全く無かったが、『ゴリラ専門家』『森ゴリラ』『Gカップ虚乳』『いいドラミングしそう』の異名を持つゴリフランちゃんは見事遺跡入り口に記された石版を解読してくれた。
「ゴゴゴゴゴゴリランドは三つの難関を備えたゴリラダンジョンだよ。
 真のゴリラしかこのダンジョンの奥にある色宝バナナを手に入れることはできない。
 いわばそのゴリラ力を試すための難関なんだ。
 ――転がる大岩。
 ――パズルパネルの床。
 ――謎々石像。
 どれも高いゴリラ力を要求するけどここまでたどり着いたゴリラエキスパートならきっと乗り越えられる。あたしはそう信じてるんだ!」
 サムズアップしながらバナナを向いてみせるゴリフラン。
 彼女のいうように、ここに集まったのはゴリラ力に優れたイレギュラーズいやゴリギュラーズたちであった。
 違うっていうなら両手をパーにして胸へ交互に打ち鳴らしてごらんよ湧き出てくるだろゴリラ力が! なあ!?
「さあ、ダンジョンが待ってる。こいつを攻略して、あたしたちが真のゴリギュラーズだってことを見せつけウホホッッホホワーーーーーー! ホワッキャホワー! ウホホフホホウホオホホホ(ドゴゴゴゴゴゴゴゴ)!」

GMコメント

 やあ、バナナ食べてるかい?
 ゴリラです。
 間違えた。黒筆墨汁です。
 今回のダンジョンはゴリラ力(ぢから)の試されるゴリラダンジョン。
 バナナ喰いながら頭をゴリラにして挑みましょう。
 折角だから相談もゴリラ語でやってみるといいんじゃないかな。

■ゴリラダンジョンのゴリラ魔法
 このダンジョンの中では自分をゴリラだと思い込めば思い込むほどゴリラ力が高まります。
 具体的にはものすごく筋力があがりどんな難関にも筋力で突破できるようになります。
 いつもはクールなおにいさんも毎日セクシーなお姉さんも可愛いショタっこも今日だけはゴリラになってみようね。ウホウホしようね。

 プレイングに『自分がいかにゴリラか』『ゴリラっぽさを出すために今朝やってきた工夫』とかを書いておくと回想シーンとかが挟まりやすくてグッドです。

■第一の難関:転がる大岩
 ダンジョンには一人一本ずつ通れる細い通路があってここへ八人同時にひとりずつ入っていく必要があります。
 そしてなんと後ろから巨大な岩が転がってくるがハイそこのゴリ楽さん早かった! そうですねゴリラなら逃げずに岩をパンチで粉砕しますね。うまい回答ですゴリ田くん座布団もって舞い踊って。
 ゴリラは逃げない。ゴリラは強い。
 高めたゴリラ力でパンチ一発岩を粉砕してください。あなたならできる。なぜならゴリラだから。

■第二の難関:パズルパネルの床
 道を抜けた先で皆さんは合流できますが、その部屋には古代文字が書かれたタイル状の床が。
 もし間違えた床を踏もうものならたちまち床が崩れしたのマグマみあふれる何かに転落してしまうでしょう。
 オイオイブラザー古代文字の意味や並びを調べるなんてよせよ。ゴリラは言葉なんて読まない。ゴリラは前向き。ゴリラは石橋をたたき壊しながら駆け抜ける。
 そうだね高めたゴリラインテリジェンスを用いたダッシュでパネルが壊れるより早く駆け抜けようね。ちなみにパネルの文字は『バ』『ナ』の二種類があって天井から巨大なバナナの石像がぶらさがってるけどそんなのしったこっちゃねえや。

■第三の難関:謎々石像
 たどり着いた先には黄色く輝く色宝イエローバナナ。
 しかしそれを手に入れるには最後の番人である謎々石像に認められなくてはならないのだ。
 よく聞いてごらん石像が今から『朝は四本足昼は二本足』ってはじめるけど――そう、顔面がお留守だね!
 グーを作って鼻と目のあいだンところに勢いよくたたき込めば人って大体黙るよね。石像だって例外じゃない。
 一度暴力モードにはいったら大量のマッスル石像を呼び出して襲いかかってくるけどゴリラ力溢れる君たちならきっと敵じゃない。
 いつも使うスキルや装備をゴリラ風にアレンジしてたたき込もう。ゴリラ魔砲とか称してグーでいこう。
 ゴリラは考えない。謎々の答えとか知らない。全部叩き潰して粉にしたあとゆっくり色宝を手に入れればいだけだ。

 オーケーみんなナイスゴリラ!
 最後はバナナ喰って帰ろう!

■■■アドリブ度(ゴリラ)■■■
 おまえはゴリラだ。
 おれもゴリラだ。
 みんなゴリラだ。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はGです。
 想定外の事態はゴリラ力で突破しますしそもそも想定すらしていません。

  • <FarbeReise>ゴリラのゴリラによるゴリラのためのゴリラダンジョン完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年10月14日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費200RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

咲花・百合子(p3p001385)
白百合清楚殺戮拳
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
奈落の虹
アルメリア・イーグルトン(p3p006810)
緑雷の魔女
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
※参加確定済み※
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
生イカが好き
胡桃・ツァンフオ(p3p008299)
ファイアフォックス
源 頼々(p3p008328)
虚刃流開祖
ハンス・キングスレー(p3p008418)
運命射手

リプレイ


「ウホ……」
 『白ゴリ清楚ウホウホ拳』咲花・百合子(p3p001385)。
 彼女はこの依頼のためだけにステシをゴリラ衣装にしてきた雌ゴリラである。
 入力可能な部分を全部ゴリラにするだけでは飽き足らずエスプリをゴリラに特殊化するほどの気の狂い方であったがゆえ、彼女はゴリラパワーを高めるどころかゴリラそのものとなっていた。
「ウホッホ」
 なので今から百合子のことをリアルなゴリラでご想像頂きたい。
 ほら目を瞑って想像してみて。バナナをゆっくりと剥いてシリアスな顔でかじる美少ゴリラ。背景に点描。肩にとまる小鳥。どうしようたすけてくれ違和感を演出したいのに全然違和感がないよ。
「くっ……どういうことだろう、百合子君がゴリラに見えてくる……」
 『魔風の主』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)は額に手を当て、気分を落ち着けようとバナナをむきはじめた。
 人かじりしてもぐもぐするウィリアム。
「さっきから四肢に力がみなぎるんだ。心に直接ささやきかけるこのウホウホって声は……まさかゴリミナル・オファー(ゴリラの呼び声)……」
 黄金の胸毛皮を撫でながらバナナを握りつぶすゴィリアム。いやゴリラ。
「ウホホウホ! ウッホゴリラ!」
 残念なお知らせだが今からウィリアムも金髪ゴリラ(ロングヘア)でご想像いただくことになった。もうパーティーの8人中2人がゴリラだね。
「ウホホッッホ!」
「ホッホ!」
 『虚刃流開祖』源 頼々(p3p008328)と『虚ゴリラ流直弟』ハンス・キングスレー(p3p008418)いやさゴリラとゴリラが地面をリズミカルにドパドパ叩いてウッホホしていた。
 ごめんもう4人になった。
「思い出すんだハンス! 虚ゴリラ流の長く苦しい修行を共にしウホホッホホッホ! ホワァー! ホワァー!」
「ホッホッホッホッホ! ……ウホ」
 ピタリと動きを止め、正面を見据えるハンス。
 ハンスは突如として淡く輝き始めた。
 おや? ハンスの様子が……?

 デンドンデンドンデンドン(点滅するハンスゴリラをご想像ください)

「ゴラァーーーーー!!」
 おめでとう ハンス は アラブゴリラ に進化した!
 あの石油王が被ってるやつ(クーフィーヤっていうよ)を装着したハンスの周囲に突如として現れるベリーゴリラダンサーたち。
 彼女たちに札束の紙ベルトをピッてきって珍獣の求愛行動かなってくらい頭からまき散らし始めると、黄金の皿に載ったバナナをおもむろに食い始めた。
 しばらくするとカメラ目線でキリッとしたあごひげフェイスを見せつけると……。
「僕の背中についてるのは翼じゃない……シルバーバック(アラブ)だ」
 マジかよそのわっさぁってした翼シルバーバックの毛だったのかよじゃあ老若男女にモテモテじゃん! 現にはべらせてるし!
「ゴリラとは力! ゴリラとは暴力! ゴリラとはパワー! つまりゴリラとはこの我!源頼々改め源ゴリゴリがゴリラのなんたるかを教えてやるウホホホホホ!」
「ウホホホホホ!」
 頼々も頼々で『鞘なんか要らねぇ!』とばかりにあのなにいつも持ってるあの鞘を地面にパァンしたあと力こぶを盛り上がらせてハンサムゴリラスマイルを見せつけてきた。
 ゴリラは強い。鬼よりも強いので鬼即斬の気持ちを高めきった結果ゴリラに行き着くのは必然の理と言えるだろう。
 ゴリラ>鬼。論理学的にも正しい。
 もうパーティーの半数がゴリラになってしまったがまだ人間は残ってるはずなので――
「ウホ。ウッホウホゴリ、ウホ……ふんぬ!」
 鋼鉄のまな板を突如として真っ二つにへし折った『平らな胸族』フラン・ヴィラネル(p3p006816)が豊かな胸(筋肉)を『ンヌッ!』つってパーで叩いた。
 ごめんもう過半数に達してた。過半数ゴリラだ。ゴリラ議会ならもう法案が可決されてる頃だ。
 けどみんな忘れちゃいけない。常識人で今まで染まったネタといえば太ももをぺちぺちされるくらいのものだった『緑雷の魔女』アルメリア・イーグルトン(p3p006810)が居る居る大丈夫彼女こそが最後の人類だか――
「私、ゴリメリア。破壊のゴリラ、アナイアレイターゴリラ。ウ、ウウ、ウホッウホホォーーーーッ!」
 ああああああああああああああああ!!!!
 パープルメカクレゴリラが大地を16ビートでドドドドってハンドスラップするさまをご想像いただけるもんならしてみやがれ!
「ウホホッホ……」
 ニヤリと笑った森ゴリラことフランがゆっくりとバナナを剥きながら回想を始めた。
 そうあれは夕日のまぶしい新緑の故郷。
 高い丘の上、風に髪をなびかせるフランのもとにやってきたアルメリアが『どうしてもいくのね』って言ったらフランいきなり『ウホホッッホ!』とか言いながらバナナの房から一本もぎ取って食い始めた。
『どうしたの……? 悪いものでも食べたの……? なんでいきなりゴリラのマネなんて――』
『ウホホ(アルメリアちゃん……いやゴリメリアちゃん。足りないゴリラ力は今から鍛えればいいんだよ)』
『まって私そんなこと言ってな――なんで今ので通じてるの私!?』
『ウホ!(鍛えればいいんだよ!!!!)』
 圧だけでアルメリアを掴んで連れて行くフラン。
 それから鬼のようないやゴリラのような特訓が始まった。
 そして生まれたのが……。
「バウゥーッ!」
 咆哮するメカクレゴリラもといアルメリアであった。
 ついこの間まで森林警備隊を引き連れて大魔女と戦争してた女のすがたである。
「ウホ! オイラはゴリラ!」
 そんな中で、あざらしちゃんが地面をひれでぺちぺちしていた。
 あっかわいい。いやされる。
 『ガトリングだぜ!』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)のガトリングなんてみえない。
「今日のためにゴリラパワーが高まるトレーニングを重ねてきたウホ!
 みよこのドラミング! これでまぎれもなくゴリラウホ! いくウホー!」
「ゴャー」
 その隣には肉球ハンドを振りかざしてえいえいおーのポーズをした『ファイアゴリラ』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)がいた。
「今日のわたしはゴリラ。がんばるのよ」
 8人中6人ゴリラのなかで自分を見失わない胡桃たち。彼女たちに人間味を頼りつついざダンジョンへと突入しようではないか。……しようではないか!

●ゴリラは強い
「ウホァ」
 ワモンゴリラ(身長2m)がのしのしとナックルウォークしていた。
 白い毛皮の顔だけ海豹のゴリラだった。バケもんじゃねーか。
 ワモンは後ろから大岩の転がってくる気配を察すると、目を真っ赤に光らせて反転。右腕と一体化したガトリングガンを直接岩に叩きつけた。
 岩はしめやかに爆発四散。
「ウホホウホー!」
 最後の人類がゴリラとなったところでお察し頂けようか。
 そう胡桃ゴリラである。
「ゴリラァー!」
 肉球ハンドのついた銀毛皮のゴリラが猛烈なハンドスラップをかましていた。
 どこ。綾智顔の美少女はどこ。
 8人中8人がただのゴリラと化してしまったこのダンジョンで、胡桃は例外なく後方から迫る大岩をゴリラふぁいやーを纏った拳で粉砕した。
 いっぽーその頃美少ゴリラこと百合子は。
「ウホッ!」
 接近する岩の気配を察した瞬間レバー入力からのパンチボタンで周囲の時が止まったかと思うと残像残しながらススーって岩に接近して暗転。
「ウホウホウホウホウホウホウホウホウホウホウホウホウホウホウホーーーーッ!!!」
 激しい連打音が嵐の如く過ぎ去ったあとには既に岩を通り過ぎ、パチンと指を鳴らしていた。
 背後で爆発四散する岩!
「ゴリーヴェデルチ!!!」

「ウホホゴリラ。ウッホゴリラウホホウホ……ウホ?」
 金髪のウィリアムいやゴリィラムは鋭敏なゴリラ感覚で大岩が接近することを察知。
 キューティクル抜群の髪をなびかせて振り返ると、筋肉をボッと盛り上がらせた。
「ホッホゥ! ウホホゴリゴリラ! ホワッキャー!!」
 振り向きざまに繰り出すゴリラ手刀が空間と岩を切り裂き、更に繰り出されたゴリラ掌底が空気と岩を釘打ちのように穿った。
「ホホ? ウホホゴリゴリ。ゴリラゴリラ、ウッホゴリラ!! ウッホホーウ」
 崩れ小石とかわる岩に鎮魂のドラミングを捧げると、そのまま通路を進み始めた。
 そしてこちらはアルメリアもといゴリメリア。
「ウホウホッホホッ! ホホホーッ!」
 ナックルウォークからの躍動感グンバツのナックルダッシュで通路を駆け抜けるメカクレパープルゴリラに突如電流が走った。ごとんと大岩が落ちこちらへ転がってくることを察しての電流か。
 アルメリアは魔方陣を呼び出そうとしてムキッと歯茎をむき出しにした。
 考えること一秒。
「ホホッホ!」
 知るか! という気持ちを込めて振り抜いた拳が岩を粉砕し謎の雷を解き放った。
「ウェヘヘ、ウホホッ! ウホホッ!」
 ドラミングし踊り始めるアルメリア。そうゴリラは悩まない。ゴリラは前向き。ゴリラは行動で示す。身体が動けば答えが出ると知っているのだ。
 それは森ゴリラフランも同様である。
 フランはかつての部下ゴゴリラの白黒写真を胸の谷間(谷間だよ!)から取り出すと『うほ』といって頷いた。
 おそらく深緑イチゴリラに愛されしハーモニア、フラン。
 通路を慎重な匍匐ゴリ進で進むと、どこからともなく仲間達のドラミングが聞こえてくる。
 グルーヴ……。
「ウホッホァッキャ!」
 そんなゴリラマスターフランにとって大岩のトラップなど障害ではない。振り返るまでもなく突き出した足によるバックキックで岩を粉砕。
「ホゥワーーーッキャキャキャキャキャ!!」
 満面の笑みによるナックルダッシュで通路を駆け抜けていくのである。

「ウホ!」
 頼々は突如として壁を粉砕した。
 一ゴリラ一本というダンジョンのルールをここにきて破壊したがゴリラにルールを守らせるなど不可能。
「ウホッホゴリラ!」
 彼が現れたのはそうベストフレンド・アラブゴリラ・ハンス!
「ウホホホホホホ!」
「ウホホホホホホ!」
「「ウホホホホホホ!」」
 高まるグルーヴ。一つになるグループ。転がる岩打ち砕くグーパン。(ここラップ)
 ハンスはケバブ(日本でも有名なアラブ料理。あのナンみたいのにくるまってるのをシャワルマという)を豪快にかじると特に意味も無く頼々側の通路にダイブすると転がってきた岩めがけてゴリラ祖バットキックを繰り出した。
 速さとはパワー。パワーと言えばゴリラ。つまりゴリラは早い。
 高速キックによって真っ二つに切断された岩を指さし、ハンスと頼々はドラミングとハンドスラップによる演奏を始めた。
 サンバのリズムで彼らは次なるフロアへと突き進む。

●ゴリラは振り返らない
 バとナのパネルが並んだバナナの間。間違ったパネルを踏めばマグマみあふれるプールに真っ逆さ――
「Ms.Fran,Shall we gorilla?」
 ネイティブなゴリラ発音で手を差し出す美少ゴリラこと百合子。
「Shall we gorilla」
 ドレスを纏った森ゴリラフランがその手を取り、石油王アラブゴリラことハンスがパチンと指を鳴らした途端どこからともなく現れたゴリラ交響楽団によってダンスミュージックが流れ出した。
 タンゴのゴはゴリラのゴ。
 二人は『ゴ・リ・ラ』の三音リズムでパネルを踏み砕いていくと華麗なるゴリラダンスでフロアを進ウホホホホアアアア!! ウキャァァァーーー!!! ホワァアァ! ホワァアァ!
 それでも残ったパネルを見て、ハンスもといアラブは考えた。
 残されたパネルをちょいちょい飛び跳ねながら移動していくのが果たしてゴリラなのか。アラブなのか。ハンスはコンマ7秒もの長考の末。
「ウホーーーー!」
 地面をドコドゴ殴りながら暴れ回った。砕け散るパネル。あらわになるマグマ的なあれ。
 もうこんなのフロアとかじゃないよマグマだよ。プールだよ。未来の殺人ロボットが親指立てながら沈んでいくやつだよ。
 とか悲観するのは人間のサガ。ゴリラは違う。ゴリラは前向き。ゴリラはいつでも前進する。
「フォオウッ!」
 大地へのパンチによって飛び上がったハンスは白ゴリラことワモンと一緒に大きな樽の中に飛び込んだ。
 樽はぐるぐる回った後二人を射出。
「ゴリラー!」
「オォーーーーーーーーーーー↑↑↑↑↑↑↑ホホホホッ!!!」
 それイイネとばかりに地面パンチで樽に飛び込んだアルメリアも樽から射出。
「オォーーーーーーーーーーー↑↑↑!!!!! ウゥーーーッ! ホホホホ!」
 回転しながら飛行し、二人を小脇に抱えた状態で着地するワモンゴリラ。
「ウホホ。ウホウホゴリラウホゴリラ。ウッホゴリゴリラ」
 ウィリアムは森の賢者らしく端っこの方のパネルをバ・ナ・ナの順番に踏んでいたが……。
「ホッホワーウホホホゥ! ウホゴリラゴリゴリラ!」
 途中で飽きてパネルを粉砕。
 さっきの樽に飛び込んでいくと斜角を高くして自らを発射。
 天井からぶら下がってる巨大バナナを粉砕すると謎のコイーンみたいな音を立てて突っ切っていった。
「ホワキャー! ウホホウホ! ウッホゴリゴリ、ウホホウホ!!」
 こうして難関を突破していったイレギュラーズいやゴリギュラーズたちを見た頼々と胡桃は顔を見合わせ、そして『ウホ』と頷くとダッシュジャンプでマグマみあふれるプールへ飛び込んでいった。
 なんということ。ゴリラたちはマグマダイブで焼け死んでしまったのだろうか!?
「コ゛リャー」
「ウホホホホホ!」
 二人は豪快なバタフライによって再登場。そうゴリラは我慢強い。マグマも我慢できるのだ。これがマグマなのかミートソースなのかはよくわかんないけどすごい形相でダブルバタフライしてるから多分平気なんだと思う。
「「ウッホ!」」
 二人は華麗にY字ポーズをとると再び潜り足を出したままくるくる回り始めた。
 シンクロナイスドスイミングのルーツがゴリラ遊泳であることはあまりにも有名。
 二人はフゥーといってマグマからあがってくると、バナナの皮で汗を拭った。

●ゴリラは考えない
「フー……フー……」
 アルメリアじゃなくゴリメリアが歯茎むき出しにしていた。
 彼女の目の前には巨大スフィンクス。賢き者はここを通れとかいってなぞなぞを出し始めたので……。
「フンッ……フッフッウホホ!! ウホホホホ!」
 サンダーダブルラリアットて顎をゴッてやってやった。
「ウホボォーーッ! グルルォーーッ! キャァーーッ!」
 咆哮によって雷鳴をおこすとスフィンクスの前足んところをボコボコパンチで破壊しはじめる。
 その様子を満足げに頷くフラン。
 フランはゆっくりとダブルバイセップスのポーズをとると、『ンヌ!』と歯をむき出しにして両目をかっぴらいた。
「ウホァァ!」
 フランはそのまま黄金に輝き気をシュオンシュオンさせるとドシュウゥッていう生物からとてもじゃないけど出ないような音でジャンプ。
「ホアッー!」
 パンチ一発でスフィンクスのどっかの部位を粉砕していく。
 すると大量のマッスル石像があちこちから現れてゴリラめがけて突っ込んでくるが頼々こと虚ゴリラ流師範代がその程度でひるむわけはなかった。
「ウホウホウホウホウホ!」
 ドラミングによってゴリラ力をチャージすると空想のゴリラを抜いてマッスルを粉砕した。
 空想のゴリラってなんだよ。
 とにかく吹き飛んでいった大量のマッスルとその衝撃波。
 ハンスは神輿に担がれながら両サイドからあのどこで売ってんのかわかんない巨大内輪で仰がれていたが両目をカッて黄金に輝かせるとゴリラ跳躍。
 空中でくるくる連続宙返りをかけてからマッスルたちの前に着地すると一人一人札束で丁寧にほっぺを殴っていった。
「ウホォッ!」
 誰だって札束には弱い。全人類弱いと言ってもいい。
 ただでさえ強いゴリラに札束が加わったらもう勝てるやつなんていない。
「ゴリラー?」
 その間胡桃はゆーっくりとスフィンクスににじり寄っていた。
 一歩、また一歩と距離をつめ、おもむろにバナナをかじり取る。
「ゴリラー?」
 そこからは圧。ゴリ押しという言葉がゴリラが由来であることはあまりにも有名。
 とか本当に誰か信じちゃいそうなことを平気でいいつつ、胡桃は自信の待とうゴリ炎を小型のゴリラに変えて呼び出し始めた。えっなにできるの? ここではできていいの?
「ゴリラー!」
 獲得したゴリラ性を拳に込めてパンチ。
 それに乗ったウィリアムもまたゴリ手刀によってスフィンクスの横っ腹を粉砕し始めた。
「ホワー! ウホホホゥ! ゴリラゴリラ!ウッホゴリラ!!」
 かと思えばダメージ(?)を受けた仲間に懐からバナナを取り出しそっと差し出す優しさも見せる。そうゴリラは優しい。
「ホワー……パクパクモグモグ」
「トドメだぜ! ゴリラー!」
 ワモンはドゥっとジャンプすると巨大な樽に飛び込み、樽ごと百合子の肩にセットされた。
「ホゥア!」
 発射される回転ゴリラ。
 直撃したスフィンクスの顔面にドゴゴゴゴって多段ヒットが入り続ける中、百合子はまたも残像を作りながら急接近をかけた。
 目にもとまらぬ突きが――スフィンクスを一瞬のうちに粉砕した。
「ホ」
 一瞬で命を刈り取る強さと優しさ。
 百合子達は勝利のドラミングを交わすと、振ってきたバナナをゲットしたのった。

成否

成功

MVP

咲花・百合子(p3p001385)
白百合清楚殺戮拳

状態異常

なし

あとがき

 こうしてゴリラたちは強く優しくたくましく色宝を手に入れたのだった。
 ――ハッ、我等は一体!?
 百合子たちが気づいたときにはダンジョンは跡形も無く消え去り、百合子の手にバナナが残るのみであった。
 あの時間は、空間は、夢だったのだろうか。
 だけど確かに覚えている。
 ゴリラだった、あの時間を……。

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